月村了衛のレビュー一覧

  • 機龍警察 狼眼殺手

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    今回は、経産省が進める国家プロジェクト、その推進役となる外資系インフラ会社と、その利権に群がる政治家、官僚、反社、中国などの暗躍、警察、検察、国税の戦い。内部の階層構造やそこで働く人々の思惑、機関同士の関係性などがとてもよく構築されていて、リアリティ十分。二転三転、伏線回収もアッパレな感じ。警察ミステリー的な小説が好きな人にはぜひオススメしたい。超人的な暗殺者の存在はともかく、期待を裏切らない面白さ。

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    2023年03月05日
  • 土漠の花

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    突然、紛争に巻き込まれたとき冷静な判断をできますか?

    自分の命はなんのためにあるのか、誰のために生きたのか。
    いつ死ぬかわからない状況の中、生きることを諦めなかった男たちの姿が描かれます。

    あらすじは以下の通り。ネタバレは含みません。

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    ソマリアで活動をしていた日本の自衛隊隊員たち。

    そこに駆け込んできた女性。そして突然襲われる自衛官たち。

    隊長を失いながらも、命からがら逃げ出した7人。
    助け出した女性を連れ、拠点を目指す。

    しかし拠点までの道のりで次々に敵の襲撃を受ける。
    犠牲者が1人、また1人と増える中、生き残って無事に帰ることはできるのか。

    死と直面する緊迫感とス

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    2023年01月21日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    詐欺。
    「詐」・・・つくりごとをいう。うそを言ってだます。
    「欺」・・・うそをついて人を迷わす。

    タイトルの通り、本作は「詐欺」がテーマの犯罪小説です。

    私は堅気の仕事なので、新たな世界の物語。非常に興味深いです。

    あらすじは以下の通り。ネタバレは含みません。

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    主人公の隠岐は、日本を騒がせた戦後最大の詐欺集団・横田商事に勤め、そしてその崩壊を目の当たりにしました。

    もう今後は詐欺なんかしない、そう決意した隠岐は文具メーカーのしがないサラリーマンをしていました。
    営業成績はイマイチで邪魔者扱い。
    そんなときに声をかけてきたのが、元横田商事の因幡でした。
    そう、再び詐欺の世界

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    2023年01月21日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    期待通りの大迫力の一冊。今回はチェチェンのテロリストが日本でのテロを画策し潜入、日本警察はその実行をなんとしても阻もうとするが、そこに政治家のスキャンダルと警察内部の権力闘争が絡み、事態は非常に複雑となる。このテロリストを生み出したのはロシアの勝手な都合(民族の団結と少数民族の弾圧という矛盾)と、その矛盾に乗っかる大人たち、中でも男たち。この身勝手さのため、売られたり、薬漬けにされて自爆テロ要員となったり、愛人にされたりする女性、少女たち。今回の首謀者も、元々はこういった女性達を救おうという純粋な気持ちから始まったもの。小説の中の事件は解決されるが、社会の矛盾は一向に解決されない。後味は悪いが

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    2023年01月10日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    四六判は読むのが大変。文庫化してくれ、機龍警察シリーズの四作目、一作毎に前回を超える面白さを提供してくれる。
    今回も、シリーズ中、最高傑作。
    次回は、短編集の「火宅」さてさて、初めての短編はどんな興奮を与えてくれるのか、今からドキドキだ。

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    2022年12月31日
  • 機龍警察 暗黒市場 上

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    機龍警察シリーズ第3弾。今回の主人公は元ロシア警察官のユーリ。現在に至る経緯とかこの秘密が明らかになる。それにしても、とてもよくできている小説。単に登場人物の一人を詳述するだけでなく、全体的なテーマ(今回は、相似形)をいくつも散りばめ、この長編で伏線とその回収を見事に行なっている。読み応えある一冊。また、警察と政治家、闇社会との結びつきにより、一般市民が犠牲になる構図は世界共通なんだということ、オリンピックの疑惑の最中、小説だけじゃないし、外国の話だけじゃないことに暗澹とさせられる。

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    2022年12月25日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    ネタバレ

    龍機兵がほぼ出てこないのに、連続予告殺人の謎に、特捜部×中国人組織×「敵」の三つ巴ドンパチバトルと、シリーズ最多部署間のセクショナリズム闘争で一気に読ませる傑作長編。

    今作一番のポイントはライザの虚無系女子卒業。鈴石とのいざこざも一定落ち着いて、死亡フラグか…と思いきや一命取り留めるので、まだまだ活躍が見たい!

    一方で、絶対怒らせたらヤバいやつから激おこをくらってしまった由起谷は今後、どうなってしまうのか…そう易々と退場することはなさそうだけど、不穏。

    初期はただの裏切り者だと思っていた宮近が、短編「勤行」でコメディ・リリーフにまわった後、どんどん等身大の愛されキャラになっていくのが不思

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    2022年12月13日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 下

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    Audibleにて聴了。

    機龍警察シリーズの第二作。日本の特捜部付き警部ライザ•ラードナーの過去が明かされながら、因縁の〝詩人〟キリヤン•クインによる日本でのテロリズムが交錯する。そして、ライザら、ドラグーン搭乗員の契約に含まれる「自爆条項」。見えぬ闇との戦いが始まった。

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    2022年12月07日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    ネタバレ

    ずっと読むべきだと思いつつ勇気が出なかった本。
    警察小説寄りのSFかと思いきや、SF要素の入った警察小説だった。登場人物が多いのに、それぞれみんなキャラが濃くて、龍機兵登場要員の3名は特に過去の生い立ちが気になる!みんなそれぞれ覚悟があって、今の位置にいると思うけど、早く詳しく知りたい!!!
    ガンダムみたいに、ロボットに乗って闘うシーンはかっこいいし、迫力があって、かといって警察小説としての醍醐味もきちんとあって、久しぶりにハマりそうなシリーズ小説に出会えた気がする!

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    2022年11月25日
  • 機龍警察 暗黒市場 上

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    ネタバレ

    シリーズ第2作。
    初っ端からユーリ・オズノフ警部が警察との契約を解除し、ロシアンマフィアのてぃえーにと呼ばれているアルセーニ・ゾロトフと裏取引をしようと持ち掛けているところから始まり理解が追い付かなかったが、潜入捜査をしていると知り納得。そして今作ではオズノフ警部の少年時代やモスクワ民系時代の過去が前2作同様に描かれている。

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    2022年10月19日
  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上

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    シリーズ第2作。 ラードナー警部について描かれている作品。北アイルランドのテロ組織の元テロリストでるラードナー警部がすごしてきた少女時代、そして、IRFに入るまでにどのような過程があるのかが描かれている。

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    2022年10月18日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    ネタバレ

    機龍警察シリーズ第1作。
    月村了衛先生初読。
    凄い熱量の作品だった。
    警視庁に設立された特捜部には機甲兵装という近接戦に備えた戦闘型兵器があり、その中の新型機である龍機兵を操るためにテロリストや傭兵などがいる。また、この特捜部は警察内部からも目の敵にされており、孤立している。
    立てこもり事件が発生してからの怒涛の展開は凄かったし、この作品だけでは描き切れないような巨大な闇に立ち向かうのも面白い。
    傭兵たちの過去も描かれておりシリーズを通して明らかにされていくと思うので楽しみ!
    早く続編も読みたい!

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    2022年10月17日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    Audibleで聴了。
    やだもう、最高か…
    ちょーたのしかった。
    結局こういうロボット市街ドンパチが好きなんだよ…寄せ集めが活躍する話が好きなんだよ…久々にオタの血が騒いだわー。
    脳内でキャラデザ恩田尚之で読んでました…

    舞台も近場なもんで耳読書最高でした…シリーズどんどんいくぜ。

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    2022年10月07日
  • 機龍警察 白骨街道

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    それにしても異常気象が続いてますね
    日本だけじゃありません
    それこそ世界中で

    これはもう完全に地球が悲鳴をあげてると思いませんか?
    何かしなければ、あるいは何かをやめなければ地球はこのまま悲鳴をあげ続け、人間社会にさらに牙をむくような気がしますが、世界各国の足並みは全くもって揃いません
    うーん、どうしたものか…根幹的なところではみな一致してると思うんですけどね

    そう『地球大切 各国賛同』なんちて

    さて『機龍警察 白骨街道』です

    世界各地の紛争地域が登場する機龍警察シリーズですが、シリーズでは紛争には必ずといって絡んでくる宗教についてもよく記述があり、特に仏教から着想を得たような記述や世

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    2022年09月16日
  • 機龍警察 暗黒市場

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    ネタバレ

    オーディブルで。ユーリオズノフ警部が主役。
    ユーリは、正義感の塊のような警官の父の血を
    そのまま継いだ子供。まっすぐに生きるクラスの人気者。その対局=影というべき落ちぶれたロシアンマフィアの父の子であるゾロトフとの少年時代の友情。落ちぶれた父に日々酷い目に合わせれながらも、父と楽しそうに過ごすゾロトフを目撃するユーリ。ユーリの父が犯罪を犯したゾロトフの父を知らずに射殺してしまった事件。そして、10数年ぶりに
    警官になったユーリと、マフィアになったゾロトフとの
    再会。何かすごく切ない気持ちになった。

    ユーリのモスクワ民警91分署時代の、素晴らしい仲間や上司.恋人との幸せな時代からの暗黒への急展

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    2022年09月10日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    非常に面白かった!警察小説ファンは必読です。
    読後の幸福感と同時に、残る龍機兵シリーズは白骨街道だけという寂寥感も感じています(202208)
    なので白骨街道は読みたいけど手をつけられません。

    今回は冒頭から特捜批判急先鋒の捜ニ鳥居が「本事案は特捜と合同で」。龍機兵ファンには仰天発言から始まります。
    事件もその通りにクイアコンを巡る汚職、脱税、殺人、マネロンに加えてフォングループ、IRF、ライザの過去、鈴石の過去が絡み、更に朧げながら見えてきた『敵』。この複雑で深い闇の事件に対峙するのは『悪魔』沖津。捜査が行き詰まる時に「考えがある」の言葉に希望を託し動き出す捜査員達。
    龍機兵の登場はありま

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    2022年09月01日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    ネタバレ

    オーディブルで。
    最初は、人がたくさん亡くなるので読むのをやめようかと思ったが、個性的な登場人物やスリリングな展開、
    かっこいいアクションの戦闘シーンがあり
    一気に聴いてしまった。今後のシリーズが楽しみだ。

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    2022年08月24日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    お盆休みどうでしたか?

    行動制限なしといってもやはりここまでコロナ感染者数が増加の一途を辿っている中で家でおとなしくしているといった方も多かったのではないでしょうか
    フォローさせて頂いている方たちも家でおとなしく読書という方が多かったようで
    レビューがあがるあがる
    読むのたいへんでしたw

    私は実家がわりと近くにあるので戻っていたんですが客もなく、出かけもせず、ひまでひまでもう朝から飲んだくれておりました

    『帰省退屈 朝晩飲酒』なんちて

    さて『機龍警察 狼眼殺手』です

    今回は特定の誰かというよりは特捜部全体がメイン回という感じ
    強いて挙げれば沖津部長回かな

    それにしてもとんでもないも

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    2022年08月19日
  • 機龍警察 白骨街道

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    面白かったけど、クワンが万能すぎるのと、思わぬ助っ人にちょっとしらけた…。
    城木は気の毒すぎる。
    姿の秘密って何だろうねぇ。

    早く続きを読みたい。

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    2022年08月07日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    いわゆるSF裏警察モノ。たまにはこういう真面目に考えなくても良い小説が必要。ごく近未来の日本でロボット技術の高度化によって犯罪者がロボットスーツを悪用して凶悪犯罪を行うようになっている。これに対抗するための機甲警察が組織され、その中でも特権的な特殊傭兵チームがある。この特殊技術を奪おうとする犯罪者集団と対峙し、警察内での抗争にも巻き込まれる傭兵チーム、と、よくある話だが、キャラクターの豊かな個性と、小説中に散りばめられた伏線とその回収がとても良くできていて、純粋に楽しめる。シリーズもので、次の一冊が楽しみ。

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    2022年07月07日