月村了衛のレビュー一覧

  • 機龍警察 未亡旅団

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    シリーズ4作目。
    今作はチェチェンで家や家族を奪われた女性たちが自爆という手段を用いて日本でテロを行うテロリストとなり、世界に訴えかけると言う物語だった。
    このテロを防ぐために特捜部は捜査を開始する。この捜査を続けていくとチェチェンの悲惨な状況などを目の当たりにして心揺さぶられる特捜部の面々がそれでも彼女たちを制圧しなくてはいけない場面はとても重く哀しい場面だった。
    チェチェンに限らず、世界中で子供や女性がこのような被害を受けていると考えるといたたまれない気持ちになった。
    ただ、この作品は最高だった。

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    2023年09月23日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    ガ○ダムみたいな巨大ロボットが好きな人にはオススメ。警察がテーマだし、正確にはパ○レイバーなのかもしれない。

    ミステリとして出ているので、ミステリ×ロボット?と思いながら読んだ。普段読んでいるミステリと違って、伏線を張った謎解きというよりも、警察が地道に手掛かりを集めて、犯人に辿り着くという構図だった。

    結果、すごく面白かった。

    キャラクターも魅力的で、彼らの背景がしっかり描かれているのがグッド。
    だが、人間関係はギクシャクしており、特に警察間の縦社会、手柄争い、内輪な世界は読んでいて、良い意味でイライラする。

    個人的に推しキャラができたので、シリーズの続編を早くも手を出したいと思っている。楽しみ。

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    2023年08月13日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    素直に話が面白かった。テンポ良く話がどんどん展開していき、そのスピード感と膨らみ自体が、主人公の生き方や内面を投影している感があり、引き込まれる。

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    2023年08月12日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    チェチェン紛争で家族を失った女性だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬこの敵の戦法に翻弄される。一方、城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察組織全体を揺るがす悪夢につながっていた――現代の悲劇と不条理を容赦なく描き尽くす、至高の大河警察小説シリーズ、憎悪と慈愛の第4弾。

    文庫化されたので、9年ぶりに再読。主役だけでなく、ほんのわずかな登場の脇役にいたるまで、印象に残る。

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    2023年07月11日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    質量にちょっとビビッてしまい、読み始めるのに多少の気合が要る本シリーズ(あくまで自分にとっては)。でもいざ物語に触れるや、そんなイメージが実にバカバカしく思えるくらい、圧巻の展開に毎回唸らされる。機龍兵搭乗員の3人とその上司に限らず、それ以外の警察官、更には敵役までも、実に魅力的に描かれるのが素晴らしい。あとがきにもあるように、最初の3作で、件の3人の紹介がある程度なされ、本作からは、いよいよ”敵”にまつわる大きなテーマも動き出した印象。今後、ますます目が離せないな。

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    2023年07月04日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    ネタバレ

    チェチェン人テロ組織「黒の未亡人」との壮烈な戦いを描く。
    過去3作で、メインプロットに絡めて、3人のドラグーン搭乗者の過去を描いてきたが、今作は特捜メンバー、そして女性テロリストにスポットがあてられる。

    チェチェン紛争など報道でしか見てないが、その悲惨さ、特に女子供が巻き込まれる紛争は痛ましすぎて、いくら世界の現実とは言え、読んでて辛かった。

    今回はこの組織との戦いが前面に押し出され、その事案を巡っての”敵”との水面下の確執はあるもののストーリーはいたってシンプル。それだけに、これは映像化したらテンポがあって見ごたえのある作品になりそう。
    過去(作品)との絡みも見事で、相変わらず一級の作品に仕上がっている。

    個人的には、彼女は搭乗要員になる、と思っているのだが。今後はあるかな?

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    2023年06月10日
  • 機龍警察 白骨街道

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    機龍警察シリーズ、6作目。

    今回のテーマはミャンマー・ロヒンギャ問題。至近未来という設定で、今回も龍機兵こそ出てこないものの、別の型の機甲兵装はふんだんに登場し、数多くの戦闘描写が描き込まれているが、その舞台の背景にあるロヒンギャ問題においては現実そのもののように超リアルでシビア。アウンサン・スー・チー統治政権下、日本がどのように対応してきたか、問題点が浮き彫りにされている。また、日本では、国産機甲兵装開発計画が絡んだ権力闘争が繰り広げられ、特捜部が崩壊の危機に晒される。ミャンマー、東京、京都と三舞台で同時進行しながらも、展開はそれぞれスピーディー。断然不利な場面もその直後には好転し、事態は逆転の連続。熱い展開に痺れますワ。そして、最後。ミャンマーの今現在がどうなっているかは誰もが皆が知っていること。なるほど、そういうオチかと。この本はいつ書かれたものかと思いながら読んでいたが、上手くリアルな時事を落とし込んできたなと最後溜息をついた。

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    2023年05月26日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    魑魅魍魎の跋扈する世界 それが現代の日本ということを実感させられる圧倒的な描写と、様々な登場人物の思惑が交差する思考が追いつかない程のスピーディーな展開。傑作です!

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    2023年05月13日
  • 機龍警察〔完全版〕

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    再読だが、やはり面白い。

    シリーズ最初なので、特捜班の設定や立ち位置、機龍そのものの説明なども緻密だが、だれないようにドラマや捜査活動が上手く織り込まれている。

    意外とキャラが多いがどのキャラも丁寧に描かれているし、基本的なドラマがしっかりしているうえに、アクションシーンも描写がうまく緊迫感がある。

    全てにおいて文句のつけようがない完成度の高さ。
    いつかこれの映像化作品を見てみたいが、今の日本の映画界では無理だろうから、Netflix辺りがしっかり製作費を出しくれればいいのだが。

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    2023年04月26日
  • 機龍警察 暗黒市場 下

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    読みごたえがある。シリーズ3冊目で一番良い。
    前作の自爆条項と同様に現在、過去、現在の3パート。今作の主人公は龍騎兵搭乗員のユーリ・オズノフ。
    ロシアの警察官時代の過去パートそれ自体も読ませるが、過去を引きずっているユーリと、過去と現在の事件の繋がりとアクションが重層的に描かれる。

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    2023年04月20日
  • 欺す衆生(新潮文庫)

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    最後までハラハラしどおしで、読んでて止まらなくなった。展開に無理があるなと思う箇所も沢山あるが、娯楽作品として面白い。

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    2023年04月14日
  • 土漠の花

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    ネタバレ

    ソマリア沖での海上自衛隊による海賊対処活動は事実、隣国ジブチには自衛隊にとって初の海外拠点があり、ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛の物語。

    墜落したヘリの捜索救助要請を受け隊長に任命された吉村3尉以下12名が墜落地点へと出発。

    そこへ現地の3人の女性達が命を狙われている、助けて欲しいと駆け込んで来ます。

    避難民として保護した矢先、彼女達を追ってきた武装集団により目の前で2人の女性が撃ち殺され、隊長を含め5人もの仲間が一瞬にして命を奪われる。

    生き残った1人(アスキラ)を保護しワーズデーン小氏族の民兵に追われながら70km先の活動拠点を目指す隊員達。

    自衛隊の隊員が戦闘で命を落とし、交戦する。

    まさに命懸けの戦闘が始まります。

    2014年、当時の安倍内閣が強行採決した所謂「安保関連法」。

    きっと著者である月村了衛氏はこの法に対しそれぞれが真剣に考え、向き合わせたかったのでしょう。

    海外での戦闘で日本の自衛隊隊員が命を落とす。

    ちょっと出来すぎ感はありましたが、手に汗握る戦闘シーン、そこで芽生える隊員達の絆。

    思わず一気読みさせられました。


    内容(「BOOK」データベースより)
    ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!
    著者について
    一九六三年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。二〇一〇年に『機龍警察』で小説家デビュー。一二年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、一三年に『機龍警察 暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、一五年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、本作で第六八回日本推理作家協会賞受賞。他の著書に『水戸黄門 天下の副編集長』『ガンルージュ』『影の中の影』『槐(エンジュ)』など。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    月村/了衛
    1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。12年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、13年に『機龍警察暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、15年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、『土漠の花』で第六八回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    2023年04月09日
  • 機龍警察 白骨街道

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    機龍警察の最新刊。
    ミャンマーで収容された容疑者を
    姿らが、引き取りに行く。
    途中、ミャンマーの警察が護衛に
    付くものの、襲撃される。
    戦闘の描写、徒歩で山中の移動の
    描写は、読書していながら映画を
    観ているような感覚だった。
    今回は、日本での捜査とミャンマ
    ーでの過酷なミッションを繰り返
    して物語が進んでいく。
    結局、〈敵〉の正体は明らかにな
    らず、次のシリーズに続くのか?

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    2023年03月31日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    完全版を先に読んだが、こっちのほうが好きかな。
    いろんな話を盛り込み過ぎた感はあるが、それぞれのストーリーが緻密に描かれている。

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    2023年03月29日
  • 影の中の影(新潮文庫)

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    ジャーナリストと暴力団、それと警察官の捜査がどのように結びつくかと思ったが、綺麗に交わって大変面白かった。

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    2023年03月12日
  • 機龍警察 狼眼殺手

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    今回は、経産省が進める国家プロジェクト、その推進役となる外資系インフラ会社と、その利権に群がる政治家、官僚、反社、中国などの暗躍、警察、検察、国税の戦い。内部の階層構造やそこで働く人々の思惑、機関同士の関係性などがとてもよく構築されていて、リアリティ十分。二転三転、伏線回収もアッパレな感じ。警察ミステリー的な小説が好きな人にはぜひオススメしたい。超人的な暗殺者の存在はともかく、期待を裏切らない面白さ。

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    2023年03月05日
  • 土漠の花

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    突然、紛争に巻き込まれたとき冷静な判断をできますか?

    自分の命はなんのためにあるのか、誰のために生きたのか。
    いつ死ぬかわからない状況の中、生きることを諦めなかった男たちの姿が描かれます。

    あらすじは以下の通り。ネタバレは含みません。

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    ソマリアで活動をしていた日本の自衛隊隊員たち。

    そこに駆け込んできた女性。そして突然襲われる自衛官たち。

    隊長を失いながらも、命からがら逃げ出した7人。
    助け出した女性を連れ、拠点を目指す。

    しかし拠点までの道のりで次々に敵の襲撃を受ける。
    犠牲者が1人、また1人と増える中、生き残って無事に帰ることはできるのか。

    死と直面する緊迫感とスピード感がたまらない、アクション小説です!

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    2023年01月21日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    期待通りの大迫力の一冊。今回はチェチェンのテロリストが日本でのテロを画策し潜入、日本警察はその実行をなんとしても阻もうとするが、そこに政治家のスキャンダルと警察内部の権力闘争が絡み、事態は非常に複雑となる。このテロリストを生み出したのはロシアの勝手な都合(民族の団結と少数民族の弾圧という矛盾)と、その矛盾に乗っかる大人たち、中でも男たち。この身勝手さのため、売られたり、薬漬けにされて自爆テロ要員となったり、愛人にされたりする女性、少女たち。今回の首謀者も、元々はこういった女性達を救おうという純粋な気持ちから始まったもの。小説の中の事件は解決されるが、社会の矛盾は一向に解決されない。後味は悪いが、読み応えのある一冊。

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    2023年01月10日
  • 機龍警察 未亡旅団

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    四六判は読むのが大変。文庫化してくれ、機龍警察シリーズの四作目、一作毎に前回を超える面白さを提供してくれる。
    今回も、シリーズ中、最高傑作。
    次回は、短編集の「火宅」さてさて、初めての短編はどんな興奮を与えてくれるのか、今からドキドキだ。

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    2022年12月31日
  • 機龍警察 暗黒市場 上

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    機龍警察シリーズ第3弾。今回の主人公は元ロシア警察官のユーリ。現在に至る経緯とかこの秘密が明らかになる。それにしても、とてもよくできている小説。単に登場人物の一人を詳述するだけでなく、全体的なテーマ(今回は、相似形)をいくつも散りばめ、この長編で伏線とその回収を見事に行なっている。読み応えある一冊。また、警察と政治家、闇社会との結びつきにより、一般市民が犠牲になる構図は世界共通なんだということ、オリンピックの疑惑の最中、小説だけじゃないし、外国の話だけじゃないことに暗澹とさせられる。

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    2022年12月25日