月村了衛のレビュー一覧

  • 機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上

    Posted by ブクログ

    2010年に刊行が始まった月村了衛さんの『機龍警察』シリーズ。
    似た設定の『機動警察パトレイバー』と比べると、よりサスペンス色の強いシリアスなハードボイルド作品になっています。
    本作はその2作目にあたり、日本SF大賞を受賞し、『このミス』9位に輝いた月村さんの出世作です。
    1作目は読んでいたものの、以降が上下巻ということでなかなか手を出せていませんでしたが、ようやくこのたび読むことができました。
    結論から言うと面白かったです。
    やはりシリーズものなので1作目から続けて読んだほうがいいと思いますが、一応前作を読んでいなくても支障はないようには配慮されているようです。
    設定もよく練られており、一読

    0
    2020年03月29日
  • 機龍警察 狼眼殺手

    Posted by ブクログ

    機龍警察シリーズ、5作目。

    これまで存在さえも不明瞭であった特捜部の《敵》がより形となって現れてきた感じ。現代に置き換えれば5G通信システムといったところか、日中間の一大通信インフラ事業をめぐる経済疑獄に対して、特捜部を始め、捜査一課に捜査二課、組対、公安と、警察組織のオンパレード。そこに国税局なども加わって、協力と軋轢の綯い交ぜ状態。「至近未来」の物語とは言えど、現代に通ずる生々しいリアルを感じました。しかも、今回は龍機兵の戦闘シーンは一切無し。ライザと狼眼殺手の因縁の肉弾戦が今作のアクションシーンを飾り、それも見事でした。
    最終的には龍機兵の特殊システムがカギとなり、シリーズとしてのスト

    0
    2020年01月29日
  • 機龍警察 暗黒市場

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ユーリの「契約破棄」と裏社会への進出というショッキングな出来事から始まる。
    充実した刑事時代、一転して突き落とされた地獄と負け犬の日々、そして現在進行形の潜入操作の「相似」に翻弄されながら、ユーリ、そして特捜は闇の市場を暴くことができるのか。

    潜入捜査の緊張感とワクワク感。
    特捜と組対の合同捜査、そして宮城県警、受け入れがたくとも目的を同じくする者の熱い共闘。
    沖津に翻弄される由起谷夏川コンビ、やはり沖津はすごい。

    龍機兵乗りの中で一番脆い部分を抱えたオズノフ警部が、過去においても現在においてもとにかく大変な目に逢いまくる。
    「影」ゾロトフとの複雑な関係のもつれや、かつての上司ダムチェンコ

    0
    2020年01月26日
  • 機龍警察 狼眼殺手

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まさかの龍騎兵戦闘シーンなしの巻。政治的駆け引きと警察官僚の活躍とテロリストとの肉弾戦で構成される異色の一編。

    その特色が賛否両論を生んでいるが、俺は賛成側。良質な長編シリーズにはこういう回があっても良いと思うのだ…ただし面白ければ…。この本は十分に面白いし、今後のシリーズに大きなうねりをもたらす既設伏線の一部回収と、新たな伏線敷設をやってのけているし。

    狼眼殺手のアクションシーンもオモロイ。ライザについてはもうちょっと強くあって欲しいと思う(あれじゃ、悪い意味で既存の女性ハードボイルド主人公みたい)が、彼女と狼との確執描写は良い。背景が良いからアクションシーンもドキドキ感たっぷりで良い。

    0
    2019年12月02日
  • 水戸黄門 天下の副編集長

    Posted by ブクログ

    あのテレビの水戸黄門を見て知っているなら、抱腹絶倒まちがいなしです。
    特に何も考えずに読んでも、かなりおもしろいです。
    例のドラマを知っていれば、数々のオマージュと作者さんのドラマ愛(?)になおいっそう笑わせてもらえます。

    0
    2019年11月11日
  • 機龍警察 火宅

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    機龍警察シリーズの短編集。サイドストーリーと言えば軽く思えるが、どれも読みごたえのある、手抜きなしの傑作短編集。
    とはいえ、本編の5作(この本以降のもう1作は後で読んでもいいみたい)を読んでおかないと、世界観、キャラクター等が分からず楽しめないので、「まずは短編集で機龍警察シリーズデビュー」という方法はやめた方がいいと思う。
    このシリーズは是非とも刊行順で読んで欲しい。

    遠田潤子風ブルースを感じる表題作に、隠蔽捜査シリーズみたいな話もあるし、なんとガンダムサンダーボルトネタまで。しかもその全てが捨て駒じゃないって、なんという多才っぷり。短編一つ一つに本編以外の直接的つながりはないものの、最後

    0
    2019年10月12日
  • 黒涙

    Posted by ブクログ

    月村了衛『黒涙』朝日文庫。

    日本に於ける黒社会の暗躍を描いた、なかなかハードな作品だった。心の中を一迅の風が吹いていくような読後感。最後まで読ませてくれる。

    主人公の猿渡は黒社会とつながりながら、警察組織の内部に潜み、義兄弟の沈と復讐の機会を狙う。ある日、警察が中国スバイ網の摘発に乗り出し、猿渡は摘発部隊に選抜される。騙し合いと裏切りの果てに猿渡が見る世界は……

    本体価格740円
    ★★★★★

    0
    2019年09月23日
  • 機龍警察 狼眼殺手

    Posted by ブクログ

    シリーズ第6作目で、最高潮に達する面白さでした。
    しかも今回は龍機兵を登場させず…してこれだけ面白いともう先が楽しみで仕方ありませんね。
    警察組織内部の縄張り争いや軋轢、暗闘の面白さ、テロや利権や政治とか犯罪や事件解決への捜査の面白さ、特捜部内での葛藤や苦悶する人間関係、敵味方複雑に入り組んだ中での駆け引き…どれを取っても一級品で、そこへ回復や再生といった人間らしさを取り戻していくドラマが入ってきて、ハラハラし、ドキドキして、涙させられる。このシリーズの面白さは、もう鉄板中の鉄板‼︎ 稀代の天才ストーリーテラーによる最高の一冊!でした。無茶苦茶面白いです。

    0
    2019年09月06日
  • 機龍警察 未亡旅団

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文句なし、鉄板の星×5
    今更俺が書くまでもなく、このシリーズは大傑作である。

    龍騎兵パイロット3人が主人公の3作が終わって、さてどうなるんやろ?と思っていたが、まさかの由紀谷・城木!で、駆け引きモノ現場モノになるんかと思ったら…そういう部分もあってなおかつ、そこも面白いのだが…機甲装兵格闘含むアクションシーンも十分に、どころか壮絶に描かれている。敵方のボスキャラ3人VS龍騎兵3機、手に汗握るシリーズでも屈指のシーンである。

    今作も敵方の設定が凄い。イスラム系チェチェン独立派ゲリラ、しかも女性テロリストのみで構成された集団で、自爆も辞さないどころか自爆が常套化している危険集団である。確保すれ

    0
    2019年02月22日
  • コルトM1851残月

    Posted by ブクログ

     久しぶりに「傑作」と思えた作品。「機龍警察」の頃から、よく耳にしていたので気になっていた作家だけど、読むのは本作が初めて。

     主人公を含めて悪人ばかり出てくる江戸時代を舞台にしたギャング小説。どちらかというと苦手な分野だけど、はじめは謎めいている主人公の背景が、ストーリーの進展とともに徐々に明らかになっていく構成の巧みさに、一気に読んでしまった。また、殺しのシーンの緊迫感の作り方など、とにかく作者の上手さが光る作品だった。

     読後すぐに書店に行って、文庫化している作者の作品を買い込んでしまった。これからが楽しみ。

    0
    2019年03月06日
  • 機龍警察 未亡旅団

    Posted by ブクログ

     一気に読み切った。
     
     女性の描かれ方「聖母」か「鬼女」か、の極端な描かれ方は気になるが、登場人物の書き分けがうまいので、相変わらずテンポよく読めました。

    0
    2018年12月22日
  • コルトM1851残月

    Posted by ブクログ

    ダークで渋い時代小説で江戸時代末期なんだけど、チャンバラではなく、ガンアクションがめちゃめちゃカッコイイ。
    主役も含めて、一癖ある男女のオンパレードで、腹の裏の探り合いばかりゆえに、緊張感がずーっと継続。だからこそ焦るようにどんどん読み進めてしまう。救いがないようだけど、読む人しだいで感想は変わるかも。
    とにかく面白かった。この人の作品は、1つ読むと他の作品も読みたくなる。癖になる感じがする。
    身近な人に読んでもらい、語り合いたい気分になっている。

    0
    2018年12月05日
  • ガンルージュ

    Posted by ブクログ

    月村了衛『ガンルージュ』文春文庫。

    二人の女性が韓国特殊部隊と死闘を繰り広げる荒唐無稽な痛快アクション小説。ユーモラスな要素もあり、雰囲気は映画『トゥルーライズ』にも似ている。

    元公安捜査官のシングルマザー・秋来律子は隠密作戦中の韓国特殊部隊に息子と息子の同級生を拉致される。息子を救出するために律子は元ロックシンガーの体育教師・渋矢美晴と共に韓国特殊部隊と死闘を繰り広げる。

    律子が冷徹な殺人マシーンならば、美晴はお笑い系アマゾネスという感じで二人の掛け合いが面白く、最後まで一気読みだった。そして、美晴が元彼とよりを戻すラストに期待したのだが、それは叶わなかったようだ。

    0
    2018年10月23日
  • 槐(エンジュ)

    Posted by ブクログ

    グロテスクな場面も一部ありますが、手に汗握る展開が続き後半は特に一気に読んでしまった。主人公は中学3年の男子生徒。それから野外活動部の部員達。決して正義のヒーローではない〝槐〟と実は誰よりも本物の教師だった教頭先生。夏休みの合宿で訪れた先での、死と隣り合わせのサバイバルが今始まる‼︎

    0
    2018年07月10日
  • 機龍警察 未亡旅団

    Posted by ブクログ

    機龍警察シリーズ第四弾はこれまでの作風からまたちょっと変えてきた。今回は突撃要員ではなく由起谷・城木が主役。作者の月村さんは特に由起谷がお気に入りなんだろうなというのが伝わってくる(実際、次作の短編集でもフューチャーされている)。今回は戦場で常に犠牲となる女性と子供からなるテロ組織が空いて。自分たちの身を守るための自衛組織がいつの間にかテロ組織に変質していく恐ろしさが書かれている。またそんな組織に物心つくころから身を寄せる少女シーラの心情も上手く描かれている。そのシーラと由起谷との取調室でのやり取りがこれまでの龍機兵との動的活躍とは対照的な静的緊張感に溢れた良作。由起谷は幼いころからテロ組織で

    0
    2018年05月16日
  • 機龍警察 未亡旅団

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    機龍警察、自爆条項、暗黒市場、そしてこの未亡旅団とGW期間に一気読み。今回はユーリも息をのむほどのチェチェンでのテロと憎しみの連鎖、未成年テロリスト カティアと由起谷の交流、全編にちりばめられた機龍兵の戦闘シーン、姿やライザと黒い未亡人<剣の妻>、<風の妻>との死闘、等々、読み応え半端なし。そしてラスト、カティアの手紙には誰もが涙するはず。未読の方は是非一気読みを。

    0
    2018年05月03日
  • 影の中の影(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ノンストップ・アクションで良いな~
    カーガーのキャラも良いけど、懐かしの任侠映画の中で見たような極道達も良かった。
    終章はもっとサラッと纏めちゃって欲しかったな

    0
    2018年04月03日
  • 槐(エンジュ)

    Posted by ブクログ

    五月蠅いだけかと思った教頭が実は…な展開が好きだ。
    アクション展開が必殺シリーズを思わせるという解説に賛同

    0
    2018年03月24日
  • 影の中の影(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    とにかく面白かった。
    事件終了後も丁寧に拾われていてスッキリとした終わり方。
    ただ、世界中にはきっと本書の内容のような、平和な国に暮らす我々には想像もつかない闇の部分がいくらでもあるのだろう。

    0
    2018年03月24日
  • 機龍警察 暗黒市場

    Posted by ブクログ

    機龍警察シリーズ第3弾
    本作はシリーズ中最高傑作の呼び声高い1冊。
    面白さの要因は何と言ってもシリーズが深まり書き手も読み手も機龍警察に慣れてきたこと。
    想像上の兵器、龍機兵の説明とか警備部を取り巻く環境とかいちいち長ったらしい説明が端折られてきて非常に読み易くなった。
    また自分は龍機兵と言うものに慣れてきて頭にイメージが出来るようになってきたので戦闘シーンも臨場感が出てきてスリルを感じるようになった。
    もちろんストーリーは色々なものが詰め囲まれた折り紙つきの面白さです。

    0
    2018年03月14日