椹野道流のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ11作目。淡海先生が、新作のモデルが海里であることをテレビで発表してしまったため、再び海里の周りは騒がしくなる。
信頼していた淡海の裏切りとも思える行動に落ち込む海里に対して、全力で甘やかす家族と、自分が盾になって守ろうとする夏神、優しく励ますロイド、本当に優しい人たちばかり。
でも、だからこそ、その優しい環境に甘んじていていいのか、と厳しい言葉をかける淡海先生もまた、海里のことを案じているのも確かで。やっぱり海里の周りには優しい人たちが集まってくる。
淡海先生が意外としたたかだったけれど、でもそのおかげで自分の足で役者に戻る道を選んだ海里。すぐではないにしても、いつかはばんめし屋を離れる日が来ることを予感させ、少し寂しい気分にもなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第12弾。
相変わらずの迷える子羊たちと、ちょっとズレつつも、"最年長者として"見守り続けるメガネ。
アンリ・シャルパンティエのお菓子が食べたくなっちゃった…
は、置いといて。
作家としての業と覚悟を語る、淡海五朗(おうみ ごろう)
取材で人を傷つけてしまうこともある。
しかし、必ず作品として昇華する、それが作家としての覚悟。
女優として、母として、悲しいことも乗り越えてきた、倉持悠子(くらもち ゆうこ)。
自分の手で選択してきた道だから、今立っている場所に誇りを持ちたい。
海里が元所属していたプロダクションの社長・大倉美和(おおくら みわ)は、口は悪いが心配症。
彼女が見ているのは、ふわふわと危なっかしい若者だった、かつての海里かもしれない。
そして…戦前戦後を生きた、やたらハッキリした(いろんな意味で)今回の幽霊さんは、昔のレシピをそのままなぞっても、同じ味は再現できない、と夏神に言う。
試練を乗り越えて生きてきた大人たちは、それぞれに確固たる考えを持っている。
若者が迷わないよう、アドバイスもしてくれる。
しかし、経験の少ない若者たちには、なんだか皆、違うことを言っているようで、却って迷ってしまうこともある。
海里も、夏神も、やはりこの先も迷いながら、自分の手で道を選び、失敗を重ね、ゆっくりと歩んでいくしかないのだろう。
海里が芝居の道に再び心をとらわれて、応援してやりたい半面、自分から離れて行くような寂しさを感じていた夏神も、この本では、自分の進む道をなんとか見つけて前に進み始めたようで安心した。
まず、日常があって、その中で夢に進む努力は一歩ずつ。
読者も、とにかく見守るしかない。