椹野道流のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ14作目。
もうそんなに来たんだ、と驚く。
だが、マンネリを感じないのは、物語が少しずつ進んでいるからだろう。
キャラクターともすっかりお馴染み。
読み始めると安心する。
「久しぶり、何してた?」という問いに、実はこんなことがあってさ〜、と主人公・五十嵐海里くんが話してくれるエピソード…そんな気がする。
今回は、「亡くなった人の、この世に残した思い」が、今までとは少し違った形で表現される。
海里は演じることに一歩踏み出す。
夏神は、また一つ吹っ切れた。
ロイドの“年の功”が渋く輝く。
今回のお客様は、元・地下アイドルのレイナ。
若い頃は、バンドで、アイドルで、世に出ようと思う子はたくさんいる。
魅力ある世界なのだ。
しかし、不安定な立場だけに、その後を考えるのは難しそう。
倉持悠子さんというキャラクターを登場させることで、随分、作者の伝えたい内容を言えているではないか、という気がする。
“安易に同意してしまうことの危険性”にも気付く。 -
Posted by ブクログ
面白かった~!! 著者はいろいろなシリーズを書きわけはるなあ(当たり前?)。
今、クトゥルフのTRPGにハマッてるせいか、この本はどストライクやった!
ちゅうか、著者がクトゥルフのシナリオとか書いてくれはったらめっちゃ面白いかも。ちゅうか、KPとかやってくれはったらめっちゃ面白くなりそう…。
このシリーズは、医者の卵である遊馬がどう事件を解決していくかっていうのだけがメインではないよね!
そういうのは、鬼籍通覧シリーズやと思う。
著者ならではのそういった医学ネタも織り込みながらのこのファンタジーな。
それも、斬った張ったではなくて(?)わりと舌戦というか、メンタル方面の描写も濃くて、面白い。
こういうのって読者の好みなのかもしれへんくても、私は著者の心理描写はすごい好きなんよね…。
あ、そういう感情にうまく名前をつけはるな…、みたいな、どっかの三文歌詞みたいで申し訳ないけど(笑)、普段なら
「こういうことは、みんな味わってることやし、流さんとあかんよね」
って思いがちなこともちゃんとすくいあげて、珍しいことじゃないからってどうでもいいってことではないよ、ってちゃんと言うてくれるような感じ。
きっと、いろんなことを器用にこなす方なんやろうと思う。
器用にこなす方ほど、些細なこともさらりと流せる技術もたけてるやろうに、敢えて流さずにさらっと並べる、みたいな、そういうイメージ。
(すごいわかりにくい…)
それが、アスマとクリスの、
「甘い世界に生きていて何が悪いのか」
と、いう問答に繋がるのかも。
他人より多く持っているなら、持っていることを引け目に感じるのではなく、かといってそれをみんなに分け与えよう、とまで聖人でもなく(笑)、持っているからこそできることをやろう、と、いうようなさっぱりした前向きさがいいな。
事実は事実っていう、ときおり見せるこのロジカルさが、著者ってここまで空想の達人なのにちょいちょい理系畑に戻らはるよね…
みたいな。(失礼)
強度よりも柔軟性が大事というのも、肝に銘じておきたいです。(;^ω^)
この本は購買リクエストをしたわけではなかったけど、4月初版なのですんごい新しい文庫本でした。
嬉しいー。
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■帯剣(たいけん)
腰に剣を吊(つ)ること。その、吊っている剣。
■蚕食(さんしょく)
(蚕(かいこ)が桑の葉を食うように)片端から次第に他の領域を侵略すること。 -
Posted by ブクログ
鬼籍通覧や最後の晩ごはんでおなじみの、椹野道流さんによる、タイムスリップ(?)法医学ミステリー&ファンタジー(主人公のアスマが飛ばされた先はアスマの知る世界史とは少し異なるようなので、ひょっとするとタイムスリップではなく平行世界への異世界トリップかも)。オレンジ文庫は、「物語好きのあなたに贈る、ライト文芸レーベル」としているだけあって、物語の題材もタッチも謎も法医学要素もライト(ミステリーの要素はコナン君なみ)。あらすじとしては、夏休み中に母の故郷・マーキス島を訪れた医学生のアスマ(法医学に興味アリ)が過去または平行世界のマーキス島にタイムスリップしてしまい、そこで王家で起こった殺人事件の解決に携わる、というもの。題名は「時をかける眼鏡」だけれど、特に眼鏡がタイムスリップの要素になっていることは今のところ、ない笑。でも最後の晩ごはんも眼鏡の付喪神(?)登場したし、椹野さんは眼鏡好きなのかもしれない。日本人だけどマーキス島で違和感ない(むしろ眼鏡が違和感w)理由とか、言葉がわかる理由とか、学生だけど法医学の知識があるところとか、ちゃんと設定してあるところがありがたいw。そして、いつもの椹野さんならではのちょっとおいしそうなごはんも魅力的。あっという間に読めてしまって物足りなさも感じるけど、これはこれで面白いしささっと読めて爽快なので続きも読みます!
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Posted by ブクログ
芦屋の庭付き一戸建てに住む総合病院勤務の眼科医・遠峰の元に、高校時代の後輩にして小説家となった白石が転がり込んでくる。
タイトルままの、ひと月一章構成の12ヶ月ごはん本。
男ふたり、同居することとなった遠峰と白石。普段は各々の仕事をしつつ、白石が概ねの家事を申し出(なので無理せず放棄可)、夕飯は二人で、たまに外食、間食・おやつ。
本当にまったりと、二人の暮らしの『とある日の食』を読む作品です。
椹野さんの作品は、関西舞台・医療関係者・ごはんエピソードがよく盛り込まれていますが、これもまたそのうちの一つで、よりごはんにフォーカスされている。ほっこりと美味しい、癒しのひととき集。
文章では眼鏡男子の遠峰がイラストでは一貫して裸眼(ないしコンタクトかも)なので、表紙やページをめくって出会したときなど「へえ……(ストレートに顔がいい)」と思ってしまう。
ごはん本らしい挿絵イラストも可愛いです。