あらすじ
兵庫県芦屋市。夜から朝まで営業の定食屋「ばんめし屋」で働く元俳優の海里は、後輩の役者、李英に頼まれて芝居の読み合わせに付き合うことに。ところが練習場所に「名も無き役者の幽霊」が現れて……!?
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面白かったなあ。相変わらずの一気読み。ここからは未読なので、なおのこと楽しんで読んだ。
海里くん、ずいぶん料理が板についてきたなあ。最後にピザトーストをささっと作るところなんてすごい。
そしてこのシリーズは、海里くんと夏神さんが「ばんめし屋」であれこれやっていくのが筋かと思ってたら、なんと、海里くんの将来についてしっかり書かれていくの!?
今回の急展開(急でもないのか。ここまでもしっかり伏線あったしな)に、違った印象を受けた。
めちゃくちゃ面白かった。続きがすでに刊行されててよかったー! これこそシリーズ後追いの醍醐味。すぐに続きを読むわ!
李英くんの稽古に付き合っていたところからの、当日の代役という流れは
「そんな展開、ある!?」
って思うけどフィクションやからいいのね!
読み合わせの云々と、ササクラさんとの出会いはしっかり書かれてるから
「急展開やな!?」
とは思っても
「むちゃくちゃやな!?」
とは、思わない。
(このあたりは、字書きとして「なるほどなー」と、かなり思った)
むしろこのスピーディさがいい。
「掴んでこそ生きてくる」という棚ボタについてのコメントもすっごく、「ほおーっ!」て膝を連打した。
確かに、棚からボタ餅が落ちてきても床に落ちてしまったら食べれなくなっちゃうもんね。掴まないとこの言葉の意味をなさないもんね。
そして落ちる前に掴むためには、ぼさっとしてたらあかんもん。どこかでも聞いたことがあるな、ラッキーとか、運というのは、普段の努力の延長線にあるって。
そういう意味かー。そうか、棚ボタ、すごい深い意味合いやったのね。
夏バテについての「ばんめし屋」のみなさんの会話がコミカルで、声出して笑ってしまった。
著者のこういうノリ、珍しい気がする…。いや、著者は面白いやりとりを書かはる印象があるけど、普段はそういうのは抑え気味にしてはる風やと思ってたので…。
先日の「男二人で~」を読んだから、また印象がちょっと変わっちゃったのよね(いい意味で)。
夏神さんの関西弁もいつもより濃かった気がする(いいで)。
ひつこいけど、著者のBLも読んでみたい…。
今回は美味しそうな料理がたくさんでてきたなー。テキはあかんよテキは(笑)。
あと、お蕎麦屋さんもおいしそうやったー!
最後に海里くんが作ってたセミフレッドは、作ってみたい気がする。気がするだけ…(笑)。
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これは夜中に読んではいけなかった…ピザトースト食べたい…
今回はなりゆきで舞台に立たざるを得なくなった海里にドキドキし、自分が芸能界を追われる切っ掛け・元凶に出逢ってしまったにも関わらず声を荒げる事なく冷静に対処出来た事にホッとし、海里の成長を見守る回でした。
夏神さんの出番少なかったの悲しいですが…
いつか舞台に立つ海里を夏神さんに見て貰えると良いね。
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①ギラギラの太陽が②大切だからこそ③捨てきれない夢④今、振り返る、いつかは芸能界に返るのかは気になるところだったが、海里の想いが明確になり、しっかり前を向いて歩き始めるであろう次巻が楽しみ!見守る側の兄、夏神さん、ロイドの想いも暖かくステキ!巻末のレシピも試してみたい!
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今回は、李英くんの舞台稽古に付き合った海里。カラオケボックスで、4日間びっちり稽古して、すっかり相手役のセリフも覚えました。稽古の最終日、憧れの俳優で舞台の監督を務めるササクラさんが、見に来て、海里を悪くないよと評価。舞台を関係者席で見るように誘ってくれた。
そのカラオケボックスの稽古には、元俳優をやっていた松原茂だった。彼は、俳優を諦め、実家の豆腐店を継ぎに地元に帰っていた。その豆腐店は、定食屋でもよく使っていた。でも、息子の茂が亡くなって、豆腐店は廃業した。
李英の舞台を観劇に行くと…楽屋に挨拶に来るよう促され…行ってみると、李英の相手役の定食屋主人役の役者が、急病で出演出来なくなった。代役として海里が出る事に。そして、松原茂も一緒に舞台に立つ事に。
海里の演技も上手くいき、松原さんの姿も、ササクラさんにも見えて、お礼を言われた。
そして、海里は、舞台のお祝いにいつも、松原さんがピザトーストを食べていたと、お母さんに聞いて、食べさせてもらっていたことを伝える。松原さんに、ピザトーストを作って食べさせ、無事に成仏。
また、楽屋から客席に戻る時に、海里を芸能界から追放するきっかけになった女優に話しかけられて謝られた。海里は、今でも彼女を許せないけれど、そんなのはしょうがなかった。俺を踏み台にしてまで掴んだチャンスなんだから、凄い女優になれよ!とエールを送った。
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シリーズ第10弾。
今回は海里の役者への思いと、名も無き役者の幽霊のお話がメイン。
最初から最後まで、すごく良かった。
小説家の淡海先生の「もう一度、役者の道に戻りたくはないかい?」
と言う問いかけから始まっていく。
夏神は、海里が好きな道に戻りたいとき、自分が足枷になりたくないと思い悩み、海里の兄に相談する。
その場面がとても良い。
兄の一憲が「夏神さんは海里の錨だ」と言う。
「あなたという錨と心ゆくまで絆を結んでから旅立ちたいと思っている」
素敵な言葉。
後輩の李英に頼まれて、芝居の読み合わせに付き合う海里。
そこからの展開がまた良い。
海里の成長ぶりが描かれていて、胸が熱くなった。
巻末のお料理レシピも楽しいです。
舞台出ちゃったね!
なんというラッキーアクシデント。さすが小説(笑)偶然が重なりまくって、久々の舞台。良かったねぇ。
ご都合が良いなぁとは思うけど、海里くんがイキイキしたから良かったです。
そして、因縁の女優さんとばったり!
そりゃ、簡単に許せないでしょ。何甘いこと言ってるんだこの女子。海里くんの対応なんて超優しいよ!!さすがだよ!
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役者への未練を持ちながらもばんめし屋の仕事に精を出す海里と温かく見守る夏神とロイド。あの事件があって爪弾きにされたけど、だからこそ憧れの役者さんと代役でも舞台に一緒に立てることができたんだから、海里良かったね。スキャンダル相手の女優さんとも気持ちの区切りがついたみたいだし、改めて一歩かな。茂さんみたいに売れないまま諦める役者さんていっぱいいるんだろうな。で、涼彦さんの話はあれだけでなにもなかったのかな?
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色々詰め込んできた。
ナツさん以外、全員登場?最後にまさかの人物も…
幽霊急に登場。
流れ的にはお前じゃない感あったけどまとまり。
裏テーマは芸能界復帰フラグ?
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海里の芸能界復帰への道筋の体裁が整ってきました。
偽スキャンダルで自分を陥れた女優との再会。恨み止まない海里だけど、冷静に対応できたのは立派でした。
でも許す必要はありません。罪は罪。一人の若者の将来をぶち壊し、その家族にも影響を与えた罪は大きいのです。一生悩み悔いて行く、それが懺悔というものです。
海里の女優への対応にスッキリしました。
そして海里自身もその周囲も、彼が夢に向かうことで変化する日常に覚悟を持ちつつあるような気がします。
夏神と一憲が静かに見守る一方で、ロイドの積極性のバランスも良いな。
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最後の晩ごはんシリーズ。今回は、元俳優の幽霊のお話。最後にもう一度舞台に立ちたいという願いを、海里たちが手助けする。
今作では、海里がついに過去の事件に一応のケリをつける。
芝居への断ち切れない思いを改めて自覚し、自分の弱いところ、ダメなところも分かった上で、今はまだその時ではないと言う海里。すべてを失い自暴自棄になっていた彼が、いつの間にかこんなにも立派に!
気付けばこのシリーズも10作目。彼の成長は嬉しいけれど、どこか旅立ちの時を予感させ、一抹の淋しさと切なさを覚える。
でも、ばんめし屋はカンパニーだと言う海里と、夏神が海里にとっての錨だと言う一憲。そうであるなら、海里が夏神の元を離れたとしても、きっと大丈夫なのだろう。
このシリーズは、ほんとに優しい人ばかりで、読んでて安心する。
夏神さんやロイドはもちろんだけど、さりげなく海里を見守っている仁木さんがまたいい感じ。
そして、今回も地元ネタ満載。あしや竹園は縁がないけれど、正家は懐かしい。オリエンタル劇場はつい先月閉館しちゃったけど、やっぱり自分の知ってる所が登場すると面白さが何割増しかになる。
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淡海から役者の道に戻りたくはないかと問われるもまだ否と答えた海里が、急遽一回限りの舞台出演が決まった李英に頼まれて二人稽古に付き合う。ベテラン俳優の何気ないアドリブの理由が格好良くて迫る。プロ。後半が芝居寄りな分、おまけの三人料理模様が染みた。ばんめし屋をホームに錨を下ろしている海里にほっこりした。
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最後の晩ごはんシリーズ、第10弾。
初心に戻ってみると、この物語は、主人公・五十嵐海里の成長物語なのだった。
記念すべき10冊目は、お客さんはやや控えめで、がっつり海里のお話でした。
読者としても、海里が定食屋の仕事に熱心に取り組む中、ときどき顔を出す、演じることへの未練がとても気になっていました。
座敷で向かい合って座り、「で、そこんとこどうなの?!」と問いただしたい気分だったというか…
今回は、彼からの答えが聞けた気がします。
中間報告だけどね。
ちょっとまとめっぽくて、終わってしまうのかと心配もしましたが、まだまだこれからですね!
芝居の話が真剣すぎて一気に読んでしまい、気がつくと、ご飯食べていなかったなあ~な気分。
それを察してか、“巻末付録”なる章があり、夏神さん、ロイドと3人でワイワイとスイーツを作るエピソードが楽しかったです。
個人的な好みですけど、一憲さんて、やっぱり素敵な人だなあ。
それはそうと、仁木さん、今回は何のために来たんだろう…
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モチーフも主たる登場人物も
そうして場所すらもほとんど変わらない。
そんな限られた条件下で
どうしてこんなに時間を
前に進めていけるのでしょう。
毎回、その作品限りで姿を消す人…もしくは
幽霊が、一見すると変わらないままの人間関係や
その場所の空気にさざ波を立て、確実に、でも
少しずつ変化を与えてゆく。そんな物語。
今作では…いつか訪れるに違いない
旅立ちの日をちょっぴり予感させて
切ないような待ち遠しいような気持ちになりました。
Posted by ブクログ
シリーズ10冊目とは早い!今回の食事はピザトースト、だけど、海里の新たな一歩、がよかったな。お兄さんに話にいく海里兄、なんだかんだ気にかけてる仁木さん。海里がコトの発端となった女優さんを簡単に許してしまわないところに、安易な解決がなくてとても安心した。
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李英が急遽決まった舞台に出ることに、海里はその稽古の相手をしていたが、当日に欠員が出て、舞台に立つことになった。
元役者の幽霊も沈めて、スキャンダルの原因になった女優にも会った。
今後の海里がどうなるのか気になる。
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俳優時代の後輩・李英の頼みで
カラオケ店で台本読みの相手をしたら
幽霊が喜んでくれました〜。
てなわけで。
舞台成功させて、成仏してもらいましょ。
今回は意思疎通のできない系の幽霊でしたが
とってもいい人(幽霊)で
最後に思い出のピザも食べられて
良かった、良かった。
海里が芸能界を追われる原因になった
女優との再会もあり
少しずつ心の傷にも向かい合える強さが
彼の中に育ってきたようですね。
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今回は、ずっと心に引っかかっていたスキャンダルに自分なりのケリをつけることが出来て、海里は、ほんの少し前に進めたかな。舞台のトラブルは李英とササクラさんがあらかじめ仕組んだことかと思っていたけど違ったみたい。最終的に海里は役者に戻るんだろうなあ。
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「ばんめし屋」の店員で元俳優の海里は、
後輩の役者に頼まれて、芝居の読み合わせに
付き合うことに。しかし練習場所に、名も無き
役者の幽霊が現れて…。
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夜だけ営業の「ばんめし屋」を舞台にした、少し不思議な事件とドラマのシリーズ第十作。
海里の芸能人時代をモチーフに淡海が書いている小説はまだ途中のようだが、その淡海から「もう一度役者に戻る気はないのか」という質問を受ける海里に、今度は芸能人時代の後輩役者・李英から舞台の練習を頼まれ台本の読み合わせに付き合うことに。
その最中、駆け出し役者青年の幽霊が現れる。
この流れで行くと、やはり海里は役者の道に戻るのだろうか。
李英の芝居への情熱、名もなき役者の幽霊の人生に触れ、さらに思わぬ舞台出演や因縁のあの人との再会もあり、改めて芝居への思いや自分自身を見つめ直すことになったようだ。
海里の兄・一憲は夏神を『錨』と言ったが、海里にとっての夏神は港のような、どっしりと構えてくれる、そこにいるから安心出来る存在のように思える。
一憲が常識人で小言係だとすれば、夏神はおおらかに受けとめてくれるもう一人の兄のような。
でも夏神は自分が海里の再出発の足枷になってはいけないと思い、海里は自分を救ってくれた夏神に恩返しをしたいと思い…互いに思いあってる関係が良いし、まだ「ばんめし屋」での彼らを見ていたい。
ただ海里がいつか役者に戻るにしても「ばんめし屋」での日々は大きな糧になるはず。
Posted by ブクログ
とうとう海里くんが助っ人とはいえ舞台に立つことになり、これから少しずつそういう流れに進むのかどうなのかが気になります。
あの問題の彼女ともいったん色々な感情を断ち切れたのは今後にとって大きいのではないかと思います。
Posted by ブクログ
最後の晩ごはん、10作目。
芝居への情熱を再確認し、今後自分がどう進んで行きたいのか、ちゃんと自分の中で答えを出した海里は立派だと思った。例え海里が芸能界に復帰しても、夏神さんやばんめし屋という錨があれば大丈夫。でもまだシリーズが続いてほしいので当分は復帰しないでほしいけど!
海里は最初はチャラくていけすかないと思ってたのに、本当に大人になったなぁ。反対に強くて頼もしい夏神さんの弱い面も沢山見えてきたり、それぞれの色々な面を知り、よりキャラクターを好きになりました。
竹園のお肉は高級すぎて手が出ません。眼鏡特製デザートのセミフレッドおいしそうだな。
Posted by ブクログ
暑くてたまらない夏に、弟分から嬉しい連絡が。
自分だけが寄りかかってしまっているのでは? と
誰しも思っている事。
それが、最初に助けてもらった場合は
その思いが強いかと。
進むかとどまるか、は確かに自分が選ぶもの。
誰かに相談して背中を押してもらう事はあっても
手を引いてもらう事は、後悔も禍根も残すもの。
これで良かった、と自分で思わないといけません。
思わぬところから、の弟分の棚ボタ。
これはもしや…と思っていたら、やはり、な棚ボタ。
しかし、あの人とばったり、は予想できませんでした。
謝りたいと思うのも、実行するのも当然です。
とはいえ、それで許されると思うのは浅はかというか
考えが甘いとしか言いようがないです。
何故許してもらえるのか、が理解できませんが
許さない、という選択は当然の事。
きっちりと許されるよう、罪悪感をもったまま
生き続けるべきかと。
これで、どこへと気持ちが傾いたのか。
それはまた、そのうち分かる事?