西尾維新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さすが西尾維新。読んでて頭おかしくなるんじゃないかと思った。
いつも通り、イカれたネーミングセンスや言葉遣いは健在で、賛否両論つきそうな作風に変わりはない。
内容としては、大きなどんでん返しがあるわけではないが、徐々に明らかになっていく事実が読む手を止めさせない。登場人物は全員なかなかえげつない過去を持っており、妊婦というテーマも相まって、可愛らしい(少なくとも私はそう感じた)表紙からはあまり想像できない内容。
一部装丁にかなりのこだわりも感じて、自由にやってると感じたが、「あああ」という叫び声で何行も使うなんてことがザラにあるので、目がとても滑る。 -
Posted by ブクログ
掟上今日子さんは、今日のことしか記憶できない忘却探偵である。記憶が残らないからこそ、後先を考えず大胆な行動ができる。その姿から、私は「今を生きる」ということの本質を教えられているように感じた。
あとがきにあるように、善悪の区別は決して明確なものではなく、後天的な教育や環境によって形作られるものだ。教えられたことが善であれば、それを疑うことなく善だと信じてしまう。和久井翁もその一例だと思う。彼がどのような考えのもとで最後の大仕事をしようとしていたのかは、物語の中で明確には語られていなかった。そのため、アトリエ荘の住人たちは、無償で部屋を提供してもらっていながらも、厳しい規則や人柄の印象から、和久井翁を悪く評価していた。
しかし実際には、彼はアトリエ荘の住人たちによる共同作品を作ろうとしていた。その事実を知ったとき、人は表に見えている情報だけで簡単に判断してしまう存在なのだと強く感じた。
あとがきの「普段から物事を裏から見る癖をつけておくと、混乱せずにすむかもしれない」という言葉は、とても印象に残った。物事には必ず裏があり、一方的な決めつけは危うい。真実は曖昧で、立場や状況によって都合よく変わることもある。
一番最初に知ったことが、必ずしも真実であるとは限らない。さまざまな経験を重ねた先に、初めて見えてくるものがあるのだと思う。信念を持つことは大切だが、同時に裏側を見る視点を忘れないこと。そのバランスこそが、人との関係や世界を穏やかに保つ秘訣なのではないだろうか。