西尾維新のレビュー一覧

  • 暦物語

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    本書は物語シリーズにおけるアララギ君の高校生活最後の一年間を大きく振り返ったものだ。その上で振り返りつつ、小さなエピソードを多数収録したのが本書である。短編集と言ったところだ。このひとつひとつのエピソードにちゃんとオチがあって、かつ物語シリーズらしさが存分に出ている。アニメも好きだがやはり原作もいい。この活字を巧みに使いこなすスタンスは、西尾さん並みのワードマスターでなければ難しいだろう。そしてまた、アララギくんの終始一貫した利他主義は、ここでもブレなかった。もっとも今さら彼にブレが生じるわけもない。殺されても曲がらない彼の信念には、やはり漢としての憧れを抱いてしまう。別に利他主義であることが

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    2024年11月27日
  • 続・終物語

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    「続・終物語」について語っていく。先日ついに読み終えた。時系列としては卒業式の次の日くらいだ。高校を卒業しちょっとしたノスタルジーと喪失感に教われる最中、アララギくんは鏡の中の違和感に気づく。反射的に手を鏡に伸ばした結果、あろうことかアララギくんは鏡の世界に引きずり込まれてしまうのだった。あらすじはこんなものである。当初、このあらすじに目を通したときは内容が緩く感じてしまったのだが、結果から言えばそうでもなかった。ちゃんと出るとこは出るメリハリのついた展開は一貫していて、全然面白かった。今回の物語は割りと衝撃的な部分が多かった気がする。まず驚いたのは鏡文字である。アララギくんが鏡の世界にやって

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    2024年11月27日
  • 扇物語

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    本書では前作同様二話構成になっていて、おうぎライトとおうぎフライトがある。ライトの方ではアララギくんが友人の食飼ちゃんから彼氏とのいざこざについて相談を受けて、それと同時期にガハラさんから別れ話を持ちかけられる。この二つの出来事にはある共通点があって、平謝りされたという点だ。それも異常なまでの謝意で、誠意を押し付けてくる。アララギくんはそのあと老倉さんからも同じく謝り倒される。それらの件からアララギくんは怪異による事案であることを確信して、急遽帰郷する。そこで準レギュラーの日傘ちゃんや扇ちゃんと接触して、犯人探しを始める。それでまた新キャラがでてきてその人が犯人みたいな感じで終わるのだが、前作

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    2024年11月27日
  • 死物語 下

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    めちゃくちゃおもしろかった。物語シリーズモンスターシーズンの中でも、個人的には一番の出来だった。死物語は上下巻ともに本来の物語シリーズらしさが出ていて、最初から読んできた読者としては嬉しかった。しかし千石撫子のサバイバル能力というか、生存力が高すぎる。同い年とは思えない。しかし千石撫子ほど最初と最後の印象が異なる人物も珍しい。初めに登場した時のキャラクター性はもはやない。というか、千石は毎シーズンごとにキャラクターが変わっているな。神にもなればヤンデレにもなるし、最後の方はマジでカッコいい夢追い人だ。あと、専門家連中の秘密がいろいろ発覚したのは興味深かった。ネットで考察が載っていたが、それぞれ

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    2024年11月27日
  • 押絵と旅する美少年

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    美少年どうしの掛け合いが楽しくてまた笑わせてもらった。眉美ちゃんが相変わらずいいキャラをしている。
    最後の美脚のヒョータの短編が爽やかで瑞々しくて好きです。

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    2024年11月11日
  • 掟上今日子の備忘録(単行本版)

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    眠ると忘却してしまう今日子さんが、様々なトラブルに巻き込まれる厄介から依頼され最速で解決していく物語。とても読みやすく、登場人物の名前から個性出てて面白かった。今日子さんの秘密が気になるので続編読むのが楽しみ。

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    2024年11月02日
  • 美少年椅子

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    美少年探偵団シリーズ第7弾。新生徒会長になった瞳島眉美が、あれやこれやと活躍する話。お馴染みの探偵団メンバーもいい味を出している。そして札槻嘘も。

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    2024年10月22日
  • 暗号学園のいろは 2

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    たゆたんのあらすじ、あらすじになってないのもあるよね??
    それはそれとして「縁ちゃんといろいろ!」良いですね

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    2024年10月21日
  • ウェルテルタウンでやすらかに

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    「あなたの書いた小説で、街を自殺の名所に」
    設定がおもしろそうで買った。

    読み終わった後、無性に何かを作りたくなる本。

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    2024年10月05日
  • 怪盗フラヌールの巡回

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    ネタバレ

    アニメやドラマで言う、いい所でCMに切り替わってしまうような、次のお話で、みたいな展開が多くておもしろかった
    西尾先生の作品を初めて読んだが、最初から最後まで、どういう視点で読んでいるか分からなかった
    主人公に感情を感じられなかったし、自分も感情を持たなかった
    あとがきにあったように10年後に読んだらまた違って見えて面白いのかもしれない。
    本とは歴史書である、読書の楽しさを改めて知った
    紙の本は絶やしてはいけない、盗まれてしまうことがあったとしても。

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    2024年10月04日
  • 零崎曲識の人間人間

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    「どうせ無理だ」「できっこない」と諦め癖がある自分にとって本作の主人公であり脇役の零崎曲識に共感をおぼえます…
    そして、曲識が一人の少女との出会いでそんな諦め思考を変えられてしまうのには嫉妬を感じました!


    本作は4章で構成されており、とくに気に入っているのが「ロイヤルロイヤリティーホテルの音階」と「ラストフルラストの本懐」です。

    殺人衝動を抱えた者たちが人間らしく笑って死ぬための集団『零崎一賊』。無差別殺人鬼のなかで唯一殺人に条件をつけている零崎曲識。
    自分の抗いがたい欲求を抑える意志の強さには、禁煙を2度失敗している身として頭が上がらない思いでした…

    そんな精神力がある一方で自分が人

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    2024年10月01日
  • パノラマ島美談

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    美少年探偵団シリーズ第5弾。冬季合宿で無人島に行くことになった一同。そこで奇妙ないくつもの館を訪れる。ミステリーでもあり冒険譚でもある。

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    2024年09月26日
  • デリバリールーム

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    独特な世界観と文体で最初は読み切れるかな?と少し不安もありましたが、徐々にその世界観に引き込まれました。デリバリールームで妊婦さんたちが色んなゲームをして勝ち抜いていく話ですが、そのゲームをいかに攻略するのか謎解き要素もあり楽しめます。個性的な登場人物達のおかげかシリアスすぎず、言葉遊びも多い文体でクスッとしてしまうところもあり飽きません。結末も綺麗にまとめられて、個人的には良い終わり方だったと思います。宮子ちゃんすごすぎるよ!

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    2024年09月17日
  • 短物語

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     物語シリーズで今までに収録されてこなかった短編集。
     読んだことある気がすると思ったら、映画特典の小説だったり。

     物語シリーズ18年間で発表順なので、時系列もあっていないが、こんな話があったんだっけという、何もかも全て懐かしい。

     てか、またアニメシリーズやるのね。
     公式的に物語シリーズって完結したんだっけ?

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    2024年09月16日
  • 掟上今日子の備忘録(単行本版)

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    忘却探偵シリーズ1作目。災難に巻き込まれやすい体質の隠館厄介は、トラブルに遭う度に周囲の人に疑われてしまう。そんな厄介が疑いを晴らすために助けを乞う探偵の1人が掟上今日子。彼女は寝ると記憶がリセットされてしまうので、ほぼ1日で依頼された事件を解決していく。
    事件の結末を自分で推理するには与えられた情報が少なく感じたが、ストーリーや登場人物の掛け合いはおもしろい。シリーズ1作目なので、厄介と今日子さんが過去に関わった事件や、今日子さん自身に関しての謎など、今後のシリーズ展開の布石が随所に散りばめられていてワクワクした。
    ラストの今日子さんのお願いは厄介に助手として働いてもらうとかかなって思ってた

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    2024年09月15日
  • 零崎双識の人間試験

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    家族愛に溢れた殺人鬼が中心となって物語が進んでいくところが厨二心をくすぐってやみません…!

    個性や才能,集団との繋がりっていうのが自分を規定してくれる重要なものなんだろうなっていうのを感じさせられた再読でした。
    ちょうど自分って何者なんだろうなって考えていたところだったので、とても良いタイミングでした。

    学生の頃から読んでは売って、また読みたくなって買ってを繰り返してる一冊。さすがに繰り返しすぎてるので今回は手元に置いておこうと思います…

    「さあ、零崎を始めよう」やっぱりカッコイイ台詞ですね…!!

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    2024年08月27日
  • 化物語(1)

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    ・一周通読。原作未読アニメは何周かしてる状態で読んだ。大暮先生のファンだったから、企画を聞いた時は興奮したな
    ・神作画であることは読む前から分かっていたけど、漫画ならではの迫力ある表現で化物語を読めて楽しかったのと、大暮先生による物語シリーズのリミックスがすごく自然で感動した
    ・負けヒロインの羽川には、アニメの時から心抉られてたけど、漫画版では更にフィーチャーされていて、とても俺得でした

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    2024年08月24日
  • 暗号学園のいろは 1

    匿名

    ネタバレ 無料版購入済み

    面白い!んだけど、暗号が難しすぎる。。最後はおおそうかってなるけど自分で絶対に解けないからスッキリ感が感じられない。。頭がついて行けない。。
    先も読めなくて気になるしクラスメイトも気になったのでまた読みたいです!

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    2024年08月23日
  • 十二大戦

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    アニメが面白かったので、そのまま勢いで原作も読んだ。西尾維新に触れるのはこれが初めてだったけど、彼の言葉遊びの面白さに魅了されて、あっという間に読み終わってしまった。アニメの大半を占めていた余計な回想シーンがないし、殺し合いにおけるそれぞれの心理描写が丁寧で良かった。何度も読み返してる作品のひとつ。

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    2024年08月05日
  • 人類最強の初恋

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    ネタバレ

    西尾維新における雑談は、やっぱり面白い。
    例えば、長瀞とろみのこの台詞。
    「…有名な映画の台本でも、努力は大切だとか、生まれた環境は関係ないとか、そういうメッセージを発するものじゃないですか。…あれって、建前上、あるいはマーケティング上、そう言ったほうがお客さんの受けがいいからそう言っているのかなって思ってましたけれども、最近は、ホンを書いている人は、ひょっとすると本気でそう信じているのかもしれないと、思うようになりました。…才能あるクリエーター達が、才能の大切さをよくわかってないだけなんじゃないかって。」(pp.298-299)
    メタ的に考えると、この後言及されるように発言者の長瀞とろみはど

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    2024年07月28日