強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。
ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った少女たちと巻き込まれ型主人公・阿良々木暦が繰り広げる、不可解で不条理な物語群。独特な新房演出と物語世界がハマりすぎて、7シリーズ+2作の劇場版が制作されたアニメ版から入った人も多いのでは?(阿良々木くんのセリフが全てCV神谷浩史で再現される〜)
1冊あたりが分厚いうえに巻数も多く手を出しにくいイメージの西尾維新作品ですが、本シリーズは1話あたりがサクッと読みやすいボリュームになっているので、入門編にもぴったり。というか、サクサク読みやすすぎ、面白すぎで日常生活に支障をきたす……!
西尾作品らしいキャラクターのポップな破天荒さで読ませ、「人間の弱さが怪異を呼ぶ」というテーマで沼に引きずり込む――清く正しく読書を楽しんでいたはずなのに、いつの間にかぬかるみに足を取られたように心を囚われてしまっているだと……?
自分で自分がコントロールできなくなるほどに、猛烈に何かにハマりたい。そんな願望を持っている人なら読まない手はありません。めくるめく西尾維新ワールドに「蕩れ」ちゃってください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2017年12月29日
上巻、かれんビー。
阿良々木暦とでっかい方の妹・火憐の物語だが、戦場ヶ原ひたぎの過去話も含めている。また、八九寺真宵の行く末もなんとなく匂わせている。火憐、活発で正義でなかなか男前な女の子だけど、弱ったときのほんのちょっと可愛らしい一面も見逃せない。
アニメ先に観たけど、かなり忠実に作られていた。今...続きを読む後のちっちゃい方の妹・月火の話も気になる。
Posted by ブクログ 2014年03月10日
それでも、妹達を誇ることができる。
それは、とても大切なことだと思う。
あと残り数ページのとき、続くのか、どう展開するのか、いろいろ予想した。結局、その予想は外れた。でも、終わり方には納得した、
Posted by ブクログ 2023年12月03日
登場人物たちのリズミカルな会話や本でしか出来ない文字遊びがあり、読んでいてとても楽しかった。メタ発言や下ネタが多々ありコメディにしか思えないのだが、時折り意表を付くような真理に近い発言が出て考えさせられることも多い。今回の作品では、「本当の正義」について考えさせられた。「正義の第一条件は強いこと。...続きを読むだから、正義はいつも勝つ。」この言葉が一番印象に残っている。私たちが思っている正義は実は正しいからではなく、強いからなのかもしれない。そうならば、正しいだけでは「偽物」となる。これが正解なのかはまだ分からないが、これから考えていく上で大切なヒントをもらった気がする。
偽物語(上)読みました。
匿名 2022年09月29日
阿良々木火憐のお話。
戦場ヶ原さんの因縁?の相手貝木泥舟によるおまじないを解決していくストーリー。
貝木はどっち側?本物?偽物?
めちゃくちゃ面白かった。
Posted by ブクログ 2022年04月03日
西尾維新の<物語シリーズ>第3作。『化物語』の後日譚で、暦の二人の妹、火憐と月火の"ファイヤーシスターズ"がメインの回。上巻である本書は、上の妹・火憐にスポットが当てられた、「かれんビー」が収録されている。
毎回の事ながら、言葉遊びを混ぜた"馬鹿な掛け合い"...続きを読むが秀逸。もうこれが全てと言っても良いくらい。(著者本人も言っていることだし。)前作までのような舌を巻いてしまう伏線回収はなかったものの、続きが気になるシナリオ展開も相変わらず。(まあそれもこれも、前述の"馬鹿な掛け合い"があってこそのクオリティなのだが。)
恋人・ひたぎの脅迫(?)シーン、親友(?)・真宵とのエンカウントシーンはいつもながら笑える。加えて、今回は駿河、撫子のご自宅訪問が非常に楽しい。特に撫子との掛け合いが最高過ぎて。普段はおとなしい撫子が、(蛇の怪異に遭っただけに、)"蛇睨み"で暦を狙う"隠れ肉食系女子"の一面を見せるこのシーンは、色んな種類の笑いが止まらない。きっとこのエピソードで、撫子ファンが倍増したに違いない!あと、プレイしてるゲームがメタルギア(MSX2版)なのには爆笑!もう完全に"スネーク"ですわ(笑)
Posted by ブクログ 2020年05月29日
再読、いろいろキャラ造形の部分について参考にするため。
見た目の描写ではなく「会話」、刺さる台詞を如何に作るかが西尾維新先生の手法であるなということで、失敗したのもあるけど、とにかく特徴的な台詞をどんどん投入することかなと。ただ、くどくなる危険性はどうしても避けられない。
西尾維新先生でも十全にそれ...続きを読むを回避しているとはいえない。
Posted by ブクログ 2018年10月11日
時は素直に進んで、暦が高校生の夏休みの話。
「上」「下」と書いてあって、「続く」的な終わりをするのかなあ……と思ったら、ちゃんと完結しました。
つくづく、この作者さんは読者の期待を裏切ってくれる……
おまけに「気が向いたら続きを書きます」的なことまであとがきに書いてあって「上」巻なのに……とな...続きを読むったりもしたり……(苦笑)
そういうのとっても好きです。
そして、本題に入る前に繰り返されるおなじみのキャラクターとおなじみのやり取り。
正直、えーっと、「さっさと本題に入れ……」と思わなくもない。
それでもテンポのいいやり取りなので、読んでて苦にならないけど、私は一体何を読まされてるんだ……? と、ちなみにアニメ化の内容に触れる話もちょいちょい出てきますが、アニメも好きなので見るといいよ!
それこそ、流し見できない感じなので、見るの一苦労なんですが……
いつもの、それこそいつものちょっと不思議な怪異の話なんですが、暦の上の妹に対する思いだとか、扱いだとか、そして何よりもそのキャラクターが明かされる話なので、ぜひ、楽しんでもらえれば、と思います。
分厚いので、根性はいる笑
Posted by ブクログ 2017年07月24日
今回はアニメ見ないままの原作が先で。
相変わらず言葉遊びが上手で、素晴らしかったです。
がはらさんのS度が上がり過ぎて大丈夫?と心配になったのもつかのま、毒が抜けちゃうとか可愛すぎるんですけど(笑)
それにしても暦は裸見すぎでしょー。
みんな見せすぎでしょー(笑)
上巻は火憐ちゃんの怪異話です。
主...続きを読む要キャストはアニメ見てるので読んでても顔が浮かぶんですが、貝木は想像なのでアニメではどんなかなーと楽しみだったり。とにかくなんでもアニメだとどうなってるのか・・・と考えながら読んじゃってました。楽しみ。
Posted by ブクログ 2016年06月18日
阿良々木火憐と月火にまつわる話。外伝的な話で、二人のファンでなければ盛り上がりにはかけるところがあるけれど、ちょこちょこと本編に関わるエピソードが出てくるので、それなりには楽しめた。
Posted by ブクログ 2015年07月23日
再読ー!
再読続きだな、最近
疲れてるのかな?
正義って言うのは難しいね
僕も正義ぶりたいタイプだけど、正義ってマイノリティなんだよね
空気読めよってまわりに思われちゃう
僕の正義は僕の中で正しくないことをしないさせないだけど
それってただの我が儘か
正義ってなんだろうね
正義とか、美しさとか、...続きを読む正しさとか、優しさとかそういうのって人によって違う
他人を理由にするのも場合によっては悪くないし
自分を貫くのにも犠牲が伴ったりする
理想を追求するには必ず誰かが被害を受ける
やはり世界は多数決なのかな?
マイノリティは無視されるんだろうか
譲り合いなんだろうね
うまくやっていくには
譲り合い
難しいけど、僕には少し我慢が必要な気がする
Posted by ブクログ 2014年03月14日
冒頭長い(笑) 遊びすぎでしょう。
いやまぁ、伏線なんですけど、もう作者が本文中(!?)で指摘してるとおり、新規のファン投げ捨てですよ。
とはいえ、暦の正義論、いいですね。
その考えのもとで妹たちを偽物だと切って捨てる。
そして、今思えばこのシリーズ通してなのでしょうが、
「自分と向き合う」こと...続きを読むに最大の価値を置いているのではないでしょうか。
自分の気持ちを、誰かに依存させることが、いつか人を傷つける。傷物語から始まったこのシリーズってそういうことなんだと思います。
バトルシーンは熱い。
もう、激熱です。
Posted by ブクログ 2013年08月04日
かれんの話。かこい火鉢。忍がしゃべった!翼が手助けして貝木にたどりつき己の信じる正義でかれんが立ち向かう。暦に言わせれば正義のヒーローごっこ。正義を貫くにはそれに見合うだけの強さがいるんだ。騙すほうも悪いが騙されるのも悪い。何が本物か見極めないと。
Posted by ブクログ 2013年04月30日
化物語、阿良々木暦の妹達が絡むストーリー。いささか危ないシーンあり(笑)アニメも観てるが、どうもこの姉妹、単純な筈なのに分かりにくい。特に姉の火隣は下巻で遊び過ぎの様相。キャラが会話で暴走したって感じかな。バトルについては肩透かし。そもそも化物語が受けた為の続編の無理だろうなぁ、まぁキャラ変は自分で...続きを読むも中で書いてるけど~これもまた不満はあれど、それなりに面白かったというレベルか。
本編のテーマである「偽物」が定義が主観的で抽象論の域を出ない。さらに、妹への感情吐露が強烈なため主人公の主張に説得力がない。
別に説得力がなくてもいいが、何を伝えたいのかややわかりにくい一編。ただし戦場ヶ原との会話劇はここまでが一番盛り上がっていただろう。
Posted by ブクログ 2023年02月08日
今更読みました。ほんとに今更。まあ、新しい発見があるわけでもなく。ただ、何度もアニメで観た物語は鮮明に情景が浮かぶ。良いのか悪いのかは知らん。
Posted by ブクログ 2022年03月27日
化物語、傷物語に続く3作品目、アララギくんの妹火憐のストーリー。
アニメもだけどどうにも前作を越えられない印象
それは恐らく個人的な問題で私自身に妹がいて、妹に対する所謂シスコン的な描写を受け付けられないからでしょう
作者からしたら勝手すぎる理不尽な理由になりますが他作品と比べて星は3つになりました...続きを読む。
それでもキャラクターたちの掛け合いや秀逸な言葉遊びは読んでいておもしろかった。
Posted by ブクログ 2020年08月09日
ハチに刺された大きい妹の話。
小説じゃ大きい妹だけど、アニメじゃ小さくなったんだっけ?
ハチに刺されて辛そうにしている描写があまり見られなかったなと思ってしまった。
バトルシーンはアニメを思い出しながら楽しく読めました。
火憐ちゃんは暗殺術でも学んでいるんですかね。
Posted by ブクログ 2018年10月29日
上下巻だから仕方がないのかもしれない。
しかし、この上巻は、見せ場がなさ過ぎる。
ほとんどが、暦のハーレム構成員の巡視にページが費やされている。
ファンブック的な位置づけとみれば納得なのだが…。
これの原作で、冬アニメは1クールもつのだろうか。
終盤の火燐と暦の兄妹が格闘対決が最も盛り上がるというの...続きを読むが象徴的。
下巻に期待。
Posted by ブクログ 2016年12月19日
年末年始、アニメがabematvで一挙放送されるということで、久しぶりに「物語」シリーズを読んでみました。
今回は化物語のその後、阿良々木の妹たち、ファイヤーシスターズのお話。
やっぱり西尾維新の言葉遊びはすんごいなー、とただただ感心しました。
どこから浮かんでくるのか凡人にはさっぱりですが、そ...続きを読むんなことはどうでもいいことなのでしょう。
ただただ感心する勇気!
後半の姉妹たちと阿良々木のぶつかり合いも読みどころなのですが、やはり軽妙な会話劇全開な前半が面白い。
小生意気な八九寺との掛け合い、千石のかなり際どい暴走、神原の肉体美…いや花札勝負など、盛りだくさん。
テレビや漫画に勝るとも劣らないエンターテイメント小説が、そこにはあった。
Posted by ブクログ 2015年08月24日
「ここはどこ?私は誰?」を「高校はどこ?わたくしりつ?」と脳内変換するなんて流石だ。
アスタラビスタ。スペイン語で、またいつか。
好きでい続けるための努力は、これ以上なく誠実。
プラシーボ効果。
Posted by ブクログ 2014年06月15日
化物語の後日譚。
といっても、妹たちの遭う怪異がメインテーマです。
しかし、本編キャラが確立しすぎていて、暦がそれぞれのメンバーと絡むは絡むはでストーリーはこじんまりしているのに、そのボリュームはすごいです。
羽川に続き戦場ヶ原もこれでけりがついたのかな。
またファイヤーシスターズが兄の秘密を知る...続きを読むのは下巻に続くようです。
Posted by ブクログ 2014年02月15日
はじめにくらべると面白さは少し下がったような印象。
もともと妹萌え的なのは好きじゃないからかなー。
妹以外の人たちは相変わらず元気そうで何より。
Posted by ブクログ 2013年12月26日
既にアニメで全部見てしまったので、
そうでないような作品と遜色なく評価する事が難しいですが…。
もうページも残りわずか…という状況でも、
全然事態が進んでいない感があるものの、
キャラ同士の掛け合いは楽しいですし、
不思議とテンポは良いのでそんなに気にならないです。
あの関係ないやり取りの中に、はっ...続きを読むとするような事もありますし。
阿良々木君は所謂イケメンではないけれど、
とっても魅力的なキャラクターですよね。
その当たりの独特の匙加減も新鮮です。
Posted by ブクログ 2013年12月01日
前に読んだ時は監禁された辺りで1度放棄。
なかなか読む気になれなくてアニメみたらおもしれー貝木めっちゃいいとか思ってまた読み始めた。アニメ頭で再生しながら読めて楽しかった。
Posted by ブクログ 2013年09月24日
暦の妹たち、ファイアー・シスターズの話。
アニメで予告を担当しているあの二人です。
どーでもいい話ですが、あたしの脳内イメージのなかでは、阿良々木火憐といえば、なぜか『ひぐらし』の園崎魅音が出てきます。
原作を読んでいるときにも、脳内では、火憐が魅音の外見で出てきて、火憐のセリフをしゃべります。
...続きを読むちなみに、『生徒会の一存』シリーズの椎名深夏も、園崎魅音イメージです。
…べつにあたし、とりわけ魅音が好きというわけではないのにw
というか、そもそも『ひぐらし』、マンガ読んだだけで、アニメ見たこともゲームやったこともないのにw
Posted by ブクログ 2013年05月26日
本人が趣味で書いてると公言している通りのできですが、回が進むにつれて中身が薄くなるのは致し方ないのかもしれません。語り部の上の妹の話ですが、怪異といい落ちといい見せ場があまりにも少ないです
Posted by ブクログ 2013年03月28日
物語シリーズの化物語後日談。
物語シリーズをライトノベルと判断するかどうかという不毛な議論に不本意ながらも終止符を打つ物語。
という説明がそもそも不毛なんだけれども。
エンターテインメントでありながら、著者の思想も反映されている本作。
後書きにもあるように趣味として書かれた作品なのだから著者の思...続きを読む想が反映されるのは当たり前といえば当たり前。
そして、西尾さんにはきっと妹がいるのだろうという考えを、妹を持つ兄に実感させるような妹に対する阿良々木くんの意見たち。
Posted by ブクログ 2013年10月19日
“大事なものをなくした経験があるのは。
何も、お前だけじゃねえんだぜ。
「そんな言葉で私を説得できるとでも?」
「説得する必要なんかねーだろ」
「さあ、どうかしら。私のことを、あまり理解のある女だとは思わないで欲しいわね」
「でも、戦場ヶ原。だったらお前、僕のどこに惚れたんだ?」
僕は戦場ヶ原に向か...続きを読むって、言う。
真っ直ぐに睨み返して。
「ここで動かない僕を、お前は好きだと誇れるのか」
「......やば。超格好いい」
ぼそっと。
小声で呟く戦場ヶ原。
いや、急に素に戻らないで。
こっちが照れる。
「私が男だったら恋してるわ......」
「女のままで恋しろよ!」
「してるけど」
「う。む」”
「かれんビー」
青春は、ほんものになるための戦いだ。
“「何言ってんだ。兄ちゃんがいつも言ってんじゃないか——偉そうに」
「へえ、僕が何と言った?」
「あたしと月火ちゃんのことだ。正しい、でも強くない——正義は必ず勝つんだから、負けちゃ駄目だって——」
あたし達のことを。
偽物だって。
「偉そうに、偉そうに、偉そうに!だからあたしは、負けないように——」
「ああ、そのことか」
僕は言って——火憐に近寄る。
いや、もう駄目だ。
まともに動けない。
火憐はこのまま行ってしまうだろう——止められない。そろそろ次のバスも来る。
「その通りだよ。お前は正しい。でも強くない」
「強いだろ、少なくとも兄ちゃんよりは」
「それはどうかな。お前は僕から見れば随分と弱い」
「そんなぼろぼろで何言ってんだ、兄ちゃん」
「力が強くっても意味なんかねーよ。本物に必要なのは——意志の強さだ」
たとえば、羽川の一番すげーとこは。
意志が強いってとこなんだぜ。
「貝木のことを許せないというその感情の、一体どこにお前の意志があると言うんだ。お前達はいつだって、他人のために動いている。誰かのために動いている。そこにお前達の意志はない」
「......違う。あたし達は、あたし達が正しいと思うことをしているんだ。みんなのことは、理由に過ぎない」
「笑わすな。理由を他人に求める奴が、正義であってたまるものか。他人に理由を押しつけて、それでどうやって責任を取るというんだ。お前達は正義でもなければ正義の味方でもない。正義の味方ごっこで戯れる——ただのガキだ」
偽物だ。
決して——本物にはなれない、偽物だ。”