強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。
ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った少女たちと巻き込まれ型主人公・阿良々木暦が繰り広げる、不可解で不条理な物語群。独特な新房演出と物語世界がハマりすぎて、7シリーズ+2作の劇場版が制作されたアニメ版から入った人も多いのでは?(阿良々木くんのセリフが全てCV神谷浩史で再現される〜)
1冊あたりが分厚いうえに巻数も多く手を出しにくいイメージの西尾維新作品ですが、本シリーズは1話あたりがサクッと読みやすいボリュームになっているので、入門編にもぴったり。というか、サクサク読みやすすぎ、面白すぎで日常生活に支障をきたす……!
西尾作品らしいキャラクターのポップな破天荒さで読ませ、「人間の弱さが怪異を呼ぶ」というテーマで沼に引きずり込む――清く正しく読書を楽しんでいたはずなのに、いつの間にかぬかるみに足を取られたように心を囚われてしまっているだと……?
自分で自分がコントロールできなくなるほどに、猛烈に何かにハマりたい。そんな願望を持っている人なら読まない手はありません。めくるめく西尾維新ワールドに「蕩れ」ちゃってください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2017年05月29日
過去から未来へと繋がっている、まさにオフシーズン。
特に、「あせろらボナペティ」は、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが吸血鬼になる前、勝手に人が死んでいく呪いのようなものを持っていた人間の頃の話で、語り部で吸血鬼のデストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターの生き方や矜持が...続きを読む面白かった。
ラストにトリックも仕掛けており、文章も読みやすく、これぞ西尾維新の文体だった。
「つばさスリーピング」も、忍野メメを暦のピンチに助けさせようとした翼の対吸血鬼との冒険譚が面白かった。
「あせろらボナペティ」を読むと、忍の口調のわけがわかって、スーサイドマスターとちゃんと忍と再会して欲しくなった。
スーサイドマスターの唯一の眷属、トロピカレスク・ホームアウェイヴ・ドッグストリングスを食べるスーサイドマスターも、眷属の絆を感じて、良かった。
オフシーズン第一弾としてはとても面白かった!
Posted by ブクログ 2017年04月29日
もう西尾維新の文章ならなんでも面白い。
スーサイドマスターは哀川潤がちらついて好き。
羽川とメメの会話は副音声仕立てでおまけ感が良い。
わざ?ごう?
Posted by ブクログ 2016年07月17日
面白かった。
キスショットが生まれる前の切なくも気高い物語。
「傷物語」に深さを与える。
火憐が目覚め...たかもしれない物語。
忍变化がアニメだとおもしろそう。
忍野メメと委員長の掛け合い。
忍野メメの語りが一語一語、気になる。
委員長の成長(ある意味で退化?)が気になる。
化物語シリーズ...続きを読むのラストを思い出しながら愉しく読みました。
Posted by ブクログ 2016年03月30日
キスショットがどうしてヴァンパイアになったか、と、火憐の修行と、翼の旅の話。
で、どの話も忍が絡んでくるのだが。
「業(わざ)」というより「業(ごう)」だと思うのだがね。
一つの願いのために、何もかもを消失させた姫のそれは自分自身に妥協が出来ないという業なのだと思う。
で、相容れない...続きを読むから、アヤカシにつけこまれる。
まぁ、それを愚かだとは言わないけれど、優しくはない。とういか、美しさと優しさは、実際には相容れないものなのだと思った。
火憐は、自分というワザを磨くために山にいくのだけど…。
相変わらず、お気楽で暦の苦労が思いやるのである。
でも、この子は芯が揺るがなくてすごいな。愚かだけど、決して考えることをあきらめない。
歪んだ人間が多いシリーズの中で、この真っ直ぐさはまぶしいぐらいだ。
そして、忍野に旅の話を語る翼。
って、彼女も人間離れしてきてるのですけど。まさに業火にやかれてる感じなのだが。
それも、好きな男とその彼女のために、って業が深すぎる。
彼女は、斜めになってる欲張りなのだろう。
うん。
今回も面白かった。
Posted by ブクログ 2018年05月05日
通算800冊目。前日譚から後日談、物語の裏側までを網羅する第零話集。「かれんオウガ」が一番面白かった。ファイヤーシスターズの変わらなさは安心して楽しめる。忍の過去もなかなかに壮絶で、ルーツを知れて良かった。しかし、ひたぎさんを引っ張り過ぎじゃないですかねぇ。
Posted by ブクログ 2024年03月16日
オフシーズン!
忍野忍(キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード)、阿良々木火憐、羽川翼の三本だて。
うつくし姫とてもよかった。スーサイドマスターかっこいい。憧れてしまう。哀川さんみがあると思ったら…西尾維新のこういうところがとっても好き。
忍ちゃんがどうやって鉄血にして熱血にして冷血の吸...続きを読む血鬼になったのか、そんなお話。アセロラ姫みたいになりたいわけではないけれど、アセロラ姫みたいな心意気で生きていたい、そう思う私はすでに虜になっているのかも。
忍ちゃんに助けを求めた阿良々木くんに、忍ちゃんはどれほど助けられたのだろう。だからこそ、助けられなかった世界線ではああなったのかもしれない。ここまで絡んでくる物語が読めたことに畏怖と喜びを感じる。忍ちゃんが誰かを助けることができてよかった。阿良々木くんと忍ちゃんが一緒にいるその意味がまた浮き彫りになってうれしい。
火憐ちゃんのお話は思春期の子が読んでも大人が読んでも心に刺さると思う。自分をみつけるというのはとても…とても難しくて、だからこそ尊い行為で、見つけた自分が本当に正しい自分なのかでまた迷って、まるで阿良々木くんみたいだなって思う。阿良々木くんは最後の最後で自分を守る選択ができたから、きっとかれんちゃんもいつか出来るようになるんだと思う。
羽川のお話はまだまだ前日譚という感じ!続きが気になるし、双子の吸血鬼に胸触られた時に言った台詞がとてもすきでした。羽川のためにならなんでもできる阿良々木くん、その阿良々木くんこそが彼女の動機であるという関係性に苦しいけど憧れます。自己犠牲と献身の違いを輪郭を持って教えてくれるこのお話はとてもすきでした。
忍ファン垂涎の一冊。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの前日譚と、忍と火憐の可愛い絡みが見られる回。
お決まりの展開、だからこそツボを外さない。
Posted by ブクログ 2022年06月12日
忍の生い立ち、吸血鬼になるまでの物語の書き方が新しくて面白い!どこまで考えて物語シリーズを書いてきたのか、考えてなくてもこんなに話を広げられるのか、、脱帽!スピンオフも楽しい!
Posted by ブクログ 2017年06月18日
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード誕生秘話。面白かった。
火憐さんはいったいどの領域まで登りつめるのでしょうか。忍かわいい。
羽川翼の冒険譚。こんな九死に一生レベルのエピソードが他にいくつもあるなんてとんでもないですね……。
Posted by ブクログ 2017年04月04日
スーサイドマスターのキャラがお茶目でたのしい。しかし最後の叙述トリックにはやられた。
山登り話はまあそこそこの面白さ。羽川さん話はちょっと小粒過ぎたしご都合主義展開すぎる感。
Posted by ブクログ 2016年07月26日
忍と火憐と翼の短編集。
なんとなく全て忍でつながっている感じがする巻だ。
最初の忍と言うか、アセロラ姫の話は彼女が吸血鬼になった経緯譚。
それにしても吸血鬼になる前の彼女はそんなにも美少女だったんだ。
亡国の美女とは凄いね。
そして救われないなあ。
そういう意味で暦に会って忍は、いやアセロラ姫は初...続きを読むめて救われたのだろう。
そんなウラ事情の物語だね。
あと、忍があの話し方になったきっかけがここで明らかになるとは!
火憐の物語はオチがちょっとよくわからない。
アレは結局蜂の怪異がもう一人の火憐ということなのか?
うーん。
それはともかく、食料なしでちゃんと山から降りられたのかな?
あと、ドーナツで釣られる忍はチョロいな(笑)
最後の委員長には、そんな超人裏設定があったなんて。
つばさ無双!
忍野さんにたどり着くまでにはまだまだ長い物語がありそうで、いつか明らかにしてくれるんだろうか?
オフオフシーズンぐらいかな?(笑)
Posted by ブクログ 2016年07月24日
「あせろらポナペティ」「かれんオウガ」「つばさスリーピング」の3話収録。
どうしても本シリーズは「アニメ化したらどうなるか」という観点が頭から抜けず、今回は「かれんオウガ」をどうやって映像化するかが楽しみになった。また未来への楽しみが出来たね。
ただ、シリーズも長くなってきて、「謎」に対する「...続きを読む解決」、の部分の意外性はうやや薄まってきた気もする。それは長いことシリーズをやってると避けられない事態ではあるかもしれない。が、前作の老倉はそうとう良かったからな……
Posted by ブクログ 2016年04月08日
オフシーズン2冊め。
前作の愚物語も意外と面白かったんだけど、本作も余計な語りが少なくて楽しめる一冊だった。
キスショットの誕生秘話?、火憐の自分探しの旅、翼ちゃんの放浪の旅の3話構成でそれぞれに楽しめたんだけど翼ちゃんの放浪話はまだ1冊帰るだけのネタはありそう。というよりこれでシリーズ化すらできそ...続きを読むうな感じ。
基本的には番外編と言うかスピンオフ扱いのシリーズなんだけど残り2冊?も期待できそう。
Posted by ブクログ 2020年02月23日
やっぱり忍のエピソードが良かったかな。
どうしても、もとの人格と、これまでのエピソードでの感じが結びつかないんですけどね。(^^;
他の 2 エピソードは割と地味な印象でした。
メインキャラクターは割と派手な人達なのに。(^^;
Posted by ブクログ 2019年06月29日
忍ちゃん、火燐ちゃん、羽川さんが主人公。
忍ちゃんがバンパイアになった経緯が明らかになりました。
始祖ではないという話はあったけど、愚物語ですでに伏線があったんですね。
個人的には、アセロラボナペティの最後の締めのところで、忍ちゃんを吸血鬼にした吸血鬼の正体がわかるところが、やっぱり西尾維新はうまい...続きを読むなぁ、と思わせてくれたので、そこが一番お気に入りでした。
Posted by ブクログ 2018年02月19日
ねたばれアリアリで。
忍ちゃんがまだ人間だったころのお話し。名前の由来もあってその名付け親(?)がまさかの女性だったとかそんな殊勝な性格だったのかってところはあれど、なんかいつものスピード感に欠けていたのか私がはまれなかったのか。
まぁ忍ちゃんが恐ろしく美人でそれゆえに今のようになるしかなくて…っ...続きを読むてところが分かればいいや(笑)
二話目の火憐ちゃんは謎が…
オーガって怪物とか鬼らしいけど自分自身の中にも鬼がいるんだよ、把握して自分をみつめなさいってこと?善悪とかの問題?難しい…
ま、結局のところ「ベストコンディションだ」ってとこで(笑)
最終話は翼ちゃん。
せっかく忍野さんを見つけたのにのらりくらりとかわされて。連れて帰れるといいねぇ。
「好きな男の子が親友と幸せになる手伝いができればと思ってるんですけれど…」って。ああもうほんとに翼ちゃんが誰よりも幸せになって!
Posted by ブクログ 2017年11月04日
読み終わってしばらくしてから気づいたが、ということはキスショットは今も、内面も非常に美しいということであり、その内面が春休みの行動に繋がっていくんだなと思った。
そこまで内面も美しいキスショットが、あんなにも阿良々木くんに執着するというのはすごいことだな。
火憐ちゃんが自分と会いに行くことで、蜂を...続きを読む克服したのもスッキリした。
羽川さんの吸血鬼化は、絶対に映像で観たい。
Posted by ブクログ 2017年03月26日
1.忍ちゃん=アンダーブレード⇒うつくし姫=ローラ姫が吸血鬼になった時の物語
2.かれんの免許皆伝三山踏破の道中のお話(これも忍がフォローする)
3.つばさのドイツでの対双子の吸血鬼のお話(ドラマツルギーが出てくる)
3話のうち一応なんらかの形ですべて吸血鬼がからむ(ちょっと無理がある感あるけど・・...続きを読む・・)
Posted by ブクログ 2017年03月13日
「うつくし姫」
「あせろらボナペティ」
「かれんオウガ」
「つばさスリーピング」
の4話。
600年ほど前、今はもう滅びた国に『うつくし姫』と呼ばれる女の子がいました。その美しさに誰もが命をささげ、彼女が歩く道は死体の山となりました…。鉄血にして熱血に
して冷血の吸血鬼誕生の瞬間が語られる。
Posted by ブクログ 2017年03月04日
物語シリーズ第20巻目、オフシーズン2巻目。
「うつくし姫」
「あせろらボナペティ」
「かれんオウガ」
「つばさスリーピング」
の4話収録。
といっても「うつくし姫」は「あせろらボナペティ」の前振り的超短編童話でした。
今回も各ヒロインの第零話集ということで、ここから彼女たちの物語が拡散して続いて...続きを読むいくという感じです。
基本的にはこれまでの物語シリーズのその後を描いているのですが、キスショットの話だけは600年前の物語ということで異質でありながら、発端的なエピソードでよかったです。
まだまだ続くというか終わらない物語になりつつありますが、面白いものの、暦とヒロインとの延々と続く軽妙な掛け合いがなく、シリーズとしては勢いが衰えている感じが否めません。
Posted by ブクログ 2016年10月26日
面白かった。全部が一人称で綴られている。
言葉のテンポがいいのでサクサク読めるが、多少くどいので、読んだ量の割にはストーリーが進まないので結果的にテンポがいいんだかそうでないんだかよくわからない。
忍野忍の生い立ち、阿良木火憐の自分探し、それぞれオチが意外で面白かった。
Posted by ブクログ 2016年10月08日
前作より話としては面白かった。特に忍ちゃんの過去が分かったのは展開として面白い。元は人間だった、そして吸血鬼となった経緯までの悲しいお話。また羽川の忍野を探す道中でのドイツのお話も良かった。
面白くないのは「かれんオウガ」だった。これ、いる?
Posted by ブクログ 2016年10月04日
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(最早あっているかどうかも疑わしい)の、過去の話が読めて良かった。まさかそんな経歴だとは…今はただの金髪ロリ幼女なのに…。
その他ファイヤーシスターズの火憐ちゃんの修行やら、羽川さんの海外での活躍やらがぎゅっと詰まった一冊で楽しく読めました。こ...続きを読むこのとこ、忍野扇ちゃん関連話でなんだかずーんとなってましたので。
Posted by ブクログ 2016年09月29日
<物語>シリーズのサイドストーリー集なので、本編を少しでも読んでいない人には、ちんぷんかんぷんだろう。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(忍野忍)が吸血鬼となった誕生譚、阿良々木暦の妹火憐の冒険譚他一遍。
最終話のみ小説としてそれなりの体裁を持っているが、読み解くには相当の...続きを読む読解力を要する。
前2篇は楽屋受けの域を出ない、といったら言い過ぎか。
Posted by ブクログ 2016年08月14日
このOFF SEASONは化物語シリーズの、作者の未練と思える。それにしても、うつくし姫は遊び過ぎ。忍ちゃんのイメージが変わりすぎる。描写もきついし、ユーモアも言葉遊びレベル。結局は、最後の一言の為の内容なんだろうなぁ~森博司パターン(笑)
火憐のストーリーも忍ちゃんを絡ませながら、最後のページの為...続きを読むとなる。委員長編は・・これは肩透かしだなぁ・・どんでん返しが簡単すぎるでしょう(^^;
Posted by ブクログ 2016年06月18日
うつくし姫は昔の忍ちゃんなんだが、美し過ぎて傾国どころか滅国のお姫様。スーサイドマスターはなんだか今後出てきそうな感じもあるので楽しみ。
翼ちゃんはメメに会うまでの出来事語り。
Posted by ブクログ 2016年06月02日
忍、火憐、羽川、それぞれの話。
忍というよりキスショットの起原となるような話。
火憐の修業話。
羽川の世界を旅したときの話。
羽川の話は他にもありそうだからいつかまたありそう。
Posted by ブクログ 2016年03月05日
オフシーズン第2弾。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは如何にして吸血鬼となりしか。忍野忍がまだ人間だった頃を描いた「あせろらボナペティ」は、「えっ!?」と驚く最後の一行も含めて面白かった。
Posted by ブクログ 2016年08月18日
物語シリーズ・オフシーズン第二弾。メインはハートアンダーブレードの誕生秘話。口調、笑い方の裏設定など、ファンは楽しめる内容。ただ動きがとぼしいのでアニメにできるのか勝手な心配をしてしまう。叙述トリックに途中で気付くのは無理なのでは?かれんオウガは主にギャグ、こういうのは意外と久々かも。つばさスリー...続きを読むピングは羽川の冒険譚、まさかあんな切り札を隠し持っていたとは。オフ・シーズン第三弾も楽しみだけど、伝説シリーズ、忘却探偵シリーズも含めるといよいよ読むのが追いつかなくなってきた。