強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。
ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った少女たちと巻き込まれ型主人公・阿良々木暦が繰り広げる、不可解で不条理な物語群。独特な新房演出と物語世界がハマりすぎて、7シリーズ+2作の劇場版が制作されたアニメ版から入った人も多いのでは?(阿良々木くんのセリフが全てCV神谷浩史で再現される〜)
1冊あたりが分厚いうえに巻数も多く手を出しにくいイメージの西尾維新作品ですが、本シリーズは1話あたりがサクッと読みやすいボリュームになっているので、入門編にもぴったり。というか、サクサク読みやすすぎ、面白すぎで日常生活に支障をきたす……!
西尾作品らしいキャラクターのポップな破天荒さで読ませ、「人間の弱さが怪異を呼ぶ」というテーマで沼に引きずり込む――清く正しく読書を楽しんでいたはずなのに、いつの間にかぬかるみに足を取られたように心を囚われてしまっているだと……?
自分で自分がコントロールできなくなるほどに、猛烈に何かにハマりたい。そんな願望を持っている人なら読まない手はありません。めくるめく西尾維新ワールドに「蕩れ」ちゃってください!
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Posted by ブクログ
過去から未来へと繋がっている、まさにオフシーズン。
特に、「あせろらボナペティ」は、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが吸血鬼になる前、勝手に人が死んでいく呪いのようなものを持っていた人間の頃の話で、語り部で吸血鬼のデストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターの生き方や矜持が面白かった。
ラストにトリックも仕掛けており、文章も読みやすく、これぞ西尾維新の文体だった。
「つばさスリーピング」も、忍野メメを暦のピンチに助けさせようとした翼の対吸血鬼との冒険譚が面白かった。
「あせろらボナペティ」を読むと、忍の口調のわけがわかって、スーサイドマスターとちゃんと忍と再会して欲しくなった。
スーサイドマスターの唯一の眷属、トロピカレスク・ホームアウェイヴ・ドッグストリングスを食べるスーサイドマスターも、眷属の絆を感じて、良かった。
オフシーズン第一弾としてはとても面白かった!
Posted by ブクログ
面白かった。
キスショットが生まれる前の切なくも気高い物語。
「傷物語」に深さを与える。
火憐が目覚め...たかもしれない物語。
忍变化がアニメだとおもしろそう。
忍野メメと委員長の掛け合い。
忍野メメの語りが一語一語、気になる。
委員長の成長(ある意味で退化?)が気になる。
化物語シリーズのラストを思い出しながら愉しく読みました。
Posted by ブクログ
オフシーズン!
忍野忍(キスショットアセロラオリオンハートアンダーブレード)、阿良々木火憐、羽川翼の三本だて。
うつくし姫とてもよかった。スーサイドマスターかっこいい。憧れてしまう。哀川さんみがあると思ったら…西尾維新のこういうところがとっても好き。
忍ちゃんがどうやって鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼になったのか、そんなお話。アセロラ姫みたいになりたいわけではないけれど、アセロラ姫みたいな心意気で生きていたい、そう思う私はすでに虜になっているのかも。
忍ちゃんに助けを求めた阿良々木くんに、忍ちゃんはどれほど助けられたのだろう。だからこそ、助けられなかった世界線ではああなったのかもしれない。ここまで絡んでくる物語が読めたことに畏怖と喜びを感じる。忍ちゃんが誰かを助けることができてよかった。阿良々木くんと忍ちゃんが一緒にいるその意味がまた浮き彫りになってうれしい。
火憐ちゃんのお話は思春期の子が読んでも大人が読んでも心に刺さると思う。自分をみつけるというのはとても…とても難しくて、だからこそ尊い行為で、見つけた自分が本当に正しい自分なのかでまた迷って、まるで阿良々木くんみたいだなって思う。阿良々木くんは最後の最後で自分を守る選択ができたから、きっとかれんちゃんもいつか出来るようになるんだと思う。
羽川のお話はまだまだ前日譚という感じ!続きが気になるし、双子の吸血鬼に胸触られた時に言った台詞がとてもすきでした。羽川のためにならなんでもできる阿良々木くん、その阿良々木くんこそが彼女の動機であるという関係性に苦しいけど憧れます。自己犠牲と献身の違いを輪郭を持って教えてくれるこのお話はとてもすきでした。
Posted by ブクログ
スーサイドマスターのキャラがお茶目でたのしい。しかし最後の叙述トリックにはやられた。
山登り話はまあそこそこの面白さ。羽川さん話はちょっと小粒過ぎたしご都合主義展開すぎる感。
Posted by ブクログ
オフシーズン2冊め。
前作の愚物語も意外と面白かったんだけど、本作も余計な語りが少なくて楽しめる一冊だった。
キスショットの誕生秘話?、火憐の自分探しの旅、翼ちゃんの放浪の旅の3話構成でそれぞれに楽しめたんだけど翼ちゃんの放浪話はまだ1冊帰るだけのネタはありそう。というよりこれでシリーズ化すらできそうな感じ。
基本的には番外編と言うかスピンオフ扱いのシリーズなんだけど残り2冊?も期待できそう。
Posted by ブクログ
忍ちゃん、火燐ちゃん、羽川さんが主人公。
忍ちゃんがバンパイアになった経緯が明らかになりました。
始祖ではないという話はあったけど、愚物語ですでに伏線があったんですね。
個人的には、アセロラボナペティの最後の締めのところで、忍ちゃんを吸血鬼にした吸血鬼の正体がわかるところが、やっぱり西尾維新はうまいなぁ、と思わせてくれたので、そこが一番お気に入りでした。
Posted by ブクログ
ねたばれアリアリで。
忍ちゃんがまだ人間だったころのお話し。名前の由来もあってその名付け親(?)がまさかの女性だったとかそんな殊勝な性格だったのかってところはあれど、なんかいつものスピード感に欠けていたのか私がはまれなかったのか。
まぁ忍ちゃんが恐ろしく美人でそれゆえに今のようになるしかなくて…ってところが分かればいいや(笑)
二話目の火憐ちゃんは謎が…
オーガって怪物とか鬼らしいけど自分自身の中にも鬼がいるんだよ、把握して自分をみつめなさいってこと?善悪とかの問題?難しい…
ま、結局のところ「ベストコンディションだ」ってとこで(笑)
最終話は翼ちゃん。
せっかく忍野さんを見つけたのにのらりくらりとかわされて。連れて帰れるといいねぇ。
「好きな男の子が親友と幸せになる手伝いができればと思ってるんですけれど…」って。ああもうほんとに翼ちゃんが誰よりも幸せになって!
Posted by ブクログ
読み終わってしばらくしてから気づいたが、ということはキスショットは今も、内面も非常に美しいということであり、その内面が春休みの行動に繋がっていくんだなと思った。
そこまで内面も美しいキスショットが、あんなにも阿良々木くんに執着するというのはすごいことだな。
火憐ちゃんが自分と会いに行くことで、蜂を克服したのもスッキリした。
羽川さんの吸血鬼化は、絶対に映像で観たい。
Posted by ブクログ
「うつくし姫」
「あせろらボナペティ」
「かれんオウガ」
「つばさスリーピング」
の4話。
600年ほど前、今はもう滅びた国に『うつくし姫』と呼ばれる女の子がいました。その美しさに誰もが命をささげ、彼女が歩く道は死体の山となりました…。鉄血にして熱血に
して冷血の吸血鬼誕生の瞬間が語られる。
Posted by ブクログ
物語シリーズ第20巻目、オフシーズン2巻目。
「うつくし姫」
「あせろらボナペティ」
「かれんオウガ」
「つばさスリーピング」
の4話収録。
といっても「うつくし姫」は「あせろらボナペティ」の前振り的超短編童話でした。
今回も各ヒロインの第零話集ということで、ここから彼女たちの物語が拡散して続いていくという感じです。
基本的にはこれまでの物語シリーズのその後を描いているのですが、キスショットの話だけは600年前の物語ということで異質でありながら、発端的なエピソードでよかったです。
まだまだ続くというか終わらない物語になりつつありますが、面白いものの、暦とヒロインとの延々と続く軽妙な掛け合いがなく、シリーズとしては勢いが衰えている感じが否めません。
Posted by ブクログ
前作より話としては面白かった。特に忍ちゃんの過去が分かったのは展開として面白い。元は人間だった、そして吸血鬼となった経緯までの悲しいお話。また羽川の忍野を探す道中でのドイツのお話も良かった。
面白くないのは「かれんオウガ」だった。これ、いる?
Posted by ブクログ
うつくし姫は昔の忍ちゃんなんだが、美し過ぎて傾国どころか滅国のお姫様。スーサイドマスターはなんだか今後出てきそうな感じもあるので楽しみ。
翼ちゃんはメメに会うまでの出来事語り。
Posted by ブクログ
オフシーズン第2弾。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは如何にして吸血鬼となりしか。忍野忍がまだ人間だった頃を描いた「あせろらボナペティ」は、「えっ!?」と驚く最後の一行も含めて面白かった。