強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。
ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った少女たちと巻き込まれ型主人公・阿良々木暦が繰り広げる、不可解で不条理な物語群。独特な新房演出と物語世界がハマりすぎて、7シリーズ+2作の劇場版が制作されたアニメ版から入った人も多いのでは?(阿良々木くんのセリフが全てCV神谷浩史で再現される〜)
1冊あたりが分厚いうえに巻数も多く手を出しにくいイメージの西尾維新作品ですが、本シリーズは1話あたりがサクッと読みやすいボリュームになっているので、入門編にもぴったり。というか、サクサク読みやすすぎ、面白すぎで日常生活に支障をきたす……!
西尾作品らしいキャラクターのポップな破天荒さで読ませ、「人間の弱さが怪異を呼ぶ」というテーマで沼に引きずり込む――清く正しく読書を楽しんでいたはずなのに、いつの間にかぬかるみに足を取られたように心を囚われてしまっているだと……?
自分で自分がコントロールできなくなるほどに、猛烈に何かにハマりたい。そんな願望を持っている人なら読まない手はありません。めくるめく西尾維新ワールドに「蕩れ」ちゃってください!
感情タグBEST3
コロナ禍を舞台にしたチャレンジャー精神に喝采。ともすれば過去作との整合性も崩れる中、現在を生きる少年少女の青春を投影できる舞台設定で作品を制作し、誰のための物語シリーズか、姿勢をぶらさなかった点は流石。
Posted by ブクログ 2021年12月01日
〈物語〉シリーズにコロナ禍という現代の要素が入ってくるなんて思っていなかった。そうか、地続きの世界だったんだ。昨今生み出されるコロナ禍の物語の中で「裏のコロナ禍」を描くのは西尾さんくらいなのではないか。まんまとやられた感あり。終わりに近づくにつれて「上巻で終わっちゃう感」に焦る(下巻にどうつなぐの?...続きを読む)。下巻は別の話でした。一安心。
Posted by ブクログ 2021年10月02日
物語と現実をリンクさせ、コロナ禍になったから作ることができた作品。
ところどころ散りばめられた言葉遊びもさすがでした。
羽川と同棲してることにビックリしたが、そのエピソードも読みたい。
Posted by ブクログ 2021年08月24日
まさかこのテーマが死物語に組み込まれるとは想像もしなかった
組み込んだ上でこの死物語の構成が凄い
この状況下だからこそ読んでおきたい1冊
そして、この状況下じゃ無かったパターンでのしのぶスーサイドがあったらどうなってたかも知りたい
Posted by ブクログ 2022年09月10日
冒頭大学生の阿良々木君がコロナ禍でアパートから実家に帰っていたので社会人編との時系列は?と混乱。忍が突然スーサイドが心配なので旧アセロラ王国に行きたいと言い出した。勝手に動くと色々支障が出そうなのて影縫さんに連絡した所、彼の地では吸血鬼だけが感染する死の病が蔓延しており原因究明中。依頼を受けた二人は...続きを読む(斧乃木ちゃんにより物理的に)彼の地に飛んでスーサイドと対面する。ここまでが西尾節全開の会話劇なんだけどいかんせん長過ぎて離脱しそうになる。死の病の真相とコロナを上手く絡めていったのは相変わらず上手いが後半も動きがなくて消化不良。でも斧乃木ちゃんと忍は相変わらず可愛くて良い。
Posted by ブクログ 2021年11月06日
p.73
必需品じゃなかったら生まれてないし、もっと前になくなってるよ。
本っていうのは、こういうときに禁止にされてしまうくらい楽しくて我慢しがたい、なくてはならないものだと。
p.162
『死にたい』と思うのは致って自然な生き物の生理現象だけど、『死んでもいい』は命の放棄でしょ。誉められたものじゃ...続きを読むないし、その気持ちは悪と言ってもいい
ストーリー全体としてはうーん…、いまひとつという感じでしたが、斧乃木ちゃんの素敵っぷりは健在でした。
撫子と斧乃木ちゃんが奮闘するらしい下巻が楽しみです。
Posted by ブクログ 2021年09月26日
モンスターシーズン5巻目、通算は,,,何巻目だ?
阿良々木暦の大学二年時のハナシ。
世はコロナ禍。
大学進学で友達百人計画推進中だった暦は大学二年にして、全てリモート授業に切り替わった。
ちなみにできた友達は一人(命日子)だ。
悶々とした日々を送る中、影の中に住む金髪幼女からの提案は...続きを読む、このご時世でまさかの”海外旅行”だった。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを吸血鬼にした始祖、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターのことが気になるという。
そして同時に暦に舞い込んだ仕事は、暴力陰陽師から、ルーマニアでの調査依頼だった。
ここ、デストピアの居城を中心とし、ヨーロッパでは吸血鬼に奇病が蔓延していたのだった。
コロナ禍で文学に目覚めた設定の暦くん。
「委員長の胸は『デカメロン』」
それ言いたかっただけやろ。