小尾芙佐のレビュー一覧

  • ママは何でも知っている

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    この少ないページ数に
    登場人物のコミカルな掛け合い、
    謎解きの起承転結を盛り込んでいるのは賞賛に値するが、私が単に一方的に喋る強めな母親像が苦手なので単純に合わなかった。
    あとアメリカンジョーク的な言い回し?みたいなものも。

    ストーリーの構成は素晴らしいのだと思います。
    あとこねくり回した複雑なミステリ、というより誰もが身に覚えのある人間の俗なプライドが元になっているっていうのもおそらく親しみやすさの一つ。

    解説にもあったように、短編を重ねるごとにママの背景を明らかにして、登場人物に深みを与える手法はなるほどな!と思いました。

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    2025年03月29日
  • ママは何でも知っている

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    面白かった!やはり俺は安楽椅子探偵的な話が好きなんだなあ。難攻不落のトリックや謎解きというよりは、人間が持っている見栄やプライドや欲望、人間の弱さなどの背景なんかをママが今までの経験値から見抜いて、この人ならどんなことを考えるか?どんな行動が生まれるか?という流れから事件時の行動や動機を紐解いていくというイメージ。シャーリーとママの仲が良いんだか悪いんだか分からない関係性も面白い。嫁姑ってこれくらいの距離感がいいのかもしれないな

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    2025年02月15日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    全自閉症患者がルゥみたいだったらいいけど、重度はもう手がつけられんからなあ…
    幼児の頃に治療ができる世界、羨ましいな

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    2025年02月08日
  • われはロボット〔決定版〕

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    インタビューと短編が重なり、歴史書的な構成となっていてとても面白かった。
    ロボットの勃興から浸透、人類の救世主となるまでが描かれており、ロボットの可能性やロボット社会の希望を感じさせた。
    どの短編も面白く、〈ロボット三原則〉についてあらゆる角度から深掘りされていてとても面白かった。
    ロボットのこと大好きになってしまう。
    個人的には最後の厄災のときが壮大な世界観で面白かった。

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    2025年02月07日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    自閉症者のルウ・アレンデイルは、パターン認識能力の高さを買われ、製薬会社の研究部門にある発達障害者を中心としたチームで成果を上げている。私生活ではフェンシングのサークルに加入し、健常者であるサークルメンバーとも仲が良く、ほのかな恋心を抱く女性もいるが、一部の健常者はルウの存在を快く思わず、障がい者の中にもルウを攻撃する者がいる。それでも公私共にまずまずの日々を送っていたルウだったが、所属先の上役から、自閉症を「治療」するための施術を受けることを要求される。日常に充実感を覚えているルウにとって、施術を受けることは「今の自分」を否定することでもあった。悩むルウの前に、あからさまな敵意と思われる事件

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    2025年01月22日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

    購入済み

    人間の悲哀

    IQと人間性とは関係のないものだと思う。チャーリーが彼らしく生きることがベストだった。母親の愛情は歪んでいて、安らぎどころか恐怖でしかなかった。職場でも、妬みや軽蔑の的であった。結局、彼の居場所は何処にもなかった。なにが幸せなのか、最期までわからなかった。私もアルジャーノンに花束を供えたい。

    #切ない

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    2025年01月09日
  • われはロボット〔決定版〕

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    短編集で、連作短編まではいかないですが、同じ世界の違う年代の物語が展開します。
    それぞれにおもしろさが異なり、個人的にはロボットが自我に目覚める『われ思う、ゆえに』が好きでした。
    ミステリー的な仕掛けのあるものもあって、最後のオチにハッとさせられるものもあります。

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    2024年12月28日
  • 高慢と偏見(上)

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    ジェーン・オースティンの有名すぎる恋愛小説。『アルジャーノンに花束を』の新訳でおなじみ小尾芙佐さんの訳。古典恋愛小説ってどうにもこうにもあまりはまらないんだけど、期待よりはなんだかはまらないかも……と思いながら下巻へ。

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    2024年12月23日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    ネタバレ

    マヤは作家になれたのかな。
    フィクリーの人生再生の物語。やさぐれていたフィクリーにマヤが現れ、ランビアーズが良きお節介し、イズメイがお世話し、アメリアと幸せを探っていく。
    こんなにも愛されていたんだ、A・J・フィクリー。

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    2024年12月04日
  • IT(2)

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    ネタバレ

    全4巻のうち、2巻まで読み終えました。ようやく、半分。折り返し地点。まだまだ、先は長い、、、

    さてこの2巻で、成長して大人になった「はみだしクラブ」のメンバーがデリーの町に戻ってきて、役者は揃った、って感じですよね。再び僕たち、わたしたちが「IT」を、今度こそ完全に滅ぼすぞ!という決起集会をす。というね。

    メンバーの一人、スタンリー・ユリスが。上巻でいきなり、自殺して死んでしまってビックリしすぎましたが、この2巻で、何故に、大人になったスタンリーは、マイク・ハンロンからの電話を受けた後に、呆然自失となって自殺を遂げたのか。なんとなく、分かった気がしました。スタンリーの、幼少の時のエピソード

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    2024年11月22日
  • IT(1)

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    ネタバレ

    わたくし、今、46歳です。どオッサンです。初老と自称してよい気もする。アラフィフだし。人生の残りタイマーも着々とチャクチャクと減ってきております。

    そんな人生の夕暮れ時、黄昏時、誰そ彼?な時刻に足を踏み入れようとしている俺だ。生きてるうちに、あと、どれほどの、名作と評されるものと、巡り合う事が出来るだろうか?という疑問が湧きました。

    なので、スティーヴン・キングの小説を読もう!と思いました。なにが、というわけで、なんだろう?分からぬ。分からぬよ俺には。

    でもとりあえずスティーヴン・キング。そらもうなにしろスティーヴン・キング。その名も高きスティーヴン・キング。名声は四海および斯界に轟く

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    2024年11月07日
  • 第三の女

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    【ポアロ】
    1966年クリスティー76歳。
    「自分が殺人を犯したような気がする」と、若い娘がポアロのもとに訪ねてきた。
    その後オリヴァ夫人と共に調査を始める。

    またもや女性推理作家のオリヴァ夫人登場。
    今回はまるでタペンスのような暴走をしてしまう。
    ビートルズが出てくるので、古典作品のイメージから急に現代的に感じる。

    不可解な娘の言葉だけで、本当に何かが起きているのかわからないままの途中が長い。
    そしてまたあの作品と同じようなツッコミを入れたくなった(^o^;

    クリスティー作品は攻略本を見て面白そうな順に読んでいる。
    60冊を超えたので自分のあまり好きではないタイプだったり、攻略本でも評

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    2024年09月24日
  • 闇の左手

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    面白い。が、SFな設定に必要性がいまいちな気も。例えば、両性具有という設定に関する描写がもっと魅力的だったらなぁとか思う。男性性ばかり感じたのは読み手の問題か。BLっぽく読んでしまいそうだった。

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    2024年09月15日
  • IT(1)

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    長かった。
    まだ序盤でしょう?
    ITってなんだろう…
    最後の方に出てきたのがそうなんだろうか…だとしたら陳腐
    全部読んだら面白いのかな、まだ良くわからない…

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    2024年09月04日
  • ママは何でも知っている

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    通勤片道1時間半の行き帰り2日で、
    ゆっくり楽しんで読めました。
    どの世界も母は偉大で、
    要約力の塊!(笑)

    #オールタイムベスト

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    2024年09月30日
  • ママは何でも知っている

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    毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは妻を連れ、ブロンクスの実家へママを訪れる。

    安楽椅子探偵の傑作らしいと聞いて初読み。外国の作家について、ミステリーの歴史については全く詳しくないので初対面の作家だった。なるほど確かに安楽椅子探偵の最たるものって感じ。刑事の息子の話を聞いて二、三質問するだけで答えを導く“ママ”。とにかく昔話だったり近所の噂話だったり余計な話も多いけど、余分な話はしないママ。皮肉屋で、料理が上手くて、口うるさいママ。短編でおなかいっぱいになる会話量に慣れるまではちょっと読みづらさもあったけど、慣れるとその会話劇の巧みさが楽しい。息子は話すのが上手すぎるし妻はちょっかいレベルがいつ

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    2024年08月15日
  • 第三の女

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    ミステリの導入はその後に始まる又は既に始まっている事件をどのように捉えるかを決定付ける重要なポイントだと思っているのだけど、本作ほど実態を掴めない導入は珍しいかもしれない

    ポアロを頼ってやって来た依頼人、けれど彼女が口にしたのは「自分が犯したらしい殺人について相談したい」などとちょっと要領を得ないものだし、結局依頼をしないままに帰ってしまう
    これ程までに「これから事件が始まるぞ!」と思えない導入はやはり珍しく思える
    ただ、ポアロは依頼人が去り際に口にした「年をとりすぎていらっしゃるから」なんて言葉に触発されて動き出すのだから、別の意味で面白さがあるが


    本作の特徴的な点は先に上げた導入部も

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    2024年05月16日
  • 赦しへの四つの道

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    奴隷制度と女性蔑視
    階級社会

    女性の束縛からの解放は、実は、現実でもそんなに古い話ではない。
    例えば女性の選挙権が世界で認められたのは、先進国と言われる国々を含めても、概ね20世紀に入ってからで、日本やフランス、イタリアは大戦後ようやく始まった。

    作者はアーシュラ・K・ル・グィン

    ジブリの映画でお馴染み『ゲド戦記』の作者。
    かつて児童文庫として全巻読んだけど、難解で、よく映画化を決断した(不評だった)と思った。

    SF……確かに「ここではないどこか」を描いているが、どこか古代オリエント遺跡の図鑑を見ているよう。
    でも、次の瞬間.“今の人”をリアルに描く。女性の目線、しかも結構赤裸々な、も

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    2024年05月07日
  • 闇の左手

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    ネタバレ

    解説を少し読んでゲド戦記の作者だったこと、そして女性だったことに気づく。

    本書の舞台は非常に寒く、気候が厳しい惑星“冬”であり、その舞台設定だけでも興味がそそられるが、そこに住む異星人は両性具有という特徴を持つ。
    このゲセン人の特徴による社会には、著者の女性ならではの感覚が反映されており興味深く、気づかされる部分もあった。
    繁殖期(?)には女性にも男性にもなりうるため、直前まで伴侶と自分「どちらが妊娠するか分からない」ことで、妊娠・出産、子育てに対する性的な差別感覚がないことや、
    繁殖期以外では第二次成長期前の子供のような性的状態に戻る(= 性からくる身体の変調から解放される)という発想は、

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    2024年04月06日
  • 第三の女

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    ほほお、そうきましたか。
    散らかっていた事象が一つに集約される瞬間が好きだなあ。
    「自分が犯したらしい殺人についての相談」と聞いた時点で、これは何かあるなと分かる。
    結局、その“何か”には最後まで気づけないが。
    まあでも自分なりに推理しても、ちっとも当たらないのが楽しい。
    そして、ロマンスを忘れないところがまた良い。

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    2024年03月24日