あらすじ
ロボットは人間に危害を加えてはならない。人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。この三原則の第一条を改変した事件にロボット心理学者キャルヴィンが挑む「迷子のロボット」をはじめ、少女グローリアの最愛の友である子守り用ロボットのロビイ、ひとの心を読むロボットのハービイなど、ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。
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Posted by ブクログ
これがあのロボット三原則の元ネタか~昔の海外SFって文体が硬くて読みづらそう。それに当時の科学レベルで想像しうる話のはずだから、ガッカリしたりするかもな。
と思いつつ読んだ。すごく面白かった!!
するする読める文体だったし、科学というより私は哲学、論理(倫理ではなく)の話として楽しんだ。
ロボット三原則こねくり回した話もっと読みたい。
Posted by ブクログ
工学の知識もなければ歴史なんてのもまあ苦手なわけで、でも『鋼鉄都市』は読めたしなといったところで、要は手に取るまでが長かったのですが、古典に学ぶべしと読んでみれば楽しいのなんの。以前Xで呟いた通り、九死に一生スペシャルな短編集でした。あらすじの「ロボット開発史」の文言から誰が予想できますか? めちゃくちゃ面白かったです。
お気に入りエピソードは「われ思う、ゆえに……」と「うそつき」、「逃避」です。
本の裏のあらすじはむしろロビイとかハービイとか、比較的穏やかな個体に言及しているのですが、あの、あんまりハートフル期待されても困りませんか????
といったところで、ロボット開発史というよりは、開発史の体をとった事件簿的な印象でした。破天荒なエピソードしかねえ。いいぞ。
「ロビイ」でホッとさせておいて、からの本編(?)。ドノヴァン&パウエル関連のエピソードは全部ハチャメチャで楽しかったですね。「野うさぎを追って」でひと区切りついたかと思えば、「逃避」でさらにとんでもない目に遭っていてよかったです。
以下は各エピソードについて。
「ロビイ」
この個体に関連する命名は何かといろんな場所で見かけることがあったのですが、これが本物かーと思いながら。平行六面体の頭部とボディ、八才児より長い手足となると、ロボットパルタを縦に引き延ばした感じ? 時代もあって母親があんまりにもステレオタイプ的ですが、こんな造形じゃ無理もないかも。ロビイの処分に関しては擁護できませんが、子どもの友達付き合いを含むご近所コミュニティが形成できないところのストレスは察するに余りあります。
一方の父親も大人しく従うわけにはいかないと、策を講じていたのはナイスですがちょっと無謀すぎませんかね?????? 最初の九死に一生が出ました。ロビイだから助かったし、だからこその策ではありますけど。万が一とか億が一とか、ちょっとよぎりませんか?
『ブー・ブー・ドールズ』の違う可能性を見ました。
「堂々めぐり」
セレンを取りに行くだけの簡単なクエストのはずが……。
古いロボットたちの造形というか、それを含む所作がなんとなく気持ち悪いのは完全に設計ミスじゃないのかなと思いますわよ。どこぞの悪の天才科学者のセンスを見習ってほしい。
というぼやきはさておき、堂々めぐりの原因は至ってシンプル。三原則、めちゃくちゃ干渉しあってるやん。そして二度目の九死に一生でした。
「われ思う、ゆえに……」
話が通じない人、もといロボットを説得しようとするなんてもちろん徒労でしかないのですが、その徒労を乗り越えなければまず間違いなく死ぬという三度目の九死に一生。地獄の一言。
基本的にロボットは人間より頭が良いはずで、そのせいで鬱病になった個体も他所の宇宙で見かけましたが、キューティはそれとはベクトルが違った。どうしてそう変な方向にばかり思い切りがいいのよ!
あまりの話の通じなさに苛立ったり、むしろ笑いがこみ上げたりする愉快なエピソードでした。あのロボットはなかなかいいぜ。
「野うさぎを追って」
難儀も難儀、地獄のバグ取り。何かおかしいということだけはわかる、ゲームのデバッグ中の我々の気持ちになれる貴重なエピソードでした。ましてや彼らは命懸け、うっかり四度目の九死に一生を経験する羽目に。ドノヴァン達にとっては三度目の九死に一生ですが、不思議なことにこれが一番生命的危機を感じました。最後の最後で調査箇所がかなり絞れたのはナイスプレーでしたね。ややこしい運用になればなるほど調べる箇所も増えて一向に解決せんのや。聞いてるかドールズちゃん。
エラーもそれぞれ、反応もそれぞれ。オペレッタのセリフを諳んじたり、信仰に目覚めたり、指をひねくりまわしたり、ロボットたちの個性も様々で楽しくなってきました。
「うそつき」
ひとの心が読める、というところでもうロクでもない予感しかしなかったのですが、ハービイは真面目で良心的でした。それが災いしたというか。最初は某マザーコンピューター的なエラーかと思っていたのですが、全然そんなことはなかったです。だからかえって質が悪いというかなんというか。
この件に関してはどうしようもなく誰も悪くないのですが、とにかく章タイトルの一言に尽きる。ハービイはかわいそうでしたが、ロボ全般がジレンマに対する柔軟性に欠ける仕様なのは今も昔も変わりませんね。そろそろ修正したれよ。
「迷子のロボット」
なんて思っていたら、第一条が例外的に緩和されてまたトラブルが起きました。お前たちはいつもそうだ。
ここにきて国家レベルのとんでもない規模の九死に一生が出ました。全ネスターを破棄するのが一番手っ取り早いのはそう。
ロボットたちも初期に比べるとずいぶんと賢くなって、というか主張できるようになって、進化を感じます。なんとなくきな臭さも感じますが、それを防ぐための三原則だぞといったところで。キューティの時も第一条が機能していなければ危なかったですね。
「逃避」
さてここでジレンマをうまく回避できそうなロボ、ブレーンが現れました。
なんだか雲行きが怪しくなったところでテストとくれば、あのコンビの出番ですよね!
かわいそうに、有無を言わさず九死に一生の星間飛行とは。人類は操作しなくていいなんて安心で安全で気楽なものですが、まるで娯楽がない(しかも設計ミスではなかったとは)。これだからロボットは……と言いつつも、ブレーンが童謡を歌い出すような事態にならなくてよかったです。それよりも何よりも星間ジャンプ。九死に一生の九のほうを、しかも二回も引きましたね? 一のほうも二回引けてよかったですね。
現実逃避の悪ふざけというにはちょっとやりすぎなブレーンちゃん、かわいいですね。
「証拠」
キャルヴィン博士の言うところの「愚かしい、無益なもの」の発展形だと思います。
バイアリイが本当にロボットではなかった(あるいはロボである自覚がなかった)としても同じ対応をしたんだろうなーとしか。「ご自分の欲しいものに責任を取るのはあなたなんですから」と言われた通りに事態がひっくり返るのが楽しかったです。
それはそれとして、ぶん殴られるためだけに組み立てられたロボがいるとすればめちゃくちゃ不憫ですね。
「災厄のとき」
コメント不能です。私の時代がまだこの話題に追いついていません。
強いて言えば『人間とは何か』(マーク・トウェイン)と共通するものを感じました。
……と書いていたのですが、どうしてコメントできないのかと考える度に、作品内の、情勢がマシンにコントロールされているという事実に対する反発心のようなものを感じたので追記します。
もう少し考えてみたところ、博士の言うような「マシンだけが避けられないもの」になる未来がまるで見えないので腹落ちしていないのだという結論です。マシンに従うだけの未来なんて! という気持ちが全くないわけでもないのですが、そこは対話の中で「人類にはそもそも発言権がない」と触れられている通りのことだと思います。ところが現在の人工知能も発言権以前の問題。もしかすると川上ではもっと優秀なのかもしれませんが、我々川下のところに届く品質があれではお話になりません。それとも、末端のところにまで進化したAIが普及している現実をもっと喜ぶべきでしょうか。
それはさておき、あらゆる紛争を避けられる未来が訪れるのなら誰だってそれを望むはずだと思いたいのですが、こんな調子の現実にそんな未来は果たして訪れるのでしょうか。
この、マシンに管理される未来はスペースワープ技術よりも近いところに見えていそうなのに、現実にはあまりにも遠すぎるから受け入れ難かったのだなあというところで終わります。
改めて、この小説に予想された未来が驚くほど現実に近くて、かつ希望に満ちたものだと感じました。
俺たちの未来もまだまだこれからだ!
Posted by ブクログ
この版ではなく1971年版で読みました。ハヤカワポケットブック。
これがロボットSFの金字塔か…!ロボット三原則にまつわる短編集。
感傷的なお話からロボット、AIの恐ろしさを描き出すものまで。いま読んでも古い感じがしないけど原作の一番古いものは1939年作だってさ!戦前!
いまや、我が家にもロボットがいるんですよ、お掃除してくれるロボくんが。毎回丁寧にお願いしてお掃除してもらってます。
Posted by ブクログ
有名なロボット工学三原則…
その法則から様々な物語が織りなす世界観が面白かった。
エンジニア精神もくすぐってきて、物語がどう帰結するのかドキドキする短編集でした。
Posted by ブクログ
アシモフがロボット三原則で有名な理由がわかった。
ロボット三原則をモチーフとしていろいろな角度から人間とロボットの関わりが書かれている。
こういうロジカルな作品って邦作には少ない気がします。
Posted by ブクログ
SFと謎解きが混ざったようなお話だった。自我を持ったロボットと人間の間で起こるさまざまな問題をまとめた短編集。
自分がロボットで感情を持っていたら、自分より遥かに劣る人間に奉仕する訳ないなと思っていたから、ロボット工学の三原則はすごく簡潔で合理的だなと感じた
Posted by ブクログ
テープとかフィルムとか真空管とか…レトロSFにありがちな、「未来ならあり得ない物」も多々登場しますが、そこで白けて読むのをやめてしまうのは勿体無い!
本作のテーマは、一貫して「ロボット三原則」というロボット(人工知能含む)が持つべき倫理観となっており、まさにこれからのAI社会を考える上で非常に多くの示唆を与えてくれるものとなっています。ストーリーの語り手も「ロボット心理学者」というところがユニークですね。まあ、読んでみてください。面白いですよ。
Posted by ブクログ
アシモフのロボット3原則の話!あちこちに書かれた短編を、晩年のロボ心理学者スーザン・キャルヴィンが過去のエピソードを振り返る形でまとめ上げていて、それがめっちゃエモいです!!!ロボット技術を育て上げた者の持つ、愛情と信頼が溢れた導入からグイグイ引き込まれました。
現在のLLM進展の立役者のひとり、Metaのヤン・ルカンが、AGIを創るんだ!今のTransformベースのアプローチじゃだめなんだ!と主張している気持ちがちょっとだけわかったような気がします。
短編ひとつひとつも面白くて、とくに、現場のエンジニアのコンビの話が超お気に入り!初めての本番環境での稼働、ちゃんと仕様どおりなのに、思いもよらない挙動をするロボットに振り回されて毎回死にかけてて、窮地を脱するたびに「現場の一流の人材」扱いされて、もっとヤバい現場に送り込まれるって...人間社会だなぁ...て感じ(笑)。アシモフの小説の登場人物や、ロボットを取り巻く人間社会って、すごい人間味溢れてるんですよね。(アシモフの長編の『鋼鉄都市』の主人公も全然スマートじゃなくて好きでした。)このままシリーズ通読してしまいそうです。(でもエンジニアコンビがもう出てこなそうなので迷い中)
ちなみにAI3原則…正確にはアライメントHHH(役立つこと、正直であること、無害であること)の話を読んだのがきっかけで読みました。言われてみれば、HHHにも優先順位があっていいよな...と気づきました(あるのかな?)。
Posted by ブクログ
短編がいくつかあり、いろんなロボットが出てきて読みやすくて面白かった。ロボット工学三原則というシンプルな原則があり、ロボットがなぜそのような行動するのかを人間が悩んで解明していく。
初アシモフだったが、他の作品も読みたい。
Posted by ブクログ
ロボット工学三原則という言葉とその条項は知っていたけど、大元のこの小説の中身は全然知らなかったし、ウィル・スミスの映画も粗筋すら知らない。
なんとなく完全に制御できて人に危害を加えない安心安全なロボットを作る基本中の基本のプログラミンングで、人がロボットを意のままに操れるみたいな印象だったけど、見事に覆された。作中でも多くの登場人物が盲目的にそう信じて疑わなかったけど、実際にはロボットがロボット工学三原則を守るがゆえのジレンマや不都合が沢山生じる。
どんどん高度化するロボットの知能にロボット心理学者(ジレンマを解決する人)の能力も追いつかなくって、最終的には三原則を守りながらロボットが(尊厳を傷つけないようにこっそりと)人を統治する世界がやってくる。
人工知能が一般人の手元にも普及した2025年の今、この本は未来を予知するものから、今現在の問題に警鐘を鳴らす作品に変貌したと思う。
Posted by ブクログ
ロボット工学の三原則
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。 ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
『ロボット工学ハンドブック』、第五十六版、西暦二〇五八年
はい、というわけでSFファン必読の名作、アイザック・アシモフの『われはロボット』でありんす
そして出ましたロボット工学の三原則!もう暗記しましょう
ここ試験に出ます
アシモフが考え出したこの三原則なんですが、正しいSFオタクは現実世界にも侵食されています
ASIMOとかこの三原則に照らし合わせたりします
ちゃんと三原則守ってるのかなASIMOは?とか真顔で言います
一周回って殺戮ロボットとか出てくるフィクションに三原則が守られてないじゃないか!っていちゃもんつけます
ん?ASIMOとアシモフって似てるな
そうか!そういうことか!(見当違い)
そして、この三原則を逆手に取ったような短編が続くんだけど、全部おもろい
このちょっと切ない感じのロボットたちがちょっと切ない(だろうね)
あ!見当違いと拳法使いって似てるね
Posted by ブクログ
・ロボット工学の三原則
・ミステリー
・短編
この三つの相性は抜群ですねv@
9章「災厄のとき」より印象的な部分
ロボットの台頭は人間の発言権を失うことになるという主張に対して、いまだかつて人間に発言権があったことはないと。いつだって人間にははかりしれない経済的、社会的、自然的な力に左右されてきたのだから。
Posted by ブクログ
今さらながらですが
読もうと思いつつ読めてなかったので
SF超入門の本をきっかけに
思わず購入してしまいました。
たった3つの原則
それが
これほど深く人間性を炙り出していくのかー
と衝撃でした
さすがの名著ですねーー
何年も経ってるし
今ではもっとロボット工学や心理学も進んでると思うけど
古臭さはかんじません。
訳がたまに、日頃使わないような
意味わからない言葉があるけど、、、
読みにくいことはありません。
はじめの方から最後の方にいくにつれ
話は、難しくというか
単純ではなくなってきます。
が、面白く最後まで読むことができました。
最近読んだ
チクタク✖️10を思い出しました。
チクタクよりも、読みやすく
ロボットのこれからも
人間の今、これからも考えさせられます。
これから今以上にロボットが普及していく時
この本を再読してみたいと思います。
また、他のロボットに関しての本も
読んでみたいなーと思います。
ロボット工学とか、専門的な本を
手にすることはないと思いますが、
こうしたSF小説などで
素人でも未来を想像する力を
養えることは嬉しいなと感じます。
SF小説がどんどん現実的な話に近づく中で
物理や数学、いわゆる理数系のものは
苦手でしたが、興味が持てて嬉しいです。
調子に乗って、物理の本とか手にとっても
正直???なのですがー
とりあえず、わかりやすい説明のものとか
小説から楽しんでいきたいと思います!
人もロボットもトラブル続き
ロボット三原則、とかいわれると仰々しい
ように思えるけれど、中身はむしろコメディ
タッチな作品や、ドタバタ喜劇の一歩手前
みたいな話も多くて楽しいし、所々でちゃんと
皮肉も効いていて飽きない
パウエル、ドノヴァンのコンビや、スーザン
博士、各ロボットどれもキャラが立っていて
読みやすく楽しい
「われ思う、ゆえに……」と「証拠」が好みだ
Posted by ブクログ
解説が丁寧なだけに、尚更『ロボットの時代』より先にこちらを読んでおけばよかったなと改めて思う。いずれの時代かにまた再読するであろうこの2冊は、もっと早く出逢っていたらもっと興奮して読んでいただろうと思う。
世界の切り取り方と、各地域に関しての趨勢は一部ステレオタイプではあるけれどもアシモフの推測する未来の世界の姿の一面が見えたようで面白い。
Posted by ブクログ
有名な「ロボット三原則」を軸にした連作短編集。三原則のバリエーションで生まれた9篇の名短編。印象的だったのは『うそつき』。「人間に危害を加えてはならない」故に傷ついてしまう人間。ロボットをAIに置き換えて読むのも面白い
Posted by ブクログ
立川談志が「古典はできた時から古典」と言っていたがそうなんだろう。古いから古典なのではなく、普遍の価値を持つから残り、古典になるのだろう。若い時に読んでも良いし、歳取ってからでも良い。いつでも現代を照らしてくれるのが古典の素晴らしいところだ。でも「面白いから早く読んでおけ」と言いたくなるのもわかる。
Posted by ブクログ
1940〜50年に書かれたとは全く思えない、2026年の今なお読んでもギャップを感じない名著。
短編集として区切りがあって読みやすいうえに、
構成としても、1編目の「ロビイ」から分かりやすく入り込みやすいテーマを扱い、
徐々に深いテーマを扱っていく構成が、
作品全体に入り込みやすい。
また、ロボット工学三原則を生み、それを扱った内容としても面白い。
『第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 』
簡単に言えば、ロボットは人間を傷付けることは出来ない、という意味だが、
各短編が、この原則を元にしたテーマを扱っていて、
かつロジカルに、ロボットの行動矛盾やロボットの心理を読み解いていて、理系・心理学の書物としても面白い。
個人的に特に面白かった話は、
キューティが出てくる「われ思う、ゆえに……」(キューティお前ロボットらしからないな…と思いながら読んでいた)と、
バイアリイの「証拠」(この話のオチは先に分かってスカッとした)。
特に、「災厄のとき」の次のフレーズが印象に残った。
(マシンがいずれ人類から仕事を奪うのではないかというテーマに対して)
「マシンはしょせん機械です、計算とか判定という重荷を人間の肩からとりさることによって人間の進歩を早める役には立ちますよ。しかし、人間の脳の仕事は相変わらず残っている。つまり、分析すべき新しいデータを発見すること、検査する新しい概念を考えだすことだ。
(中略)
有能な人間はわれわれの社会ではいまもっておおいに需要がある。われわれはマシンに尋ねるしかるべき質問を考えだせるような聡明な人間を必要としています。」
まさに今現代においても、AIが仕事を奪うのでは、という懸念や不安が取り沙汰される中で、著者アイザック・アシモフは1950年に既にひとつの答えを見つけていたんだという衝撃。
本当にこの通り、単純な仕事は近いうちにAIに取って代わられるだろうけれど、
"考える"ことを生業とする仕事は、AIには代われないだろう。
ChatGPTやGeminiなどのAIが色々なことを出来るようになってきた今だからこそ、読むべき1冊だと感じた。
デジタルネイティブの若い世代には特にオススメ。
Posted by ブクログ
製造されたロボットはロボット工学の三原則を必ず守ることを前提として、もし〜だったらこうなる、という話を集めた短編集。
学術的にも当たり前に使われているrobotics(ロボット工学)という単語が、この小説で造られたものだということに驚いた。
ロボット工学の三原則
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。
Posted by ブクログ
いつか読まねばと思っていたSF作品の名作。
アシモフ先生は『黒後家蜘蛛の会』を先に読んだので、一体どれだけの「もし〜だったら?」を生み出す天才だったのだろう……と改めて感服しました。
人間よりもロボットを愛したキャルヴィン女史の語りを通じて、数十年のロボットの歩みを語る構成も、あまり読んだことがない形式で興味深かったですね。
考えてみると、私が持っている「ロボット」のイメージは、機械的で非人間的なもの……ではなく。
不器用だけれども人間への愛に溢れている、そんな温かな存在という印象です。
そしてそのイメージは、「ロボット三原則」の「ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」に影響されて作られた小説や映画によるものなのかなと。
なので、『ロビイ』にはうっかり泣きそうになってしまいましたね……。ロビイ、いい子。
”人間を傷つけないため”に堂々と嘘をつくあたりは今日の生成AIもそうですし、『黒後家蜘蛛の会』を彷彿とさせる『証拠』も面白かった!
解説に「今後ロボットが普及すれば、私たちは自分とロボットの間に新たな境界線を引くことでヒューマニティを再定義しようとするかもしれない」とありました。
生成AIが身近な存在となってきた現在、かえって「手作り」や「対面」が重視されるなど、私たちは改めてロボット(テクノロジー)との付き合い方を考えるべき節目にあると感じます。
我々が失ってはいけない「人間らしさ」とはなんなのか?
執筆から80年あまり経っても色褪せることなく、また、時代が進むにつれ違った受け取り方ができそうな、稀有な一冊でした。
『鋼鉄都市』も読んでみたいな〜!
Posted by ブクログ
1950年に書かれたとは思えない、75年経っても新しい視点をもたらしてくれる小説だった。
aiが進化している現代において、色々な示唆をしてくれる。面白く読めた。
ロボット三原則とはなにか
三原則がロボットの思考に及ぼす影響を考えさせられる。それはロボット時代の黎明期から冷遇期、再度活用され深く人間社会に浸透し、ついにはロボットに導かれる時代になる。そのどの場面にも三原則は影響を及ぼす。興味深い話だった。
Posted by ブクログ
ロボット工学の三原則のルールに従って行動するロボット達だが、三原則が絡み合って時に不可解で奇妙な行動をする。
ロボットの知能が上がるにつれて三原則からなる思考も深くなりどんどん謎も深くなっていく。
色んな種類のロボットが出てくるが、なんだかんだ愛くるしい。
それと同じぐらい色々な災難に遭遇する「ドノヴァンとパウエル」コンビも愛くるしくて好き。
ちなみに現在、三原則の様なルールが有るのかAIに聞いたら…
EU(欧州委員会)が出した “AI倫理の7原則” が存在するらしい。
内容は、身近なAIに聞いてみる事をお勧めする。
Posted by ブクログ
ロボット三原則を提唱した著者が書いたSF小説。昨今台頭しているAIに、どう向き合うべきかを考える際に参考となる。科学技術と倫理観をいかに調合して、人間社会に適用していくべきかをこの作品から学べる。
Posted by ブクログ
あの有名な「ロボット工学三原則」をベースに、ロボットや人間の在り方に迫っていくSFミステリ短編集。いつか読まなければなと思いつつ、古典なのでなかなか手が伸びなかったんですが、いざ読み始めたらこれが面白い。特にハートフルな作風の「ロビィ」、心を読みながらも原則とのジレンマに悩むロボットの葛藤を描く「うそつき」はかなりよくできていると感じました。また短編集でありながら、1人の心理学者を主人公に置くことで、ロボット発展の歴史を追える構成になっているので、歴史ものとしての面白さも味わえるのが新鮮でした。
Posted by ブクログ
ロボット三原則を中心に据えた、ロボットSF短編の連作集。ロボット三原則を逸脱したかのようなロボットたちの不可思議な行動を解明する点では、歴としたハイスペックなミステリになっている。アシモフの思想や人生観なんかも織り込まれているようだが、アシモフ初読のためそこまではピンと来ず。本作の中心人物、キャルヴィン博士が登場する作品は他にもあるようなので、続けて読みたい。ベストは寛容な人間らしさが滲み出る「われ思う、ゆえに……」
Posted by ブクログ
いつか読もうと思っていた本。
短編集だった。
読みやすい。
ファウンデーションに出てたダニール・オリバーが出てくるかと思っていたけど、まだそこまで行かないロボットたちの話。
ロボットシリーズたくさんあるみたいだ、これ全部死ぬまでに読めるかな…
アシモフさんの主要なキャラクターは、三人ぽい。
スーザン・キャルヴィン
イライジャ・ベイリ
ダニール・オリヴァー
イライジャ・ベイリとダニール・ベイリって同じだっけ?
robotics、ロボット工学という言葉を作ったのがアシモフさんなのは凄い。普通にいま現実に使われている言葉。
ロボット三原則を物語の主な道具にしてるとは思はなかった。3つのルールからあんなに話を膨らませられるのは感嘆する。作家凄い。
Posted by ブクログ
AIのトピックが声高に語られるようになり、それと同時にこの本の冒頭にある、ロボット工学三原則もAI時代にふさわしい原則として頻繁に取り上げられることが多くなってきた。この原則は小説家アイザック・アシモフが考えたものであるが、彼のロボット傑作集が本作品である。三原則も作品の中で取り上げられている。下記にあらすじを記す。その前に、作中でも登場する三原則を記しておく。
作品のテーマとしては、人間とロボットの共存やロボットの脆弱性。また、近未来ロボットが現在よりも開発が進んだ時に起こるであろうことである。言うまでもなくフィクションであるが、楽しめる作品ばかりだ。
ロボット工学の三原則
第一条ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
あらすじ
1「ロビィRobbie」
女の子グローリアから愛するロボットであるロビィを取り上げた両親だが、ニューヨークでグローリアとロビィは感動の再会をする。
2「堂々めぐり Runaround」
水星で人間パウエルとドノヴァンがロボットのスピーディーにセレンの採取を命令し遂行させたところ、ロボット工学の三原則の第二条と第三条を同時に守るという矛盾のために命令を実行できないでループにはまっているという話。
3「われ思う、ゆえに Reason」
宇宙ステーションで人間パウエルとドノヴァンの命令を聞かなくなったロボットキューティ。
4「野うさぎをおって CATCH THAT RABIT」
新型ロボットの実地テスト。デイブをテストしても異常は見つからず、デイブが複数のロボットをひとりで監督せねばならず、自律性が大きく必要とされると推測される。親ロボットのデイブが6台のサブロボットを監督・指揮し、作業にあたる。そのためデイブの自律性が大いに必要となり、サブロボットを6台緊急時に対処する際に、デイブの陽電子頭脳に混乱が生じてしまう。
5「うそつき LIAR」
人の心を読む力をもったロボットのハービィをつくった。ロボット工学三原則の第一条は、人間に危害を加えてはならないこと。ハービィに、傷つけることと教えることとの無限ループに陥れることで破壊してしまう。
6「迷子のロボット Little Lost Robot」
63台目のロボットが行方不明に。ハイパー基地ではたまたま、ロボット工学三原則第一条が完全には刻みつけられていない頭脳をもったロボットを使用。そのロボットネクター10号を見つけ出すために様々な判別法を考える。
7「逃避 ESCAPE!」
USロボット社は競合相手に当たる合同ロボット社に<解なし>のデータを与え、その代わりに十万ドルを手に入れる。合同ロボット社はこわれたコンピューターをかかえ、USロボット社は完全無欠なブレーンと1,2年後にスペース=ワープ・エンジンを完成させ世界最大の発明をなす。
8「証拠 EVIDENCE」
政治家バリアリイはものを食べたことも飲んだこともないので、ロボットではないかと嫌疑がかかる。
9「災厄のとき The Evitable Conflict」
ロボットによる地球の統率が上手く機能しなくなってきているという話。
Posted by ブクログ
ロボット三原則で有名なアイザック・アシモフのロボット傑作集
うそつきと迷子のロボットが好きですね。
それにしてもSFだと思っていたロボットのいる世界が意外と近い未来なんだと思い読んでみました。
Posted by ブクログ
インタビューと短編が重なり、歴史書的な構成となっていてとても面白かった。
ロボットの勃興から浸透、人類の救世主となるまでが描かれており、ロボットの可能性やロボット社会の希望を感じさせた。
どの短編も面白く、〈ロボット三原則〉についてあらゆる角度から深掘りされていてとても面白かった。
ロボットのこと大好きになってしまう。
個人的には最後の厄災のときが壮大な世界観で面白かった。