小尾芙佐のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
はるかな未来の宇宙、フォーマルハウト第二惑星。高度な知能を有する生命体が、複数の種族存在する星。
その惑星に、全世界連盟から派遣された調査隊。通常の手段では、連盟の人々に通信が届くまでに八年もかかるような辺境の星で、平和的な調査のためにやってきたはずの彼らは、突然の攻撃にあい、隊長のロカノンを残して全滅してしまった。
連盟に仇なす勢力が、この未開の地の一種族を利用して隠れ蓑にし、兵力を固めようとしている。そのことを知ったロカノンは、通信手段を求めて、いまだ知られざる辺境の地を、命を賭して旅をする……。
これまで読んできた同じ方のほかの本に比べたら、最初が少しとっつきにくい感じはあったのですが(あと登場人物がちょっと多くて、自分の記憶力のなさに失望した)、中盤以降、ぐいぐい引っ張られて読みました。
風虎という、翼の生えた虎さんを乗り物に、空を飛んで移動する場面が多いんですけど、そこが個人的にツボでした。天馬じゃなくて、虎なところが。ロマンですよね(力説)
途中、とても神々しい姿をした人種が登場するんですけど、外見は美しくて神秘的なのに、知能や行動パターンが昆虫のような感じで、そのギャップにすごくぞぞっとしました。
序盤から逆境に置かれ、それを挽回できる可能性は、敵の手中にある装置だけ、という苦しい状況から始まるストーリー。まさに苦難の旅、という感じなのですが、作品全体に通じる悲しみというか、徒労感のようなもの、やるせない感じが好きです。
闇の左手、所有せざる人々などの、ほかのSF作品と、基本の世界観を共有している作品でもあります。
この方の本は引き続き、ちょっとずつ集めていこうと思っています。 -
Posted by ブクログ
自閉症の治療が可能になった近未来。幼児期に行えば完全に、青年期であれば軽度(アスペルガーに近い)に抑えられる。
主人公ルゥは軽度の自閉症ながら、その特徴である高度なパターン認識能力を活かした適職に就いている。そこへ、青年でも自閉症を完全治療できる新たな治療法のニュースが入り、勤める会社から被験者になるよう命じられる。
ルゥは葛藤する。「健常者」になりたい。しかし、そうすればアイデンティティを失ってしまうのでは……。自閉症者でも、好きな仕事、趣味、異性と充実した日々を送ることはできる。「健常者」になるのは、それほど望ましいことなのか……。治療をめぐる、周囲との交流や衝突を経て、ルゥの下した決断とは……。
21世紀版『アルジャーノンの花束』。
『「暗闇は光がないところのものです……光がまだそこに来ていませんから。暗闇はもっと速いのかもしれない――いつも光より先にあるから」』 -
Posted by ブクログ
けっこう分厚い1冊です。
「永遠の戦士 フォン・ベック」シリーズの2冊目。とかいっても、主人公は、1巻目のフォン・ベックではなくて、マンフレッド・フォン・ベックという、1巻目の主人公の子孫です。
で、主人公も違うのですが、物語の質も、なんか1巻目と全然違う感じなんですが……。
1巻目は、いきなりルシフェルが出てきて、かなりストレートなお話でした。でも、この2巻目は、かなりまどろっこしいです。
偽史をずっとかいているのですが、このあたりは、わたしは知識がないので読み取りきれいないと思います。だから、もしかすると、知識がある人は、ここにファンタジーを感じるのかもしれませんが……わたしにとっては、ずーーっと、ファンタジー的な要素がみえてこないのです。
もう、この厚い本のまん中ぐらいまで、普通の歴史小説みたいなかんじです。
だから、クロスターハイムが出てくるあたりまで、なんかお話が動き出す感じがしなくて……。おもしろくないわけではないのですが、まどろっこしくて、なにが言いたいのかわからないという……。
いやでも、「ストームブリンガー」から後のエルリック・サーガとかも、こんな感じだった気がします。
象徴を読み解くには、それ相応の知識と知性が必要ですねぇ。わたしには、明らかにそれが足りていない感じです。
でも、足りてないところを自分勝手に想像して、こねくりまわすのも、楽しいのですが。
うーん、難しい。