小尾芙佐のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ分断の物語。性別、持つものと持たざるもの、その入れ子構造、オールドメディアとネット。ネットについては1990年代の知見ということで、先見性というべきか偏見というべきか。
『帰還』というブービートラップが大爆発して再起不能に近い傷を負わせられながらもなお読み続けているのは、ゲド戦記三部作+『風の十二方位』や『夜の言葉』、『闇の左手』に受けた好ましい衝撃よ再びと望んでいるからに違いない。しかし、出会えない。
『西のはての年代記』でもそうだったが、物語というより設定語りという印象が強い。本書においては各編後半には物語になるとしても、導入の設定語りがどうにもあわない。
本書に収められている四篇のうち -
-
Posted by ブクログ
読むきっかけは、映画「ブリジットジョーンズ」が大好きで、そこに出てくるマーク・ダーシーが
高慢と偏見のダーシー氏をモデルにしていると知ったから。
終始、コリンファースのイメージで読み進めました。
読み終わって思ったのは、いつの世も男はお金、女は美貌あってのことなのかなぁと。
ダーシーはエリザベスの溌剌としたところなど内面に惹かれたことが強調されていたが、ジェインもエリザベスも美貌の持ち主。
そしてコリンズと結婚したシャーロットは?
それにしてもミセス・ベネットが恥ずかしく腹立たしい。
あの母が育てたはずなのに上の娘2人はまともな羞恥心や優しさをもっているのが不思議。
これも現代でもあることです -
Posted by ブクログ
死者は墓から蘇り、生者は若返って子宮へ回帰する。そんな時間逆転現象が起こった「逆まわりの世界」が舞台。死者の再生と売却を請け負うセバスチャンは、ユーディ教の始祖ピークを掘り出したことをきっかけに、ピークをめぐる様々な派閥の抗争に巻き込まれ…
死者は蘇り、生者は子宮に帰る?なんというトンデモ設定。面白いのはこのトンデモ設定を実生活にまで落とし込んでいるところ。例えば、本来、生者は食物を食べて消化しますが、この世界では生者は食物を胃袋から皿に戻します。あるいは、子宮に帰る生者のためにあえてセックスをしたりと、なんだか因果関係がめちゃくちゃ。だけでなく、蘇った死者の売却権は発掘者に帰属したりと、こ -
-
-
-
Posted by ブクログ
殺人を犯した“かも”しれないという依頼人の登場で始まる死体なき殺人事件。当人に自覚のない殺人事件とはー?
年寄り扱いされたことを根に持ち、オリヴァ夫人の趣旨のぼやけた会話にうんざりするポアロは人間らしく魅力的なキャラクターで、ポアロに合わせてついつい他の登場人物にも感情移入をしてしまう。始めの4/5でゆっくりと謎や設定をばら撒き、最後にパズルのピースを勢いよく当てはめていくようなストーリー展開で、ポアロと共に謎を解明したい人向け。灰色の脳細胞を持つ名探偵に圧倒されたいなら短編集?久しぶりにアガサクリスティの作品を読んだので、こんな感じの作風だったかなと少し違和感を覚えたが、どんでん返しの展開は -
-
Posted by ブクログ
アイランドにたった一つある書店の書店主である、A.J.フィクリーの物語。
いろいろな愛の形と、人生について書かれている小説だと思った。
海外小説の翻訳物のいうこともあり、読みにくさも少し感じた。
あと、様々な海外の文学作品が登場して、自分の今の知識量だと存分には楽しめない話だと思った。
(色々なネタが隠されていて、訳者あとがきにもあったが、注釈を書いていたらキリがないくらい)
海外文学にたくさん手を出せば、もっと楽しめて読める話だったと思い、残念に思った。
まだ、再読チャレンジするのも良いが、時間を莫大に要しそうで気が遠くなる。笑
文学や本についてたくさん書かれているので、その点では楽し