【感想・ネタバレ】高慢と偏見(下)のレビュー

あらすじ

劇的な展開、真実を突く台詞「大嫌い」から始まった恋の行方は? ダーシーの屈折した恋の告白にエリザベスは反発した。だが、ダーシーの手紙で己の誤解に気づき、数カ月後の思わぬ再会で彼への感情は変化していく。そこへ、末妹の出奔、彼の叔母君の横槍が……。恋のすれ違いを笑いと皮肉たっぷりに描く英国文学の伝統を確立した、シェイクスピアにも比肩する大作家の代表作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻です。

下巻では主に主人公である次女と彼の心の動きに焦点が当てられます。

偏見や誤解から傷つけあってしまう2人でしたが、素直になれない気持ちを省みたり、自分の未熟さに気がついたり、思いやる心を育てたりしながら、愛をゆるぎないものに変えていく過程が丁寧に描かれており、私自身もドキドキワクワクしながら読み進めました。
200年前と今とでは全く違う価値観なのかと思いきや、人の尊厳や愛に関して、また、真摯に向き合う心なんかは普遍的なものなのだなとちょっと感動。

それにしても末っ子の無鉄砲で図々しくて騒がしく、軽薄な様は目に余ってイライラするわ。

一方で、次女が様々な困難を乗り越えたあと、幸せな気持ちで叔母に報告の手紙を書くのですがその内容がかわいいしお上品で大好き。
「すぐに(私に)お手紙をお書きになって、この前のお手紙よりももっともっとあの方を褒めてくださらなくてはなりません。」
「私は世界一の幸せ者です。たぶんこんなことを言った人はこれまでに大勢いるでしょうけれど、私ほど胸を張って言える人はいないでしょう。彼も、私に寄せる愛情のうちから、お裾分け出来る限りの愛情を叔母さまにお送りいたします。」
とか、もう、幸せが溢れてる。。よかったね。エリザベス!

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2025年03月14日

Posted by ブクログ

「独身の青年で莫大な財産があるといえば、これはもうぜひとも妻が必要だというのが、おしなべて世間の認める真実である」

世の中には書き出しが有名な小説がそれはもう星の数ほどありますが、本作『高慢と偏見』もその一つであります
まぁ空で言えるくらい嗜んでいるのが理想ではありますが、この一文を聞いた時に顔も上げずにほそっと「あーオースティンね」なんてことが言えたら、それはもうかっこよ!

はい、でこの書き出しがなんで素晴らしいのか?っていうとね
そういう物語なんです
もうこの書き出し読んだら、もうその後読まなくてもいいくらい(なわけあるか!)
そのくらいギュッとされていて、このあとに続くドタバタ物語を薄っすらと読者に予感させる素晴らしい書き出しなんですな

要するに「独身で莫大な財産を持った青年が妻を娶る物語」なんですが、冒頭で世間の常識!みたいな宣言をしちゃう訳です
当然、世間の常識とはかけ離れた物語が展開することになるわけです

素晴らしい

で『高慢と偏見』という言葉の意味だけ書いておいてやろう
読んだ気になるがよい

まぁ十八世紀のイギリスの階級社会な
まずこれがあるわけです
で、階級の高い青年これはもう「高慢」なわけです
中身はもうめちゃくちゃにいい人なんですが、そういう教育されてますから、ちょっと身分の低い人にはそういう態度を取っちゃうんですね
それが当たり前だと思ってますから

そしてちょっと身分の低いヒロインにはそういった奴らは鼻持ちならない嫌な奴らばっかりという「偏見」があるんです
このヒロインがかなり先進的な考えの持ち主なんですが、そんな人でさえ「偏見」にとらわれているってとこが深いんですがね

で、いろんなドタバタがあって二人がそれぞれの「高慢」と「偏見」に気付いて、改めることでめでたくフォーリンラブ!となるんですな

他にもいろいろ深いポイントはあるんだが、まぁこんな感じ

さぁ、思う存分読んだ気になりなさい

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

胸を張って自分の意見を伝えるエリザベスの姿がかっこよかった。恋愛って誰かの干渉を受けながらする者じゃないよね、2人でするものだよね。

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2022年10月16日

Posted by ブクログ


結論から言って、むちゃくちゃ面白い内容でした。
当時のイギリスの階級制度など、基礎的な知識はあった方が楽しめますが、なるほど人間関係のいざこざは100年以上経っても変わらないものなのだな、と改めて思いました。

『傲慢と善良』から、内容が気になっていたので読んでみましたが、前半は、自分には合わなかったのか、正直なぜ名作と言われるのかわからないほど退屈でした。

まず登場人物が多いのと、人間関係がなかなか複雑で、行きつ戻りつ読みました。


しかし、後半部、いや、前半部の最後の手紙から物語は一気に面白い展開に。


内容を話すとネタバレになりますが、偏見というものはなかなか消えないもので、それは自分に自信があればあるほど、間違いに気づかなくなります。


ただの恋愛小説ではない、人間模様の複雑さや、自分が他人を見る目は、曇っていないだろうかという戒めは、ミルフィーユのように、一冊の中で重厚感を持って読者の口へと運ばれていくように感じられました。

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2022年10月10日

Posted by ブクログ

キャサリンめちゃくちゃ感じ悪いけど、リジーとのあのやりとりを経てのダーシーの心の浮き立ちようを想像したらこちらがにやにやしてしまう。
ドラマでは結婚式のシーンがあったけど原作ではないのね。
ドラマでのダーシーの笑顔がめちゃくちゃよくて、少し泣いてしまった。
なんでも言い合える(おもにリジーだけ)夫婦として仲よく暮らすんだろうな。ダーシーの愛の深さにときめきがとまらん。

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2022年10月04日

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劇的な上巻のラストから、変化していくエリザベスの気持ち。そこへ末妹が起こす騒動で一家が大きく揺らいでいくが……。

この翻訳では上下巻に分かれているため余計に意識できたのだが、上巻のラスト、つまり全体のど真ん中にダーシーの手紙があり、そこからリディアの騒動、レディ・キャサリンの件と、起伏のある展開で、構成の上手さに感嘆した。たたみかけるようにエンディングに向かっていくスピード感も素晴らしい。

先に1940年版の映画だけ見たことがあるのだが、各人物の印象もあまり変わらず、ストーリーもほぼ記憶通りで、良くできていた映画だったんじゃないかと後から思う。ただ、レディ・キャサリンの顛末はちょっと違っていたような……?(うろ覚え)いずれにせよ映画観て原作も読んだんだからこれで十分かと思いきや、まだまだ他の翻訳や映像作品にも触れたいと思わせるのは、さすがの名作である。

人間関係をつかむ上で、登場人物の階級が重要な要素である本作。複雑ではないが、身分差における距離感は現代日本の我々にはやや実感しづらいかも。

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2022年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻の最後、ダーシーからの手紙をきっかけに下巻では物語が動く。
ダーシーへの偏見によって真実を見ようとしていなかったことに気づいたエリザベス。

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2022年06月03日

Posted by ブクログ

とにかくおもしろかった!!

一気読みしました。
女性として人間としての振る舞いって大切。婚活女性に読んで欲しい。

イギリス文学もっと読みたくなりました。

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2022年04月23日

Posted by ブクログ

ダーシーが本当に素敵な人だなと思う。彼の高慢さで家族や周りの人に理解されないのではと途中までもどかしかった。エリザベスが自分の気持ちに素直になれて、本当に良かった。彼女は家族が色々大変であったけど、思慮深く、彼女がとる行動は流石だと思った。最後はスッキリ。面白い作品だった!

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2022年01月26日

Posted by ブクログ

続きが気になって(きっと恋は成就するのだろう、と結末は想像できるにもかかわらず)一息に読み切ってしまいました。
このあたりの「魔力」は上巻でも感じた通り、まさに韓国ドラマを見ているようでした。

姉の恋愛を邪魔し、憧れていた人の前途をつぶしたと思っていた憎い相手でしたが、そのことが勘違いだと気づいたエリザベス。ダーシーが自身に寄せてくれた好意をむげに断ったことを恥じていましたが、思わぬところで再会したこと、またその時のダーシーの態度が今まで以上に好意を寄せるものであったことを受けて、いつしか想いを寄せるようになります。
しかし、ダーシーの因縁の相手と末の妹が駆け落ちをしたり、強大な権力を持つダーシーの叔母がエリザベスとの交際に反対したりと、次から次へと恋の障害が立ち上がるところにはやきもきさせられますし、互いの想いが成就するところ、これまでの障害が一気に解決する様子は読んでいて爽快です。結末もそれぞれのキャラクターの個性が十分に発揮されたもので、説得力がありましたし、なにより読後感が充実していました。

今でも人気が出る恋愛ドラマの原型が、すでに1813年に作り上げられていたのかと思うと、驚くばかりです。

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2021年11月08日

Posted by ブクログ

「高慢と偏見」には、いくつもの印象的な場面、有名な箇所がある。
ちょっと思いついただけでも、

1 冒頭の文章
2 最初の舞踏会……エリザベスとダーシーの最悪の出会い
3 風邪を寝込んだ姉ジェインの看護のため、エリザベスがビングリー家まで徒歩で訪問
4 コリンズ牧師の求愛行動とその顛末
5 ダーシーの叔母キャサリン夫人宅訪問
6 ダーシーの突然の求愛とエリザベスの強烈な拒絶
7 ダーシーからの手紙
8 ペンバリーのダーシー邸見学と再会
10 ウィッカムとリディアの駆け落ち事件
11 キャサリン夫人とエリザベスの対決
12 ダーシーのベネット氏訪問(めでたしめでたし)

他の長編にもそれぞれ印象的な場面があるが、「高慢と偏見」にはそれがきわだって多い。
繰り返し映画やテレビドラマが作られるのも納得である。

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2020年08月07日

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ものすごいいいところで分けたと思う、下巻。
とりあえずエリザベスの葛藤から始まるわけですが、この子の「公正さ」へのこだわりすげぇな、と昔の自分を見ているようでした(笑)。父譲りの皮肉屋なんだけど、自分が本来正しいと思うべきだったものに対しての全面降伏が早いというか、妙なとこ素直なんだよね……。上巻で言及した通り、彼女の自尊感情には健康的と言うには少し足りていない部分があるのですが、この場合はいい方に折れたのだなあと。

ダーシーのほうも、上巻でのやりとりで既に、彼女が公正さへのこだわりを抱えていることを知った上で、再チャレンジを目論んだのだろうかと感じました。なので下巻の、いったん振られたはずの彼の様々な働きかけが自己中、迷惑にならず、そして万事上手くいったのだと思う。


さて、100分de名著では、終盤の子馬への言及に関し、彼女が馬鹿にしていた母親の価値観である物質的なものの価値に毒された、みたいな締め方をされていたような記憶がありますが(記憶違いだったらごめんなさい)、これは、そういう話ではないと思う。
完全な人間が肉体と精神と魂の合一であるように、完全な物事の本質というのも、精神と物質、双方の価値を(正しく!)具えていなければならないのではないか。
その点、ダーシーの邸宅の素晴らしい庭や調度品の描写は、それを「魂を知る者が財力を傾けた物質」という意味で、地上にあるものとして完全、理想に近かったのだろう。
そして、それを踏まえた上で、母親の妄執を「おちょくる」「ネタにする」ようなスタンスでの、叔母への手紙での言及だったのではないだろうか。「魂のない物質を追求してもしょうがない。私の手に入れるのは、本物なのだ」「持っているだけではない、使うのだ」「それも、本来屋敷に立ち入るべきではないとされる階級の、本物の魂を持っている親族とともに」といったあたりである。
もちろん浮かれている、上から目線(天狗)になっている、という側面もないではないだろうが、全体的には「視野が一段階広くなった」ように見えた。

しかしエリザベス目線の物語としてだと、「自分も成長した」というのが第一の収穫、達成なのだけど、彼女の物言いとか解説、親友の結婚の周辺で説明された事情をふまえるに、
「取るに足らない、相続権もなく働くことも許されない女性が、財産もある立派な男性の生き方を変えた!」
というのもとても大きな達成なんだろーなー。
そのあたりといい、結末に明かされるダーシーの心の動きといい、前から言ってる少女漫画あるある『「クッ、面白え女」メソッド』まんまである。庶民出のヒロインが御曹司の生き方変えるやつ。
しかし最近のコンテンツなら「変わった女」「図々しい」「度胸ある」くらいで全て説明が済んでしまうこのメソッド、ここまでちゃんと解説する必要あったんだな、19世紀には……(笑)


そしてあれ。これは避けて通れないのでは、という感想が
「元祖ツンデレップルかよ!」
だった……。いやはや、ツン→デレという古典的テンプレを見た。個人的にイギリスツンデレップル1位はハウルとソフィーなのだが、いいところまで迫ったかもしれない。
(最も心に残るツンデレは、ジェイン・エアの「チェンジリングめ!」ですが、あれは旦那様を元気づけようとする、いわばお仕事ツンデレなので、感想はむしろ「尊い……」となり別カウントです)


ごちそうさまでした。

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2018年10月01日

Posted by ブクログ

まさに高慢と偏見で。
典型的少女漫画みたいな流れで、現代にもパターンとしてはよくある。
現代少女漫画を読めば、またこのパターンかよ!という。
だけど、とても面白かった。

いかに金持ちと結婚できるか?二十歳過ぎるともう遅いという感覚。
キャラクターがはっきりしていて、面白い。すれ違いでイライラするところとか意外性からときめくのとかも王道だけど、だいたい結末はわかってるのに、先はどうなるのか早く知りたくなる。

ちょっと気になったのが、ダーシーなど男性で「〜ですもの」という訳。ちょっと女性っぽいので、「〜ですから」とかそういう感じにしたらいいのになと思った。

イギリスBBCドラマ、コリン・ファースの高慢と偏見を録画しているので次はそれを観てみよう。
→観た。ほぼ原作通りでオススメ!

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2016年07月17日

Posted by ブクログ

やばい、現代でも十分に楽しめる傑作。特に2011年出版版は解説が非常に親切なのでイギリスの階級について分からない人は絶対いい!
今年のイギリス文学ブームの中で群を抜いて面白かった。
映画も観たいと思う。

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2012年08月21日

Posted by ブクログ

夜更かししてまで一気に読んでしまった。後半のわくわく感はすごい。
それぞれこれまでの自分の自意識や浅はかさを恥じるエリザベスとダーシーが、向き直って惹かれあい、結びついていく過程の面白さ!
そうよね、こうでなくちゃ!という気持ちにさせる大団円のラストもよい。
こうなることはわかっているけれども、ハッピーエンドであるべきだ。

たしかに上流階級の話で、そこには労働のつらさや生活への心配はないからこその浮世離れした感じはあるけれど、フィクション、ロマンスとして楽しむにはこれでいい。当時の社会では階級は大事なことだったのだろうけれど。
登場人物の美点や欠点、気持ちの移り変わり、そして恋愛感情はどの時代にも普遍的なことだし、オースティンは現代にも通じる「人」「感情」を素晴らしく表現していると思う。

ユーガットメールの中で、主人公が「高慢と偏見」を繰り返し読んでいると言っていたけれど、確かに何回繰り返し読んでも楽しめる、最高の小説のひとつだ。
そして、数々の小説や映画(ユーガットメール含む)で繰り返される「高慢と偏見」のテーマはやはり人間に共通した普遍的なテーマなんだろう。

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2012年01月27日

Posted by ブクログ

上巻に続き、とても面白かったです。当時の時代背景なども分かりやすく描かれていて、難しいかもと躊躇する必要もなかったです。キャラクターも個性的だし、エリザベスには読んでいて学ぶべきところも沢山あり、また内容もドラマチックで好みでした。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

この本は今読んだからこそ面白さを理解できたのだと思う。
この数ヶ月間で女性作家を中心とした現代小説を読んでいるわけだが、その中でも群を抜いているいっても過言ではない。

ウィットに富んだ皮肉の数々、主語を欠き視点移動も自在な為、"誰の・何処の・何の"話題なのか訳がわからなくなる構成、馴染みの無いミス・ミセス・ミスタの応酬に複雑な家系図。
世界史の勉強の難しさに似ている。

面白い。

上巻でダーシーの印象が最悪なのは、本人の口から出た災いともいえるが、ネザーフィールドの住人の文化水準が低く、「あんな下品な連中とは付き合ってられない」という、ダーシー側の視点からすると、払拭どころか考えを改めざるを得ない。

特に顕著なのはミセス・ベネット。
リディアの際は、ウィッカムの表面的な印象に囚われて結婚に歓喜する。
ジェインの際は、ビングリー自体は申し分ないわけだが、何の連絡も無く屋敷を去ったことへの怒りを忘れて歓喜する。
エリザベスの際は、あれ程までに嫌っていたダーシーが婿になると知った途端、金勘定で歓喜する。

その他、コリンズなどは言うまでもなく、どうもネザーフィールドの近隣の住民達はひと癖もふた癖もある人ばかり。

この上層中産階級への解像度の高さ、心情表現の豊富さは20歳前半の表現力とは思えない。

しかし、「嫁ける」という表現には恐れ入った。言い得て妙だが、現代で使おうもんなら大炎上するに違いない。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

イギリス文学に初挑戦してみた。たったひとつのシーンごとの描写の回りくどさに最初は面食らったが、慣れると小気味良い言葉のリズムに心地良さすら感じるようになった。イギリス人特有の皮肉に満ちたセリフの応酬はみはや一周回って清々しく見えた。登場人物全員に多かれ少なかれどこか「鼻につく」要素があり、そこに作者の登場人物達へののアイロニーと愛を感じた。特にエリザベスは愛さずにいられない人物であり、彼女の快活さ、聡明さ、自負心の強さには憧憬の念を抱かずにはいられなかった。イギリスの片田舎で、2人の中流階級の貴族、鼻持ちならない自尊心の高さを持つダーシーと自負心故の軽率な偏見を持つエリザベスが、互いにぶつかり合い、愛し合うことで互いの欠点を直視し、歩み寄ろうとするストーリー。そこに絡む一癖も二癖もあるようなイギリス貴族達。それら全てを俯瞰し、平易な文体でありながら見事に描写しつくす作者の技量に感嘆するばかりだ。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恋のシーソーゲームとはこのことか。日本でいうと江戸時代に書かれたドラマだが、今読んでもおもしろい。恋愛に関する誤解と偏見を通じてなかなかゴールしないふたりにハラハラする。

上巻の最後でダーシーから手紙を受け取ったエリザベスは、今までダーシーを偏見を通じて見ていたことに気づく。しかし、いまさらどうにもならないのだった。
エリザベスはガーディナー夫妻とともにダーシーの家を訪れる。ダーシーは不在だったが、召使いがいて、ダーシーがいかに素晴らしい人かを語る。そこに突然ダーシーが戻ってくる。丁寧な対応をして、ガーディナー夫妻は感激する。ダーシーはエリザベスに対しても丁寧な対応をするが、手紙のことは触れない。
兵士のウィッカムと、エリザベスの妹のリディアが結婚する。この結婚についてはダーシーが関わっていることをエリザベスは知り、ガーディナー夫人に問い合わせる。ガーディナー夫人は、ダーシーがウィッカムの仕事や借金返済の面倒を見たことを伝える。
やがてビングリー氏がエリザベスの住むベネット家を訪れる。ダーシーも連れてくる。
ビングリー氏はエリザベスの姉であるジェインと結婚することになる。その後、エリザベスはダーシーと話をする機会を得て、すべてを打ち明ける。ダーシーはまだエリザベスを愛していた。エリザベスはダーシーと結婚することになる。

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2020年04月02日

Posted by ブクログ

上巻読んでそのまま徹夜モードで下巻も読み終わった。
ストーリーは単純、というか、狭い世界の話なんだけど、18世紀の文学だということに驚く。
今読んでも十分面白いよなー。少女漫画とかにありそう。
イギリスのがんじがらめな階級社会の雰囲気が感じられて、興味も惹かれた。
元からある階級と経済力の均衡。
業革命後の社会って、こんな風に推移していったんだな〜と思った。
今の時代よりは、社会の変化はだいぶゆっくりとした速度だったんだろうけどね。

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2015年10月22日

Posted by ブクログ

高慢と偏見がもたらす人編関係の喜劇。
色眼鏡なく人と接することの困難さ。
相手を知るということが、いかに大切か。

そして、誤ちを認める素直な心。

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2013年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

≪内容覚書≫
19世紀イギリスの作品。
ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
大人しく優しい、ジェイン。
お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
その友人のミスタ・ダーシー。

すれ違う4人の恋模様を
イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。

高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。

≪感想≫
らすじをまとめようと思ったら、まさに王道な少女漫画。
第一印象は最悪!だったけど、相手を知る内に…、
というパターン。
これはもう、洋の東西を問わず、古今を問わず、
恋愛における珠玉のテーマなんだろうな、と思ってしまった。
書かれた時代が時代なので、
女性に対する扱いが多少低いな、と思わせられるし、
最終的に結婚してハッピーエンドは安易すぎる結末だけれど、
このよくあるパターンに、
イギリス特有のユーモアと皮肉の利いた表現が、
ほどよい刺激を与えてくれ、退屈することなく最後まで読める。

イギリス文学は、読んでいて、
ニヤリとさせられてしまうことが、本当に多い。
特に、この作品の女性の描き方は、
さすが女性作家、と思わせられる。
ああ、いるよね、こういう女…、と、
何度ニヤニヤしてしまったことか。
国境だけでなく、時代を越えても通じるものがあるのが、
不思議と言えば不思議。

古い文学作品は、確かに、読みにくい物もあるけれど、
これは、そういう、まさに「偏見」を捨てて、
手にとってみるといい作品だと思う。

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2013年02月12日

Posted by ブクログ

少女マンガに負けない、きゅんとくる恋の名作。

とにかくダーシーは少女マンガのヒーローですね。なにこの王子様。ちょっと頑固なところまで含めて完璧です。案外文化や時代が違っても、恋愛ものの王道は変わらないのかも。

リジーも言っていますが、ダーシーのほぼ意のままに操られているミスタ・ビングリーは大丈夫なのか(笑)

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2013年01月04日

Posted by ブクログ

”それぞれの登場人物がいきいきと描かれている”のがオースティンの特徴。
この(下)は、まさにその言葉どおり。
おそらく人気があるエリザベスだけでなく、ちょっと”面倒な妹”のリディアも、重要な役割。
それにしても、ダーシーさまの男らしいこと!

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2012年08月21日

Posted by ブクログ

後半の展開が面白い。
なんか、すごく少女マンガなようで、皮肉さとかのユーモラスさは青年マンガ。
といえばいいのか、きれいめな話といえば、実際のところすんなりとエンディングを迎えると思えば、そうでない。
なんかとてつもなく紆余曲折があって、いろんなプロセスがぐぁんぐぁんって感じ。
登場人物が少ないけど、その世界がすごく惹きこまれる。

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2012年02月09日

Posted by ブクログ

やはり読み出したら一気に上下巻読んでしまった。新潮文庫版で昔読んでいるけど、何度読んでも面白いの一言に尽きる、ラブコメの元祖のような小説。
登場人物ひとりひとりに対する辛辣かつ繊細な性格描写、何と言ってもダーシーとエリザベスという主人公達の魅力的なこと。ドタバタ喜劇の中にさりげなく人生や人間に対する苦さや恋の甘さ切なさが織り込まれている。
ただ、翻訳としては新潮文庫版の方が良いかもしれない。

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2012年02月08日

Posted by ブクログ

上下巻とも読み終えました。この本を読むにあたって,十八世紀のイギリスの上流階級の生活を理解していないと十分本書の魅力が分からないのかもしれないと思いました。イギリス文学の傑作と言われているその意味合いまで,残念ながら今回初めて読み込むことができませんでした。

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2023年12月29日

Posted by ブクログ

1度読んでいたはずなのに細かい部分をかなり忘れていた。
ダーシーがピングリーとジェインを引き離そうとしたのが母や妹達の品のなさにあったとか、リディアとウィッカムの駆け落ちを収束したのが他ならぬダーシーだったとか、レディー・キャサリンが訪ねて来たことなど、いずれも物語の重要なポイントだった。
古い話なので、まどろっこしい所はあったものの人物描写が生き生きと描かれ楽しめた。

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2019年08月03日

Posted by ブクログ

オースティンの面白さを、正確に表そうとすると、なんだかう〜んと唸ってしまう。面白さ、と言っていいのかどうかもアヤしい気がする。
しかし惹かれる、読みたいと思うのは何故だろう。

激しさや、これと言って大きなアップダウンがあるわけではないんだよね。静かで、牧歌的とも言えるかもしれない。
恋愛沙汰にしても、キッタハッタや転落があるわけではない。

そもそも生活に困らないお金持ちの人たちの話なので、気持ちが切羽詰まったりしないんである。
邸があって庭園があって馬車やパーティがあって。部類で言えば、コージーな。

TVの昔の”トレンディドラマ”の時も、「あんたたち、少しはマジメに仕事しなさいよ!!」と思っていたが、ここにいる人たちには女性はともかく男性たちにも、差し迫った仕事の様子は見えない。
おっとりと、恋愛や人の気持ちにかまけていられる。
そういう意味では、19世紀の”トレンディドラマ”、と見ることも出来る。。。

「ああ、リジー、愛情のない結婚だけはしないでちょうだい」なんてセリフも差し込まれはするが、愛情も何も、相手の方にお金あってのことである。
母親も、娘たちのお相手に関しての基準は「資産」のようで、リディア→ジェイン→エリザベスとヒートアップしていく様子が可笑しい。

一番好きなのは、エリザベスの、レディ・キャサリンへの啖呵の場面である。そーだ、言ったれ言ったれ、と心の中で大応援である。エリザベスという女性のバイタリティが頼もしい。
このシーンがあるから、おっとりとした恋愛模様だけでなく、メリハリがついているのかも。

解説で《カントリーハウス小説》というくくり方をしているが、なるほどね、フォースター、ヴァージニア・ウルフ、イーヴリン・ウォー、そしてカズオ・イシグロ「日の名残り」と、イギリス小説の大きな魅力の一つであることは間違いない。

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2011年12月05日

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