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Posted by ブクログ
「独身の青年で莫大な財産があるといえば、これはもうぜひとも妻が必要だというのが、おしなべて世間の認める真実である」
世の中には書き出しが有名な小説がそれはもう星の数ほどありますが、本作『高慢と偏見』もその一つであります
まぁ空で言えるくらい嗜んでいるのが理想ではありますが、この一文を聞いた時に顔も上げずにほそっと「あーオースティンね」なんてことが言えたら、それはもうかっこよ!
はい、でこの書き出しがなんで素晴らしいのか?っていうとね
そういう物語なんです
もうこの書き出し読んだら、もうその後読まなくてもいいくらい(なわけあるか!)
そのくらいギュッとされていて、このあとに続くドタバタ物語を薄っすらと読者に予感させる素晴らしい書き出しなんですな
要するに「独身で莫大な財産を持った青年が妻を娶る物語」なんですが、冒頭で世間の常識!みたいな宣言をしちゃう訳です
当然、世間の常識とはかけ離れた物語が展開することになるわけです
素晴らしい
で『高慢と偏見』という言葉の意味だけ書いておいてやろう
読んだ気になるがよい
まぁ十八世紀のイギリスの階級社会な
まずこれがあるわけです
で、階級の高い青年これはもう「高慢」なわけです
中身はもうめちゃくちゃにいい人なんですが、そういう教育されてますから、ちょっと身分の低い人にはそういう態度を取っちゃうんですね
それが当たり前だと思ってますから
そしてちょっと身分の低いヒロインにはそういった奴らは鼻持ちならない嫌な奴らばっかりという「偏見」があるんです
このヒロインがかなり先進的な考えの持ち主なんですが、そんな人でさえ「偏見」にとらわれているってとこが深いんですがね
で、いろんなドタバタがあって二人がそれぞれの「高慢」と「偏見」に気付いて、改めることでめでたくフォーリンラブ!となるんですな
他にもいろいろ深いポイントはあるんだが、まぁこんな感じ
さぁ、思う存分読んだ気になりなさい
Posted by ブクログ
結論から言って、むちゃくちゃ面白い内容でした。
当時のイギリスの階級制度など、基礎的な知識はあった方が楽しめますが、なるほど人間関係のいざこざは100年以上経っても変わらないものなのだな、と改めて思いました。
『傲慢と善良』から、内容が気になっていたので読んでみましたが、前半は、自分には合わなかったのか、正直なぜ名作と言われるのかわからないほど退屈でした。
まず登場人物が多いのと、人間関係がなかなか複雑で、行きつ戻りつ読みました。
しかし、後半部、いや、前半部の最後の手紙から物語は一気に面白い展開に。
内容を話すとネタバレになりますが、偏見というものはなかなか消えないもので、それは自分に自信があればあるほど、間違いに気づかなくなります。
ただの恋愛小説ではない、人間模様の複雑さや、自分が他人を見る目は、曇っていないだろうかという戒めは、ミルフィーユのように、一冊の中で重厚感を持って読者の口へと運ばれていくように感じられました。
Posted by ブクログ
劇的な上巻のラストから、変化していくエリザベスの気持ち。そこへ末妹が起こす騒動で一家が大きく揺らいでいくが……。
この翻訳では上下巻に分かれているため余計に意識できたのだが、上巻のラスト、つまり全体のど真ん中にダーシーの手紙があり、そこからリディアの騒動、レディ・キャサリンの件と、起伏のある展開で、構成の上手さに感嘆した。たたみかけるようにエンディングに向かっていくスピード感も素晴らしい。
先に1940年版の映画だけ見たことがあるのだが、各人物の印象もあまり変わらず、ストーリーもほぼ記憶通りで、良くできていた映画だったんじゃないかと後から思う。ただ、レディ・キャサリンの顛末はちょっと違っていたような……?(うろ覚え)いずれにせよ映画観て原作も読んだんだからこれで十分かと思いきや、まだまだ他の翻訳や映像作品にも触れたいと思わせるのは、さすがの名作である。
人間関係をつかむ上で、登場人物の階級が重要な要素である本作。複雑ではないが、身分差における距離感は現代日本の我々にはやや実感しづらいかも。
Posted by ブクログ
続きが気になって(きっと恋は成就するのだろう、と結末は想像できるにもかかわらず)一息に読み切ってしまいました。
このあたりの「魔力」は上巻でも感じた通り、まさに韓国ドラマを見ているようでした。
姉の恋愛を邪魔し、憧れていた人の前途をつぶしたと思っていた憎い相手でしたが、そのことが勘違いだと気づいたエリザベス。ダーシーが自身に寄せてくれた好意をむげに断ったことを恥じていましたが、思わぬところで再会したこと、またその時のダーシーの態度が今まで以上に好意を寄せるものであったことを受けて、いつしか想いを寄せるようになります。
しかし、ダーシーの因縁の相手と末の妹が駆け落ちをしたり、強大な権力を持つダーシーの叔母がエリザベスとの交際に反対したりと、次から次へと恋の障害が立ち上がるところにはやきもきさせられますし、互いの想いが成就するところ、これまでの障害が一気に解決する様子は読んでいて爽快です。結末もそれぞれのキャラクターの個性が十分に発揮されたもので、説得力がありましたし、なにより読後感が充実していました。
今でも人気が出る恋愛ドラマの原型が、すでに1813年に作り上げられていたのかと思うと、驚くばかりです。
Posted by ブクログ
「高慢と偏見」には、いくつもの印象的な場面、有名な箇所がある。
ちょっと思いついただけでも、
1 冒頭の文章
2 最初の舞踏会……エリザベスとダーシーの最悪の出会い
3 風邪を寝込んだ姉ジェインの看護のため、エリザベスがビングリー家まで徒歩で訪問
4 コリンズ牧師の求愛行動とその顛末
5 ダーシーの叔母キャサリン夫人宅訪問
6 ダーシーの突然の求愛とエリザベスの強烈な拒絶
7 ダーシーからの手紙
8 ペンバリーのダーシー邸見学と再会
10 ウィッカムとリディアの駆け落ち事件
11 キャサリン夫人とエリザベスの対決
12 ダーシーのベネット氏訪問(めでたしめでたし)
他の長編にもそれぞれ印象的な場面があるが、「高慢と偏見」にはそれがきわだって多い。
繰り返し映画やテレビドラマが作られるのも納得である。
Posted by ブクログ
ものすごいいいところで分けたと思う、下巻。
とりあえずエリザベスの葛藤から始まるわけですが、この子の「公正さ」へのこだわりすげぇな、と昔の自分を見ているようでした(笑)。父譲りの皮肉屋なんだけど、自分が本来正しいと思うべきだったものに対しての全面降伏が早いというか、妙なとこ素直なんだよね……。上巻で言及した通り、彼女の自尊感情には健康的と言うには少し足りていない部分があるのですが、この場合はいい方に折れたのだなあと。
ダーシーのほうも、上巻でのやりとりで既に、彼女が公正さへのこだわりを抱えていることを知った上で、再チャレンジを目論んだのだろうかと感じました。なので下巻の、いったん振られたはずの彼の様々な働きかけが自己中、迷惑にならず、そして万事上手くいったのだと思う。
さて、100分de名著では、終盤の子馬への言及に関し、彼女が馬鹿にしていた母親の価値観である物質的なものの価値に毒された、みたいな締め方をされていたような記憶がありますが(記憶違いだったらごめんなさい)、これは、そういう話ではないと思う。
完全な人間が肉体と精神と魂の合一であるように、完全な物事の本質というのも、精神と物質、双方の価値を(正しく!)具えていなければならないのではないか。
その点、ダーシーの邸宅の素晴らしい庭や調度品の描写は、それを「魂を知る者が財力を傾けた物質」という意味で、地上にあるものとして完全、理想に近かったのだろう。
そして、それを踏まえた上で、母親の妄執を「おちょくる」「ネタにする」ようなスタンスでの、叔母への手紙での言及だったのではないだろうか。「魂のない物質を追求してもしょうがない。私の手に入れるのは、本物なのだ」「持っているだけではない、使うのだ」「それも、本来屋敷に立ち入るべきではないとされる階級の、本物の魂を持っている親族とともに」といったあたりである。
もちろん浮かれている、上から目線(天狗)になっている、という側面もないではないだろうが、全体的には「視野が一段階広くなった」ように見えた。
しかしエリザベス目線の物語としてだと、「自分も成長した」というのが第一の収穫、達成なのだけど、彼女の物言いとか解説、親友の結婚の周辺で説明された事情をふまえるに、
「取るに足らない、相続権もなく働くことも許されない女性が、財産もある立派な男性の生き方を変えた!」
というのもとても大きな達成なんだろーなー。
そのあたりといい、結末に明かされるダーシーの心の動きといい、前から言ってる少女漫画あるある『「クッ、面白え女」メソッド』まんまである。庶民出のヒロインが御曹司の生き方変えるやつ。
しかし最近のコンテンツなら「変わった女」「図々しい」「度胸ある」くらいで全て説明が済んでしまうこのメソッド、ここまでちゃんと解説する必要あったんだな、19世紀には……(笑)
そしてあれ。これは避けて通れないのでは、という感想が
「元祖ツンデレップルかよ!」
だった……。いやはや、ツン→デレという古典的テンプレを見た。個人的にイギリスツンデレップル1位はハウルとソフィーなのだが、いいところまで迫ったかもしれない。
(最も心に残るツンデレは、ジェイン・エアの「チェンジリングめ!」ですが、あれは旦那様を元気づけようとする、いわばお仕事ツンデレなので、感想はむしろ「尊い……」となり別カウントです)
ごちそうさまでした。
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