小尾芙佐のレビュー一覧

  • 闇の左手

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     両性具有の人類とはどんなものだろう。そして、彼らの統治する社会はどんな物になるだろう?性別という概念がそもそも存在しない世界、混ざりあって溶けている世界の常識や世界の仕組みは?本作は『冬』と呼ばれる閉ざされた惑星ゲセンで、両性具有の人類が作り上げた世界の様相と、その惑星の中で巻き起こる国家間の陰謀を描いている。
     こう書くと随分壮大な話に見える。実際この物語は壮大な世界観を持ち、『両性具有の人類による社会』を丹念な筆致で描いているのだが、おそらく本作の本旨はその設定の重厚さにあるのではない。その両性具有の社会にやってきた私たちと同じく性別のある人類――惑星連合エクーメンの使節、ゲンリー・アイ

    0
    2025年08月12日
  • 第三の女

    Posted by ブクログ

    ポアロもの。

    ある朝、ポアロの元に「自分が犯したらしい殺人について相談したい」と、ノーマという若い娘が訪ねてきます。
    ですが、ポアロを見た彼女は「(ポアロが)お年寄りすぎるから・・」と、結局何も告げないまま去ってしまい・・。

    朝食を邪魔された挙句に「年を取り過ぎている」(←言わば、“オジイは無用!”ってこと?)と、言われてしまい、しょっぱなから大ダメージのポアロがお気の毒。
    とはいえ、“腹は立つけど、殺人があったのか気になる”ってことで、オリヴァ夫人全面協力のもと、捜査を開始することに・・。

    さて、「殺人しちゃったかも・・?」と言っているノーマなんですが、話を聞いても支離滅裂だしあまりの

    0
    2025年08月06日
  • 闇の左手

    Posted by ブクログ

    異世界というか、異星におけるリアリティを追求した作品。背景設定は作り込まれているように感じたが、今となっては小説だけでなく、漫画やゲームでもこのぐらいは普通な気もした。
    雪原の逃避行は圧巻だが、横断後の結末にかけては陳腐な印象もあった。

    0
    2025年08月04日
  • ママは何でも知っている

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なるほどこれが安楽椅子探偵物といわれるものか。謎解きにはあんまり興味がなかったので、主人公は随分マザコンなんだなぁとかアメリカにも嫁姑問題はあるんだなぁとかいうことが気になった笑

    0
    2025年08月03日
  • IT(4)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ここまでは面白かったが最終巻でよくわからなくなってしまった。SF的な展開だったか。
    人物描写は素晴らしい。でも肝心のITという存在にあまり納得できなかった。何もかも操作できる存在が、素手の人間に負けるイメージがわかない。
    それとベヴァリーが全員と性行為をする必要がないように思えた。いくら友だちとして全員好きとはいえ、11歳の少女に不自然な役割をさせているように思える。手のひらの血の絆だけでも十分ではないか。
    これだけ死闘を繰り広げても、最後には何があったかも忘れて、仲間のことすら思い出せなくなるのがとても悲しかった。

    0
    2025年07月25日
  • IT(3)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エディの骨折の章を読むのが精神的につらかった。エディと母親との関係が最も深刻に感じる。自分の居場所を息子に求め、そのためなら息子の自由を奪うことも厭わない姿は醜悪だった。彼女がこうなった理由は夫を失ったことがきっかけだった。
    ヘンリーは父親の影響で差別心と暴力が絡み合って暴走し、なぜ父親がこういう人物なのかといえば戦争に行ってから変わったのだという。
    こういった人物描写が素晴らしい。何を考えているか、どんな過去があるのか、ひとりひとり掘り下げていくことで物語に厚みが増していく。
    クラブハウスで儀式を行った際に見たITは意外だったが、最終巻で更に明らかになるのだろうか。ほかの登場人物像は詳しく明

    0
    2025年07月25日
  • IT(2)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第2巻、どんどん面白くなってきた。
    ついに、やっと仲間たちが再会するシーンは感慨深かった。ここに集結するまで、いい大人であるみんなが現在どんな生活をしているかを知った上で、全員の子ども時代を振り返っている。そのために自分も仲間の一員になったかのような感覚で、まるで一緒に立ち向かっているように感じられる。
    感情移入や共感とは違っていて、これは共有かもしれない。その土地や時代を共有した者たちにだけわかる何かを、無関係の読者である私がなぜか感じている。こんな小説は初めてだ。
    少年少女の思い出には懐かしく楽しいだけではない、紛れもない恐怖も混ざっているが、みんなが親友になった連帯感の中で聞く体験談はい

    0
    2025年07月12日
  • ロカノンの世界

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ル・グウィンが世に問うた最初の作品だそうな。
    SFがFTに溶けてくカンジ。これまで読んできたル・グウィン作品の中では『ゲド戦記』の風合いが最も濃い。つまり、好みの部類ではある。

    ハイニッシュ・ユニバースのシリーズは意図的に避けてきた。ル・グウィンを知った頃はFTにハマっており、その頃SFを意図的に避けていたのだが、その延長線上にあたるだけで他意はない。先立っては『銀河英雄伝説』のシリーズも通読していたので、それ系が苦手とかキライとかいうわけではないと思うが、なんで避けていたのかはよく覚えていない。以後、機会を失い続けてきた。

    SFがFTに溶けてスペオペになった。クライマックスが超展開。ル・

    0
    2025年07月07日
  • IT(1)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    子どものみずみずしい感性が懐かしく感じられて良かった。友だちと新しいことを考えるときの楽しみや、秘密基地に集まるときのワクワク、親にすべてを話しているわけではなくて、子どもには子どもの世界がある。
    そんな子どもたちが良い子にしていても関係なく、次々に餌食になっている事態は本物の恐怖をつれてくる。ピエロの正体はなんなのか、27年前に何があったのか、大人になった少年少女たちはこれからどうするのか……それを楽しみにしながらも今はまだ少年たちの冒険を読んでいたいなと思う。

    0
    2025年07月01日
  • 闇の左手

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    "光は暗闇の左手(ゆんで)
    暗闇は光の右手(めて)。" p.282

    仰ぎ見るばかりだった偉大な先達に親しみを覚えたのは、二度目か三度目かの『シルマリルの物語』再読の最中だった。トールキン教授の稚気ともいうべき設定を見出して、あの偉大なる世界記述者にも厨二病があった!という喜びを覚えたのである。こちらのレベルへひきずりおろした昏い喜びではない。そういうこともあるのかという、自然現象、不変の真理の発見に近いかもしれない。
    すなわち、厨二病は誰にでもある。違いは、公言するかしないかだけ。
    厨二病を押し通して面白ければいいが、そういうことは稀であろう。そのようなものは、物語として

    0
    2025年06月17日
  • 闇の左手

    Posted by ブクログ

    ビブリオバトルでチャンプ本になり、読んでみたい小説でした。
    異星における壮大な世界観。
    映像化すれば、きっと見に行く。
    他の作品も気になるので、いずれ読んでみようと思ってます。

    0
    2025年05月22日
  • ママは何でも知っている

    Posted by ブクログ

    面白いんだけど、謎に挑戦しようとすると難しいかもしれない。結構昔の本で、当時の常識や風俗を知っていないと解けない謎がいくつかある。(当時のニューヨークの様子やユダヤ教の習慣など)1950年台のアメリカ文化に詳しい人なら解けるかも。

    純粋な読み物として楽しむことをおすすめします!

    0
    2025年05月14日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

    Posted by ブクログ

    なかなか印象深い流れ、最後までどうなるかわからない
    いい意味でリアリティがあり、終わり方tも良かった

    0
    2025年04月17日
  • 火星のタイム・スリップ

    Posted by ブクログ

    再読。といっても前に読んだのはたぶん20年以上前で、ほぼ初読状態。
    ディックらしい作品の一つ。ぐにゃぐにゃと歪んだ現実を五感すべてで感じられるかのように読ませられる書きぶり。時間の狂い方すら歪んでる進行。モラルなんか無いが人との繋がりは持たずにいられない登場人物たち。読むのに相当の精神力が必要で、アルコールかクスリか何かの力を借りたくなる、でもページを捲らずにはいられない、そんな傑作。
    でも、きっと次は読まないかなあ。ラストの読後感が気持ちよくなさすぎる。
    あと、ハインラインの『明日を超えて』と同様、今なら出版できないと思われる表現が頻発するので、気分を害するかも。

    0
    2025年03月30日
  • ママは何でも知っている

    Posted by ブクログ

    この少ないページ数に
    登場人物のコミカルな掛け合い、
    謎解きの起承転結を盛り込んでいるのは賞賛に値するが、私が単に一方的に喋る強めな母親像が苦手なので単純に合わなかった。
    あとアメリカンジョーク的な言い回し?みたいなものも。

    ストーリーの構成は素晴らしいのだと思います。
    あとこねくり回した複雑なミステリ、というより誰もが身に覚えのある人間の俗なプライドが元になっているっていうのもおそらく親しみやすさの一つ。

    解説にもあったように、短編を重ねるごとにママの背景を明らかにして、登場人物に深みを与える手法はなるほどな!と思いました。

    0
    2025年03月29日
  • ママは何でも知っている

    Posted by ブクログ

    面白かった!やはり俺は安楽椅子探偵的な話が好きなんだなあ。難攻不落のトリックや謎解きというよりは、人間が持っている見栄やプライドや欲望、人間の弱さなどの背景なんかをママが今までの経験値から見抜いて、この人ならどんなことを考えるか?どんな行動が生まれるか?という流れから事件時の行動や動機を紐解いていくというイメージ。シャーリーとママの仲が良いんだか悪いんだか分からない関係性も面白い。嫁姑ってこれくらいの距離感がいいのかもしれないな

    0
    2025年02月15日
  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    全自閉症患者がルゥみたいだったらいいけど、重度はもう手がつけられんからなあ…
    幼児の頃に治療ができる世界、羨ましいな

    0
    2025年02月08日
  • われはロボット〔決定版〕

    Posted by ブクログ

    インタビューと短編が重なり、歴史書的な構成となっていてとても面白かった。
    ロボットの勃興から浸透、人類の救世主となるまでが描かれており、ロボットの可能性やロボット社会の希望を感じさせた。
    どの短編も面白く、〈ロボット三原則〉についてあらゆる角度から深掘りされていてとても面白かった。
    ロボットのこと大好きになってしまう。
    個人的には最後の厄災のときが壮大な世界観で面白かった。

    0
    2025年02月07日
  • くらやみの速さはどれくらい

    Posted by ブクログ

    自閉症者のルウ・アレンデイルは、パターン認識能力の高さを買われ、製薬会社の研究部門にある発達障害者を中心としたチームで成果を上げている。私生活ではフェンシングのサークルに加入し、健常者であるサークルメンバーとも仲が良く、ほのかな恋心を抱く女性もいるが、一部の健常者はルウの存在を快く思わず、障がい者の中にもルウを攻撃する者がいる。それでも公私共にまずまずの日々を送っていたルウだったが、所属先の上役から、自閉症を「治療」するための施術を受けることを要求される。日常に充実感を覚えているルウにとって、施術を受けることは「今の自分」を否定することでもあった。悩むルウの前に、あからさまな敵意と思われる事件

    0
    2025年01月22日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

    購入済み

    人間の悲哀

    IQと人間性とは関係のないものだと思う。チャーリーが彼らしく生きることがベストだった。母親の愛情は歪んでいて、安らぎどころか恐怖でしかなかった。職場でも、妬みや軽蔑の的であった。結局、彼の居場所は何処にもなかった。なにが幸せなのか、最期までわからなかった。私もアルジャーノンに花束を供えたい。

    #切ない

    0
    2025年01月09日