小尾芙佐のレビュー一覧

  • 言の葉の樹

    Posted by ブクログ

    アーシュラ・K・ル=グインの言の葉の樹を読みました。闇の左手と同じ世界設定の中で語られる、原題はTELLING(語り)というSF物語でした。アカと呼ばれる世界では伝統的な文化を捨て去り、継承者を迫害し本や記録を破壊する圧政がしかれていた。そこに地球から派遣された文化人類学者の女性サティは地方にはまだその伝統を継承している人たちが残っているはずと考えて、風前の灯火である伝統的な文化を守ろうとするのだが...ちなみにサティはインドの女神でシヴァの妃です。これも、この物語の隠し味になっています。この物語を読みながら、つらつら考えたのは、文化というのはその担い手がその文化の中で生活していくからこその文化であり、絶滅した動物の剥製のようなものは文化ではないということでした。例えば方言なども一つの文化ですが、その言葉を使って生活している人たちがいるからこその文化なのであって、その基盤が壊れてしまえば後は衰退するだけだと思います。そして、いったん壊れてしまった文化は元に戻すことはできないんだろうなあ、ということです。ヨーロッパの人たちがネイティブアメリカンや南米の文明を破壊してしまった後では、その文化を復元することはもうできないのだから。

    0
    2011年07月18日
  • 五番目のサリー 下

    Posted by ブクログ

    自分に耐えられない事件に出くわすと無意識のうちに四つの人格のいずれかにスイッチしてしまうサリーは、ある事件をきっかけに精神科医ロジャーの治療を受けることになるが…。
    五重人格のサリーの心の軌跡を鮮やかに描く感動作の下巻。

    0
    2009年10月04日
  • 五番目のサリー 上

    Posted by ブクログ

    茶色の目と髪、いつも地味な服を着ているサリー・ポーター。NYで働くごく平凡な彼女の悩みとは…。仕事も長続きせず、結婚も破局を迎えてしまった彼女の心の闇にはあと四人の人格が住んでいたのだった…。

    0
    2009年10月04日
  • 五番目のサリー 上

    Posted by ブクログ

     多重人格のお話です。
    自分でも分からないうちに違う自分の人格が支配し、自分の知らないところで色々やり、最後は自分がやってもいないことで攻められる…
     なんか可愛そうでした。
    早く治してあげて。そういう思いでページを進めました。

    0
    2009年10月04日
  • 五番目のサリー 上

    Posted by ブクログ

    自分の時間が頭痛とともに失われる。。。自分の中に、たくさんの誰かがいる。。。
    すごいよみやすいし、一気に読み終えれます(´∀`*)

    0
    2009年10月04日
  • 内海の漁師

    Posted by ブクログ

    短編集。が、やっぱり表題作を含むチャーテンという技術を巡る3つの話の印象が強いですねえ。特に「踊ってガナムへ」は読み返す事も多かったり。……でも1番好きなのはそれとは全く関係の無い「ケラスチョン」カモ。

    0
    2009年10月04日
  • IT(3)

    Posted by ブクログ

    1985年、故郷に戻った大人達。静かに見える故郷では、着々と狂気が目を覚ます。ITとは何だったのか。それを思い出さないと闘う事は出来ない。

    0
    2009年10月04日
  • ジェイン・エア(下)

    Posted by ブクログ

     本書の主人公で20歳に満たない「ジェイン・エア」は、『自分の顔の筋肉の動きを抑えることにも必死だった』や、『ある衝動が、ある力が私を振り向かせた』のような、恋愛に於いて瑞々しさを見せる微笑ましさがありながら、富や階級、慣習などには決して物怖じせず、悩み苦しみながらも自分の道をひた進む生き方を貫く姿には、きっと当時の本国の女性たちに大きな希望と勇気を与えたのだろうと思う。

     ただ、下巻に関しては途中で読むペースが全く上がらなくなってしまい、その理由を詳しく書くとネタばれに繋がってしまうため、書き方が難しいのだが、私にはやや意外で冗長な展開があったことと、ある人物の人間性の見えづらさと宗教の関わり具合がいまいち理解できなかったことがあり、それらは会話の場面を多用することにより互いの人間性を更に深く考察する、本書の特徴と噛み合っていないのではないかと感じてしまったからで、作品全体として見ると『嵐が丘』の方が好きな私は、つくづくダメ人間に胸を打たれ共感を寄せてしまうんだなということを、これでもかと痛感させてくれた。

    0
    2026年09月17日
  • アルジャーノンに花束を〔新装版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「不朽の名作!」と言われる程の感動はしなかった。
    読み終わった後の何とも言えない感情がもどかしい。あっけなく終わった印象。

    家族との再会シーンが印象的。
    父親はチャーリィをチャーリィだと認識できなかった。きっと父親にとって息子の知能などどうでもよくて、ただ息子を愛していたんだろうなと思う。
    妹はずっと、兄の知能が上がることを望んでいた。だからこそ、再会した時に快く出迎えた。
    母親は再会を喜び、そして昔のチャーリィを重ねてヒステリーを起こす。息子をそのままに愛してやりたい。でも、知能のある子だったらどんなによかっただろう。

    科学者たちに、そしてアリスに。チャーリィは利用されたのか、それとも愛されたのか。最後まで、彼らの目にチャーリィは「人間」として写っていなかったように見えた。

    チャーリィが論文を完成させる直前に立てた問い、「どうしてここまで孤独なのか」。
    これに答えが出なかったことが、知能と人情のベクトルの差を表していて一番好きなポイントかもしれない。

    アルジャーノンの死がさらっと書かれたのは、世間がアルジャーノンを実験対象としてしか見ていないからだろうなと思う。

    0
    2026年09月10日
  • ママは何でも知っている

    Posted by ブクログ

    安楽椅子探偵もの。
    実は以前に一度チャレンジしたけど途中で断念した作品。
    あれから約2年。有栖川さんの火村シリーズで安楽椅子探偵の面白さを知って再チャレンジ。

    ママは刑事である息子から事件の話を聞いているだけ。脳内だけで歪みや矛盾を完璧に突き止めて真相に辿り着く。
    「なぜそこ?」という思いもよらない質問をするのに、それがちゃんと真相につながっていくから面白い。
    これをママは家族との食事を楽しみ、嫁とのバトルまで交えながら、サラッとやってしまうんだからすごい。

    それにしても嫁姑バトルがバチバチ。
    ママも強いけど、嫁も言われっぱなしではない。「でもそれはおかしくないですか?」とママに突っ込めるのは嫁だけ。息子はママと嫁の板挟み。

    息子が話を持ち込み、ママが推理し、嫁が横からツッコミを入れる。
    よく考えたらこの三人はなかなかいいバランスなのかもしれない。

    心理描写が好きなので、ロジック中心の謎解きはやっぱり私の好みとは違う。
    でもママと息子と嫁のやり取りに人間味を感じられて、面白さがわからなかった2年前と比べると、今回は自分なりに楽しめた。

    表紙はユーモアがあってかわいくて好き。

    0
    2026年08月26日
  • アルジャーノンに花束を〔新装版〕

    Posted by ブクログ

    日本で映像化されたドラマは2作とも拝聴していたので内容自体は新鮮味もなくある程度予測がついたが原作は一度読んでみたかったので読破できて良かった。
    執筆当時の障害者は偏見と差別に塗れていて読んでいて苦しくなる部分があったが人間の悩みの根底には親子関係が根強く影響していることが分かった。
    母親への愛情を得るために危険な手術まで受けて知能を得たいと願うチャーリーの直向きさには感動した。知能を得たことにより親しみや愛着というものが失われ孤独になっていく様が自分のように感じた。自分の不遇をないものにねだりするのではなくあるものを生かして生きていくしかない思える作品。

    0
    2026年08月12日
  • 高慢と偏見(上)

    Posted by ブクログ

    この作品自体は多分3回目くらい。前に読んだときはエリザベスの話し方がどうもしっくりこなかったけど、今回新しい訳で読んだら、特に気にならなかったので、よかった。

    0
    2026年07月26日
  • アルジャーノンに花束を〔新装版〕

    Posted by ブクログ

    昔読んで結末だけ覚えていたけれど、ここまで再度読み返してここまでかと思った。人ってなんなんだろう。チャーリーの孤独、幸せっていったい何なのか…気づいてよかったのか、気づかずに通り過ぎた方がよかったのか。それにしても人って悲しいけれど平等に関わっているようでそうでもないのかもしれない。自分もそんな場面があるんじゃないかと思うと誰かを馬鹿にしているんじゃないかと怖くなる。

    0
    2026年07月24日
  • ママは何でも知っている

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『アルジャーノンに花束を』でも翻訳を担当されていた方だが、今作では翻訳文がちょっと読みづらかった。

    ・ママは何でも知っている
    3人の被疑者がいて、実はエレベーターガールが犯人というオチだけど、ずっとついていたはずのテレビが2人目の人が来た時に音はしなかった的な供述をしているのが謎。その時は女性も生きていて爆音でテレビ見ていたのでは?

    0
    2026年07月24日
  • 第三の女

    Posted by ブクログ

    1966年発表、エルキュール・ポワロシリーズ第30作。殺人を犯した「かも」しれないという不思議な依頼を受けたポワロだったが、依頼人は年老いたポワロを信頼しない。事件の全容が全く見えない中、ポワロもまた多すぎる情報とトリッキーな登場人物たちに翻弄されてゆく。オチはさすがパパ・ポワロという感じだが、ミステリの芯としてはポワロの老いとともにやや弱め。

    0
    2026年07月13日
  • 消えた少年たち(下)

    Posted by ブクログ

    子どもたちが次々と失踪する町で、心に傷を抱えた少年の視点から語られるサスペンスです。
    失踪事件の謎と並行して描かれるのは、家庭内の不和や学校での疎外感といった「子どもを取り巻く不穏な空気」で心理的な描写が細かく、特に主人公の内面の揺らぎは臨場感があり、胸が締めつけられました。
    一方で、事件の真相に至る過程がやや冗長で、ミステリーとしての切れ味には物足りなさも感じました。
    社会的背景と人間の心の闇を浮き彫りにするストーリーで、読み応えはありました。

    0
    2026年07月03日
  • 消えた少年たち(上)

    Posted by ブクログ

    子どもたちが次々と失踪する町で、心に傷を抱えた少年の視点から語られるサスペンスです。
    失踪事件の謎と並行して描かれるのは、家庭内の不和や学校での疎外感といった「子どもを取り巻く不穏な空気」で心理的な描写が細かく、特に主人公の内面の揺らぎは臨場感があり、胸が締めつけられました。
    一方で、事件の真相に至る過程がやや冗長で、ミステリーとしての切れ味には物足りなさも感じました。
    社会的背景と人間の心の闇を浮き彫りにするストーリーで、読み応えはありました。

    0
    2026年07月03日
  • 高慢と偏見(上)

    Posted by ブクログ

    初めは登場人物の名前と関係性を覚えるのが大変でネットでジェノグラムを何度も検索した。でも、絡みあった人間関係が面白くて後半からは夢中で読めた。

    0
    2026年06月27日
  • 闇の左手

    Posted by ブクログ

    異星に派遣された外交官の物語。ファンタジーのキモはその世界観にどれだけすんなり入れて没入できるかだと思うのだけど、波長が合わなかったみたい。。

    0
    2026年06月11日
  • はだかの太陽〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    鋼鉄都市より舞台設定が良い。ロボット工学三原則の盲点をつく話。そして今回物語の中心となっているソラリアではウェルズのタイムマシン、エロイ(人類)とモーロック(ロボット)の関係がそのまま生かされていて面白かった。ロボットに頼るようになり衰退した人類。シリーズだけどこれ単体で読んでも理解できる。

    0
    2026年06月07日