【感想・ネタバレ】ロカノンの世界のレビュー

あらすじ

全世界連盟から派遣されたフォーマルハウト第2惑星調査隊は、隊長のロカノンを残して全滅した。この惑星にひそむ連盟への反逆者が、調査隊を襲ったのだ。なんとかこの事実を母星に知らせようとするロカノンだったが、通信装置を破壊されてしまっていた。使用可能な装置は調査隊を攻撃した反逆者の手もとにしかない。ロカノンは、この星のヒューマノイド──風虎に乗り、空を翔けるアンギャール族の協力を得て、未踏の大陸の果てまでも反逆者を捜し求めるが…その後のル・グィンの物語世界の基調をなすSF界の女王の記念すべき長篇第1作!

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Posted by ブクログ

ル・グィンの処女長篇にしてハイニッシュ・ユニバースシリーズの第一作。全世界連盟より派遣され、未開の惑星であるフォーマルハウト第二惑星へ調査官として訪れたロカノン。連盟に敵対する勢力に仲間を殺され取り残されたロカノンが、惑星の住人たちと共に旅する。SFのようなあらすじだが、ファンタジー色が濃く、様々な種族や風虎などの魅力的な生物が登場する。神話のような美しい短篇「セムリの首飾り」から始まるこの物語だが、SFとファンタジーの融合がここまで上手くできるのは彼女のなせる技。続けて辺境の惑星を読み進めていく。

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2023年03月16日

Posted by ブクログ

神話とSFが混ざった独特の雰囲気が好き。『風の十二方位』でプロローグの部分を読んだ時はロカノンがここまで動くとは思わなかった。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

初々しさはあるが基本的な作風は既に確立している
表紙   6点萩尾 望都
展開   6点1966年著作
文章   7点
内容 760点
合計 779点

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2016年06月27日

Posted by ブクログ

有名なル・グウィン女史の作品です。最後の方があっさりし過ぎているような気もしましが、それでも面白かったです。この方の書く話は、必ずしもハッピーエンドではなく、幸福の中にも悲しみが(あるいは悲しみの中にも幸福が)あるところがいいです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ル・グウィンが世に問うた最初の作品だそうな。
SFがFTに溶けてくカンジ。これまで読んできたル・グウィン作品の中では『ゲド戦記』の風合いが最も濃い。つまり、好みの部類ではある。

ハイニッシュ・ユニバースのシリーズは意図的に避けてきた。ル・グウィンを知った頃はFTにハマっており、その頃SFを意図的に避けていたのだが、その延長線上にあたるだけで他意はない。先立っては『銀河英雄伝説』のシリーズも通読していたので、それ系が苦手とかキライとかいうわけではないと思うが、なんで避けていたのかはよく覚えていない。以後、機会を失い続けてきた。

SFがFTに溶けてスペオペになった。クライマックスが超展開。ル・グウィンあるある、かもしれない。
そこを過ぎても文章に取り繕う風がないので読み味に違和感はないが、超展開があったことだけは刺さった棘のように気になり続けるので、読後感としては微妙である。

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

 はるかな未来の宇宙、フォーマルハウト第二惑星。高度な知能を有する生命体が、複数の種族存在する星。
 その惑星に、全世界連盟から派遣された調査隊。通常の手段では、連盟の人々に通信が届くまでに八年もかかるような辺境の星で、平和的な調査のためにやってきたはずの彼らは、突然の攻撃にあい、隊長のロカノンを残して全滅してしまった。
 連盟に仇なす勢力が、この未開の地の一種族を利用して隠れ蓑にし、兵力を固めようとしている。そのことを知ったロカノンは、通信手段を求めて、いまだ知られざる辺境の地を、命を賭して旅をする……。

 これまで読んできた同じ方のほかの本に比べたら、最初が少しとっつきにくい感じはあったのですが(あと登場人物がちょっと多くて、自分の記憶力のなさに失望した)、中盤以降、ぐいぐい引っ張られて読みました。

 風虎という、翼の生えた虎さんを乗り物に、空を飛んで移動する場面が多いんですけど、そこが個人的にツボでした。天馬じゃなくて、虎なところが。ロマンですよね(力説)
 途中、とても神々しい姿をした人種が登場するんですけど、外見は美しくて神秘的なのに、知能や行動パターンが昆虫のような感じで、そのギャップにすごくぞぞっとしました。

 序盤から逆境に置かれ、それを挽回できる可能性は、敵の手中にある装置だけ、という苦しい状況から始まるストーリー。まさに苦難の旅、という感じなのですが、作品全体に通じる悲しみというか、徒労感のようなもの、やるせない感じが好きです。

 闇の左手、所有せざる人々などの、ほかのSF作品と、基本の世界観を共有している作品でもあります。
 この方の本は引き続き、ちょっとずつ集めていこうと思っています。

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2011年03月02日

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