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Posted by ブクログ
フィリップ・K ・ディックの本を一通り読んでみようと思い、3冊目に手に取ったのがこの本。
彼が最初に執筆した長編とのことなので、非常に気になった。また、本のあらすじも良い感じだ。
今よりも未来の世界。複数の惑星からなる世界。そこでは、抽選が人類のトップを決定する。すべての人類に等しくチャンスがある。しかし新しいトップは、その座を退いた以前のトップから命を狙われることになる…というもの。
また、読心能力のある「ティープ」部隊や、人々の能力に応じた階級社会など、SFらしい要素が散りばめられている。
SFファンとしては非常にワクワクしながら読み進めた。
が、しかしストーリーの進行がちょっと遅くないか…?と思ってしまった。もっとこう、ドンパチやってほしかった。宇宙を股にかけた、権謀術数なストーリーが読みたかった。
しかし出てくる惑星は少ないし、個性もない。結局刺客も一人だけ。
登場人物も、主要人物以外は覚えにくい。これは誰だっけ…?となることが多々あった。
自分の読みが浅いのかもしれないけど、刺客は結局どうなったのだろう?宇宙の果てみたいな場所に行ったようだけど。
時代のせいもあるかもだけど、女性キャラクターの扱いもよく分からない。結局何がしたかったのか、何をさせたかったのか。
しかし総じて、楽しめないということはなかった。ところどころで夢中になれる箇所はある。というわけで、星4くらいの評価となる。
けれどこの完成されていない感じが、初期作品の魅力とも言えるのかもしれない。
Posted by ブクログ
フィリップ・K・ディックの1955年に発表された第一長篇。世界観や用語の説明不足などは、最初の作品からだったのかと納得。という訳で、誰にもおすすめできませんが、個人的にはとても面白い作品だと思いました。
世界を統べる権力者が、公共偶然発生装置(ボトル) による無作為な攣動(トイッチ)によって決められる世界。それは、ランダムに抜擢し、あるいは蹴おとし、ランダムな間隔でランダムに権力者を選び出す。人は、権力を独占できず、安泰した地位など存在しない。誰も独裁者になろうとしてもなれない世界。
そのような社会機構である、九惑星連邦の最高権力者(クイズマスター)であったヴェリックがこれにより退位(クワック)させられ、代わりに選ばれた(ボトルされた)のは、プレストン会(謎の太陽系10番惑星「炎の月」の存在を示唆したジョン・プレストンを信仰する)会長のカートライト。
その地位についてから24時間後には公認の刺客が指名大会で選任されて、一度に一人ずつクイズマスターを殺しにくる挑戦方式が、退任まで続きます。周囲を守ってくれるのは、ティープと呼ばれる人の思考波を捕えるテレパスの部隊。その間隙をついて命を狙う第一の刺客は、退位させられたヴェリックが送り込んだキース・ペリグ。果たしてティープ部隊は守り切ることができるのか…。
と、ここから怒涛の展開が始まるのですが、はっきり言ってこのキース・ペリグのスペックがチート過ぎて笑えます。読みながら「そんなアホな…」と呟いてしまうほど無茶苦茶でした。それにしても、最高権力者になって、日々命を狙われる世界…しかも全世界公認とは何という罰ゲームなんでしょうね。着任早々、キース・ペリグのようなチートキャラに命を狙われるカートライトが気の毒でした。
ラストは謎の太陽系10番惑星での、あるメッセージで終わりますが、遥か西の方で起きている戦争を考えると、現代では受け入れられない考えですね。ある意味、時代を反映した考え方だなと思いました。
Posted by ブクログ
ディック27歳のSF長編第一作。権力者がくじびき機械のランダム性によって決められるという設定を皮切りに、テレパシー、最終戦争、植民惑星、管理階級社会、人造人間、など、この時期からすでに世界観ががっつり作り込まれていて、読者を引きずり込むディックらしさが感じられる。ただ、得体のしれない不安感を誘うところや、現実崩壊感覚などはまだ強くはなく、刺客ペリグの設定と手に汗握るアクション的な攻防が最大の見所だと思う。近年大ヒットしたあの3D映画を思い出した人も多いだろう。この小説が1955年発表のものであることに驚く。未知の世界へ宇宙船でたどり着いた果てに聞こえる最後の言葉は、若かりしディックの前向きな心情を感じる。
Posted by ブクログ
正確に書くと3.5かな。
ハヤカワ文庫が相変わらず嫌いなんだけども買ってしまった。
どうしてサイズ合わせないかな。
これはずっとぶつぶつ言い続けてやる。
ツイッターでも書いてやる。
久しぶりのディック。
最近はこういう完全なるエンターテイメントのものは再読ばかりで
新しいものは仕入れていなかった。
試験が終わって一息つきたい目的で
純粋なる楽しみとして購入。
作品はディックの長編一作目ということで選択(一説には三作目)。
この文庫版には表紙にわざわざ
「PKD's First Published Novel」
と記載してある。
短編はNovelじゃないのか(実際中編以上らしい)。
表紙ついでに書くと、
「Solar Lottery」
という原題が書かれていて、邦題に?と思ったら、
放題はイギリス版のタイトル
「World of Chance」を元にしているんだそうだ(後書きより)。
何故イギリス版から邦題が?
も謎だが同じ英語でタイトル変えるのも謎だ。
アメリカ版のタイトルもディックがつけたものは却下され
出版社がつけたらしいので、
やっぱり出版社の意志は大きいのかな。
くじによって権力者や階級が選ばれるという
ザ・ディックなディストピア設定。
物語進行と状況描写のために複数の主人公視点があるのも
ディックらしい。
安定のディックらしさなので、
それを求める人には良いと思う。
ディックを多数読んでいて、
意外性や刺激を求めたい人には違うかも。
しかし、
この物語は希望がある終わり方だったけれど、
ディックの闇は選ばれし者とその他という二極化にあるんだな、
と感じずにはいられない。
まあそこが好きなんだけど。
Posted by ブクログ
PKDにしては、なんだか読みやすいぞ。最初の長編だから?
現実とは、アイデンティティとは、という主題は出てこないと言っていい。唯一、複数人で一人の人格を形成する、一つの体を複数人でシェアする部分がかする程度。けど、大して触れられず、あっさり流される
ストーリー上、重きを置かれているのはM(ミニマックス)ゲームでもなさそう。結局運でも偶然でもないことが明らかになるし。
それよりは、人による人の支配の不当性が言いたいのかな?最初と最後でうまく繋がるし
炎の月は理解不能
最後の裁判はいささか唐突で、執筆直前にヴェニスの商人を読んだと言われても説得力があるほど
そう言えば、ドラッグが出てこなかった。これは特筆に値する!
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