小尾芙佐のレビュー一覧

  • IT(1)

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    ひとつのエピソードを詳細に描いているのでなかなか物語が進まない感があるけど、子どもたちが仲良くなるシーンが微笑ましい。

    吃音障害のあるビルがぜんそく発作の出たエディを助けるための懸命さ、またベンの優しさに胸を打たれる。

    怪物たちに襲われるシーンが迫力で、読み手としてそういう部分に救いを求めてるのかも。
    それぐらい最後の鳥のシーンは不気味で怖かった。

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    2015年01月10日
  • 偶然世界

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    SFらしいSF!ディックは初めて読んだけど、他のも読んでみたいと思った。後半の方の駆け引きが面白かった。

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    2014年11月01日
  • 火星のタイム・スリップ

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    何でこのタイトルにしたんだろう?
    確かに火星だし、目的はタイムスリップなのだが、あくまでも副次的な要素でしかないように思う。

    まず第一に、全然火星らしくないw
    火星的な火星ではなく、完全にもう一つのアメリカ(西部開拓時代の)。
    地球からの移民だから当たり前と言えば当たり前かもしれないが、
    彼らの関心・心配事はごく普通の(地球上と何ら変わらない)ことばかり。
    原住民である火星人も、完全にネイティブアメリカンである。
    とにかく、SF小説的な火星では全く無い世界観が描かれている。

    そしてメインテーマは自閉症の子の内世界と他者の現実の混濁。
    現実の現実性を否定するディックの世界観はやはり秀逸である

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    2014年09月18日
  • ジェイン・エア(上)

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    ネタバレ

    虐げられた女性が、
    周りの人たちに支えられて、
    その本来の心を取り戻し、
    さらに家主に恋心を抱きます。

    ただし、どうやら何かがありそうな予感です。
    (ところどころに秘密めいたことがあるため)

    序盤は読むのがつらくなりますが
    (なんとなくハリー・ポッターを思い出しました)
    彼女が施設に入ってからは
    相応によく読めるようになるはずです。

    そして、彼女の前に
    何か暗雲が立ち込めますが…
    どうなるのか…

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    2014年08月01日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    自閉症が胎児または幼少期のうちに治療が可能となった近未来、主人公ルウの世代はその端境期で、ルウ世代より若い自閉症患者は存在しない。特異な計算能力を活かして製薬会社の自閉症患者だけのセクションに務め、趣味のフェンシングに精を出し、両思いではないものの淡い恋愛を楽しむルウ。ある日彼の会社が成人の自閉症患者の治療方が見つかったから受けて欲しいと彼らに頼む、というか脅す。そこから彼らは変わる。手術のメリットうんぬんというよりかは自分とは何かという問い。同一性、感覚の統合、「こだわり」の正常な範囲とは?手術を選ぶ前から彼らは変化してしまう。それは会社からの圧力とかそういう問題ではない。何かを知るというの

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    2014年06月21日
  • IT(1)

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    ここ10年ほどの作品は読んでないけど、それまでのスティーブン・キングはほとんど読んでいます。
    その中でもキングの得意な子ども×ホラーで、とても面白いです。
    映画もありますが、やはりキングは本で読むのが一番ですね。

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    2014年04月30日
  • IT(3)

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     子ども時代の回想が中心となる3巻

     なにより描写の細かさがすごいです。じっくりじっくりと書かれていき、ある意味では粘着質とも表現できそうな文章。それでいて不思議と冗長には感じませんでした。

     子どもたちの友情やいじめっ子たちとの対決、11歳という男女を少しだけ意識する年代の少年たちの描き方、孤独だった少年が、はみ出しクラブの面々との出会いで強く成長する姿と青春小説としても読ませます。

     そして恐怖の描写も秀逸! 人外のものの描き方も迫力があって映像で想像するとかなり怖い……。映像版ではピエロのイメージしかなかったのですが、こんなに一巻から併せるとこんなにも怖い場面があったのだなあと思っ

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    2013年11月13日
  • IT(2)

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     回想でははみ出しクラブの面々が絆を深めていく様子や怪異に襲われる様子が、現在では仲間たちの再会が描かれる2巻。

     子どもたちにしか見えない血しぶきや、さまざまなモンスターの出現、数々の現象の描写は迫力が十分!さすがホラーの帝王です。

     人物描写もいいんですよね。回想で血の見えてしまう少女のためにみんなで血の吹き出した洗面所を掃除したりだとか、荒れ地のダムでのやり取りとか。現在でもメンバーの再開シーンのやり取りがよかったです。

     あんまり読むのに時間をかける気はなかったのですが、いろいろバタバタしていたことと、キングのボリュームたっぷりの文章のため合間時間ではなかなかページが進まなかった

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    2013年12月26日
  • IT(1)

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     1958年デリーの街を舞台にした回想と1985年再びデリーの街に集められるかっての子供たちを描く第一巻。

     全四巻ということで覚悟して読み始めたものの、やはり話が進まない(苦笑)第一巻ということでまだエピソードを積み重ねている、という印象が強いです。

     印象的な場面はいじめられっ子のベンがビル、エディと友達になる場面です。三人が一緒にいる場面というのはそんなに長く描かれるわけでもないのですが、どうしてこんなに優しく清々しいような気分になるのが不思議です。子どもたちがふとしたきっかけで一気に仲良くなる、というのは万国共通で読んでいて清々しいものなのかもしれないなあ、と思いました。

     ホラ

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    2013年09月13日
  • 高慢と偏見(下)

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    高慢と偏見がもたらす人編関係の喜劇。
    色眼鏡なく人と接することの困難さ。
    相手を知るということが、いかに大切か。

    そして、誤ちを認める素直な心。

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    2013年04月19日
  • ジェイン・エア(上)

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    序盤の生活は「世界名作劇場」でアニメ化されていてもおかしくないような王道ストーリーで何度も目が潤みました。この成長物語だけで上巻を使いきっても良かったかな。というくらいですが、ソーンフィールドに舞台を移してからは別の魅力で惹き付けてくるので、自然と姿勢が前のめりになって読んでいたような気がします。美男美女の組み合わせではないというのも大きいですが、恋愛要素が根拠もなく一目ぼれで身勝手と紙一重の「情熱的」な色恋沙汰ではなく、不器用だけれど信頼で結びついている関係というのは読者としても感情移入しやすいです。

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    2013年03月07日
  • 偶然世界

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    ネタバレ

    SF界では有名な方らしいというのと、本屋で見た装丁がかっこよ(略)厨二心をくすぐられたので購入。よく耳にする「~は~の夢を見るか?」というタイトルの元ネタでる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」という作品を書いたフィリップ・K・ディックの長篇処女作。らしい。本当はどこかの作品でオマージュだか参考だかにされているから手に取ったんだと思うけど、その作品かは忘れてしまった。

    ボトルという装置によってランダムに権威者が無作為に変動していく近未来の世界で、従属契約や刺客とディープの争い。《炎の月》。
    絶対的君臨者として存在するヴェリック。それにつき従うエレノアとムーア。テッドは翻弄されるがままにその

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    2013年02月20日
  • 高慢と偏見(下)

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    ネタバレ

    ≪内容覚書≫
    19世紀イギリスの作品。
    ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
    大人しく優しい、ジェイン。
    お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
    その友人のミスタ・ダーシー。

    すれ違う4人の恋模様を
    イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。

    高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。

    ≪感想≫
    あらすじをまとめようと思ったら、まさに王道な少女漫画。
    第一印象は最悪!だったけど、相手を知る内に…、
    というパターン。
    これはもう、洋の東西を問わず、古今を問わず、
    恋愛における珠玉のテーマなんだろうな、と思ってしまった。
    書かれた時代が時代なので、
    女性に対する扱いが多少低いな、と思わせられるし、

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    2013年02月12日
  • 高慢と偏見(上)

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    ネタバレ

    ≪内容覚書≫
    19世紀イギリスの作品。
    ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
    大人しく優しい、ジェイン。
    お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
    その友人のミスタ・ダーシー。

    すれ違う4人の恋模様を
    イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。

    高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。

    ≪感想≫
    さすがイギリス…!って感じの皮肉と、
    少女漫画の王道のようなすれ違いの恋愛が、
    見事にはまった作品だと思った。

    スパイスと甘さが奏でる見事なハーモニー(笑)

    新訳のおかげか、古い作品であるにも関わらず、スラスラ読めた。
    昔ならではの奥ゆかしさのある訳も、それはそれで楽しいが、
    現代に近づけた訳で楽

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    2013年02月12日
  • 高慢と偏見(下)

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    少女マンガに負けない、きゅんとくる恋の名作。

    とにかくダーシーは少女マンガのヒーローですね。なにこの王子様。ちょっと頑固なところまで含めて完璧です。案外文化や時代が違っても、恋愛ものの王道は変わらないのかも。

    リジーも言っていますが、ダーシーのほぼ意のままに操られているミスタ・ビングリーは大丈夫なのか(笑)

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    2013年01月04日
  • 高慢と偏見(上)

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    最悪な第一印象をぬぐいさることができるか。

    やはり古典として読み継がれる話は面白い。これは結構軽いというか、あっさりと読める。『ブリジット・ジョーンズの日記』にも翻案されたように、現代にも通じる話だからか。

    恋に夢中なダーシーがなんだかかわいい。ミセス・ベネットがとてもめんどくさい。

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    2013年01月04日
  • 高慢と偏見(下)

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    ”それぞれの登場人物がいきいきと描かれている”のがオースティンの特徴。
    この(下)は、まさにその言葉どおり。
    おそらく人気があるエリザベスだけでなく、ちょっと”面倒な妹”のリディアも、重要な役割。
    それにしても、ダーシーさまの男らしいこと!

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    2012年08月21日
  • 高慢と偏見(上)

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    新訳で、ぐっと読みやすくなった。
    途中で挫折するくらいなら、新訳大賛成。
    やっぱり、”ミスター・ダーシー”って言わないと。

    映画「ブリジット・ジョーンズの日記」は、BBCがこの本をドラマ化した際、コリン・ファースが演じたミスター・ダーシーをもとに作られたとのこと。
    それを聞いてから読んだので、もうすっかりコリン・ファースのイメージで・・・。

    そして、もう一回、映画「ジェイン・オースティンの読書会」を見てみる!

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    2012年08月21日
  • 偶然世界

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    PKDにしては、なんだか読みやすいぞ。最初の長編だから?

    現実とは、アイデンティティとは、という主題は出てこないと言っていい。唯一、複数人で一人の人格を形成する、一つの体を複数人でシェアする部分がかする程度。けど、大して触れられず、あっさり流される

    ストーリー上、重きを置かれているのはM(ミニマックス)ゲームでもなさそう。結局運でも偶然でもないことが明らかになるし。
    それよりは、人による人の支配の不当性が言いたいのかな?最初と最後でうまく繋がるし

    炎の月は理解不能

    最後の裁判はいささか唐突で、執筆直前にヴェニスの商人を読んだと言われても説得力があるほど

    そう言えば、ドラッグが出てこな

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    2012年06月26日
  • IT(2)

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    アメリカ人ならわかるのかもしれない固有名詞がいくつも出てきて読みずらい。
    やっぱり翻訳物は読みにくいな。
    でも、それを差し引いても面白いですね。

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    2012年05月29日