小尾芙佐のレビュー一覧

  • ママは何でも知っている

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    安楽椅子探偵の連作短編小説集。1950年代~60年代に書かれたもので、舞台はアメリカ、人物はアメリカ系ユダヤ人の家庭でユダヤ教の話が出てくる。
    ママが探偵役。人情(動機)と論理の組み合わせで、見せかけのストーリーを裏返していく。解決はあざやかでパズルの完成度が高い。でも逆向きにたどっていくと犯人がかなりお粗末なことが多くてなんだかなあと感じる。
    安楽椅子探偵ものなので人物描写は期待してなかったが、なかなかユーモアがあり恵まれない人々への温かい視線があって良い。

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    2021年02月25日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    本好きにはたまらない魅力にあふれた素敵な1冊だった。冒頭のアメリアとA・Jのやりとりだけで引き込まれ、天使のような少女・マヤの登場に心ときめいた。愛する妻を失ったA・Jにとっても魔法のような効果をもたらし、頑なな心を少しずつ解かしていく。語られる小さなエピソードの1つ1つが微笑ましく、紹介される本(大半が未読または初めて知った)を手に取りたいと思わされた。2016年本屋大賞翻訳部門1位は納得できる。

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    2021年02月17日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    本好きには刺さる本ですね

    意固地で無愛想な店主フィクリーが、本を通して様々な人と関わり自己成長する物語です

    読み始めはただ本屋さんの温かい日常系かな〜って思いながら読み進めてたんですけど、しっかり所々にイベントがありフィクリーの心境の変化や周囲の反応が上手く描写されていました

    今の時代通販ですぐに本を買え、電子書籍もあり本屋の需要が減ってきました。けれど本屋を通してでの新たな本の出会いやワクワク感はやっぱりネットでは体験できませんよね。この本を読んでよりいっそ本屋が好きになりました

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    2021年02月09日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    「マヤ、ぼくたちは僕たちが愛しているものだ。僕たちは僕たちが愛するものそのものだ」

    読み初めは「はい、はい、こうゆうかんじねー」って期待してなかったのに、めちゃくちゃよかった、、。
    諦めて忘れてた頃に意外な展開が盛り込んであったり。
    これが本屋大賞は頷けるー!

    本好きのための愛おしすぎる物語。

    悲しいのに読み終わった後じんわりじんわり優しさで心が暖かくなるんだなー、

    やはり読書はいい。

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    2021年01月18日
  • 闇の左手

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    人類がかつて植民地化した星ゲセンは遺伝子実験の末に男女の性別のない不思議な社会に進化していた。外交を結ぶために赴いた地球人ゲンリー・アイによるこの人類と社会の風俗、思考などの考察が1つの話。政治的陰謀により元首相エストラーベンと一緒に極寒の氷原を逃亡する話がもうひとつ。男女の区別はないが生殖という面ではタイミングでどちらかが男にどちらかが女に自然に変わる。手を触れるといわゆる恋に堕ちる。男女という概念がないから我々には理解できない世界観を持つ。話はゲンリーの一人称だけでなく複数の人間が事実を語る。視点の違いがストーリーを変え、違う話に見えていく。陰謀は話を複雑にする。これは友情か信頼か、恋愛な

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    2022年09月14日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    子供向けの推理小説だろう、と、気軽な気持ちで選んだ本。
    ところが、えそっち?となっていき、引き込まれた。
    この家族が抱える家庭の問題に、共感するところがあって、自分がこの本を手に取った偶然に驚いた。そして、何度か身につまされて泣いた。
    自閉症の子の目線や心の動きのまま(という設定で)書かれているので、読みにくいと感じることもあったけれど、それはそれで味わい深く、分厚い本でしたがあっという間に最後まで読みました。
    息子を持つ親御さんにおすすめ。主人公の言動にハラハラしつつ応援しながら、親としての自分のことを振り返りながら、読んで、その状況を(物語なので当然ながら)立体的にかつ俯瞰して眺めることが

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    2020年10月28日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    本を愛する、書店を愛する人たちの物語。

    愛する人を失った時、癒してくれるのは何?
    それは人によってそれぞれですが、その一つは人との繋がり。

    愛する妻を事故で失って、投げやりになっていたフィクリーが前向きに生きていくようになったのには、そんな人との出逢い、繋がりができたから。

    そしてフィクリーにとっては、本も大きな役割を果たしていた。
    「ぼくたちはひとりぼっちではないことを知るために読むんだ。ぼくたちはひとりぼっちだから読むんだ。ぼくたちは読む、そしてぼくたちはひとりぼっちではない。」
    そう語るフィクリーだから。

    この本を読んで、ますます本を大切にしていきたいと思った。

    小さな島にある

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    2020年09月22日
  • はだかの太陽〔新訳版〕

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    ネタバレ

    再読。
    ロボット工学三原則を使って一種の密室を作り出したミステリー。

    それにしても、初めて読んだときには、まさか人と人が接触することを避けるよう求められる時代が来るとは思ってもみなかった。
    地球が惑星ソラリアのようにならないことを祈る。

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    2020年06月20日
  • 高慢と偏見(下)

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    ネタバレ

    恋のシーソーゲームとはこのことか。日本でいうと江戸時代に書かれたドラマだが、今読んでもおもしろい。恋愛に関する誤解と偏見を通じてなかなかゴールしないふたりにハラハラする。

    上巻の最後でダーシーから手紙を受け取ったエリザベスは、今までダーシーを偏見を通じて見ていたことに気づく。しかし、いまさらどうにもならないのだった。
    エリザベスはガーディナー夫妻とともにダーシーの家を訪れる。ダーシーは不在だったが、召使いがいて、ダーシーがいかに素晴らしい人かを語る。そこに突然ダーシーが戻ってくる。丁寧な対応をして、ガーディナー夫妻は感激する。ダーシーはエリザベスに対しても丁寧な対応をするが、手紙のことは触

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    2020年04月02日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    島に一軒の本屋
    ちょっと堅めの店主が幼い女の子と出会い

    章前のフィクリーのその女の子向けの書評も見もの

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    2021年02月20日
  • われはロボット〔決定版〕

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    AIのトピックが声高に語られるようになり、それと同時にこの本の冒頭にある、ロボット工学三原則もAI時代にふさわしい原則として頻繁に取り上げられることが多くなってきた。この原則は小説家アイザック・アシモフが考えたものであるが、彼のロボット傑作集が本作品である。三原則も作品の中で取り上げられている。下記にあらすじを記す。その前に、作中でも登場する三原則を記しておく。
    作品のテーマとしては、人間とロボットの共存やロボットの脆弱性。また、近未来ロボットが現在よりも開発が進んだ時に起こるであろうことである。言うまでもなくフィクションであるが、楽しめる作品ばかりだ。

    ロボット工学の三原則
    第一条ロボット

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    2024年02月29日
  • IT(1)

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    ネタバレ

    映画は見ていないのですが、ペニーワイズが姿を変えて子どもたちを襲っていることに衝撃が走りました。もし親しい誰かに成り済まされたら? ゾッとせずにはいられません。ハラハラドキドキしながら、それでも楽しく読みました。続編も楽しみです!

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    2019年11月21日
  • サイラス・マーナー

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    ジョージ・エリオットが男みたいな名前だけど女の作家であることは知っていた。「サイラス・マーナー」も人の名前だとは思っていたが、何故か女の人の名前だと勝手に思い込んでいた。男の人で、しかも変り者の老人の話とは思いもよらなかった。

    しかし、こんな素敵な作家を今まで知らなかったなんて‼️最後がハッピーエンドなのはいかにもヴィクトリア朝だけど、思いもよらぬストーリー展開、人間の心の動き、人物の描き方、いずれも素晴らしい❗️

    それにしても、ジェーン・オースティン、ブロンテ姉妹、ヴァージニア・ウルフ、それにこのジョージ・エリオット、イギリスは秀逸な女性作家の宝庫だ。

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    2019年11月03日
  • サイラス・マーナー

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    親友と恋人に恵まれ幸せに暮らしていたサイラス・マーナー。2人の策略で失意のどん底に。新たな地で孤独の中、毎日機を織り、たまっていく金貨を眺めるのが唯一の楽しみとなっていたサイラス。ある日、心の拠り所の金貨が盗まれ、可愛らしい2歳の女の子がやって来たことで新たな人生が始まる。この時、知らぬ間にサイラスと運命を交差させた村の有力者ゴッドフリー。彼も運命の転換期を迎えた。大事なものを失い、新たに素晴らしいものを手に入れる2人だか、結末は驚くほど違うものだった。作者の宗教観も盛り込まれて深く読ませる作品だった。

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    2019年10月29日
  • IT(1)

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    ホラー小説だけど、描かれている少年少女たちの魅力のほうが印象に残る。キング作品は「11/22/63」しか読んだことなかったけど、あれもキャラクターや数十年前のアメリカのダイナーの食事とか、背景描写がとっても魅力的だったな。

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    2019年10月19日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    自閉症者の自我、というか、感性というか、自意識というか、とにかく彼らがどのように感じ、人と関わっているのか、それは知る由もないのだが、本書を読む限り、健常者になるよりも今のままでいても充分幸せだったんじゃないかと感じさせる。
    果たして、どちらのルウが本当に幸せなんだろう?

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    2019年10月13日
  • サイラス・マーナー

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    孤独な機織りが主役ということで惹かれて読んだ。宗教観や階級のことをその当時の基準で語りながらも、どこかそれらの空疎さを辛辣に語っている目線が素晴らしい。読みながら思い浮かんだのはクイーンとデビットボウイの歌うUnder Pressure 「愛は古臭い言葉だけど、どうして愛にもう一度チャンスを与えてやらないんだ?」愛って恋愛の愛とは限らない。
    この本を書いた時エリオット41歳。
    若さと利己心、正義を求める心。老いることと許し。エリオットがこれを書いたのが、今の私の年と同年代だからこそ、その間に立って、どちらも理解できる気がした。

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    2019年09月25日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    ネタバレ

    発達障害の少年が,夜中にお向かいの愛犬が殺されているのを発見することから生じる様々な騒動を描く.
    主人公は,気に入らないこと,想定外のことが発生するとパニックを起こすが,我々と同じ意味での感情は持ち合わせない.その一方,我々とは視点が異なるものの見方をしており,普通の人がスルーするところに固執し,それが物事の進行の障害になることもあり,また,何かのブレイクポイントになることもある.
    本書はこの少年が執筆した本という体裁となっており,したがって,上記の様な理由から,いわゆる「感情移入」は難しいのだが,この不思議なストーリーテラーのおかげで物語は紆余曲折しながら進行し,主人公は冒険を成し遂げ,また

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    2019年09月19日
  • 高慢と偏見(上)

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    以前鴻巣訳で読んだ時と幾分印象が変わった。小尾さんの他の翻訳はどれも読みやすく自然だけれど、本書はわざと古めかしい雰囲気を醸し出すように書いているみたいだ。読み始めは少し違和感があったけど、慣れて来ると楽しく読み進められた。

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    2019年07月13日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    ネタバレ

    アルジャーノンとはちょっと方向性が違うけど、自閉症の人々の感性とかものの見方とかへぇ…って感心した。

    どう頑張っても「自閉症の人」って扱いをされてしまうし、わたしだって「自閉症の人なんだな」って思ってしまうし、もう自閉症は自分のアイデンティティだよっていうキャラクターもいたけど「自閉症」から逃れられなくてどうしても「ノーマル」になりたいっていうのもなんかちょっと分かるしラスト付近すごい辛かった。

    最後、ルゥは同じ人じゃない…って思ってしまった。
    結局、光の速さとくらやみの速さは同じになったのだろうか

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    2019年04月20日