小尾芙佐のレビュー一覧

  • IT(1)

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     1958年デリーの街を舞台にした回想と1985年再びデリーの街に集められるかっての子供たちを描く第一巻。

     全四巻ということで覚悟して読み始めたものの、やはり話が進まない(苦笑)第一巻ということでまだエピソードを積み重ねている、という印象が強いです。

     印象的な場面はいじめられっ子のベンがビル、エディと友達になる場面です。三人が一緒にいる場面というのはそんなに長く描かれるわけでもないのですが、どうしてこんなに優しく清々しいような気分になるのが不思議です。子どもたちがふとしたきっかけで一気に仲良くなる、というのは万国共通で読んでいて清々しいものなのかもしれないなあ、と思いました。

     ホラー的な場面では日本とアメリカのホラー観の違いを感じるところも。一巻の終盤で少年が大きな怪鳥に襲われる場面があるのですが、これは日本のホラーではなかなかない描写のような気がしました。

     どちらかというと日本のホラー幽霊や呪いなど静のホラー、対してアメリカのホラーはゾンビや、モンスターなど動のホラーという印象が強いので、下手に日本人がこの場面を書けばなんじゃこりゃ、と冷めてしまいそうなのですが、スティーヴン・キングのようなアメリカの大物作家が書くとやはり迫力があります。

     今のところあまり出てきていませんが殺人ピエロや、ところどころ出てくる怪物の描写もモダンホラーの帝王と呼ばれるだけあって、不気味で印象的です。

    1993年版このミステリーがすごい!海外部門4位

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    2013年09月13日
  • 高慢と偏見(下)

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    高慢と偏見がもたらす人編関係の喜劇。
    色眼鏡なく人と接することの困難さ。
    相手を知るということが、いかに大切か。

    そして、誤ちを認める素直な心。

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    2013年04月19日
  • ジェイン・エア(上)

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    序盤の生活は「世界名作劇場」でアニメ化されていてもおかしくないような王道ストーリーで何度も目が潤みました。この成長物語だけで上巻を使いきっても良かったかな。というくらいですが、ソーンフィールドに舞台を移してからは別の魅力で惹き付けてくるので、自然と姿勢が前のめりになって読んでいたような気がします。美男美女の組み合わせではないというのも大きいですが、恋愛要素が根拠もなく一目ぼれで身勝手と紙一重の「情熱的」な色恋沙汰ではなく、不器用だけれど信頼で結びついている関係というのは読者としても感情移入しやすいです。

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    2013年03月07日
  • 偶然世界

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    ネタバレ

    SF界では有名な方らしいというのと、本屋で見た装丁がかっこよ(略)厨二心をくすぐられたので購入。よく耳にする「~は~の夢を見るか?」というタイトルの元ネタでる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」という作品を書いたフィリップ・K・ディックの長篇処女作。らしい。本当はどこかの作品でオマージュだか参考だかにされているから手に取ったんだと思うけど、その作品かは忘れてしまった。

    ボトルという装置によってランダムに権威者が無作為に変動していく近未来の世界で、従属契約や刺客とディープの争い。《炎の月》。
    絶対的君臨者として存在するヴェリック。それにつき従うエレノアとムーア。テッドは翻弄されるがままにその最高権力を取り戻すための戦いに巻き込まれていく。無級者として惨めな生活を強いられるカートライトも、そのボトルが巻き起こす嵐の真ん中に放り込まれていった。

    突然始まるボトルという装置が支配する世界に戸惑うこともありつつ、SF世界として楽しめた。カクテルや飲み物にすら近未来の要素を持たせ、登場人物たちが交わす言葉も当たり前のようにSF要素が飛び交う。
    いまいち登場人物たちの心情が理解できない部分も多かったが、おおよそ因果の破綻なく物語が進められるので、プロットの正確さを感じた。これまで私が手にした翻訳本の中ではかなり読みやすい。
    エンターテインメントとしてストーリーの破綻は感じられず気持ちのいいテンポで進んで行く。絡み合う隷属関係はあまり意識しなかった。それが最も効果を表すのは後半になってからだ。また、《炎の月》という理想的世界と過程される惑星への希求も同様に。
    全体を通してランダムに当てがわられる殺し合いゲームに主眼を添えられているので、ゲームならではのハラハラ感や攻略感も楽しめる一方でどこかグレーに彩られた世界で生きる登場人物たちの言葉がいやに光る。
    物語の途中ではテッド・ベントリーが自分は精神病質なのか苦悩するシーンがある。違法は我々なのか世界なのか。異質なのは自らなのか周囲なのか。それはぺリグ・ボディにムーアの悪意によって突然放り込まれたテッドの戸惑いのように、ヴェリックに依存するしか存在できなかったエレノアのように自らのアイデンティティについて問いを少しづつ投げかける。
    Mゲームによって歪められた世界から九惑星を越えて新たな世界を手に入れるその欲求、テッドがヒルを飛び出し違法を犯し社会と自分との折り合いを苦悩させるまでに至らしめた彼の欲求、それはどちらも物語最終の台詞のように前進する志向が含まれたからこそ成し遂げられ、虐げられるものではない。そして、ひとつのゲームが終わったのである。

    「SFの古典」というおとで読みいにくいかと不安だったが、エンタメ要素は多く充分に現代でも楽しめる作品である。これを切り口に、「ニューロマンサー」や「アンドロイドは~」なども読んで、SF的世界の造詣を深めるための一歩にしては充分の役割を担えるだけの実力のある作品だった。

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    2013年02月20日
  • 高慢と偏見(下)

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    ネタバレ

    ≪内容覚書≫
    19世紀イギリスの作品。
    ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
    大人しく優しい、ジェイン。
    お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
    その友人のミスタ・ダーシー。

    すれ違う4人の恋模様を
    イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。

    高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。

    ≪感想≫
    あらすじをまとめようと思ったら、まさに王道な少女漫画。
    第一印象は最悪!だったけど、相手を知る内に…、
    というパターン。
    これはもう、洋の東西を問わず、古今を問わず、
    恋愛における珠玉のテーマなんだろうな、と思ってしまった。
    書かれた時代が時代なので、
    女性に対する扱いが多少低いな、と思わせられるし、
    最終的に結婚してハッピーエンドは安易すぎる結末だけれど、
    このよくあるパターンに、
    イギリス特有のユーモアと皮肉の利いた表現が、
    ほどよい刺激を与えてくれ、退屈することなく最後まで読める。

    イギリス文学は、読んでいて、
    ニヤリとさせられてしまうことが、本当に多い。
    特に、この作品の女性の描き方は、
    さすが女性作家、と思わせられる。
    ああ、いるよね、こういう女…、と、
    何度ニヤニヤしてしまったことか。
    国境だけでなく、時代を越えても通じるものがあるのが、
    不思議と言えば不思議。

    古い文学作品は、確かに、読みにくい物もあるけれど、
    これは、そういう、まさに「偏見」を捨てて、
    手にとってみるといい作品だと思う。

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    2013年02月12日
  • 高慢と偏見(上)

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    ネタバレ

    ≪内容覚書≫
    19世紀イギリスの作品。
    ユーモアと知性のある女性、エリザベス。
    大人しく優しい、ジェイン。
    お隣に越してきた、ミスタ・ビングリー。
    その友人のミスタ・ダーシー。

    すれ違う4人の恋模様を
    イギリス特有の皮肉を交えて描いた作品。

    高慢で偏見を持っているのは、誰なのか。

    ≪感想≫
    さすがイギリス…!って感じの皮肉と、
    少女漫画の王道のようなすれ違いの恋愛が、
    見事にはまった作品だと思った。

    スパイスと甘さが奏でる見事なハーモニー(笑)

    新訳のおかげか、古い作品であるにも関わらず、スラスラ読めた。
    昔ならではの奥ゆかしさのある訳も、それはそれで楽しいが、
    現代に近づけた訳で楽しむの良いと思った。
    新訳はちょっと避けていたけれど、今後も利用しようと思った。
    翻訳されたものは、訳者さんによって、
    微妙な違いを楽しめるので、
    一度で何度もおいしい作品だと思う。
    中野好夫訳、中野康司訳と名訳とされている様子なので、
    そちらもぜひ読んでみたいと思う。

    内容感想は下巻の方で。

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    2013年02月12日
  • 高慢と偏見(下)

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    少女マンガに負けない、きゅんとくる恋の名作。

    とにかくダーシーは少女マンガのヒーローですね。なにこの王子様。ちょっと頑固なところまで含めて完璧です。案外文化や時代が違っても、恋愛ものの王道は変わらないのかも。

    リジーも言っていますが、ダーシーのほぼ意のままに操られているミスタ・ビングリーは大丈夫なのか(笑)

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    2013年01月04日
  • 高慢と偏見(上)

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    最悪な第一印象をぬぐいさることができるか。

    やはり古典として読み継がれる話は面白い。これは結構軽いというか、あっさりと読める。『ブリジット・ジョーンズの日記』にも翻案されたように、現代にも通じる話だからか。

    恋に夢中なダーシーがなんだかかわいい。ミセス・ベネットがとてもめんどくさい。

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    2013年01月04日
  • 高慢と偏見(下)

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    ”それぞれの登場人物がいきいきと描かれている”のがオースティンの特徴。
    この(下)は、まさにその言葉どおり。
    おそらく人気があるエリザベスだけでなく、ちょっと”面倒な妹”のリディアも、重要な役割。
    それにしても、ダーシーさまの男らしいこと!

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    2012年08月21日
  • 高慢と偏見(上)

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    新訳で、ぐっと読みやすくなった。
    途中で挫折するくらいなら、新訳大賛成。
    やっぱり、”ミスター・ダーシー”って言わないと。

    映画「ブリジット・ジョーンズの日記」は、BBCがこの本をドラマ化した際、コリン・ファースが演じたミスター・ダーシーをもとに作られたとのこと。
    それを聞いてから読んだので、もうすっかりコリン・ファースのイメージで・・・。

    そして、もう一回、映画「ジェイン・オースティンの読書会」を見てみる!

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    2012年08月21日
  • 偶然世界

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    PKDにしては、なんだか読みやすいぞ。最初の長編だから?

    現実とは、アイデンティティとは、という主題は出てこないと言っていい。唯一、複数人で一人の人格を形成する、一つの体を複数人でシェアする部分がかする程度。けど、大して触れられず、あっさり流される

    ストーリー上、重きを置かれているのはM(ミニマックス)ゲームでもなさそう。結局運でも偶然でもないことが明らかになるし。
    それよりは、人による人の支配の不当性が言いたいのかな?最初と最後でうまく繋がるし

    炎の月は理解不能

    最後の裁判はいささか唐突で、執筆直前にヴェニスの商人を読んだと言われても説得力があるほど

    そう言えば、ドラッグが出てこなかった。これは特筆に値する!

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    2012年06月26日
  • IT(2)

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    アメリカ人ならわかるのかもしれない固有名詞がいくつも出てきて読みずらい。
    やっぱり翻訳物は読みにくいな。
    でも、それを差し引いても面白いですね。

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    2012年05月29日
  • 火星のタイム・スリップ

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    この作品がこのタイトルではもったいない!

    タイトルでは表しきれない深い何かが、人間の心のあり様というか、善悪と心の病と人間の背負い続ける業とでもいうか、そういうものがある。

    同じ時間の同じような場面が少しずつ違ってきたりするあたりが興味深かった。

    しかし、正直なところラストが突然すぎて驚いた。どうしてああなったのかが分からない。

    他のディック作品を読み、また時間をおいて再読したい。

    追記:
    くらくらするアタマでぼんやり考えていたらなんとなくあのラストが理解できた気がした。
    マンフレッドは救われたんだね。

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    2012年04月29日
  • 消えた少年たち(上)

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    ネタバレ

    要は幽霊小説。
    クリスマスイブのラストシーンは号泣でした。
    物語はどんどん進んでいくけれど、どこに物語が進んでいくのか?という思いが結末まで続きました。
    (逆にそれがなかなか明かされなかったので、読んでいて疲れました)

    SEの父親って子供との時間を作りにくいのか…他人ごとではないなと思いつつ読みました。
    また、1984年頃の本なので、情報技術はまだまだでしたね。

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    2012年04月03日
  • IT(4)

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    ネタバレ

    子どもらを使うというところが卑怯だぞ。まあ怖かったけど。しかし、なぜセックスが解決になるかがややこじつけぽい気がした。

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    2012年03月23日
  • 高慢と偏見(下)

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    後半の展開が面白い。
    なんか、すごく少女マンガなようで、皮肉さとかのユーモラスさは青年マンガ。
    といえばいいのか、きれいめな話といえば、実際のところすんなりとエンディングを迎えると思えば、そうでない。
    なんかとてつもなく紆余曲折があって、いろんなプロセスがぐぁんぐぁんって感じ。
    登場人物が少ないけど、その世界がすごく惹きこまれる。

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    2012年02月09日
  • 高慢と偏見(下)

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    やはり読み出したら一気に上下巻読んでしまった。新潮文庫版で昔読んでいるけど、何度読んでも面白いの一言に尽きる、ラブコメの元祖のような小説。
    登場人物ひとりひとりに対する辛辣かつ繊細な性格描写、何と言ってもダーシーとエリザベスという主人公達の魅力的なこと。ドタバタ喜劇の中にさりげなく人生や人間に対する苦さや恋の甘さ切なさが織り込まれている。
    ただ、翻訳としては新潮文庫版の方が良いかもしれない。

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    2012年02月08日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    一体何が“普通(ノーマル)”で、何が幸せなんだろうと考えさせられた。ルウにとって自閉症の治療をしたことは幸せだったのだろうか、と悶々としてしまう。
    暗闇と呼ばれるものは宇宙であり、未来であり、未知の・未踏の世界と考えると、それを「いつもそこで待っている」と言い表すところにぐっときた。見えないからこそ怖くても勇気を出して飛び込む価値があるのだと、ルウは意図せず教えてくれたのかもしれない。
    タイトルが秀逸。詩的でうつくしい。

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    2012年01月14日
  • IT(1)

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    この小説に登場する怪物は形を持っておらず、子供が抱いた恐怖のイメージがそのまま形をなして現れる。ゆえに”it”
    映画化作品のモンスターの造形はトホホ。想像のままにしておけば良かったのに・・・

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    2011年11月04日
  • 火星のタイム・スリップ

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    02年再版版。

    本作はPKDの長編では初期作品であるにもかかわらず、
    そのドープさ加減は手加減を知らない。

    至って面白みもないタイトルから安易に内容を予想するのは間違いで、
    やはり一筋縄ではいかないストーリー。現実世界を歪んでいき、
    最後のほうではやはり混沌に突入していきます。
    PKDの著作の中でも、ベストに挙げる人が少なくない名作。
     

    -ハヤカワオンライン「書籍詳細」より-

    火星植民地の大立者アーニイ・コットは、宇宙飛行の影響で生じた分裂病の少年をおのれの野心のために利用しようとした。その少年の時間に対する特殊能力を使って、過去を変えようというのだ。だがコットが試みたタイム・トリップには怖るべき陥穽が隠されていた……P・K・ディックが描く悪夢と現実の混沌世界

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    2011年09月28日