小尾芙佐のレビュー一覧

  • 火星のタイム・スリップ

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    この作品がこのタイトルではもったいない!

    タイトルでは表しきれない深い何かが、人間の心のあり様というか、善悪と心の病と人間の背負い続ける業とでもいうか、そういうものがある。

    同じ時間の同じような場面が少しずつ違ってきたりするあたりが興味深かった。

    しかし、正直なところラストが突然すぎて驚いた。どうしてああなったのかが分からない。

    他のディック作品を読み、また時間をおいて再読したい。

    追記:
    くらくらするアタマでぼんやり考えていたらなんとなくあのラストが理解できた気がした。
    マンフレッドは救われたんだね。

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    2012年04月29日
  • 消えた少年たち(上)

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    ネタバレ

    要は幽霊小説。
    クリスマスイブのラストシーンは号泣でした。
    物語はどんどん進んでいくけれど、どこに物語が進んでいくのか?という思いが結末まで続きました。
    (逆にそれがなかなか明かされなかったので、読んでいて疲れました)

    SEの父親って子供との時間を作りにくいのか…他人ごとではないなと思いつつ読みました。
    また、1984年頃の本なので、情報技術はまだまだでしたね。

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    2012年04月03日
  • IT(4)

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    ネタバレ

    子どもらを使うというところが卑怯だぞ。まあ怖かったけど。しかし、なぜセックスが解決になるかがややこじつけぽい気がした。

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    2012年03月23日
  • 高慢と偏見(下)

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    後半の展開が面白い。
    なんか、すごく少女マンガなようで、皮肉さとかのユーモラスさは青年マンガ。
    といえばいいのか、きれいめな話といえば、実際のところすんなりとエンディングを迎えると思えば、そうでない。
    なんかとてつもなく紆余曲折があって、いろんなプロセスがぐぁんぐぁんって感じ。
    登場人物が少ないけど、その世界がすごく惹きこまれる。

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    2012年02月09日
  • 高慢と偏見(下)

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    やはり読み出したら一気に上下巻読んでしまった。新潮文庫版で昔読んでいるけど、何度読んでも面白いの一言に尽きる、ラブコメの元祖のような小説。
    登場人物ひとりひとりに対する辛辣かつ繊細な性格描写、何と言ってもダーシーとエリザベスという主人公達の魅力的なこと。ドタバタ喜劇の中にさりげなく人生や人間に対する苦さや恋の甘さ切なさが織り込まれている。
    ただ、翻訳としては新潮文庫版の方が良いかもしれない。

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    2012年02月08日
  • 高慢と偏見(上)

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    読みやすい訳。
    高慢と自尊心は違うの思うのだけれど、まだ読んでいてもよくわからない。
    エリザベスは想像していたよりも嫌なやつに思えてきた。
    はやく続きを読まなければ!

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    2012年01月22日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    一体何が“普通(ノーマル)”で、何が幸せなんだろうと考えさせられた。ルウにとって自閉症の治療をしたことは幸せだったのだろうか、と悶々としてしまう。
    暗闇と呼ばれるものは宇宙であり、未来であり、未知の・未踏の世界と考えると、それを「いつもそこで待っている」と言い表すところにぐっときた。見えないからこそ怖くても勇気を出して飛び込む価値があるのだと、ルウは意図せず教えてくれたのかもしれない。
    タイトルが秀逸。詩的でうつくしい。

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    2012年01月14日
  • IT(1)

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    この小説に登場する怪物は形を持っておらず、子供が抱いた恐怖のイメージがそのまま形をなして現れる。ゆえに”it”
    映画化作品のモンスターの造形はトホホ。想像のままにしておけば良かったのに・・・

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    2011年11月04日
  • 火星のタイム・スリップ

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    02年再版版。

    本作はPKDの長編では初期作品であるにもかかわらず、
    そのドープさ加減は手加減を知らない。

    至って面白みもないタイトルから安易に内容を予想するのは間違いで、
    やはり一筋縄ではいかないストーリー。現実世界を歪んでいき、
    最後のほうではやはり混沌に突入していきます。
    PKDの著作の中でも、ベストに挙げる人が少なくない名作。
     

    -ハヤカワオンライン「書籍詳細」より-

    火星植民地の大立者アーニイ・コットは、宇宙飛行の影響で生じた分裂病の少年をおのれの野心のために利用しようとした。その少年の時間に対する特殊能力を使って、過去を変えようというのだ。だがコットが試みたタイム・トリッ

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    2011年09月28日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    「あなたはほんとうに癒されたいのか」

    自閉症をもつ主人公は、自分の特性を活かした仕事に就き、趣味を持ち、日常生活に苦労しながらも自分なりに楽しく生活している。
    そんな時「自閉症を治す」治療法が開発されて…

    印象深かったのが、
    礼拝にて司祭が話す、ヨハネ書、癒しを求めてベテスタ池のほとりに横たわる男の話。
    ベテスタ池には天使がやってきて水をかき回す。その間に池に入ることで癒されるという伝説がある。
    そこに現れたイエスが、男に「あなたはほんとうに癒されたいのか」と尋ねる。
    一見愚問にも見えるこの問いは、
    「元気になりたいと望んでいるのか」
    「水に身を浸すという特別な体験を望んでいるのか」
    よく

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    2011年09月21日
  • IT(1)

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    街の地下に、殺人ピエロが住んでいる?!
    大人にはみえない悪鬼に7人の少年少女が立ち向かう。
    面白い。しかし長い。

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    2011年09月19日
  • 第三の女

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    死体なき殺人事件。
    今回はオリヴァ夫人の冒険もあり、
    面白かった。
    ポワロの思考が細かく書かれているのも珍しい。

    最後は暖かいパパ・ポワロ

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    2011年04月20日
  • 第三の女

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    「殺人を犯したかもしれない」そう言い残してポアロの元を去った若い娘と、その周りの人々を巡る死体なき殺人事件。

    殺人事件が起こってから犯人を探してゆく、という従来のスタンスとは違って死体そのものを見つけるという趣向が面白かった。人物描写も細かくてしっかりと練りこまれてる感がたっぷり。どういう人物か頭の中で思い描けるのがテレビを見ているようでいい!

    ただポアロの逡巡が堂々巡りのような気がして中盤少しだらりと(私が)してしまったので星4つ。動機を探るというやり方も私が好んで読んできたミステリーの中にはあまりないので新鮮、というか慣れるのに時間がかかりそうだなぁ。

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    2011年03月06日
  • 消えた少年たち(上)

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    父親のステップが転職し、フレッチャー一家はノースカロライナのストゥベンに越してきた。
    ステップはハッカー・スナックというパズルゲームをヒットさせたことのある才能あるプログラマ。
    これまでは、自宅での仕事と、歴史の博士号を取る研究という自由な立場でやって来た。
    今度の会社ではマニュアルを書くだけが仕事と言い渡され、驚き苛立つが、当面は仕方がない。直属の上司はいやみな男だったが、実はプログラムに関しては無能らしい。
    妻のディアンヌは心の温かい母親で主婦だが、3人の子供を抱えて、さらに妊娠中、めまぐるしく過ごしている。
    二男のロビーは無邪気だがやんちゃな盛り。
    まだ赤ちゃんのベッツィははいはいをする

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    2011年03月02日
  • IT(1)

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    1〜4巻で完結。

    怖い。

    道化師恐怖症になりそう。

    まあ、大人向けの怖さかな。
    震えながら愛について考えてください。

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    2011年02月18日
  • IT(1)

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    怖いです。でもおもしろかった。
    映画化されたようですが、これは
    是非本で読んでほしいです。
    ただ、日本語訳がちょっと気持ち悪い。

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    2010年10月08日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    自分や世界とは、脳が知覚してきたものの集積だとしたら、脳のパターン認識を変更してしまうことは、自分が自分でなくなってしまうことなのだろうか? 本書はそういったテーマを、近未来の治療を受けようとするべきかを迷う自閉症の主人公の主観視点による淡々とした日常の場面描写の中に描く。世界とは、その人の知覚したものによって様々な様相である、ということと、自分が自分でなくなってしまうこととは、成長や変化ととらえた場合ふつうに体験しうることでもある、ということを示唆してくれる。

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    2010年07月28日
  • 言の葉の樹

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    極端に抑制を効かせた文章が、最後の3行で恐ろしく詩的になって、言いようのない高揚感に包まれたところでストンと終わるという、半ば途絶したような印象さえ与える結末も、このドラマが「ハイニッシュ・ユニバース」という大きな枠組み、その中でおそらくは無数に形成されている社会の、ごく一端でしかないことを示唆していて、他の社会で生み出されるドラマへの興味をそそられずにはいられない。

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    2010年06月25日
  • 心の鏡

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    『心の奥底のどこかで、彼は昔読んだことのある一文を想起して、それが現在の情況に当てはまるような気がした。』

    心理学、精神医学といった分野に関する種々のテーマを、SFというアプローチで描いている短編集。アルジャーノン然り、口当たりがなめらかな作品が並んでいるが、濃厚な深みの効いたものもある。個人的には、「限りなき慈悲」と「心の鏡」が好き。どちらも、今後人類が向きあっていかなければならない永遠のテーマだと思う。そういった恒久的な側面を、有限の尺を以て物語を組み立てるという性質を持つSFに落とし込んでいるあたり、非常に巧みだと思った。まさに合わせ鏡かと。

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    2010年05月15日
  • 第三の女

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    人を殺した“かも”しれない、という頼りない娘の話に興味をひかれ、ポアロとオリヴァ夫人が殺人事件の存在から探し始める。
    先が見えない展開で面白い。

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    2010年05月14日