小尾芙佐のレビュー一覧

  • IT(4)

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     回想、そして現代ともにITとの最終対決に向かう4巻。

     冗長には感じなかったものの、それでもやはりどこかで長すぎるだろう、という印象のあった『IT』でしたが、読み終えてみるとその長さがあったからラストの涙しそうな感覚が味わえたのかとも思えます。

     モダンホラーの帝王と呼ばれるだけあって、ITの変身するさまざまなモンスターの描写にはかなりの迫力があり、それをただ子供たちが倒すという回想部分だけのストーリーでも、逆に大人がITを倒すという現代のパートだけのストーリーでも十分面白いとは思いました。ただそれだけではキングの代表作と呼ばれるまでの作品にはならなかったと思います。

     この二つの時代

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    2013年12月10日
  • 火星のタイム・スリップ

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    ディックの諸作品はどれも印象的なタイトルだ。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」や「ユービック」など、どれもインパクトのあるタイトル。そんな中で「火星のタイムスリップ」というある意味ベタなタイトルのこの作品。黒の背景にスタイリッシュなデザインを施した新装版ラインナップにもなかなか入ってこず、どうなのかと思ってました。

    が、陳腐なタイトルにだまされてはいけない。傑作!
    なんだ、この不安でいっぱいの居心地の悪さにもかかわらず、どうしても読んでしまうこの感覚。まるで本にとり憑かれてしまうようです。

    ヤク中の変なおっさんなんて思っててごめん。ディック恐るべし!

    この秋はディック祭りだな。

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    2013年09月22日
  • 火星のタイム・スリップ

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    ネタバレ

    人類の植民が進みつつある火星。圧倒的な水不足を背景に絶大な権力を持つ水利組合の長アーニイ・コットは、火星の開発計画に伴う利権争いに出遅れ、地球の資産家達に先を越されてしまう。損失を取り返さんと憤怒に燃えるアーニイが目を付けたのは、常人と異なる時間感覚を有しているらしい自閉症の少年マンフレッドだった。マンフレッドの能力を利用して過去の改変を図るアーニイ、他者とコミュニケーションを取ることが全く出来ないマンフレッド、マンフレッドと意思疎通するための機械の開発をアーニイに命じられる技師のジャック、三者の異なる思惑が、火星の運命を思いがけぬ方向へと導いていくことになるが・・・。

    うひゃー、やられた。

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    2013年03月10日
  • ジェイン・エア(下)

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    最初は筋書きを楽しむだけのつもりでした。魅力的な物語だけど敢えて一歩引いて読もう。そう考えていたのですが、無理でした。読み進めるほど、ジェイン・エアという女性はそうする事を許してくれない存在となっていくのです。上巻で示された「人間は行動すべきものだ。その目標が見つからなければ自ら作り出せばよい」この力強さは憧れますし、信条と心情の間で揺れ動く姿には私自身の葛藤を重ね合わせてしまい、そうなった瞬間、すっかりジェインに魅了されてしまいました。多感な年頃に読んでいたら、きっと彼女の生き方を追っていたでしょうね。

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    2013年03月09日
  • 高慢と偏見(上)

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    こんなに素敵なお話だったとは!
    もっと早くに読めばよかった。
    夢中で読みました。
    当時のイギリスの風俗も興味深いですが、エリザベスとダーシーのすれ違いながらも惹かれてあっていく様子に本当に胸がキュンとしました。
    頭がきれて人よりも色んなことを察知する二人だからこそのすれ違いが可愛くて切ないんです。
    エリザベスとダーシーの恋以外にも、ジェインとビングリー、リディアとウィッカム、コリンズとシャーロットの恋(?)も面白いです。
    様々で。
    打算的な恋や純粋すぎて面白くない恋もあるけれども、そういう恋を描いているところも好きです。

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    2012年11月18日
  • 第三の女

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    翻訳はほぼ満点! 不自然なところが殆どなく、クリスティのユーモアがとても活きています。それだけでまず星五つの価値があります。
    お話も充分に面白いし、トリックも私には充分意外だったし、楽しめました。

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    2012年11月13日
  • 高慢と偏見(下)

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    やばい、現代でも十分に楽しめる傑作。特に2011年出版版は解説が非常に親切なのでイギリスの階級について分からない人は絶対いい!
    今年のイギリス文学ブームの中で群を抜いて面白かった。
    映画も観たいと思う。

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    2012年08月21日
  • IT(1)

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    自分が本格的にスティーヴン・キングにハマったきっかけとなった一冊。

    少年時代、各々コンプレックスを抱えた「はみだしクラブ」の7人。
    次々と子供が行方不明になる事件が、姿を持たない化け物「IT」の仕業であると気づいた彼らは、子供だけがもつ「信じる力」を使ってそれを撃退する。
    しかし27年の月日が経ち、再び同じ怪事件が起き、彼らはあの日の約束のもと、一同に会するが・・・。

    キングの作品のほとんどに言えることだけど、長いです。
    クッソ長いです。

    でも、本当に面白いから読み始めるとどんどん読み進めてしまって、必ず、寝不足になる。

    「友情×ホラー×子供の夢」。そんな感じ。

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    2012年08月10日
  • 高慢と偏見(上)

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    ネタバレ

    以前、院の先生に授業でお薦めされてました。
    さすが先生。面白いー。
    少女小説の最上級版って感じ?(褒めています)
    身内のマイナス面をどろどろとかつシビアに描くところがいい。
    オースティンすごいやー
    下巻も読みましたよ。

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    2012年07月06日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    もしくらやみに速さがなく、そこに停滞するものだとしたら、光はくらやみの場所を奪ったことになるのかもしれない。
    そんなことを考え始めると、結末がまた違う形で見えてきた。
    ルウは好きだし、その選択も否定はできないけど、トムに共感してしまうなあ…。

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    2012年06月05日
  • 高慢と偏見(下)

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    夜更かししてまで一気に読んでしまった。後半のわくわく感はすごい。
    それぞれこれまでの自分の自意識や浅はかさを恥じるエリザベスとダーシーが、向き直って惹かれあい、結びついていく過程の面白さ!
    そうよね、こうでなくちゃ!という気持ちにさせる大団円のラストもよい。
    こうなることはわかっているけれども、ハッピーエンドであるべきだ。

    たしかに上流階級の話で、そこには労働のつらさや生活への心配はないからこその浮世離れした感じはあるけれど、フィクション、ロマンスとして楽しむにはこれでいい。当時の社会では階級は大事なことだったのだろうけれど。
    登場人物の美点や欠点、気持ちの移り変わり、そして恋愛感情はどの時

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    2012年01月27日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    全600ページ。
    フェンシングとか、
    脳神経とか、
    クラシック音楽とか、
    宇宙とか。
    他の人とのコミュニケーションが少しだけ苦手で、
    他人の言動をちょっとだけ気にしすぎて、
    極めて素直で真面目で純真な主人公の話。
    "自閉症"って病気の名前がそもそもどうなのかとも思うが、
    "ノーマル"って言い方がそもそもどうなのかとも思うが、
    世間では"ノーマル"ではないとされていると本の中では描かれている
    "自閉症"の人たちの話。
    『アルジャーノンに花束を』よりは現代的で読みやすかった。
    とはいえ外国の作品なので、
    特有の雰囲気は

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    2011年10月29日
  • IT(4)

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    it(ピエロ)まじ怖い。
    話はさすがスティーヴンキングといった感じ。
    読んだことないひとは一読の価値あり。

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    2011年09月22日
  • ジェイン・エア(上)

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    上巻にずっと付き纏う、屋敷の秘密。不気味な笑い声の正体を知っていても、読んでいて怖い。

    あらすじが分かっていても、ロチェスターとジェインの会話の巧妙さに惹かれてしまう。

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    2011年09月10日
  • 第三の女

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    ネタバレ

    Third Girlとは、部屋を何人かで借りるときに、
    最初に借りた契約人が、2人で協同で利用していて、
    もう一人、一緒に分担するときに、第三の女と呼ぶ。
    部屋数が多ければ、第四、第五もあるらしい。

    周囲から、精神的に追い詰められた人の、心理的な葛藤を表している。
    自分で、自分が何をしたかをはっきりとは覚えていない。
    そんな人が、犯罪に巻き込まれたときに、犯人であることを押し付けられてしまう。

    ポアロは、冷静に事態を調べる。
    自分だけでなく、警察や調査担当、探偵小説家にまで調査をお願いする。

    今回は、調査だけでなく、精神科医による支援もある。
    結末は、ある意味でハッピ

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    2011年08月04日
  • 消えた少年たち(下)

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    「本の雑誌」で推薦されていました。
    力のこもった作品です。
    引っ越してきた一家に、つぎつぎに問題が降りかかります。
    夫、妻、三人の子供…そして新しく生まれてきた赤ちゃん。
    家族それぞれが直面する問題には、ありがちなことだけでなく~日常に潜む悪と狂気が見え隠れします。
    家族同士が愛し合っていても起こる~葛藤や誤解もあり。
    細かい描写の積み重ねには、実生活を一部反映したリアリティがあります。
    人はいかにして問題に立ち向かうべきか?
    勇気を持って大きな問題にも取り組み、素晴らしい作品と言ってもいい。
    かなり重い内容だけど、充実しています。
    こんな風に解決していけるんだね!という部分と。
    他にどうすれ

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    2012年10月07日
  • IT(1)

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    少年時代に見たものに対して、おとなになった4人が恐怖の象徴と言える「もの」に対峙する。スティーブン・キングなのでかなり長いですが、その分すごく読んでる間幸せです。映画はなかった事に。

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    2011年02月12日
  • 消えた少年たち(上)

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    すーっごくおもしろかった。
    タイトルからただのミステリーだと思ってよみはじめたんだけど、実のところ、夫婦の、家族の物語でした。

    あと、主人公がフリーのプログラマーで。
    1983年ころのコンピューター業界を舞台にした話。アタリショックのころ。
    今だったらiPhoneアプリの世界になるんだろうなー、みたいな感じ。
    コモドール64、彼の職場でのトラブル、契約をめぐるごたごたなんかは、この業界の人にとってはいろいろ楽しめます。

    こんなセリフも。
    上P18
    もっとひどいことになっていたかもしれないのだ。たとえばアップルでプログラムの仕事にありつくとか。
    下p22
    「あなたは間違っています、ディッキー

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    2010年11月03日
  • 五番目のサリー 上

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    ダニエル・キイスは初めて読んだんだが、素晴らしいね。
    主人公のサリーは自分の中に4つの人格を作り出してしまった。それを知らずに今まで生きてきたサリー。本人の中で記憶がとんでいる際に、別の人格と交代していて、そのそれぞれの人格はそれぞれの人生をサリーと同じように歩んでいる。しかしサリーはある日、本当の自分の姿に気付いてしまう。アッシュ医師と共にサリーは自分と向き合うことを決意する。
    心理学者だけあって、過激な描写や心理に訴えかけるような描写が多々ありますね。

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    2010年07月24日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    帯に「21世紀のアルジャーノンに花束を」とあった気がする。
    そのうえでレビューをすると、こちらの方が上だと思う。
    幼少期であれば治療が行えるようになり、自らの世代以降には患者がいなくなった自閉症の主人公が送る日常、治療法が発見された時の彼の選択、そしてそのエピローグ。

    「光が届く前に暗闇があるのであれば、光が届くときには暗闇がなければならない。とすると暗闇の速さはどれくらいなのか」という質問自体は決して難しくはない。しかし、答えることは難しい。

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    2010年06月30日