小尾芙佐のレビュー一覧

  • 幸福な王子/柘榴の家

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    確かに大人向けの物語ばかりだ。
    他の童話のように教訓めいていない。
    利他的に生きても決して報われることはない、唯一の救いが神の祝福を受けること。単純に道徳的でないところがワイルドらしいところかな。

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    2024年05月18日
  • はだかの太陽〔新訳版〕

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    鋼鉄都市の続編

    最後までとても楽しめました!

    ロボットと人間
    それをうまく対峙させ
    人間の、生きる意味や、素晴らしさを
    楽しくわかりやすく
    読み応えもあるSF
    さすが読み継がれるだけあるなーと
    感じました。
    胎児管理って安倍公房さんの最近読んだ本に
    出てきた話を思い出しましたが
    ずっと私には読みやすかったです。

    ミステリー要素も古典的であるけれど
    楽しめます。

    ただ、、、この続き3部、4部が
    単行本ででてなくて、購入できるものが
    かなりの高値。最後まで読みたいのに
    どうしよう、、、

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    2024年05月11日
  • 火星のタイム・スリップ

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    電気羊だけがディックじゃない!と思わせる一作。

    1964年発刊。その30年後の1994年の火星が舞台。そこには人類が植民していますが、まだ社会基盤が脆弱なために水不足に悩まされていたり、闇取引が横行している世界。他に、人類と共通の祖先である原住民のブリークマンがいたり、ある種の精神疾患を持つ人間は未来を見る事ができるという設定がされています。

    これを書いている現在、1994年からちょうど30年経っていますが、いまだに火星に人類が足跡を残していないのが面白いですね。

    あらすじは、修理屋を営むミスター・イーのもと、雇われているジャック・ボーレンは、依頼のあるままにヘリコプターで飛び馳せる毎日

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    2024年07月13日
  • われはロボット〔決定版〕

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    今さらながらですが
    読もうと思いつつ読めてなかったので
    SF超入門の本をきっかけに
    思わず購入してしまいました。

    たった3つの原則
    それが
    これほど深く人間性を炙り出していくのかー
    と衝撃でした
    さすがの名著ですねーー
    何年も経ってるし
    今ではもっとロボット工学や心理学も進んでると思うけど
    古臭さはかんじません。

    訳がたまに、日頃使わないような
    意味わからない言葉があるけど、、、
    読みにくいことはありません。

    はじめの方から最後の方にいくにつれ
    話は、難しくというか
    単純ではなくなってきます。
    が、面白く最後まで読むことができました。

    最近読んだ
    チクタク✖️10を思い出しました。

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    2024年03月14日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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     クリストファーはおそらく、発達障碍があるのでしょう。彼がこの世界と向き合うのは、とても難しい事なのだと思いますが、彼なりの方法で向き合おうとしている様子が読み取れました。
     クリストファーの一見変わった行動には意味や理由があることを、読者の方々に理解していただければと思います。そうすれば、クリストファーのような人々にとって、生きやすい環境が広がるのではないでしょうか。

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    2024年02月25日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

    QM

    ネタバレ 購入済み

    切なくなった

    終始日記風の書き方で、最初幼児の知能レベルで書いた日記はかなり読みづらかったけど、とある日を境に作文能力が急上昇、こんなに変わるもん??!とびっくりしました。
    最初は低知能だったが故にいじめられていると気づかなかったものの、周り対する優しさや希望のようなものが読み取れました。
    「頭がよくなる手術」を受けたことによって、数日後チャーリィの理解力や会話の能力はメキメキ上達、でもそれと同時に小さい頃の嫌な思い出やトラウマがよみがえるようになり、それによって苦しみます。
    物語が進んでいくにつれてより賢くなったチャーリィは、ずっと憧れだった「他の人と政治や宗教や、そういう高度な内容の話がしたい」という夢

    #泣ける

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    2023年12月20日
  • サイラス・マーナー

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    「なりたかった自分になるために、遅すぎるなんてことはない」

    先日読んだ『夏の扉』がとてつもなく面白かったので、おかわりです
    ここでハインラインではなく訳者の小尾芙佐さんの方をおかわりするってところがもうセンス!

    ということでイギリス文学を代表する女流作家ジョージ・エリオットの名作『サイラス・マーナー』です

    エリオットの宗教観がどうのとか、彼女の結婚や人生がどうのとか、当時の女性の地位とか時代背景とか、あっしにゃ難しいことはさっぱり分かりませんよ
    分かりゃーしませんよ

    だけどね旦那
    正しい心を持った人たちが幸せな結末を迎える
    正しくない心を持った人も最後には改心する
    それだけで十分じゃご

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    2023年12月14日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    自閉症の男性が主人公。自閉症とは言え、自分に合った職業があり、フェンシングの趣味ももち、それなりに満たされた暮らしをしている。
    彼の一人称で話が進む。彼が音楽を理解して感じるやり方や、他の内面世界は、一般的な自閉症者のイメージと違ってとても豊か。感情的には落ち着いていて、合理的で美学も感じるような世界観。それに加えて数学の才能も天才的。
    だが、新しい上司が彼ら自閉症の従業員を自閉症治療の治験者にしようと圧力をかけてくる。
    趣味のフェンシングサークルでの人間関係のいざこざもあり、その治験を受けることを決める。リスクを感じつつも決断する、その葛藤、筋道の付け方がしっかりしている。
    結果的に、治療は

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    2023年10月22日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    これは苦しい 手術前の文章は読みずらく、部分的に読み飛ばしちゃうんだけど、完読すると読み飛ばし出来ない。それが、とても失礼な行為だと感じるから。
    幸せのあり方って、他者には決められるものでは無いのかもと思わせられる作品だった。

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    2025年12月02日
  • IT(1)

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    阪神タイガースが「アレ」を成就した時、自分は「ソレ」(=IT)の読破に挑んでいました。
    先ず、「それ(時々あれ)」というタイトルがシンプルだけど強い。
    (つづく)

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    2023年09月27日
  • はだかの太陽〔新訳版〕

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    鋼鉄都市に続く二作目
    キャラ立ちもしていて内容も面白くサクサク読めた。
    アシモフの想像力に今回も脱帽、対面で接するのが何よりも苦痛な生物を生み出すなんて

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    2023年07月23日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    随分前に時間を掛けて読んだ
    主人公の性格が好きだった
    ラストもかなり好みだった
    物凄く読むのに体力が必要だったがまた読み返したい

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    2023年06月18日
  • ママは何でも知っている

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    「家政婦は見た」を思い出させるお話でした。
    市原悦子さんは実際起きた出来事を見たり、体験したりして事件を解決しているけど…
    このママのすごいところは!息子から聞いた話しと何個かの質問だけですんなり解決してしまう!
    おそるべきママの人生経験。

    さくさくお話も進むのでさっぱり読みやすい1冊です。

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    2023年04月10日
  • 闇の左手

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    喉も、肺すらも凍りつくほどの真っ白な世界での逃避行。じわりじわりと迫り来るような闇への恐怖と根源的な生への執着、そこで育まれる信頼、友情(友愛)、とまどいと信頼。そして訪れる唐突な別れ。回想。
    人生ベストブックです…。

    ハマりすぎて本当にショックで、わんわん泣きながら調べ物をしたりデリダの赦しを読んだりしていたら、著者自身が闇の左手をセルフパロディしたというFour Ways to ForgivenessのForgiveness Dayについての叙述を発見しました。(確か、世界の合言葉は森?か世界の誕生日の訳者あとがきで)でも英語読めないしなあ…でもでも頑張って読むか…ebook買って…なん

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    2023年04月02日
  • われはロボット〔決定版〕

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    ChatGPTが出てきた今、一章に出てきたロビイくらいはできるのかもしれない。シンギュラリティが現実味を帯びてきた。そこに生活している人類や自分はどうなるのか、読みながら考えさせられた。ロボットや人工知能から、人間の本質について考えるきっかけになるのは面白い。幸せとはなんだろうか。幻想なのだろうか。

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    2023年03月30日
  • ロカノンの世界

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    ル・グィンの処女長篇にしてハイニッシュ・ユニバースシリーズの第一作。全世界連盟より派遣され、未開の惑星であるフォーマルハウト第二惑星へ調査官として訪れたロカノン。連盟に敵対する勢力に仲間を殺され取り残されたロカノンが、惑星の住人たちと共に旅する。SFのようなあらすじだが、ファンタジー色が濃く、様々な種族や風虎などの魅力的な生物が登場する。神話のような美しい短篇「セムリの首飾り」から始まるこの物語だが、SFとファンタジーの融合がここまで上手くできるのは彼女のなせる技。続けて辺境の惑星を読み進めていく。

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    2023年03月16日
  • くらやみの速さはどれくらい

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    ネタバレ

    「21世紀版『アルジャーノンに花束を 』」と言われている作品ですが全然違います。アルジャーノン的な話だと思って読むと、1/3くらい読んだところで不安になってくるので、別物だと思って読みましょう(笑)


    ※ここからネタバレあり※※


    私が感じた大きな違いは主人公・ルゥは、ただ、マイノリティである、ということ。自閉症者であるルゥは、健常者(ノーマル)の感覚や価値観とただ異なっているだけでノーマルに比べて全く劣る存在ではないのです。ですが「障がい者」というレッテルを貼られ、ノーマルに合わせることを強要されます。私も、ある立場においてはマイノリティなので、ルゥの置かれた理不尽な状況に共感が止まりま

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    2023年03月13日
  • サイラス・マーナー

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    ヴィクトリア朝を代表する男性名の女流作家ジョージ・エリオットの代表作の一つ。寓話的な物語に心打たれる傑作。

    親友と恋人に裏切られ、信仰と故郷を捨てざるを得なくなるサイラス・マーナー。冒頭から悲劇のどん底に突き落とされる展開に引き込まれ、真面目で純朴なサイラスに愛着がわいた。不幸な境遇ゆえに彼が金貨に執着するようになってしまうのもどことなく共感できる。このまま孤独に人生を終えるかと思われた矢先に起きるサスペンスフルな事件――そこから一気に面白くなってくる。

    本作でサイラスの対比となっているのはゴッドフリーだろう。弱点はあるが決して悪人ではない彼の人生の苦悩が、サイラスとは逆の立場から物語の主

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    2023年03月01日
  • ジェイン・エア(下)

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    ネタバレ

    19世紀英国。女性としては際立つ矜持や自立心の故に困難の絶えないジェインは、身分を超えた愛情を育むが……。

    多くの困難を越え、ようやくソーンフィールド邸という、穏やかな環境に身を置くことができたジェイン。ロチェスターの求婚までに至るまわりくどさと、グレイス・プールをめぐる秘密に翻弄される流れは、めんどくさい男だなと思いつつも、文章や演出の上手さと彼の人柄がよくわかる筋の運び方という点で納得しながら読んだ。

    結婚が決まったときのミセス・フェアファックスのいっけん冷たい態度も、最初はジェインと同じく戸惑ったが後から考えると納得。

    逃げ出したあとの放浪してどの家からも受け入れられないときのジェ

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    2022年11月14日
  • ジェイン・エア(上)

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    ブロンテ姉妹のシャーロットによる、ヴィクトリア朝文学の名作。孤児となった少女が力強く生きていく波瀾の物語。

    冒頭からもう面白い!幼少からいじめにあい、愛情をそそがれるべきはずの人物からそれを受けられず、それでもいじけず言い返す姿が主人公として最高。子供の頃こんなふうにものを言えなかったよなぁと。家を追い出されるように寄宿学校に入るが、そこで良き出会いがあり……この流れってどこか既視感がある。同時期に書かれたディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』の少女版といっていいような展開。しかしジェイン・エアの個性はコパフィールド以上に強烈なのが魅力だ。賢く誇り高い、しかし未知の世界への冒険心も持ち

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    2022年11月10日