小尾芙佐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
名作だとは知っていながらも、どんな話か、どんな小説かは知らなくて手に取ってみた。
主人公の日記を読んでいくスタイルで、最初はどうしても読みにくくて…しばらく時間を置いてからもう一度読み始めた。
チャーリーの知能が変わっていくのを文面から読み取れて、こういう感じね!とわかってから、先が気になって一気に読み進めた。
生きていく上で知能も大切だけど、純粋な気持ちとか素直さとか笑顔とか、失ってはいけないものってたくさんあるなと気がつかされた。大人になる程知能がつく分、人の嫌な部分もたくさん見えてきてしまうから、失いやすい。
もう一度最初から読みたい! -
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Posted by ブクログ
⚫︎感想
どれも、人間のある感覚や能力が研ぎ澄まされたとき、本人は、周囲の人々はどうなるか?という物語たちを通して、人の心理描いている。
表題の「心の鏡」は、相手の先入観通りに振る舞える能力を持つ少年との対峙によって、自分自身を曝け出し、自分自身をみつめ、相手を信じ、直視できるのか?という問いが物語として描かれている。多かれ少なかれ、きっと人間は誰しも、そういった先入観で他人を判断して、そういった自分に気づき、気づかないふりしたり、否定したり、といった視点で周りの人間を見ているのだ、ということを伝えたかったのだと思う。
長編「アルジャーノンに花束を」の原型、短編の「アルジャーノンに花束を」は、 -
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Posted by ブクログ
高校生のときか,大学生のときか,とにかく若かったころに一度読んだことがある.
でも「名作」と聞いて手に取ったその本のこと,あまり覚えていない.
いや,むしろ何にも残っていなかった.
面白くなかったな,って感想だけが,なぜかくっきり記憶にある.
で,いまの自分で再読してみた.
結論から言うと,やっぱり今回も物語として「めちゃくちゃ面白い!」とは思わなかった.
でも,読後に残ったものはまるで違った.
むしろ,今じゃなきゃ読めなかったな,と思っている.
この本,SFの皮をかぶった,社会と人間の構造暴露本みたいなものだ.
チャーリーという知的障害を持つ青年が,手術によって“賢く”なる.
その過程 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ第4巻
ITとの死闘が凄まじかった。息もつかせぬ展開に圧倒された。
11歳の時の闘いと27年後の今の闘いが、一文で繋がり交互に描かれる構成が素晴らしい。緊迫感がより高まり、ぐいぐい読ませる。こんな描き方があるのか…やっぱキングって凄いわ。
太古の昔から闇の中に生きてきたIT。食べては寝て起きて食べては寝るというサイクルを27年ごとに繰り返していた。近年は子どもの恐怖心が好物で捕食しており、あらゆる物に化け人々を恐怖に陥れる。
それに立ち向かうビル達はみだしクラブの7人。仲間を失いながら、傷を負いながらも友達を思いやり挑んでいく。
自分や仲間を信じる勇気こそがITを滅ぼすチカラとなり、そして…