小尾芙佐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文体の変化から主人公の変化が伝わってくるところがおもしろい。
知能が戻っていくあたりの、苛立ちに切なくなった。他人がいることで強制的に自分の変化を見つめなくてはいけなくなるんだと思った。主人公もそれに耐えれなくて1人になることを選択したけど、自分も老いたり病気になって、今までの自分を失う時がきたらそうなるのかなとか考える。
主人公が持っていた優しさは、最初から最後までずっと消えなかったけど、賢くなったら表にでてこなかった。考えることが多くなると頭の中での自分との対話に集中しちゃって、相手がどう思うかがおろそかになってしまうのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ひまわりめろんさんの本棚から
幼少期に両親を亡くした主人公ジェインは、伯母の家にひきとられ、酷いいじめにあい、その後決して環境がいいとは思えないローウッド養育院に入ることになります
自分の居場所を選択することができないジェインの、早く自立したいと思う気持ちが苦しいくらい伝わります
信頼できるテンプル先生との出会いが、愛情に飢えていた彼女の心を癒してくれました
大切にされる、愛されていると感じることで気持ちは安定し、何より人間不信にならなくてよかったです
ジェインはその時にできる最善のことをしようと努力します
現状に満足することなく、自分の可能性を信じて行動を起こそうとする姿勢に、私も読 -
Posted by ブクログ
アルジャーノンに花束をを読み終えて、強く残ったのは、これは知能の上昇や下降を描いた物語ではなく、人が世界とどう関係を結び、どう壊していくかを描いた物語だという感覚だった。賢くなることも、賢さを失うことも、主題ではない。変わっていくのは、世界の輪郭と、人との距離だ。その変化が、逃げ場のない形で積み重ねられていく。
物語の前半、チャーリーの言葉は拙く、文も不安定だ。けれど、そこには疑いのない視線がある。人を信じ、言葉を信じ、世界をそのまま受け取っている目線だ。胸が苦しくなるのは、彼が「足りない」からではない。むしろ、信じすぎているからだ。傷つけられていることにさえ気づかないほど、世界を善意で見て -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み応えあったし、どれだけ変わろうと優しさを失わない主人公の純粋さには心を打たれたのだけど、『号泣必至!!!読まなきゃ人生損!!!』みたいな謳い文句は大袈裟かなと思った。
胸にジーンと響く感じではあるが、涙がボロボロ出てくる感じかというとそれは違う。私自身心が不安定な時期に読んだので、読後全く涙が出なくて「自分はなんて冷血な人間なんだ...」と己を呪ったが、パートナーに読ませたところ「俺も全然泣けんかった」と言っていたので、普通に日本のプロモーションがズレてたんだと気づいた
しかし、良い本であることには違いない。一度は読んでおいて損はないと思う -
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Posted by ブクログ
さいしょはひらがなだけだったりくとうてんがなかったりでとてもよみずらかった。しだいに、ぶんしょうのこうぞうや表現がが正確になっていき、頭の中を整理して読めるようになり、あたかも自分自身のIQが高くなっていくような錯覚に陥っていった。頭が良かった時と悪かった時で世界の見え方が違っていく様子は、世界の表裏一体なバランスを如実化しているように感じた。
と妙に難しそうな表現を用いて感想を述べていると不思議な気持ちになる。
本ならではの魅力を存分に感じれる作品でした。
日本語ならではの文章のおかしな表現や羅列を見ると和訳をした尾尾さんの気苦労が窺い知れる。
この作品を英語版やその他の言語で読んでみたい -
Posted by ブクログ
読み終わりました…!
もう最後めっちゃ泣いた、泣いてしまった。今も思い出し泣きしている。
賢くなりたい、みんなみたいになりたいと思ってたのに、天才になって、天才になったら好意だと思ってた周りの人の色んな感情に気付いていくのも辛いし、でも段々とまた出来なくなっていく自分になっていって、その過程が自分でわかるのってめちゃくちゃ怖いだろうし、最後パン屋のみんなが庇ってくれたり怒ってくれたのはみんなの好意であって欲しい。
なんかところどころ頭が良かった頃のことを覚えているのって、すげー辛いんじゃないかなっていうか、切ないっていうか、自分のことすごく嫌いになりそうだし。
認知症になっていく過程も、やっ -
Posted by ブクログ
ネタバレチャーリーが成長していく過程は素直にわくわくしたが、同時に周囲の残酷さに気づいてしまうチャーリーの気持ちを考えるとなんだか切なくなってしまう。
私たちは、たくさん勉強していい大学に行こうと努力して、それが叶うと素直に喜んでしまうが、知能と幸福がイコールになり得ないこの物語はやはり興味深い。
また、アルジャーノンの存在が非常に象徴的である。チャーリーと同じ手術を受けさせられたアルジャーノンはチャーリーの未来を映す鏡のような存在であり、アルジャーノンの変化がこれからのチャーリーを風刺しているかのように感じてしまう。
最後に、なんといっても知能が上がるにつれて洗礼されていく文章はチャーリーの心