小尾芙佐のレビュー一覧
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ネタバレなんて恐ろしい物語なんだと思った
冒頭1ページ目から、うわ!なんだこれ読みにくい!と思い、それがチャーリィ自身が書いたもので、よく小学一年生が「は」を「わ」と書いてしまうのと同じことを30歳を超えた男性がやっているのだと気づいた時、もうこの時点で恐ろしくなった
最初読んでいるうちは、早くチャーリィが賢くならないかな、頭が良くなったら何を考えるんだろう、ああもうまどろっこしいな、なんて思っていた
そこから段々とIQが高くなっていき、
本当は周りから馬鹿にされていたこと
両親に捨てられていたこと
自分の過去のトラウマがずっと残っていること、
知能が上がるだけでは幸せなんて訪れないこと、
が分かっ -
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アシモフのロボット3原則の話!あちこちに書かれた短編を、晩年のロボ心理学者スーザン・キャルヴィンが過去のエピソードを振り返る形でまとめ上げていて、それがめっちゃエモいです!!!ロボット技術を育て上げた者の持つ、愛情と信頼が溢れた導入からグイグイ引き込まれました。
現在のLLM進展の立役者のひとり、Metaのヤン・ルカンが、AGIを創るんだ!今のTransformベースのアプローチじゃだめなんだ!と主張している気持ちがちょっとだけわかったような気がします。
短編ひとつひとつも面白くて、とくに、現場のエンジニアのコンビの話が超お気に入り!初めての本番環境での稼働、ちゃんと仕様どおりなのに、思い -
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ネタバレ上下巻になっているうちの、2冊目、後半の下巻です。
ロチェスター様に求婚されて舞い上がるジェインに、ミセス・フェアファックスがたしなめるのですが…
ふたりは20歳差だったのですね。(もちろんロチェスター様が年上)
あしながおじさんとジュディの年の差(14歳差) よりも大きい!!
ジェインは18歳だから…38歳か。あれなんか思ったより若い…?
ちなみに、のちに出てくる従兄のセント=ジョンは10歳上でした(第37章より)
そこに、ロチェスター様の重婚疑惑!?
謎の女グレイスに世話される、もうひとりの謎の女……その正体は、なんと!?
リード家のぼっちゃん、叔父さん、牧師のセント=ジョン、 -
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ブロンテ三姉妹の長姉で、『嵐が丘』のエミリーの姉。
『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)も担当された小尾芙佐さんの翻訳が大好きで、お気に入りの1冊です。
ジェインもロチェスターも、自分を美女とか美男とか思っていないところが特徴的ですね。
彼女の視点で物語が進むせいか、そんな彼女の頑張りや内面の可愛らしさばかり見えてしまい、もう、北川景子さん似の美女にしか思えなくなりました!!
で、いかつい顔のロチェスター様は、きっと伊東四朗さんみたいな人なんだろうと!
途中、ジェインの親友ヘレンが肺病で死んじゃうんですが…
亡くなる直前に、ジェインが病床のヘレンのもとに会いに行くんですね。
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ロボット工学三原則という言葉とその条項は知っていたけど、大元のこの小説の中身は全然知らなかったし、ウィル・スミスの映画も粗筋すら知らない。
なんとなく完全に制御できて人に危害を加えない安心安全なロボットを作る基本中の基本のプログラミンングで、人がロボットを意のままに操れるみたいな印象だったけど、見事に覆された。作中でも多くの登場人物が盲目的にそう信じて疑わなかったけど、実際にはロボットがロボット工学三原則を守るがゆえのジレンマや不都合が沢山生じる。
どんどん高度化するロボットの知能にロボット心理学者(ジレンマを解決する人)の能力も追いつかなくって、最終的には三原則を守りながらロボットが(尊 -
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ネタバレ下巻です。
下巻では主に主人公である次女と彼の心の動きに焦点が当てられます。
偏見や誤解から傷つけあってしまう2人でしたが、素直になれない気持ちを省みたり、自分の未熟さに気がついたり、思いやる心を育てたりしながら、愛をゆるぎないものに変えていく過程が丁寧に描かれており、私自身もドキドキワクワクしながら読み進めました。
200年前と今とでは全く違う価値観なのかと思いきや、人の尊厳や愛に関して、また、真摯に向き合う心なんかは普遍的なものなのだなとちょっと感動。
それにしても末っ子の無鉄砲で図々しくて騒がしく、軽薄な様は目に余ってイライラするわ。
一方で、次女が様々な困難を乗り越えたあと、幸 -
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ロボット工学の三原則
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。 ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
『ロボット工学ハンドブック』、第五十六版、西暦二〇五八年
はい、というわけでSFファン必読の名作、アイザック・アシモフの『われはロボット』でありんす
そして出ましたロボット工学の三原則!もう暗記しましょう
ここ試験 -
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ツンデレなヒロイン、優しくてきれいなヒロインの姉、ピエロのような妹たち、バカな母親、達観した父親・・・等々個性あふれる愛すべきキャラクターがたくさんいて、大した出来事は起こらないのだけれども、自然と続きが気になり読み進めてしまう不思議な本です。
シェイクスピアに出てくる登場人物のように、若干デフォルメはされつつも、「いるよねこんな人」というのを絶妙なバランスで描いているので、くすくすと笑えるところがたくさんあります。元祖ラブコメとどこかで書いてあったのを覚えているのですが、そう書きたくなる気持ちも理解できます。
人物の描写だけでなく、イギリスの田園風景、カントリーハウスについても精彩で、外 -
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ネタバレほかの惑星を侵略するのでなく同盟を結ぼうとする話だが、その骨の折れること。たったひとりの使節が相手国の説得にあたることの危険性よりも、降り立つ地の文化と選択を尊重することを重視した姿勢が、新鮮でよかった。
前半は政治的な話が続き掴みどころのない物語だったが、不思議ともう一度読みたくなる。遺伝子実験により両性具有となった人類についても興味深い点がたくさんあった。
登場人物の誰の話にも、常に問いがあった。そのどれにも明確な答えはなく、あれこれと浮かんでは消え、最後に残ったのは友への深い友情だった。
生まれた星、育った国、言語、文化、習慣、体のつくりも何もかもまったく違う者同士が、互いを理解し合うこ -
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693
275P
オスカーワイルド
オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド。アイルランド出身の詩人、作家、劇作家。耽美的・退廃的・懐疑的だった19世紀末文学の旗手のように語られる。多彩な文筆活動を行ったが、男色を咎められて収監され、出獄後、失意から回復しないままに没した。
幸福な王子/柘榴の家 (光文社古典新訳文庫)
by ワイルド、小尾 芙佐
だれだって耳に快いことをいって相手をよろこばせたり、お世辞をいったりすることはできるがね、真の友というものは、ずけずけと不愉快なことをいって、相手に苦痛をあたえようが気にしないものだ。いやいや、ほんとうに真の友ならば、すすんでそう -
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「独身の青年で莫大な財産があるといえば、これはもうぜひとも妻が必要だというのが、おしなべて世間の認める真実である」
世の中には書き出しが有名な小説がそれはもう星の数ほどありますが、本作『高慢と偏見』もその一つであります
まぁ空で言えるくらい嗜んでいるのが理想ではありますが、この一文を聞いた時に顔も上げずにほそっと「あーオースティンね」なんてことが言えたら、それはもうかっこよ!
はい、でこの書き出しがなんで素晴らしいのか?っていうとね
そういう物語なんです
もうこの書き出し読んだら、もうその後読まなくてもいいくらい(なわけあるか!)
そのくらいギュッとされていて、このあとに続くドタバタ物語を -
Posted by ブクログ
はい、恋愛小説の名作中名作との呼び声高い『高慢と偏見』を遂に
しかも、ワタクシの大好きな小尾芙佐さん訳
ありがたい
さすが光文社わかってる〜
それにしても1813年刊行ですってよ
時代背景的にね、ちょっと今では考えられないような事物がたくさんあってうわーってなりかねないんですけどね(特にこの頃のイギリスはマジ酷いんで)
まぁ、そういうのはもうそういうもんだと刷り込んじゃいましょう
もう全スルーです
いちいち引っかかってたら先に進みませんから
これ、古典を読む時のコツです
はい、上巻!
もう、全編を通してずーっとイライラしっぱなしです
あらゆる局面でイライラさせてきます
イライラ担当キャラ -
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Posted by ブクログ
タイトルも著者名も美しいネビュラ賞受賞作。裏表紙に「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」とありますが、なるほど同じ訳者なんですね。
自閉症の療法が飛躍的に進化した近未来。治療の適齢を過ぎた最後の世代であるルウは、製薬会社に勤めていて、クラシックを聴いたり、仲間とフェンシングをするなど、充実した日々を送っていました。そんなある日、会社に新任の上司が着任し、ルウたち自閉症者を集めたセクションに、解雇をちらつかせながら、自閉症治療の実験台になることを迫られます。ルウは、ノーマルな人たちが普通に感じ取れる微妙なニュアンスや、他人の表情や仕草から感情を読み取れないことを気に病んでいました。それでもフ