ほしおさなえのレビュー一覧
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[1]墨流し、物語ペーパーの書籍化、和紙体験、閉館に向けた記念イベント。
[2]ああ、新型コロナを絡めてくるのかぁと。ストーリーの中としてはマイナスでもなくちょうどいい加減のインターバルを取れるかもしれへんなあ。
[3]いずれ記念館は川越に移転するんじゃないかと(おそらくは誰もが)思っているやろうけどそういう方向に流れていってるかも。
【第一話 ぴっかり千両】小川町の和紙体験学習センターと東秩父和紙の里への遠足。新たな人脈小川町の和紙体験学習センター出身で襖紙の工房に勤めつつ料紙を作っている岡本さん。
【第二話 墨流しと民藝】岡本さんがやってきて料紙談義の後百花がよくわからなかった墨流しを実 -
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『活版印刷三日月堂』と同じ川越が舞台。
表紙の絵も同じ人が書いているのかと思ったら違った(三日月堂は、中村至宏さん)。
月光荘の装画は丹地陽子さん。
三日月堂も月光荘も、素敵な表紙が目に留まって読むきっかけになった。
(『エチュード春一番』も『金曜日の本屋さん』も丹治陽子さんだった。)
やっぱり人が幸せになる話はいいなぁ。
守人も変わっていくのだろうか。
月光荘の歌う歌、聞いてみたい。
──
『菓子屋横丁月光荘 歌う家』
『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』
『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』
『菓子屋横丁月光荘 丸窓』
『菓子屋横丁月光荘 金色姫』 -
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いよいよ最終巻。
百花は藤崎産業に入社し、新しい記念館準備室に配属される。
記念館は川越にあり、古い商家をリノベーションしたもの。
同期の本宮さん、松岡さん、烏丸さんと、アイディアを出し合いながら、内装やどんな内容にしていくかを決めていく。
この雰囲気は、これまでの学園祭の時の雰囲気や、月光荘の終りの方とも似ている。
これまで出てきた人々だけでなく、他の作品にも出てくる人(例えば三日月堂の弓子さん)なんかもちらっと出てきて、いかにも「大団円」な感じが演出される。
・・・人が多すぎて、これって誰だっけ感が否めない。
他の皆さんはもっとこのシリーズを読みこんでいて、困らないのだろうか。
この -
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シリーズ第三弾。
連句会「ひとつばたご」に通う一葉を主人公に描かれる、ハートウォーミング連作六編が収録されています。
今回も新たな出会いがあり、作家の柚子さんや詩人の優さんを始め、レギュラーメンバーで歌人の久子さんの教え子の方々が、連句会「ひとつばたご」に初参加メンバーとして登場します。
そして、柚子さんとの出会いをきっかけに、一葉が働いているブックカフェ〈あずきブックス〉にて、少女マンガのイベントが開催される展開になったりと、毎回ながら“ご縁”が素敵な繋がりを見せてくれます(まさに連句のようですね)。
そのイベントへの布石的な流れで、作中に少女マンガの作品名が数々出てくるのですが、『動物 -
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ネタバレ槐は、川越で染織工房を営む叔母の家に住む。
亡くなった母は家族と折り合いが悪く孤独に生き
槐を残し亡くなった。
生き辛さを抱えた者がもうひとり。
従兄弟の綸も叔母の家に身を寄せる。
唯一無二の作品を生み出すこと。
その難しさも含め染色の世界に魅了される。
ただ、槐や綸に共感できないことも多かった。
不審な人物に跡を付けられ槐は切りつけられる。
その恐怖は相当だと思う。
付け回す理由が知りたいためだけに
自分を切りつけたその男を問い詰めることができるだろうか。
転落死をした画家・未都と綸の出会いも唐突すぎる気がした。
息詰まる日々を過ごす二人が
それぞれの何かに惹かれたということか。
職 -
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いまを生きる私たちのために和紙を役立てる
小説家ってすごい
イマジナリーの中で経営なんかもできちゃう
そして読んだ人を洗脳しちゃうんだよね
まぁほしおさんの世界好きだから良いんだけど笑
今までの物語がスクロールされて
大団円に近づいている気がする
とはいえ急いだ展開と聞いていたので
後半が飛ばし気味になってくると
とうとう来たかという感じ
終わって行くのが惜しくなる
和紙と人々のつながりの物語
…のはずだったのでしょうけど
思わず時代を感じさせる内容にもなりました
感染症で疲弊していたあの頃の記録は
後でどんな印象に変わるのでしょう…?
ともあれシリーズ完結です
おめでとうございます -
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このシリーズ7冊目。でもって完結巻ということのようね。
いよいよ藤崎産業の社員となった百花が同期の3人と一緒に記念館の移転開館に向けた道筋をつけていく様子が描かれる。
その過程では、飯田や美濃など今まで訪れた場所、物語ペーパーや組子障子のカードをはじめとしたこれまで創ってきたグッズ、三日月堂やモリノインク、文字箱などの関係した先々のことが現われ、紙こもの市も再開されるなど、まるでシリーズ総集編の趣。
物語としては、なんだかツール・ド・フランスの最終日のパレード走行を思わせる、全体的に緩い感じの話になってしまったが、折々にはこのシリーズらしい慎ましやかでもホッとする話も織り込まれていて、ずっと