ほしおさなえのレビュー一覧

  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    ネタバレ

    彼氏と別れたことを言わなかった美紅。
    就職をやめて実家の本屋を継ぐことにしたのを言わなかった穂乃果。
    中国勤務になったことを言わなかった萌音。

    「水臭い、言ってくれればよかったのに。友達でしょ」と言いたい気分でしたが、皆、自分の気持ちの整理がつくまで言えなかったのだと思うに到りました。

    私は日頃から手紙を書く方ではありますが、1000色あるインクを前にして改まって想いを伝えたいのは誰だろうと考えてみました。答えは出ませんでしたが、このような手紙室が実際にあるのなら、行ってみたいと思いました。

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    2025年10月18日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    「言葉の園のお菓子番」の5冊目。

    前巻で知り合った「きりん座」のメンバーを「ひとつばたご」に招いたり逆に「きりん座」の定例会に参加したりで、一葉を取り巻く世界はまた広がりを見せる。新たな人とのつながり、そこから思い起こされる過去の記憶、触発される歌心…。
    様々な年代が集まる「ひとつばたご」と若い世代が中心の「きりん座」の対比が面白く、「きりん座」で出している同人誌からつながった文芸マーケット(文学フリマみたいなイベント)にも惹かれる。
    学生の頃に写真をやっていたという一葉の父の応募した写真が入選した時のエピソードにもほのぼのとする。


    すぐ前の句とは異なる情景を詠みながら、前の句に込められ

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    2025年10月13日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    2025/09/29予約
    壊れても修繕して使う。大切なものの思い出も一緒に残せる。手間がかかっても金継ぎで補修して今までより素敵になってまた一緒に時を過ごせるって豊かだなぁ。コスパタイパと対極の価値観の中で、ゆっくりとした読書時間を過ごせました。

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    2025年10月07日
  • 銀河ホテルの居候 落葉松の森を歩いて

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    苅部さんの秘密が少しづつ明らかになっていくのかと前の巻を読んで思いましたが、そうではなかったですね。レギュラーのメンバーはほぼ出番がなく、主人公が各回で完全に独立してる感じですが、最近はこのスタイルはよく見かけますね。シチュエーションとコンセンプトのみ違う・・。食べ物屋さんのシチュエーションが多いですが、この作品と四宝文房具店は落ち着いた雰囲気で好みです

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    2025年10月03日
  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    インクとガラスペンを使って文字を書きたくなる本。老いることは、出来なくなることも増えるかもしれないけれど、思い出を抱きしめて好きなことをして残りの人生を生きていくこともできる。
    大人になることは、自由が減って単調な日々になることもあるけれど、自分の大切なものを自分の手で守ることも、大人だからこそできること。

    今の自分の姿をもう一度捉え直して、丁寧に生きてみたいなと思える物語だった。

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    2025年10月01日
  • 梅、香る 琴子は着物の夢を見る

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    ネタバレ

    振袖の「意志」を感じた琴子は、依頼主に自分の力について語り、振袖を預かって夢を見る。

    柿彦の懸念はもっともなことで、この先どう進むのか興味深い。着物にはとんと縁が無いけれど、こういう物語を読むと着られたらよかったなとは思う。

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    2025年09月30日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    〔Ⅰ〕記念館再起動準備の巻、とはいえ全体がエピローグという感じでもあり、駆け足的ではあるけれどめでたく始まりを迎える。
    〔Ⅱ〕コロナ禍は少しずつ終息に向かっているようではある/第一巻からいずれ移転しそうな気がしていた川越で新たに出発する記念館の建物を改修してくれるのは月光荘も手がけた真山さん/新人だけのプロジェクトチームのメンバーは百花、松岡、本宮、烏丸/紙こもの市も再開/ビジネスの場でも使える「ベーシックライン」としてまず懐紙/百花の父の『東京散歩』再刊予定。同時に未刊行エッセイ書籍化の話が出てき、そちらの発行は道草書房、印刷は三日月堂/月光荘の名前もちょっと出てくる。近いうちに守人くんとも

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    2025年09月16日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    シリーズ2作目。連句のことは俳句以上にさっぱり分からんけど、ほしおさんらしい優しいストーリーで読んでてホッとする。いろいろ話が発展しそう。海月ちゃん、おもろい!

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    2025年09月15日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    アナログでレトロなものや、紙ものの質感が好きな人にはたまらない小説だと思う。

    レターセット、ショップカードにコースター、栞、結婚式の招待状。活版印刷ならではの味わいを堪能できるアイテムが各章で登場し、一つ一つの言葉に込められた「想い」が活版印刷により「重み」を与えられてそれらに刻まれる。以下好きな描写の引用を2つ。

    くっきりした文字だった。「刻まれている」と感じた。ふつうの印刷だと紙に文字が「張りついている」感じだが、これは凹んでいるわけではないのに「刻まれている」。文字ひとつひとつが息づいているみたいに見える。

    コンピュータのなかでは文字に重さがない。厚みもない。「もの」じゃない。だけ

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    2025年09月15日
  • 銀河ホテルの居候 光り続ける灯台のように

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    軽井沢にある老舗ホテルのアクティビティ手紙室でのオムニバス。
    前作同様、苅部さんの洞察力で受講した人達は救われたり目標を見つけたりして現実世界に活力を見出す。苅部氏がちょっと占い師っぽく見えてきた(笑)

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    2025年09月13日
  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    去年。ジャーナリングを楽しむためのオンラインサロンにいたときに、文通相手がふたりできた。でも、数回やりとりしただけで終わってしまった。
    LINEなんかが主流になっている今、その延長で手紙を書くという行為に変えるって意外と続かないものだなと思った。

    手紙を通して、関係性をうまく積み重ねることができなかったからだと思う。ご縁がなかったといえばそれだけ。

    でも、その人のために便箋を選び、万年筆に使うインクを選びをしたのは、とても楽しかった。ボールペンとは違う書き味の万年筆と、自分の好みの色で書けるインクの組み合わせがとても好き。今使っているジャーナリング用のノートが、万年筆だと裏抜けしてしまって

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    2025年09月13日
  • 梅、香る 琴子は着物の夢を見る

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    着物と残された想い、記憶巡る物語の2巻。

    前作は戦時下の記憶で、持ち主が戦時下女学生だったので、おおよそわたしの祖母より数歳年上くらい。今作は親くらいのお話だった。

    世代も超えていくところは着物らしいなと思った。

    強い思いは持ち主が死しても残るなんて聞くことあるけど、それに当てはめると今作は(いや、前作も?)「後悔」かなと思う。……それ以外の想い、記憶のお話が読んでみたいかなと思った。

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    2025年09月12日
  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    手紙が書きたくなったというより、インクに興味を持ちました。万年筆を使っているけれど、確かにボールペンより紙の上をするするとすべる感じで書きこごちがとても良い。
    いつも同じインクを使っているけれど、インクひとつとってもたくさんの種類があることを知りました。
    つけて書くものもあることは知っていたけれど使ったことはなくて、この本を読んで一度使ってみたくなりました。
    「手紙室」というワークショップがあるホテルなんてなかなかない発想。ホテルに泊まることじたいめったにないことだけど、もしそういうワークショップをやっているホテルがあるなら一度泊まってみたいなと思いました。

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    2025年09月07日
  • 言葉の園のお菓子番~大切な場所

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    ネタバレ

    【収録作品】
    お化け階段
    特別な人
    坂道ノート
    レゾンデートル
    大切な場所
    梅の咲く庭

    大輔と一葉の父の写真+エッセイ雑誌完成。
    「アカシア」の詩の朗読会を「あずきブックス」で開催。
    「きりん座」の変化。
    「ひとつばたご」の雑誌企画と、SNS連句企画が進む。
    おいしそうなお菓子と広がりを持つ連句の世界。
    詩や短歌、写真と世界は広がっていく。

    平和だからできること。

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    2025年09月06日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    大学生の百花は、叔母に誘われて「紙こもの市」に出かけた。
    そこで、無愛想な一成と出会う。
    彼は、老舗企業「紙屋ふじさき」の一族で「紙屋ふじさき記念館」の館長だった。

    その記念館は、資料庫に毛が生えたくらいの館で、来場者は、一人も居なかった。

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    2025年08月31日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    ネタバレ

    祓うひとにもわからないウツログサというあやかしのような不思議なものが見える人たちの話。
    ウツログサとの付き合い方や考え方がみんな違うので、祓う祓わないも人それぞれ。

    ウツログサに取り込まれたあとどうなるのか宇宙くらい怖いですが、気になりますね。

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    2025年08月28日
  • 銀河ホテルの居候 落葉松の森を歩いて

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    シリーズ第3弾。
    軽井沢にある銀河ホテルの手紙室。
    ホテルのアクティビティの一環として「手紙教室」がある。
    文字じゃなくてもいい。誰に書いてもいい。
    出さなくてもいい。ゲームでもいい。
    1000色並べられたインクから好きな色を選び何を書こうか考える。そんな素敵な時間を過ごす物語が3つ。
    3つとも、銀河ホテルの手紙室を訪れる人たちの人生が丁寧に描かれていた。時おり、これは銀河ホテルを舞台にする意味があるのだろうか?と読み進めていくと、この場所だからこそ、過ごせる時間があるのかもしれないなと思える結びにつながる。

    私は第3話の「十人十色」がとても好きだった。
    定年を迎える大学講師が、銀河ホテルで

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    2025年08月27日
  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    とっても素敵な本ね!!って思わずお上品になった。どんな道を選んでも選んだのは自分。その状況を楽しむというか、卑下しないというか。難しいけど、そうなりたいもんだ。

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    2025年08月25日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    続編のほうを購入してからこちらを購入。たまたま続編のほうを書店で見つけて購入したのですがその書店には1冊目がなく別の書店でこちらを購入しました。
    以前は本はいつでも買える、手放してもいつでも買いなおせるって思っていたけどそうじゃないんだと遅まきながら気づいてから読みたい本を見つけた時は買うようにしてます

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    2025年08月23日
  • 星降る海 琴子は着物の夢を見る

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    これまでの持ち込まれた着物ではなく今回は本庄の家の物置部屋から誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたことから琴子自身の過去を辿る話へ。気になる所で終わってしまったので続きが非常に気になる。

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    2025年08月22日