ほしおさなえのレビュー一覧
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シリーズ3作目。
前作でブックカフェで働くことになった一葉。
今作ではブックカフェの話がメインになるかと思ったが、新たな登場人物が増え、また新たな扉が開いていく。
少女漫画をテーマにした講演会や、これまでと違う場所での連歌など、扱っている内容は同じなのに、また違う景色に見え、一葉と一緒にふわふわと漂う感じがした。
新たな登場人物が増えたことで、新しいお菓子も登場し、思わずネットで調べたりしてしまったが、一葉の心の中の描写が少なかったように感じて、個人的には今作では何を伝えたかったのだろう??という読後。
しかし、他のシリーズもそうだけど、次から次へといろいろなアイデアが出る作者の頭の中を覗いて -
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シリーズ第三弾。
守人の“家とのコミュニケーション”が、巻を追うごとに進化していますね。
最初は家の声が聞こえるだけだったのが、前巻では〈月光荘〉と“会話”をするようになり、この巻では〈月光荘〉以外の家とも会話ができるようになっていました。
そして第二話「オカイコサマ」で、守人の大学時代の友人・田辺さんの祖母・喜代さんも“家の声が聞こえる”お仲間ということが判明。
しかも、田辺さんの祖父母の家を建てた人が守人の血縁だったという素敵なサプライズ展開でした。
このような“人の縁”の連鎖が心地よく、出てくる人達が良い人ばかりなので安心して読めますね。
表題作の第三話「文鳥の宿」では、ついに〈三日月 -
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シリーズ第二弾。
家の声が聞こえる大学院生・遠野守人が、川越の古民家・〈月光荘〉の住み込み管理人となって数か月。
グイグイ距離を詰めてくる川越っ子・べんてんちゃんのお陰もあり、知り合いも増えて街にも馴染んできている様子です。
表題作の第一話「浮草の灯」は“活版印刷三日月堂シリーズ”に出てきた古書店〈浮草〉が舞台で、水上さんの「雲日記」も取り上げられていましたし、第二話「切り紙」では、“三日月堂シリーズ”の番外編に登場した和紙店〈笠原紙店〉の話だったりと、結構しっかりリンクしている感じです。
〈月光荘〉で行われた、切り紙のワークショップも楽しそうで、こうして古き良きものを通して地域の繋がりが広 -
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シリーズ第二弾。
連句会「ひとつばたご」で治子さんの代わりにお菓子番になった一葉。
毎月のお菓子は美味しそうだし、連句は難しそうだけれど面白そう。
治子さんが亡くなってから一年。
亡くなった人も生きている人も、月の光のように見守ってくれている。
「接する、切れる、でも、一点ずつつながっているからほどけてしまうことはない。鎖のように」
「切れるから覚えている」
人との関係と、連句を重ね合わせた表現。
なるほどなぁ。
海月ちゃんは随分個性的だけれど、そんな若い人も温かく受け入れてくれる「ひとつばたご」のメンバーが、とても良い。
読み続けたいシリーズ。 -
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『活版印刷三日月堂』シリーズが良かったので、同著者の本書を手に取りました。
こちらも“三日月堂シリーズ”と同じく、川越が舞台となっております。
“家の声”が聞こえる、大学院生・遠野守人が主人公。
縁あって、川越・菓子屋横丁の一角に建つ古民家で、住みこみの管理人をすることになった守人ですが・・・。
長い時を経た家に、住んでいた人の記憶や思いが“声”となって聞こえてくる・・というと、何だかホラーな感じですが、全然怖くなくてむしろハートウォーミングなお話です。
幼い頃に両親と死に別れ、厳格な祖父に育てられた守人は、祖父に対するネガティブな気持ちを抱き続けていましたが、古き良き街とそこに暮らす又は -
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シリーズ二作目。
初めに出てくるお菓子は、ショートブレッドやドライフルーツビスケット。
「ひとつばたご」で出会った連句仲間から、手作りマーケットで販売するお菓子に商品タグをつけて欲しいとのこと。
会に持って行くのはどら焼き。ああ美味しそう!
ところで本筋、なんだったっけ?
そうそう、大人になって子供を持ち、読み聞かせた絵本に感動する、と言う話。
わからない人もきっといるだろうけれど、私はよくわかる。
読み聞かせるうちに声が詰まってしまったこともある。
絵本には絵本ならではの心をうごかすものが詰まっている。
この話は次の話に持ち越される。
海月さんと言う新しい人物も登場。
本作で主人公、一葉 -
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さて、このシリーズ3冊目。今度もまた配偶者のほうが先に読み終えた。
タイトルは「カラーインクと万年筆」だけど、今回は百花の母の実家がある飯田での、中でも水引の話が印象に残る。
飯田と言えば、ずっと昔に職場のレクリエーションで行ったことがあるな。
その時に水引工芸館みたいなところも行ったけど、実演してた人が作ったものをその場で部下の女性にプレゼントしてくれたことを思い出す。
ネットで動画を見たら、あわじ結びなどあっという間に出来上がるけど、私にはそれすらきれいに出来そうもないぞ。
お話はと言えば、多少の茶々が入ってもうまくことまとまっていく他愛もないお話だが、本作においては水引や旧い家など古