ほしおさなえのレビュー一覧

  • ものだま探偵団 ふしぎな声のする町で

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    読みやすいし、あたたかいお話。
    伏線がいろいろあって、今後のシリーズも気になる。

    ものだまとは、日本らしいなぁと思う。
    あらゆるものに神が宿る神話や、妖怪、そしてことだま。
    ものだまも違和感なくすっと入ってくる。

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    2024年01月17日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    このシリーズ7冊目。でもって完結巻ということのようね。

    いよいよ藤崎産業の社員となった百花が同期の3人と一緒に記念館の移転開館に向けた道筋をつけていく様子が描かれる。
    その過程では、飯田や美濃など今まで訪れた場所、物語ペーパーや組子障子のカードをはじめとしたこれまで創ってきたグッズ、三日月堂やモリノインク、文字箱などの関係した先々のことが現われ、紙こもの市も再開されるなど、まるでシリーズ総集編の趣。
    物語としては、なんだかツール・ド・フランスの最終日のパレード走行を思わせる、全体的に緩い感じの話になってしまったが、折々にはこのシリーズらしい慎ましやかでもホッとする話も織り込まれていて、ずっと読み続けていた者としてはまずまず面白く読めた。

    在りし日の父が隣で眠っている妻のお腹の中の子どもに語りかける情景や道草書房の社長が語る子どもの名前に対する親の思いにはホロリとする。
    そうして生まれた百花は相変わらず自己肯定感は低めだが、それでも与えられた役割を『やるしかない』と受けて立てるようになって、父が『よく生きる』と遺した、少しでも良い方向に進もうという生き方がしっかり受け継がれていく様が好ましい。
    ついでに言えば、一成も自分のことを『世間の標準から少しずれている』と語るようになり、最初の巻からするとふた皮くらいむけたみたいでほっこりする。

    第5巻の感想に、コロナ禍について『このお話にわざわざこの話題を入れるか』と書いたが、それを乗り越えこれまでとは異なる新しい生活様式を作り定着させつつある今、『和紙とともにある暮らしを提案する』という新記念館のコンセプトに象徴される、伝統を守りながら発展させていく様々な取組みを描いてきたこのシリーズの志はピタリと嵌ったようにも思った。

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    2024年01月14日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    ネタバレ

    なかなか辛かったです…

    半分くらいは、前回までのおさらい、という様なストーリーで、とにかく話が進まない。
    そこから徐々に進むが足踏みで、残り30ページが一気にイベントへ。

    これまでがあって、新しいふじさき記念館がある。
    これまでの百花があって、藤崎産業の百花がある。
    というのはよく伝わった。

    もう読みたくないかなと思ってしまった…

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    2024年01月08日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    川越に行ったばかりなので、ワクワクしながら読んだが…あまり最後まで気持ちが盛り上がらないまま終了。シリーズが出てるから面白いと思ったのに残念。

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    2024年01月03日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    ネタバレ

    書店員が無職になり本棚整理。ふと祖母の本を開くと手紙が。祖母の通っていた連歌の集まりに、月ごとに指定されたお菓子を持って参加していく。書店で書いていたポップが評価され、人づてに依頼が入ってくる。連歌を紡ぐ中で、今はなき祖母と対話する物語。

    うーん連歌ルール難しかった
    みんなで集まってワイワイするのいいなと思った。

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    2023年12月25日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    今までとは違い、一つの事を掘り下げるというよりは今まで行ってきた事の集大成?お浚い? そんな感じでした。
    駆け足感は否めないかな。。

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    2023年12月07日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    コロナ禍の始まりは、こんな風だったなぁと思い出しながら読んだ。
    それまでの当たり前が当たり前でなくなった日々。
    不要不急の外出は禁止。それでも勉強や仕事はしなくてはならない。
    世の中が停滞と変化を同時に求められたもどかしい時期。
    学生さんは、特に気の毒だった。
    百花はまさに学生さんで、その中で卒論や就活をしなくてはならなかったのは大変だったろう。
    急速に変化した世の中で、「和紙」への意識が今後どんな風に変わっていくのか、変わらないのか、楽しみにしたい。

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    2023年12月02日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    年齢も立場も違う人たちがひとつの目的で集うのはいいな
    自分も若い頃に集まってたなー楽しかったな
    他からみたら不思議な感じがするんでしょうね

    身近に歌を詠む人がいないので
    こんな集まりがあるっていうのが興味深い

    印象を三十一文字に落とし込む
    自分の感動をコンパクトにとっておけるのはいいなぁ
    自分はよその人の心の動きをテキストで感じよう(^_^;)

    連歌が生まれる過程が見える小説
    地味なストーリーだが冒険が隠れています
    小説の中の小説があったりするのもひとつ
    表紙は若い女子向きだけどオトナの小説だなー

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    2023年11月27日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    建物の声が聞こえる主人公が、川越の古民家に引っ越すお話。

    昔ながらとかの家って何かいますよね。私も実家がそんな感じで、小さい頃は怖がってました…笑

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    2023年10月28日
  • 紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色

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    ★いまあたらしく紙を作るとき、むかしの人たちの手にあたらしい人の手が重なる。その瞬間を思うと心がふるえる。(p.295)
    ・ターニングポイントになる巻なのかも。百花も一成も自分の道を自分で決めようとしはじめた。
    ・著者は書きながら伝統とは、伝統を継承するとは、今に活かすためにはなどを考察しているようにも思えます。そしてだんだん煮詰めてこられたような気も。

    【活版印刷】百花新三年生。新入生天野楓さんの紹介で新歓遠足で川越の活版印刷所見学に行くことになる。「三日月堂」ついに本格登場。これまでにもちらほら影は見えていたが。菓子屋横丁も見物するというので月光荘も出てきたりしないか? ・・・名前は出てきた。ビルがなくなるという紙屋ふじさき記念館も川越移転とか・・・百花が通いにくくなるのでそれはないか・・・いや、月光荘の話で同じ大学に通っている人が何人もいるし、大丈夫か。

    【包む心】アプリ「hiyori」の取材を受けることになった百花。/藤崎の両親来訪。超ダンディな父、妖精の女王のような母。/定期ワークショップを企画する百花。/記念館の入っているビルの取り壊しが決まるが実は藤崎産業社内でも必ずしも記念館廃止の意見が多いわけではないのでどうすれば続けることができるか。/人前でレクチャーすることを頑なに嫌がる一成を引っ張り出せるか、百花。

    【故郷の色、海の色】ワークショップの記録を残しときたいとウェブサイトビルダーを利用しはじめ提案した百花だが一成も協力しているうちに、ビルがなくなって次の施設が見つかるまでの空白期間を埋めることができるかもしれないと考えはじめた。《このサイト自体が記念館の代わりになるってことなんだ》p.226/「hiyori」編集長の梶井は新しい記念館は引っ越すだけではダメで最終的に目指すものを考えねばいけないと言う。そして「わくわく感」が必要だとも。/モリノインク新色&統一感あるノート作成予定。/一成のミュージアム工房構想。

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    ■紙屋ふじさき記念館についての簡単なメモ(★は主要語)

    【第一巻 一行目】そもそものはじまりは叔母からの誘いだった。
    【第二巻 一行目】やっぱり、そんな簡単に覚えられるものじゃないよなあ。
    【第三巻 一行目】十二月、師走。
    【第四巻】三月の後半。早くも桜が咲き、春爛漫である。

    【空き箱】《そうですね、なにも入れません。入れられません。空き箱だからロマンがあるのです。》麻の葉のカードp.13
    【朝子/あさこ】瓜生朝子。藤崎産業の前社長の妻である藤崎薫子の秘書。おおらかさと有能さをあわせ持つ。一成のことをファーストネームで読んでいたのを聞き恋人なのかと百花は最初思ったが関係者は全員藤崎さんなのでファーストネームで呼ぶしかないのだとわかる。
    【天野/あまの】江東区の海岸ブックスの店長?
    【天野楓/あまの・かえで】百花新三年生時の新入生。川越の活版印刷所「三日月堂」でアルバイトしている。というかあちらのレギュラー。「庭のカード」の絵を描いた。《自分に与えられたことだけをしていれば生きていけるなんて場所は、もうどこにもないと思うんです》紙屋ふじさき第四巻p.101
    【荒船莉子/あらふね・りこ】→莉子

    【飯田市】水引や元結の産地。百花の母である冬海と叔母である紫乃の産地でもある。
    【石井】小冊子研究会の後輩。一年女子。スイーツを擬人化したイラストを描いている。
    【稲川昌輝/いながわ・まさき】百花新三年生時の小冊子研究会の新入部員。長身で猫背ぎみ。乾の超短編に惹かれたようだ。
    【乾】小冊子研究会の一年後輩男子。四百字以内の超短編ミステリを高校時代からブログに書き続けている。立花ゼミ所属。叔父が写真家。
    【井上】「文字箱」のスタッフ。水引に興味を抱いている。
    【今村家】百花の母と叔母の実家。飯田市の伊那八幡駅の近くにある。祖母と、伯父の寛也(ひろや)、伯母の多津子(たつこ)、五歳上のいとこの崇(たかし)、三歳上の遥香(はるか)。この家にあった組子障子が物語の始まりとも言える。
    【今村紫乃/いまむら・しの】→紫乃
    【いろいろ紙ノート】百花が余り紙で父といっしょにつくっていたノート。けっきょくなにも書けなかった。記念館でそういうコンセプトのノートを出すことになった。正式な商品名は莉子の案で「紙の絵本」となった。

    【上野/うえの】箱屋さん(製函業者)。一成の信頼も厚い七十代。
    【ウェブサイトビルダー】へえ、そんなサービスが今はあるのか。ぼくらの頃はhtmlをイチから書いて作ってたんでめんどくさかったしなんとなく垢抜けなかったけど(あくまでも個人サイトですが)。でもそういう便利ツールがあるからどのサイトも似てきてるのかもしれませんね。キレイなサイトが多いのでプロに作ってもらってて、プロ特有のセオリーみたいなものがあるのかと思ってましたが。
    【瓜生朝子/うりゅう・あさこ】→朝子

    【江戸からかみ】「いろいろ紙ノート」特装版の表紙に使われた。《和紙に装飾をほどこしたもの。「からかみ」つまり「唐紙」。平安時代に中国から伝来した紋唐紙『北宋の彩牋(ほくそうのさいせん)』を手本にして作られるようになり、おもに襖の装飾として発展したらしい。》物語ペーパーp.11

    【小川真琴/おがわ・まこと】小冊子研究会の前部長。家業を継ぐ予定。
    【大人】《大人というのは、子どもに対してはほんとうのことを話さないから。》第三巻p.186
    【折形/おりかた】ものを贈るとき一定の形に折って、贈るものをなかに収めたらしい。一成によるとうつくしく飾るためよりも一種の儀式だろうとのこと。鏡餅の葉っぱのようなものだと。日本の折り紙はこの辺が発祥なのかもしれません?

    【海岸ブックス】江東区の書店。物語ペーパーに興味を抱く。天野さんが店長?
    【薫子★】藤崎薫子。藤崎産業前社長の妻。大株主でいまだ発言権は強い。八十歳になってSNSをはじめた。偏屈な一成のことを心配しており新しいなにかをもたらしてくれそうな百花を取り込もうとしている。《いまは限られた一部の人に高級なものを売るより、多くの人に小さな幸せを届けた方がうまくいく時代だと思う》麻の葉のカードp.210
    【柿渋紙】「いろいろ紙ノート」普及版に使われた三種類の紙のひとつ。柿渋を塗って丈夫にした紙。水にも強い。伊勢型紙や和傘にも使われた。
    【梶井/かじい】「hiyori」編集長。立ち上げメンバーの一人。新しい記念館についての指針を助言してくれた。
    【一成★/かずなり】藤崎一成。紫乃の知人。端正な顔立ち。ぶっきらぼうなタイプ。紙屋ふじさき記念館の館長。父は藤崎晃成、母は歌手のめぐみ。株式会社藤崎産業の社長の甥ということになる。
    【型染め】紙の染め方。もともとは布を染めるための手法。色を乗せたくないところを切り抜いている型を紙に当て糊を塗る。色を乗せる。糊の部分には染料が乗らない。糊を洗い流す。というような手順を踏む。モリノインクの新しいインクシリーズの函に使われた。型は柿渋を塗った伊勢型紙で染め工房の財産と言える。
    【活版印刷】島本《思ったんですよ。最後に残るのは、ものとしての価値、っていうか。ものとしての存在感があれば生き残れるかも、って。》紙屋ふじさき第四巻p.84
    【上川/かみかわ】古書店「夜光」店主。
    【紙こもの市】さまざまな業者が出店しさまざまな紙のアイテムを出品する。盛況。見ていると語彙が低下し「きれい」「素敵」「かわいい」しか発しなくなり、皆、紙の亡者になる。三日月堂の印刷物なんかもあるかも。
    【紙の絵本】→いろいろ紙ノート
    【紙屋ふじさき】《江戸期創業の紙の店。日本橋にあり、以前は和紙専門だったが、明治にはいって洋紙も扱うようになった。戦後は株式会社藤崎産業と名前を変え、書籍用紙から医療用の不織布まで幅広く扱う大手企業になっている。》麻の葉のカードp.29。薫子の肝いりで現在では和紙を扱う部門として「紙屋ふじさき記念館」がある。
    【紙屋ふじさき記念館★】株式会社藤崎産業の日本橋にある旧本社ビル四階で創業当時からの資料を集めている。館長は一成。もうすぐなくなるかもしれないが薫子は残したいと考えているので一成にハッパをかけている。《そうか、そうだよね。記念館があったら、じゃなくて、記念館を残すためにがんばる。記念館がなくなってしまったら、ほかにできることを探す。藤崎さんや薫子さんといっしょに。》紙屋ふじさき第四巻p.102
    【家紋】武士が使っているものは格式張っているが江戸時代、町民文化に取り込まれてからはもっとアバウトで強いて言えばロゴマークに近いイメージになって様々なものができたらしい。
    【ガラスペン】ガラスペンも使いますが最近は万年筆っぽいペン先をつけペンっぽい軸に付けたタイプのものをよく使います。そっちの方が気楽に書けるので。
    【カルトナージュ】《フランスの伝統的な工芸品よ。厚紙で作った箱に紙や布を貼って飾るの。》麻の葉のカードp.18

    【木谷/きたに】百花たちの大学の先生。近代小説の舞台になった町について古い地図と現在の地図を比較しながら記述を検証する。という話からすると『菓子屋横丁月光荘』の木谷先生と思われる。
    【木本印刷店】「物語ペーパー」の印刷をしてもらった。製函業者の上野から教えてもらった。川越の「三日月堂」とつきあいがあるというか、アドバイザー役でもある。

    【組子障子】母や伯母の実家である飯田市の今村家の建物のものを百花が思い出したことから組子障子のカードが生まれた。今村家は取り壊しになる予定だがこういう建具類はある程度新居に流用してもいいかもしれない。
    【クラフトパンチ】型抜き用のパンチ。さまざまな型があるらしい。

    【孤独】《百花、人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう。》物語ペーパーp.277

    【坂本泉/さかもと・いずみ】小冊子研究会の先輩。四年生。立花ゼミ所属。莉子の高校時代の先輩で小冊子研究会に誘った。現在就活で苦闘中。
    【真田/さなだ】久川の助手。

    【紙胎/したい】紙に漆を塗る手法。
    【紫乃★/しの】今村紫乃。百花の叔母。冬海の妹。独身。日日草という器の店をやってる。おおらかなタイプ。
    【島本悠生】三日月堂の弓子のパートナー。
    【就職】森沢《僕にとって大事なのは、どこかに決まることじゃなくて、その会社で働く、ってことだから。》紙屋ふじさき第四巻p.62
    【小冊子研究会★】大学で百花や莉子が入っているサークル。部員は百花、莉子、乾、石井、松下、森沢、西園。と小川、坂本。
    【書肆モルン】蔵前の書店。物語ペーパーに興味を抱く。小さな出版書が開いた自主流通本やリトルプレスを扱う書店。小久保さんが店を任された。
    【ZINE/じん】個人の趣味でつくる雑誌。小冊子研究会のメンバーには個人でつくる人もいるらしい。

    【鈴原恵/すずはら・めぐみ】百花新三年生時の小冊子研究会新入部員。文学部。

    【関谷/せきや】モリノインクの人。

    【祖母】母や伯母の母。飯田市の今村家で暮らす。《だんだんひとりになっていく。はじまったものはいつか終わる。けどそれは、はじまらなかったのとはちがうんだよね。終わったものも胸のなかでは生きている。おじいちゃんも、この家も》第三巻p.91

    【髙子】日本橋の高島屋屋上で飼われていた象。
    【崇/たかし】今村崇。百花の五歳上のいとこ。
    【髙島屋】記念館の近所にあるようで、百花がおにぎりを買いに行ったりしている。薫子と特別食堂に行ったりも。阪急百貨店の大食堂みたいなもんかと思ったけどもっとずっとステータスが高いようです。
    【竹本千種/たけもと・ちぐさ】立花ゼミの卒業生。ウェブメディアで働いている。アプリ「hiyori」の取材を百花に申し込んできた。
    【立花】百花たちの大学の先生。乾がゼミに所属している。『菓子屋横丁月光荘』の立花先生と思われる。三年次に特定の土地をテーマにした冊子作りを行う。小冊子研究会のメンバーには立花ゼミの人も多い。
    【多津子/たつこ】今村多津子。伯父の寛也の妻。
    【たとう紙】着物を包む紙。

    【地域猫通信】西園が毎年大学祭で勝手に販売している個人誌。地域猫と仲良くなるというコンセプト。ピンボケやブレブレだったりしてまともに猫は写ってないがなぜかよく売れる猫好きたちの謎。
    【彫金】日本には和彫と洋彫があるらしい。洋彫は柄付きのタガネで前に向かって彫り進め繊細になりやすく、和彫はタガネを金槌で叩きながら手前に彫り進め力強くなりやすいらしい。

    【月野弓子/つきの・ゆきこ】川越にある活版印刷所「三日月堂」経営者。
    【積み重ねて来たもの】《この世界には人々が積み重ねて来たものがたくさんあって、ひとりひとりにできることは小さいけど、それが積み重なって大きくなっていくんだな、って思った。自分らしさより、いまはそのことが気になる》第三巻p.142

    【伝統】《伝統はそれを支えてきた人々がいるから成り立つものだ。》《いままで紙に触れるたびに心が揺れたのは、そういうたくさんの人々の手を感じたからだ。いまあたらしく紙を作るとき、むかしの人たちの手にあたらしい人の手が重なる。その瞬間を思うと心がふるえる。》紙屋ふじさき第四巻p.294_295

    【東京紙こもの市】→紙こもの市
    【戸川/とがわ】漆芸家。螺鈿が得意。
    【徳山/とくやま】紙屋ふじさき記念館の、一成の前の館長。
    【豊崎翠/とよさき・みどり】→翠

    【中条暁/なかじょう・あきら】百花新三年生時の小冊子研究会新入部員。社会学部。高校時代は写真部。

    【西園】小冊子研究会の先輩。三年男子。立花ゼミ所属。ゆるふわ系。
    【西山製本】古い綴じ方の製本ができるようだ。
    【西田】水引作家。
    【日日草/にちにちそう】紫乃の経営している器の店。一週間単位で作家の個展やグループ展を開いている。岩手日日(新聞)の一面コラムと同名ですね。
    【二宮かのん/にのみや・かのん】百花新三年生時の小冊子研究会新入部員。文学部。イラストレーター志望。

    【根本蒼/ねもと・あおい】百花新三年生時の小冊子研究会新入部員。文学部。モノトーンの服を着ている。

    【野上/のがみ】ガラスペン作家。

    【八十八夜】豊崎翠が祖母から継ごうとしているお茶の店。リニューアル中。
    【遥香/はるか】今村遥香。百花の三歳上のいとこ。小学校教員。中学校からずっと人形浄瑠璃に関心を抱いている。

    【久川/ひさかわ】建築士。八十八夜の改装を請け負った。
    【hiyori】東京を中心に小さな観光スポットやショップやイベントを紹介しているアプリ。立花ゼミの卒業生の竹本がいる。
    【寛也/ひろや】今村寛也。百花の伯父。

    【フクロウ書房】神保町の老舗古書店。店主は松本。
    【房野/ふさの】和紙作家。八十八夜の壁面を飾る紙をつくった。
    【藤崎晃成/ふじさき・あきなり】一成の父。薫子と正一の次男。美声でロマンスグレーでダンディなおじさま。自由奔放で人を惹き付け広い人脈を持つ。現在はヨーロッパ支社で新規事業の開拓に携わっている。妻は声楽家のめぐみ。
    【藤崎薫子/ふじさき・かおるこ】→薫子
    【藤崎一成/ふじさき・かずなり】→一成
    【藤崎浩介/ふじさき・こうすけ】第一営業部。一成のいとこ。雄一の長男。仕事はできるらしい。どうも一成にライバル意識があるらしく一成に対するとプライドだけ高い小物感丸出しになる。一成の方はめんどくさいヤツだくらいにしかとらえていない。藤崎産業から和紙の取り扱いを削除したがっている。
    【藤崎めぐみ】一成の母。声楽家。妖精の女王のような美貌と強烈なオーラ。舞台に立つとほぼ女神。
    【藤崎雄一/ふじさき・ゆういち】薫子と正一の長男。藤崎産業の現社長。秀才で常にトップクラス。先見の明もあり和紙のノウハウを生かし医療用不織布などを開発して会社を大きくした。
    【淵山雫/ふちやま・しずく】神々しいほど美しい女性。元モデル。彫金系のアクセサリーのデザインをしていて「shizuku」というブランドの代表でもある。作風は繊細で儚くてごてごてぎらぎらしておらず価格もそう高くなく女子大生でも手が出るくらいだとか。
    【古い文化】薫子いわく《全部を取り戻さないとダメ、と思ったら、なにもできない。どこにも行けない。》物語ペーパーp.44。《自分につなかる歴史を次につなげるための真剣な遊び。》物語ペーパーp.101

    【細川紙】埼玉県小川町でつくられる和紙。ユネスコ文化遺産に登録されている。

    【真琴】小冊子研究会の先輩。四年。家業を継ぐ予定。
    【松下】小冊子研究会の後輩。一年女子。高校時代に短歌の賞を取ったこともある和風美人。最近インク沼にはまっている。
    【松本】古書店「フクロウ書房」店長。

    【水引】母の実家のある飯田市は水引が有名。あわじ結びとか梅結びなどご基本。
    【翠/みどり】豊崎翠。薫子の友人の孫。祖母がやっていた人形町のお茶の店を継ぎたいと考えている。
    【美濃和紙】ユネスコの無形文化遺産に登録されている和紙のひとつ。《美濃和紙は光の和紙だよ。》物語ペーパーp.64。美濃市では百花さんも莉子さんもかなりたくさん紙製品を買ったようで、金持ちやなあ・・・と思いました。
    【美濃和紙の里会館】紙漉き体験ができるらしい。一日体験やと四枚も漉くことができるらしい。と思いましたが百花さんは当初四枚しかと感じたようです。五日体験とか一ヶ月体験とかのコースもあるそうです。
    【耳付きの紙】端っこがきれいにカットされたものではなく毛羽立っているタイプの紙。おおむね高級品。
    【ミュージアム工房】一成の構想。《歴史を伝えること、自分で体験してもらうこと、和紙の未来を提示すること。これらを三本の柱としてなにができるか。》紙屋ふじさき第四巻p.295
    【魅力】《人目のことばかりコンが得ていると、どうしたって人間は小さくなる。そういう人のところには人は集まらない。》紙屋ふじさき第四巻p.134。《人っていうのは、ありのままにふるまっている人間に味力を感じるんだと思う。》紙屋ふじさき第四巻p.135

    【無形文化遺産】和紙では石州半紙、本美濃紙、細川紙が選ばれている。ユネスコが選定。

    【文字箱】綿貫伸一郎が開いた書店。
    【元結】髷を結うときに結ぶ紙紐。いまでもお相撲さんなんかが使ってる。
    【物語】《人は、人の持つ物語に反応するんだ》紙屋ふじさき第四巻p.293
    【物語ペーパー】百花発案。物語の一節を和紙に印刷し蠟引き紙にしたもの。「文字箱」との共同企画にできないかと思った。使った作品は吉野雪彦の「屋上の夜」。「物語ペーパー」という名称を聞いただけの時点では新刊なんかが出たとき作って配布する書店販促用のペーパーとかを想像してました。興味を持ってくれたのは古書店「夜光」、「フクロウ書房」。書店で「書肆モルン」「海岸ブックス」。
    【百花★/ももか】吉野百花。吉野冬美と雪彦の娘。大学二年生。紙アイテムが好き。どうやら紙そのものが好きなようで包装紙や量り売りの紙に惹かれる。手先が器用で豆本をつくったりもしたが絵のない本、文字のない本だった。大学では日本文学専攻でサークルは「小冊子研究会」。名前の由来は「春の小川」で《でもね、花のようにうつくしい人になってほしい、ってことじゃ、ないんだよ。花のうつくしさを愛でることができる人になってほしい、ってことなんだって》第三巻p.262。三年時に近現代文学の笹山ゼミに入った。
    【百花の祖母】飯田市で以前は水引をつくる仕事をしていた。
    【森沢】小冊子研究会の一年先輩男子。動画撮影が得意でネットにもアップしている。題材は主に自転車旅行。立花ゼミだが就職希望はマスコミ系ではなくアウトドア用品企業。
    【モリノインク】カラーインクのメーカー。
    【紋切り】切り紙細工。紙を折って切るだけでさまざまな模様を作れる。型があり「紋切り型」というのはそれが語源と思われる。いわゆるテンプレですね。
    【モンブラン・マイスターシュテュック】百花が父親が生前使っていたものをもらい受けた。ポピュラーだけどさすが作家だけあってええもん使ってはったんやなあ。ポピュラーゆうても高額です。

    【夜光】西荻窪の古書店。店主は上川。
    【柳田/やなぎだ】昔、記念館の近くで筆耕の仕事をしていた。仕事柄よく来ていたそうだ。
    【山川/やまかわ】竹本とともに来たカメラマン。長い髪を後ろでまとめた女性。

    【結】祖母《ユイっていうのは、助け合いの心だったんだそうだよ。だれかが助けを求めたら、自分のことを置いても助ける。その心こそが「結」。贈り物にそういう気持ちをこめるために、水引で結んだんだよね》第三巻p.71。個人的には自分のことを置いたらアカンのではなかろうかと思ったりもしますが。両方助からんと、と。
    【ユネスコ無形文化遺産】和紙で登録されているのは石州半紙(せきしゅうはんし)、本美濃紙(ほんみのし)、細川紙の三種。いずれも楮だけでつくられている。

    【吉野冬海★/よしの・ふゆみ】百花の母。雪彦の妻で十五歳年下。紫乃の姉。編集者。現実的なタイプ(と百花は考えているようだがそうでもなさそう)。
    【吉野百花/よしの・ももか】→百花
    【吉野雪彦★/よしの・ゆきひこ】百花の父。作家。故人。冬海の夫で十五歳年上。結婚したときはすでに作家だったので母も作家としての吉野雪彦しか知らない。紙が好きで手帳屋になりたかったのだとか。百花といっしょにいろんな紙を使ってノートをよくつくった。百花が小学生のとき事故で他界。無口だったそうだ。《頭にある言葉は、全部原稿用紙に吸いこまれちゃってたんじゃないかな。》麻の葉のカードp.307。《お父さんのことは、全部お父さんの書いた本で知ったような気がする。》麻の葉のカードp.308

    【落水紙/らくすいし】和紙。小さな穴がたくさん開いてレースのようになっている。《紙漉きで、まだ紙が乾く前に水をシャワーみたいにあてる》麻の葉のカードp.26

    【莉子★/りこ】荒船莉子。百花の友人。大学で同じ「小冊子研究会」に入っている。コミュニケーション力やプロデュース力が強い。父親は秩父の出身で川越に親戚がいるらしい。いずれ他作品の登場人物がゲスト出演することもあるかも? 3年生時に立花ゼミに入る。

    【列帖装/れつじょうそう】綴葉装(てっちょうそう)とも言う。「いろいろ紙ノート」特装版に使われた。《平安時代後期以降の仮名文学に用いられた綴じ方なのだそうだ。数枚の紙を重ねてふたつ折りにしたものを何組か、糸でつなげる方法だ。綴じたものを根本まで開けることができ、開いたとき完全に平らになる。》物語ペーパーp.10

    【蠟引き】ガリ版印刷、たくさん作ったなあ・・・

    【和紙】繊維が長いので洋紙より丈夫。《人が作ったのではなく、自然から生まれたものみたいだった。》物語ペーパーp.72。《和紙の底にある力をすくいあげて、人々に見せる》p.192
    【和紙の原料】よく知られているのは楮、三椏、雁皮。
    【綿貫伸一郎/わたぬき・しんいちろう】一成の大学時代の美術史ゼミの先輩。会社勤めしていたが違和感を覚え新刊と古書と文具を扱うセレクトショップのような書店「文字箱」を日本橋に開くことにした。

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    2023年10月07日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    ネタバレ

    三日月堂の過去の話。暖かい話だけど、時折胸が苦しくなった。タイトルにもある「空色の冊子」は実体験とも重なり話の外に辛さを憶えた。それでもじんわりと暖かくなる不思議。このシリーズは結末までを書かないからそこが気に入っている。

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    2023年09月25日
  • 菓子屋横丁月光荘 浮草の灯

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    ネタバレ

    菓子屋横丁 月光荘シリーズ2作目
    川越の古民家で地図資料館を任された 大学院生の遠野守人
    彼は(家の声が聞こえる)不思議な力を持っていた。
    2作目となる今作品 
    登場する家は・古書を扱う浮草・和紙を扱う紙屋・昔は2軒並んでいた古民家
    それぞれの家にはそれぞれの家族の歴史があり、そこで生業をする人々の記憶が刻まれている。そして 家にもそれぞれの想いがあった。

    明治から昭和にかけての家や店 街の繁栄や衰退 川越らしい情緒があいまって 
    読者も登場人物たちと一緒に 街を歩き、歴史を学び、それぞれの家の想いに触れていく。
    また
    主人公 遠野の周囲の人々がとても優しいので、心がざらつくことなく 読み進められる。

    日本人の(様々な自然万物のもの 現象にも神が宿る)という考え方
    いいですよね。

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    2023年09月03日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    完結編だったのね。いつもの柔らかな雰囲気で無事終了でした。川越はまた別シリーズで出てきそうだが、月光荘の声はもう聞けないのね

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    2023年08月28日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    ★ユイっていうのは、助け合いの心だったんだそうだよ。(p.71)
    「結の里」飯田の祖母の家に行き水引を教わる百花。
    「水引の雛飾り」祖母の家で皆で作った水引からワークショップを開こうという話に。
    「カラーインクと万年筆」カラーインクとガラスペンをコラボした商品の名称とパッケージの依頼。父の万年筆と百花の名前の由来。

    ■紙屋ふじさき記念館についての簡単なメモ(★は主要語)

    【一行目】
     そもそものはじまりは叔母からの誘いだった。(第一巻 麻の葉のカード)
     やっぱり、そんな簡単に覚えられるものじゃないよなあ。(第二巻 物語ペーパー)
     十二月、師走。(第三巻 カラーインクと万年筆)

    【空き箱】《そうですね、なにも入れません。入れられません。空き箱だからロマンがあるのです。》麻の葉のカードp.13
    【朝子/あさこ】瓜生朝子。藤崎産業の前社長の妻である藤崎薫子の秘書。おおらかさと有能さをあわせ持つ。一成のことをファーストネームで読んでいたのを聞き恋人なのかと百花は最初思ったが関係者は全員藤崎さんなのでファーストネームで呼ぶしかないのだとわかる。
    【天野/あまの】江東区の海岸ブックスの店長?
    【荒船莉子/あらふね・りこ】→莉子
    【飯田市】水引や元結の産地。百花の母である冬海と叔母である紫乃の産地でもある。
    【石井】小冊子研究会の後輩。一年女子。スイーツを擬人化したイラストを描いている。
    【乾】小冊子研究会の後輩。一年男子。四百字以内の超短編ミステリを高校時代からブログに書き続けている。立花ゼミ所属。
    【井上】「文字箱」のスタッフ。水引に興味を抱いている。
    【今村家】百花の母と叔母の実家。飯田市の伊那八幡駅の近くにある。祖母と、伯父の寛也(ひろや)、伯母の多津子(たつこ)、五歳上のいとこの崇(たかし)、三歳上の遥香(はるか)。この家にあった組子障子が物語の始まりとも言える。
    【今村紫乃/いまむら・しの】→紫乃
    【いろいろ紙ノート】百花が余り紙で父といっしょにつくっていたノート。けっきょくなにも書けなかった。記念館でそういうコンセプトのノートを出すことになった。正式な商品名は莉子の案で「紙の絵本」となった。
    【上野/うえの】箱屋さん。一成の信頼も厚い七十代。
    【瓜生朝子/うりゅう・あさこ】→朝子
    【江戸からかみ】「いろいろ紙ノート」特装版の表紙に使われた。《和紙に装飾をほどこしたもの。「からかみ」つまり「唐紙」。平安時代に中国から伝来した紋唐紙『北宋の彩牋(ほくそうのさいせん)』を手本にして作られるようになり、おもに襖の装飾として発展したらしい。》物語ペーパーp.11
    【小川真琴/おがわ・まこと】小冊子研究会の前部長。家業を継ぐ予定。
    【大人】《大人というのは、子どもに対してはほんとうのことを話さないから。》第三巻p.186
    【海岸ブックス】江東区の書店。物語ペーパーに興味を抱く。天野さんが店長?
    【薫子★】藤崎薫子。藤崎産業前社長の妻。大株主でいまだ発言権は強い。八十歳になってSNSをはじめた。偏屈な一成のことを心配しており新しいなにかをもたらしてくれそうな百花を取り込もうとしている。《いまは限られた一部の人に高級なものを売るより、多くの人に小さな幸せを届けた方がうまくいく時代だと思う》麻の葉のカードp.210
    【柿渋紙】「いろいろ紙ノート」普及版に使われた三種類の紙のひとつ。柿渋を塗って丈夫にした紙。水にも強い。伊勢型紙や和傘にも使われた。
    【一成★/かずなり】藤崎一成。紫乃の知人。端正な顔立ち。ぶっきらぼうなタイプ。紙屋ふじさき記念館の館長。父は藤崎晃成、母は歌手のめぐみ。株式会社藤崎産業の社長の甥ということになる。
    【上川/かみかわ】古書店「夜光」店主。
    【紙こもの市】さまざまな業者が出店しさまざまな紙のアイテムを出品する。盛況。見ていると語彙が低下し「きれい」「素敵」「かわいい」しか発しなくなり、皆、紙の亡者になる。三日月堂の印刷物なんかもあるかも。
    【紙の絵本】→いろいろ紙ノート
    【紙屋ふじさき】《江戸期創業の紙の店。日本橋にあり、以前は和紙専門だったが、明治にはいって洋紙も扱うようになった。戦後は株式会社藤崎産業と名前を変え、書籍用紙から医療用の不織布まで幅広く扱う大手企業になっている。》麻の葉のカードp.29。薫子の肝いりで現在では和紙を扱う部門として「紙屋ふじさき記念館」がある。
    【紙屋ふじさき記念館★】株式会社藤崎産業の日本橋にある旧本社ビル四階で創業当時からの資料を集めている。館長は一成。もうすぐなくなるかもしれないが薫子は残したいと考えているので一成にハッパをかけている。
    【ガラスペン】ガラスペンも使いますが最近は万年筆っぽいペン先をつけペンっぽい軸に付けたタイプのものをよく使います。そっちの方が気楽に書けるので。
    【カルトナージュ】《フランスの伝統的な工芸品よ。厚紙で作った箱に紙や布を貼って飾るの。》麻の葉のカードp.18
    【木谷/きたに】百花たちの大学の先生。近代小説の舞台になった町について古い地図と現在の地図を比較しながら記述を検証する。という話からすると『菓子屋横丁月光荘』の木谷先生と思われる。
    【組子障子】母や伯母の実家である飯田市の今村家の建物のものを百花が思い出したことから組子障子のカードが生まれた。今村家は取り壊しになる予定だがこういう建具類はある程度新居に流用してもいいかもしれない。
    【クラフトパンチ】型抜き用のパンチ。さまざまな型があるらしい。
    【孤独】《百花、人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう。》物語ペーパーp.277
    【坂本泉/さかもと・いずみ】小冊子研究会の先輩。四年生。莉子の高校時代の先輩で小冊子研究会に誘った。現在就活で苦闘中。
    【真田/さなだ】久川の助手。
    【紙胎/したい】紙に漆を塗る手法。
    【紫乃★/しの】今村紫乃。百花の叔母。冬海の妹。独身。日日草という器の店をやってる。おおらかなタイプ。
    【小冊子研究会★】大学で百花や莉子が入っているサークル。部員は百花、莉子、乾、石井、松下、森沢、西園。と小川、坂本。
    【書肆モルン】蔵前の書店。物語ペーパーに興味を抱く。小さな出版書が開いた自主流通本やリトルプレスを扱う書店。小久保さんが店を任された。
    【ZINE/じん】個人の趣味でつくる雑誌。小冊子研究会のメンバーには個人でつくる人もいるらしい。
    【関谷/せきや】モリノインクの人。
    【祖母】母や伯母の母。飯田市の今村家で暮らす。《だんだんひとりになっていく。はじまったものはいつか終わる。けどそれは、はじまらなかったのとはちがうんだよね。終わったものも胸のなかでは生きている。おじいちゃんも、この家も》第三巻p.91
    【髙子】日本橋の高島屋屋上で飼われていた象。
    【崇/たかし】今村崇。百花の五歳上のいとこ。
    【髙島屋】記念館の近所にあるようで、百花がおにぎりを買いに行ったりしている。薫子と特別食堂に行ったりも。阪急百貨店の大食堂みたいなもんかと思ったけどもっとずっとステータスが高いようです。
    【立花】百花たちの大学の先生。乾がゼミに所属している。『菓子屋横丁月光荘』の立花先生と思われる。三年次に特定の土地をテーマにした冊子作りを行う。小冊子研究会のメンバーには立花ゼミの人も多い。
    【多津子/たつこ】今村多津子。伯父の寛也の妻。
    【たとう紙】着物を包む紙。
    【地域猫通信】西園が毎年大学祭で勝手に販売している個人誌。地域猫と仲良くなるというコンセプト。ピンボケやブレブレだったりしてまともに猫は写ってないがなぜかよく売れる猫好きたちの謎。
    【彫金】日本には和彫と洋彫があるらしい。洋彫は柄付きのタガネで前に向かって彫り進め繊細になりやすく、和彫はタガネを金槌で叩きながら手前に彫り進め力強くなりやすいらしい。
    【積み重ねて来たもの】《この世界には人々が積み重ねて来たものがたくさんあって、ひとりひとりにできることは小さいけど、それが積み重なって大きくなっていくんだな、って思った。自分らしさより、いまはそのことが気になる》第三巻p.142
    【東京紙こもの市】→紙こもの市
    【戸川/とがわ】漆芸家。螺鈿が得意。
    【徳山/とくやま】紙屋ふじさき記念館の、一成の前の館長。
    【豊崎翠/とよさき・みどり】→翠
    【西園】小冊子研究会の先輩。三年男子。立花ゼミ所属。ゆるふわ系。
    【西山製本】古い綴じ方の製本ができるようだ。
    【西田】水引作家。
    【日日草/にちにちそう】紫乃の経営している器の店。一週間単位で作家の個展やグループ展を開いている。岩手日日(新聞)の一面コラムと同名ですね。
    【野上/のがみ】ガラスペン作家。
    【八十八夜】豊崎翠が祖母から継ごうとしているお茶の店。リニューアル中。
    【遥香/はるか】今村遥香。百花の三歳上のいとこ。小学校教員。中学校からずっと人形浄瑠璃に関心を抱いている。
    【久川/ひさかわ】建築士。八十八夜の改装を請け負った。
    【寛也/ひろや】今村寛也。百花の伯父。
    【フクロウ書房】神保町の老舗古書店。店主は松本。
    【房野/ふさの】和紙作家。八十八夜の壁面を飾る紙をつくった。
    【藤崎晃成/ふじさき・あきなり】一成の父。薫子と正一の次男。自由奔放で人を惹き付け広い人脈を持つ。現在はヨーロッパ支社で新規事業の開拓に携わっている。妻は歌手のめぐみ。
    【藤崎薫子/ふじさき・かおるこ】→薫子
    【藤崎一成/ふじさき・かずなり】→一成
    【藤崎浩介/ふじさき・こうすけ】第一営業部。一成のいとこ。雄一の長男。仕事はできるらしい。どうも一成にライバル意識があるらしく一成に対するとプライドだけ高い小物感丸出しになる。一成の方はめんどくさいヤツだくらいにしかとらえていない。藤崎産業から和紙の取り扱いを削除したがっている。
    【藤崎雄一/ふじさき・ゆういち】薫子と正一の長男。藤崎産業の現社長。秀才で常にトップクラス。先見の明もあり和紙のノウハウを生かし医療用不織布などを開発して会社を大きくした。
    【淵山雫/ふちやま・しずく】神々しいほど美しい女性。元モデル。彫金系のアクセサリーのデザインをしていて「shizuku」というブランドの代表でもある。作風は繊細で儚くてごてごてぎらぎらしておらず価格もそう高くなく女子大生でも手が出るくらいだとか。
    【古い文化】薫子いわく《全部を取り戻さないとダメ、と思ったら、なにもできない。どこにも行けない。》物語ペーパーp.44。《自分につなかる歴史を次につなげるための真剣な遊び。》物語ペーパーp.101
    【細川紙】埼玉県小川町でつくられる和紙。ユネスコ文化遺産に登録されている。
    【真琴】小冊子研究会の先輩。四年。家業を継ぐ予定。
    【松下】小冊子研究会の後輩。一年女子。高校時代に短歌の賞を取ったこともある和風美人。最近インク沼にはまっている。
    【松本】古書店「フクロウ書房」店長。
    【水引】母の実家のある飯田市は水引が有名。あわじ結びとか梅結びなどご基本。
    【翠/みどり】豊崎翠。薫子の友人の孫。祖母がやっていた人形町のお茶の店を継ぎたいと考えている。
    【美濃和紙】ユネスコの無形文化遺産に登録されている和紙のひとつ。《美濃和紙は光の和紙だよ。》物語ペーパーp.64。美濃市では百花さんも莉子さんもかなりたくさん紙製品を買ったようで、金持ちやなあ・・・と思いました。
    【美濃和紙の里会館】紙漉き体験ができるらしい。一日体験やと四枚も漉くことができるらしい。と思いましたが百花さんは当初四枚しかと感じたようです。五日体験とか一ヶ月体験とかのコースもあるそうです。
    【耳付きの紙】端っこがきれいにカットされたものではなく毛羽立っているタイプの紙。おおむね高級品。
    【無形文化遺産】和紙では石州半紙、本美濃紙、細川紙が選ばれている。ユネスコが選定。
    【文字箱】綿貫伸一郎が開いた書店。
    【元結】髷を結うときに結ぶ紙紐。いまでもお相撲さんなんかが使ってる。
    【物語ペーパー】百花発案。物語の一節を和紙に印刷し蠟引き紙にしたもの。「文字箱」との共同企画にできないかと思った。使った作品は吉野雪彦の「屋上の夜」。「物語ペーパー」という名称を聞いただけの時点では新刊なんかが出たとき作って配布する書店販促用のペーパーとかを想像してました。興味を持ってくれたのは古書店「夜光」、「フクロウ書房」。書店で「書肆モルン」「海岸ブックス」。
    【百花★/ももか】吉野百花。吉野冬美と雪彦の娘。大学二年生。紙アイテムが好き。どうやら紙そのものが好きなようで包装紙や量り売りの紙に惹かれる。手先が器用で豆本をつくったりもしたが絵のない本、文字のない本だった。大学では日本文学専攻でサークルは「小冊子研究会」。名前の由来は「春の小川」で《でもね、花のようにうつくしい人になってほしい、ってことじゃ、ないんだよ。花のうつくしさを愛でることができる人になってほしい、ってことなんだって》第三巻p.262
    【百花の祖母】飯田市で以前は水引をつくる仕事をしていた。
    【森沢】小冊子研究会の先輩。三年男子。動画撮影が得意でネットにもアップしている。題材は主に自転車旅行。
    【モリノインク】カラーインクのメーカー。
    【夜光】西荻窪の古書店。店主は上川。
    【柳田/やなぎだ】昔、記念館の近くで筆耕の仕事をしていた。仕事柄よく来ていたそうだ。
    【結】祖母《ユイっていうのは、助け合いの心だったんだそうだよ。だれかが助けを求めたら、自分のことを置いても助ける。その心こそが「結」。贈り物にそういう気持ちをこめるために、水引で結んだんだよね》第三巻p.71。個人的には自分のことを置いたらアカンのではなかろうかと思ったりもしますが。両方助からんと、と。
    【ユネスコ無形文化遺産】和紙で登録されているのは石州半紙(せきしゅうはんし)、本美濃紙(ほんみのし)、細川紙の三種。いずれも楮だけでつくられている。
    【吉野冬海★/よしの・ふゆみ】百花の母。雪彦の妻で十五歳年下。紫乃の姉。編集者。現実的なタイプ(と百花は考えているようだがそうでもなさそう)。
    【吉野百花/よしの・ももか】→百花
    【吉野雪彦★/よしの・ゆきひこ】百花の父。作家。故人。冬海の夫で十五歳年上。結婚したときはすでに作家だったので母も作家としての吉野雪彦しか知らない。紙が好きで手帳屋になりたかったのだとか。百花といっしょにいろんな紙を使ってノートをよくつくった。百花が小学生のとき事故で他界。無口だったそうだ。《頭にある言葉は、全部原稿用紙に吸いこまれちゃってたんじゃないかな。》麻の葉のカードp.307。《お父さんのことは、全部お父さんの書いた本で知ったような気がする。》麻の葉のカードp.308
    【落水紙/らくすいし】和紙。小さな穴がたくさん開いてレースのようになっている。《紙漉きで、まだ紙が乾く前に水をシャワーみたいにあてる》麻の葉のカードp.26
    【莉子★/りこ】荒船莉子。百花の友人。大学で同じ「小冊子研究会」に入っている。コミュニケーション力やプロデュース力が強い。父親は秩父の出身で川越に親戚がいるらしい。いずれ他作品の登場人物がゲスト出演することもあるかも?
    【列帖装/れつじょうそう】綴葉装(てっちょうそう)とも言う。「いろいろ紙ノート」特装版に使われた。《平安時代後期以降の仮名文学に用いられた綴じ方なのだそうだ。数枚の紙を重ねてふたつ折りにしたものを何組か、糸でつなげる方法だ。綴じたものを根本まで開けることができ、開いたとき完全に平らになる。》物語ペーパーp.10
    【蠟引き】ガリ版印刷、たくさん作ったなあ・・・
    【和紙】繊維が長いので洋紙より丈夫。《人が作ったのではなく、自然から生まれたものみたいだった。》物語ペーパーp.72。《和紙の底にある力をすくいあげて、人々に見せる》p.192
    【和紙の原料】よく知られているのは楮、三椏、雁皮。
    【綿貫伸一郎/わたぬき・しんいちろう】一成の大学時代の美術史ゼミの先輩。会社勤めしていたが違和感を覚え新刊と古書と文具を扱うセレクトショップのような書店「文字箱」を日本橋に開くことにした。

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    2023年08月13日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    6作目で現時点(2023年8月)での最新作。第1作のころに比べて、前向きになったね、百花。コロナ禍での就活、大変だね。様子がうまく描けてると思う。ただ、やはりコロナ禍では行動に制約が多く、その分は今までより物足りない。ただ、それが現実だったよね

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    2023年08月09日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    ネタバレ

    【収録作品】手漉き和紙見本帳/わたしたちの日常/結のアルバム

    現実と地続きの世界なので、リアルさも感じられる。等身大の女子大生が模索しながら前に進む様子は好もしい。が、現実を前に立ちすくむ身からすると、羨ましくもある。

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    2023年08月05日
  • 紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱

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    最初に4作目を読んだので、ようやくその続きの5作目。今回は和紙の世界にどっぷりと。小川町は通ったことあるけど、見どころもあるんだ。そして最後に現実とリンクの2020年3月・・・

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    2023年07月29日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    工芸品として見る事の多い和紙ですが、昔から生活に溶け込んでいたものだったんだと改めて感じました。
    和紙ってなんであんなに魅力的なんでしょうね……。

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    2023年07月27日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    ★僕は記念館を守ると決めた(p.191)
    すべてがうまくいく小説ってのはいいもんです。

    「本美濃紙」薫子さんとの会食。/美濃市で紙漉き体験/紙の歴史と自分ができることを考える百花。
    「garden diary」記念館に物販スペースを設ける。/彫金アクセサリーと和紙。/一成にライバル心むき出しのいとこ、浩介。
    「物語ペーパー」小冊子研究会の大学祭用冊子作成。/栞に蠟引き紙を。/一成の先輩、綿貫の書店。/コラボ企画として考えた「物語ペーパー」。/積極的になりつつある百花。

    ■紙屋ふじさき記念館についての簡単なメモ(★は主要語)
    【一行目】
     そもそものはじまりは叔母からの誘いだった。(第一巻 麻の葉のカード)
     やっぱり、そんな簡単に覚えられるものじゃないよなあ。(第二巻 物語ペーパー)

    【空き箱】《そうですね、なにも入れません。入れられません。空き箱だからロマンがあるのです。》麻の葉のカードp.13
    【朝子/あさこ】瓜生朝子。藤崎産業の前社長の妻である藤崎薫子の秘書。おおらかさと有能さをあわせ持つ。一成のことをファーストネームで読んでいたのを聞き恋人なのかと百花は最初思ったが関係者は全員藤崎さんなのでファーストネームで呼ぶしかないのだとわかる。
    【荒船莉子/あらふね・りこ】→莉子
    【飯田市】水引の産地。百花の母である冬海と叔母である紫乃の産地でもある。
    【石井】小冊子研究会の後輩。一年女子。スイーツを擬人化したイラストを描いている。
    【乾】小冊子研究会の後輩。一年男子。四百字以内の超短編ミステリを高校時代からブログに書き続けている。立花ゼミ所属。
    【今村紫乃/いまむら・しの】→紫乃
    【いろいろ紙ノート】百花が余り紙で父といっしょにつくっていたノート。けっきょくなにも書けなかった。記念館でそういうコンセプトのノートを出すことになった。正式な商品名は莉子の案で「紙の絵本」となった。
    【上野/うえの】箱屋さん。一成の信頼も厚い七十代。
    【瓜生朝子/うりゅう・あさこ】→朝子
    【江戸からかみ】「いろいろ紙ノート」特装版の表紙に使われた。《和紙に装飾をほどこしたもの。「からかみ」つまり「唐紙」。平安時代に中国から伝来した紋唐紙『北宋の彩牋(ほくそうのさいせん)』を手本にして作られるようになり、おもに襖の装飾として発展したらしい。》物語ペーパーp.11
    【小川真琴/おがわ・まこと】小冊子研究会の前部長。家業を継ぐ予定。
    【薫子★】藤崎薫子。藤崎産業前社長の妻。大株主でいまだ発言権は強い。八十歳になってSNSをはじめた。偏屈な一成のことを心配しており新しいなにかをもたらしてくれそうな百花を取り込もうとしている。《いまは限られた一部の人に高級なものを売るより、多くの人に小さな幸せを届けた方がうまくいく時代だと思う》麻の葉のカードp.210
    【柿渋紙】「いろいろ紙ノート」普及版に使われた三種類の紙のひとつ。柿渋を塗って丈夫にした紙。水にも強い。伊勢型紙や和傘にも使われた。
    【一成★/かずなり】紫乃の知人。端正な顔立ち。ぶっきらぼうなタイプ。紙屋ふじさき記念館の館長。父は藤崎晃成、母は歌手のめぐみ。株式会社藤崎産業の社長の甥ということになる。
    【紙こもの市】さまざまな業者が出店しさまざまな紙のアイテムを出品する。盛況。見ていると語彙が低下し「きれい」「素敵」「かわいい」しか発しなくなり、皆、紙の亡者になる。三日月堂の印刷物なんかもあるかも。
    【紙の絵本】→いろいろ紙ノート
    【紙屋ふじさき】《江戸期創業の紙の店。日本橋にあり、以前は和紙専門だったが、明治にはいって洋紙も扱うようになった。戦後は株式会社藤崎産業と名前を変え、書籍用紙から医療用の不織布まで幅広く扱う大手企業になっている。》麻の葉のカードp.29。薫子の肝いりで現在では和紙を扱う部門として「紙屋ふじさき記念館」がある。
    【紙屋ふじさき記念館★】株式会社藤崎産業の日本橋にある旧本社ビル四階で創業当時からの資料を集めている。館長は一成。もうすぐなくなるかもしれないが薫子は残したいと考えているので一成にハッパをかけている。
    【カルトナージュ】《フランスの伝統的な工芸品よ。厚紙で作った箱に紙や布を貼って飾るの。》麻の葉のカードp.18
    【木谷/きたに】百花たちの大学の先生。近代小説の舞台になった町について古い地図と現在の地図を比較しながら記述を検証する。という話からすると『菓子屋横丁月光荘』の木谷先生と思われる。
    【クラフトパンチ】型抜き用のパンチ。さまざまな型があるらしい。
    【孤独】《百花、人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう。》物語ペーパーp.277
    【坂本泉/さかもと・いずみ】小冊子研究会の先輩。四年生。莉子の高校時代の先輩で小冊子研究会に誘った。現在就活で苦闘中。
    【真田/さなだ】久川の助手。
    【紙胎/したい】紙に漆を塗る手法。
    【紫乃★/しの】今村紫乃。百花の叔母。冬海の妹。独身。日日草という器の店をやってる。おおらかなタイプ。
    【小冊子研究会★】大学で百花や莉子が入っているサークル。部員は百花、莉子、乾、石井、松下、森沢、西園。と小川、坂本。
    【ZINE/じん】個人の趣味でつくる雑誌。小冊子研究会のメンバーには個人でつくる人もいるらしい。
    【髙子】日本橋の高島屋屋上で飼われていた象。
    【髙島屋】記念館の近所にあるようで、百花がおにぎりを買いに行ったりしている。薫子と特別食堂に行ったりも。阪急百貨店の大食堂みたいなもんかと思ったけどもっとずっとステータスが高いようです。
    【立花】百花たちの大学の先生。乾がゼミに所属している。『菓子屋横丁月光荘』の立花先生と思われる。三年次に特定の土地をテーマにした冊子作りを行う。小冊子研究会のメンバーには立花ゼミの人も多い。
    【たとう紙】着物を包む紙。
    【地域猫通信】西園が毎年大学祭で勝手に販売している個人誌。地域猫と仲良くなるというコンセプト。ピンボケやブレブレだったりしてまともに猫は写ってないがなぜかよく売れる猫好きたちの謎。
    【彫金】日本には和彫と洋彫があるらしい。洋彫は柄付きのタガネで前に向かって彫り進め繊細になりやすく、和彫はタガネを金槌で叩きながら手前に彫り進め力強くなりやすいらしい。
    【東京紙こもの市】→紙こもの市
    【戸川/とがわ】漆芸家。螺鈿が得意。
    【徳山/とくやま】紙屋ふじさき記念館の、一成の前の館長。
    【豊崎翠/とよさき・みどり】→翠
    【西園】小冊子研究会の先輩。三年男子。立花ゼミ所属。
    【西山製本】古い綴じ方の製本ができるようだ。
    【八十八夜】豊崎翠が祖母から継ごうとしているお茶の店。リニューアル中。
    【久川/ひさかわ】建築士。八十八夜の改装を請け負った。
    【日日草】紫乃の経営している器の店。一週間単位で作家の個展やグループ展を開いている。
    【房野/ふさの】和紙作家。八十八夜の壁面を飾る紙をつくった。
    【藤崎晃成/ふじさき・あきなり】一成の父。薫子と正一の次男。自由奔放で人を惹き付け広い人脈を持つ。現在はヨーロッパ支社で新規事業の開拓に携わっている。妻は歌手のめぐみ。
    【藤崎薫子/ふじさき・かおるこ】→薫子
    【藤崎一成/ふじさき・かずなり】→一成
    【藤崎浩介/ふじさき・こうすけ】第一営業部。一成のいとこ。雄一の長男。仕事はできるらしい。どうも一成にライバル意識があるらしく一成に対するとプライドだけ高い小物感丸出しになる。一成の方はめんどくさいヤツだくらいにしかとらえていない。藤崎産業から和紙の取り扱いを削除したがっている。
    【藤崎雄一/ふじさき・ゆういち】薫子と正一の長男。藤崎産業の現社長。秀才で常にトップクラス。先見の明もあり和紙のノウハウを生かし医療用不織布などを開発して会社を大きくした。
    【淵山雫/ふちやま・しずく】神々しいほど美しい女性。元モデル。彫金系のアクセサリーのデザインをしていて「shizuku」というブランドの代表でもある。作風は繊細で儚くてごてごてぎらぎらしておらず価格もそう高くなく女子大生でも手が出るくらいだとか。
    【古い文化】薫子いわく《全部を取り戻さないとダメ、と思ったら、なにもできない。どこにも行けない。》物語ペーパーp.44。《自分につなかる歴史を次につなげるための真剣な遊び。》物語ペーパーp.101
    【細川紙】埼玉県小川町でつくられる和紙。ユネスコ文化遺産に登録されている。
    【真琴】小冊子研究会の先輩。四年。家業を継ぐ予定。
    【松下】小冊子研究会の後輩。一年女子。高校時代に短歌の賞を取ったこともある和風美人。
    【翠/みどり】豊崎翠。薫子の友人の孫。祖母がやっていた人形町のお茶の店を継ぎたいと考えている。
    【美濃和紙】ユネスコの無形文化遺産に登録されている和紙のひとつ。《美濃和紙は光の和紙だよ。》物語ペーパーp.64。美濃市では百花さんも莉子さんもかなりたくさん紙製品を買ったようで、金持ちやなあ・・・と思いました。
    【美濃和紙の里会館】紙漉き体験ができるらしい。一日体験やと四枚も漉くことができるらしい。と思いましたが百花さんは当初四枚しかと感じたようです。五日体験とか一ヶ月体験とかのコースもあるそうです。
    【耳付きの紙】端っこがきれいにカットされたものではなく毛羽立っているタイプの紙。おおむね高級品。
    【無形文化遺産】和紙では石州半紙、本美濃紙、細川紙が選ばれている。ユネスコが選定。
    【文字箱】綿貫伸一郎が開いた書店。
    【物語ペーパー】百花発案。物語の一節を和紙に印刷し蠟引き紙にしたもの。「文字箱」との共同企画にできないかと思った。使った作品は吉野雪彦の「屋上の夜」。「物語ペーパー」という名称を聞いただけの時点では新刊なんかが出たとき作って配布する書店販促用のペーパーとかを想像してました。
    【百花★/ももか】吉野百花。吉野冬美と雪彦の娘。大学二年生。紙アイテムが好き。どうやら紙そのものが好きなようで包装紙や量り売りの紙に惹かれる。手先が器用で豆本をつくったりもしたが絵のない本、文字のない本だった。大学では日本文学専攻でサークルは「小冊子研究会」。
    【百花の祖母】飯田市で以前は水引をつくる仕事をしていた。
    【森沢】小冊子研究会の先輩。三年男子。動画撮影が得意でネットにもアップしている。題材は主に自転車旅行。
    【柳田/やなぎだ】昔、記念館の近くで筆耕の仕事をしていた。仕事柄よく来ていたそうだ。
    【ユネスコ無形文化遺産】和紙で登録されているのは石州半紙(せきしゅうはんし)、本美濃紙(ほんみのし)、細川紙の三種。いずれも楮だけでつくられている。
    【吉野冬海★/よしの・ふゆみ】百花の母。雪彦の妻で十五歳年下。紫乃の姉。編集者。現実的なタイプ(と百花は考えているようだがそうでもなさそう)。
    【吉野百花/よしの・ももか】→百花
    【吉野雪彦★/よしの・ゆきひこ】百花の父。作家。故人。冬海の夫で十五歳年上。結婚したときはすでに作家だったので母も作家としての吉野雪彦しか知らない。紙が好きで手帳屋になりたかったのだとか。百花といっしょにいろんな紙を使ってノートをよくつくった。百花が小学生のとき事故で他界。無口だったそうだ。《頭にある言葉は、全部原稿用紙に吸いこまれちゃってたんじゃないかな。》麻の葉のカードp.307。《お父さんのことは、全部お父さんの書いた本で知ったような気がする。》麻の葉のカードp.308
    【落水紙/らくすいし】和紙。小さな穴がたくさん開いてレースのようになっている。《紙漉きで、まだ紙が乾く前に水をシャワーみたいにあてる》麻の葉のカードp.26
    【莉子★/りこ】荒船莉子。百花の友人。大学で同じ「小冊子研究会」に入っている。コミュニケーション力やプロデュース力が強い。父親は秩父の出身で川越に親戚がいるらしい。いずれ他作品の登場人物がゲスト出演することもあるかも?
    【列帖装/れつじょうそう】綴葉装(てっちょうそう)とも言う。「いろいろ紙ノート」特装版に使われた。《平安時代後期以降の仮名文学に用いられた綴じ方なのだそうだ。数枚の紙を重ねてふたつ折りにしたものを何組か、糸でつなげる方法だ。綴じたものを根本まで開けることができ、開いたとき完全に平らになる。》物語ペーパーp.10
    【蠟引き】ガリ版印刷、たくさん作ったなあ・・・
    【和紙】繊維が長いので洋紙より丈夫。《人が作ったのではなく、自然から生まれたものみたいだった。》物語ペーパーp.72。《和紙の底にある力をすくいあげて、人々に見せる》p.192
    【和紙の原料】よく知られているのは楮、三椏、雁皮。
    【綿貫伸一郎/わたぬき・しんいちろう】一成の大学時代の美術史ゼミの先輩。会社勤めしていたが違和感を覚え新刊と古書と文具を扱うセレクトショップのような書店「文字箱」を日本橋に開くことにした。

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    2023年07月22日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

    Posted by ブクログ

    シリーズ第六弾にして完結編。

    川越を舞台に、“家の声”が聞こえる遠野守人と彼を巡る人々との繋がりを描いた物語。
    完結巻の今回は、連作中編二話の構成となっております。

    月光荘オーナーの島田さんと大学の恩師・木谷先生と共に、狭山市の古民家を改修した蕎麦懐石店「とんからり」を訪れた守人は、そこで聴こえた機織りの音と“家の声”から得た構想を物語にすることに・・・。(第一話「広瀬斜子」)
    そして、コロナ禍で月光荘でのイベントが中止になり、動画配信やオンラインに切り替えていく中、守人の書いた小説が優秀作に選ばれて・・・。(第二話「光る糸」)

    月光荘の管理人だけでなく、小説家としての道を歩む決意をした守人。
    毎回、何もかもがトントン拍子に進み過ぎる気がしないでもないですが(オンラインイベントもすぐ収益化できているし)、人と人との奇跡のような繋がりやご縁が広がっていく様子がこのシリーズの魅力なのですよね。
    新しい時代に対応しつつ、古き良きものを大切にしたいという思いが作品から伝わってきて、例えば、守人の友人・田辺さんの祖父母の家を、古民家カフェにして残したいという石野さんたちの構想も素敵です。
    そして、“家の声”が聞こえるだけでなく“会話”ができるようになった守人と家とのやりとりも心温まるものでほっこりしました。
    特に終盤での月光荘の
    “モリヒト、トモダチ。ドコニイテモ、イツモイッショ”
    という言葉に、なんて“いいこ”なんだろう・・としみじみした私です。
    そして、この巻で急に守人が豊島さんへ好意を抱いていましたが、個人的には“え?安西さんじゃなかったんだ?”と意外な感じでした。
    とりま、皆それぞれの道を歩き始める感じで終わった当シリーズ。
    また番外編でもよいので、今後の彼らの様子を描いて頂けたらありがたいなぁ・・と思いました。

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    2023年07月22日