【感想・ネタバレ】紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年09月21日

相変わらずどのお話も魅力的。水引もいいなぁ。器用ではないけれど、体験してみたいっ。
「インク沼」って・・確かに集めだしたら止まらなさそう。私もガラスペンにチャレンジしてみたいな。
インクの名前を考えているところが多くてページがだんだん少なくなっていって・・ひとまずまとまったけど、次に続きそう。

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Posted by ブクログ 2021年09月10日

ただモノが作られ売られていくのではなく、作り手⇔渡し手⇔受け手 の間で、それぞれの"思い" が 受け渡されていくんだろうな。
この物語からも、伝わってきますね(^^)

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Posted by ブクログ 2021年07月23日

紙屋ふじさき記念館シリーズ 三冊目
第一話 結の里
第二話 水引の雛飾り
第三話 カラーインクと万年筆

第一話は、百花のお母さんの生まれ故郷、長野の飯田が舞台

ほしおさなえさんのお話しは、いつも知らない場所や知らないものの世界のことを、詳しく知れる
ガイドブック !!

新作が 2021年08月...続きを読む24日に発売 !!!
『紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色』
海っ!!! 楽しみ

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Posted by ブクログ 2023年07月09日

3作目でようやく登場人物に慣れたのか、百花のキャラが気にならなくなってきた。ただ、館長をライバル視はないやろ。水引、いい感じだね。あと、最近ガラスペンの話はTVで見たし、カラーインクと組み合わせると確かに良さそう。まあ、私には今さらだけどね。これで最初に読んだ4作目に続くのね

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Posted by ブクログ 2022年07月26日

水引とガラスペンとインクが心に残る。
水引は『結(ユイ)』のためのもの。結とは助け合いの心。誰かが助けを求めたら、自分のことを置いても助ける。
ガラスペンが欲しくなった。そういえばあな?万年筆が好きだった。卒論も万年筆で書いたっけ。

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Posted by ブクログ 2022年02月27日

キャラクター小説風の表紙を見ていると、主人公の百花と館長の一成の間のラブストーリーなのかと思ってしまうが、少なくとも今のところはそうではない。
百花が、熱心さのあまり、一成に対抗意識さえ持ってしまうのが意外な展開。

持ち前のセンスと器用さで、和紙の記念館のバイトの範囲を超えて活躍する女子大生、百花...続きを読むのお話の三冊目。
割と若い読者を想定したシリーズのようだが、内容的にはもっと上の世代にも共感されそうな内容だ。

今回は、百花が母とその妹(叔母)とともに、信州飯田の祖母の家へ帰省するところから始まる。
母たちが育った田舎の家は、今は兄(主人公からは伯父)夫婦の家族が住んでいる。
その家が老朽化して、建て替えをするという話が出てくる。
主人公の百花より、懐かしい家がなくなってしまう寂しさを感じる祖母、実家を離れた母と叔母の方がクローズアップされていく。
実家の処分なんて話に直面する世代こそ、反応してしまいそうなところだ。

おばあちゃんのてるさんがとてもいい。
「誰かが困っているときは、自分のことは後に回してでも助けに行く」というあたたかい人物。
このおばあちゃんがSNSの使い方を学んで、どんどん発信していくようになるというのが、面白い。

それにしても、前の巻の蝋引きといい、このシリーズは今回の水引やガラスペンといい、次々と楽しそうなものを提示してくれる。
蝋引きはチャレンジできそうにないが、ガラスペンは、お試しだけでもいいから一度使ってみたい。

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Posted by ブクログ 2022年02月17日

第3弾。

百花は、年末年始に母の実家である飯田市へ…。
そこで祖母に水引きを教わる。

水引きとは、熨斗で使っているもの、としか印象になく一般的な紅白、黒白、黄白くらいだと思っていたが、最近では、カラーも豊富に使っている熨斗もある。
ただ小物を作るのは、かなり技術が必要だろう…と。
もちろん誰かの...続きを読む手解きがいるわけで。

1話から2話にかけては、水引きのワークショップを文字箱主催でやる〜そして、代理の講師で祖母が参加する。
この話も心が温かくなるのは、若い人や祖母まで年齢など関係なく、和気藹々とする雰囲気だろう。

水引きとは、「結ぶ」こと結び納めることから結納。
そして、助け合いの心。

水引きの雛飾りで…
そろそろお雛祭りの時期だ

3話は、ガラスペンとカラーインク。
百花の大学の後輩もインク集めの喜びを知り、どっぷりとインク沼にハマったらしい。
確かに文具大好き女子には、たまらないだろうと思う。
私ごとだが、やっぱり、ハマる。
特にインクの色など…。
ガラスペンは、持っていないが万年筆のインクは、色々使った。懐かしい。
今は、ボールペンの色にこだわってブルーブラックとオレンジとグリーンとゴールドを使い分けしているが…。

3話も文字箱が、ガラスペンとカラーインクをセット販売…ということで、インクのネームを考えるのに今回は、百花が苦悩する。
そして、またまた従兄弟の浩介による横槍が入って…と。
スムーズにはいかないところも一成と百花が親密になる要素かな…と思える。


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Posted by ブクログ 2021年08月06日

思い出のある物を手元に置いておくかどうか?
五木寛之氏は記憶を留めておくために必要だから処分しないそう
記憶の依り代としての価値があるから→断捨離反対派

でも
新しい物を取り入れるために
過去のものを代償にしなければいけないーそんな時もある
主人公の祖母の場合は今まで住んでいた家
簡単には手放す気...続きを読む持ちにはなれなくて寂しい気持ちになっていた
過去に亡くなった人も含め本当のところ前のものは取り戻せないから
自分もそう考えて前に進んでいくことを選択したい

“はじまったものはいつか終わる。けどそれは、はじまらなかったのとはちがうんだよね。終わったものも胸のなかでは生きてる。”

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Posted by ブクログ 2021年06月11日

いつもほっこりする作品で毎回読むのが楽しみ。
しかし、商品が売れたり主人公の案が通ったりと成功話しかないのが気になる点。
そういつもうまくいかないよ、といいたくなる。

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Posted by ブクログ 2021年04月18日

シリーズ3作目。紙好きなので、紙や紙小物の話や、商品作りについて、毎回ワクワクしながら読んでいる。人と人のつながり「結」についての話が良かった。「みんなどこかでつながってるし、人の役にも立ってる。」記念館でアルバイトしている主人公・百花のおばあちゃんが素敵。
最後のカラーインクと万年筆の話は、私も以...続きを読む前「インク沼」にはまりかけたことがあるので、あるある!と思いながら読んだ。ちょっと弱気だけど、毎回がんばって一生懸命考えアイデアを出す百花の成長も良い。

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購入済み

和紙の世界

2022年09月28日

シリーズ第3作目。今回も和紙に纏わるエピソードがたくさん盛り込まれ紙も言葉も強くて暖かい。百花の世界が広がっていく物語、この優しい人達の集まるほしおワールドは、やっぱり素敵です。

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Posted by ブクログ 2021年03月12日

水引は読んでいて断然興味が湧いてしまって、近いうちに作ってみたいなと思ってしまった。
おばあちゃんの周りに人が増えていく様子もとても良い。
カラーインクは数十年前にお絵かきの色塗りで使っていたので、それと文字を書くインクは違うにしても懐かしい。
子供の頃、ガラスペン持ってたなぁと思いながらいい気分で...続きを読む読み進めて行くと、あの人のせいで心がすっと冷たくなる。
でも、全編通して暖かくて優しい、好きなシリーズです。

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Posted by ブクログ 2021年03月01日

今作もほっこり。今回のキーワードは「結」。人も物も、様々な結びつきがあって初めて生かされる。文字から作品を想像するのも楽しい。このシリーズは中学生くらいで娘たちに読んで欲しいので子ども本棚に並べる。

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Posted by ブクログ 2023年08月13日

★ユイっていうのは、助け合いの心だったんだそうだよ。(p.71)
「結の里」飯田の祖母の家に行き水引を教わる百花。
「水引の雛飾り」祖母の家で皆で作った水引からワークショップを開こうという話に。
「カラーインクと万年筆」カラーインクとガラスペンをコラボした商品の名称とパッケージの依頼。父の万年筆と百...続きを読む花の名前の由来。

■紙屋ふじさき記念館についての簡単なメモ(★は主要語)

【一行目】
 そもそものはじまりは叔母からの誘いだった。(第一巻 麻の葉のカード)
 やっぱり、そんな簡単に覚えられるものじゃないよなあ。(第二巻 物語ペーパー)
 十二月、師走。(第三巻 カラーインクと万年筆)

【空き箱】《そうですね、なにも入れません。入れられません。空き箱だからロマンがあるのです。》麻の葉のカードp.13
【朝子/あさこ】瓜生朝子。藤崎産業の前社長の妻である藤崎薫子の秘書。おおらかさと有能さをあわせ持つ。一成のことをファーストネームで読んでいたのを聞き恋人なのかと百花は最初思ったが関係者は全員藤崎さんなのでファーストネームで呼ぶしかないのだとわかる。
【天野/あまの】江東区の海岸ブックスの店長?
【荒船莉子/あらふね・りこ】→莉子
【飯田市】水引や元結の産地。百花の母である冬海と叔母である紫乃の産地でもある。
【石井】小冊子研究会の後輩。一年女子。スイーツを擬人化したイラストを描いている。
【乾】小冊子研究会の後輩。一年男子。四百字以内の超短編ミステリを高校時代からブログに書き続けている。立花ゼミ所属。
【井上】「文字箱」のスタッフ。水引に興味を抱いている。
【今村家】百花の母と叔母の実家。飯田市の伊那八幡駅の近くにある。祖母と、伯父の寛也(ひろや)、伯母の多津子(たつこ)、五歳上のいとこの崇(たかし)、三歳上の遥香(はるか)。この家にあった組子障子が物語の始まりとも言える。
【今村紫乃/いまむら・しの】→紫乃
【いろいろ紙ノート】百花が余り紙で父といっしょにつくっていたノート。けっきょくなにも書けなかった。記念館でそういうコンセプトのノートを出すことになった。正式な商品名は莉子の案で「紙の絵本」となった。
【上野/うえの】箱屋さん。一成の信頼も厚い七十代。
【瓜生朝子/うりゅう・あさこ】→朝子
【江戸からかみ】「いろいろ紙ノート」特装版の表紙に使われた。《和紙に装飾をほどこしたもの。「からかみ」つまり「唐紙」。平安時代に中国から伝来した紋唐紙『北宋の彩牋(ほくそうのさいせん)』を手本にして作られるようになり、おもに襖の装飾として発展したらしい。》物語ペーパーp.11
【小川真琴/おがわ・まこと】小冊子研究会の前部長。家業を継ぐ予定。
【大人】《大人というのは、子どもに対してはほんとうのことを話さないから。》第三巻p.186
【海岸ブックス】江東区の書店。物語ペーパーに興味を抱く。天野さんが店長?
【薫子★】藤崎薫子。藤崎産業前社長の妻。大株主でいまだ発言権は強い。八十歳になってSNSをはじめた。偏屈な一成のことを心配しており新しいなにかをもたらしてくれそうな百花を取り込もうとしている。《いまは限られた一部の人に高級なものを売るより、多くの人に小さな幸せを届けた方がうまくいく時代だと思う》麻の葉のカードp.210
【柿渋紙】「いろいろ紙ノート」普及版に使われた三種類の紙のひとつ。柿渋を塗って丈夫にした紙。水にも強い。伊勢型紙や和傘にも使われた。
【一成★/かずなり】藤崎一成。紫乃の知人。端正な顔立ち。ぶっきらぼうなタイプ。紙屋ふじさき記念館の館長。父は藤崎晃成、母は歌手のめぐみ。株式会社藤崎産業の社長の甥ということになる。
【上川/かみかわ】古書店「夜光」店主。
【紙こもの市】さまざまな業者が出店しさまざまな紙のアイテムを出品する。盛況。見ていると語彙が低下し「きれい」「素敵」「かわいい」しか発しなくなり、皆、紙の亡者になる。三日月堂の印刷物なんかもあるかも。
【紙の絵本】→いろいろ紙ノート
【紙屋ふじさき】《江戸期創業の紙の店。日本橋にあり、以前は和紙専門だったが、明治にはいって洋紙も扱うようになった。戦後は株式会社藤崎産業と名前を変え、書籍用紙から医療用の不織布まで幅広く扱う大手企業になっている。》麻の葉のカードp.29。薫子の肝いりで現在では和紙を扱う部門として「紙屋ふじさき記念館」がある。
【紙屋ふじさき記念館★】株式会社藤崎産業の日本橋にある旧本社ビル四階で創業当時からの資料を集めている。館長は一成。もうすぐなくなるかもしれないが薫子は残したいと考えているので一成にハッパをかけている。
【ガラスペン】ガラスペンも使いますが最近は万年筆っぽいペン先をつけペンっぽい軸に付けたタイプのものをよく使います。そっちの方が気楽に書けるので。
【カルトナージュ】《フランスの伝統的な工芸品よ。厚紙で作った箱に紙や布を貼って飾るの。》麻の葉のカードp.18
【木谷/きたに】百花たちの大学の先生。近代小説の舞台になった町について古い地図と現在の地図を比較しながら記述を検証する。という話からすると『菓子屋横丁月光荘』の木谷先生と思われる。
【組子障子】母や伯母の実家である飯田市の今村家の建物のものを百花が思い出したことから組子障子のカードが生まれた。今村家は取り壊しになる予定だがこういう建具類はある程度新居に流用してもいいかもしれない。
【クラフトパンチ】型抜き用のパンチ。さまざまな型があるらしい。
【孤独】《百花、人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう。》物語ペーパーp.277
【坂本泉/さかもと・いずみ】小冊子研究会の先輩。四年生。莉子の高校時代の先輩で小冊子研究会に誘った。現在就活で苦闘中。
【真田/さなだ】久川の助手。
【紙胎/したい】紙に漆を塗る手法。
【紫乃★/しの】今村紫乃。百花の叔母。冬海の妹。独身。日日草という器の店をやってる。おおらかなタイプ。
【小冊子研究会★】大学で百花や莉子が入っているサークル。部員は百花、莉子、乾、石井、松下、森沢、西園。と小川、坂本。
【書肆モルン】蔵前の書店。物語ペーパーに興味を抱く。小さな出版書が開いた自主流通本やリトルプレスを扱う書店。小久保さんが店を任された。
【ZINE/じん】個人の趣味でつくる雑誌。小冊子研究会のメンバーには個人でつくる人もいるらしい。
【関谷/せきや】モリノインクの人。
【祖母】母や伯母の母。飯田市の今村家で暮らす。《だんだんひとりになっていく。はじまったものはいつか終わる。けどそれは、はじまらなかったのとはちがうんだよね。終わったものも胸のなかでは生きている。おじいちゃんも、この家も》第三巻p.91
【髙子】日本橋の高島屋屋上で飼われていた象。
【崇/たかし】今村崇。百花の五歳上のいとこ。
【髙島屋】記念館の近所にあるようで、百花がおにぎりを買いに行ったりしている。薫子と特別食堂に行ったりも。阪急百貨店の大食堂みたいなもんかと思ったけどもっとずっとステータスが高いようです。
【立花】百花たちの大学の先生。乾がゼミに所属している。『菓子屋横丁月光荘』の立花先生と思われる。三年次に特定の土地をテーマにした冊子作りを行う。小冊子研究会のメンバーには立花ゼミの人も多い。
【多津子/たつこ】今村多津子。伯父の寛也の妻。
【たとう紙】着物を包む紙。
【地域猫通信】西園が毎年大学祭で勝手に販売している個人誌。地域猫と仲良くなるというコンセプト。ピンボケやブレブレだったりしてまともに猫は写ってないがなぜかよく売れる猫好きたちの謎。
【彫金】日本には和彫と洋彫があるらしい。洋彫は柄付きのタガネで前に向かって彫り進め繊細になりやすく、和彫はタガネを金槌で叩きながら手前に彫り進め力強くなりやすいらしい。
【積み重ねて来たもの】《この世界には人々が積み重ねて来たものがたくさんあって、ひとりひとりにできることは小さいけど、それが積み重なって大きくなっていくんだな、って思った。自分らしさより、いまはそのことが気になる》第三巻p.142
【東京紙こもの市】→紙こもの市
【戸川/とがわ】漆芸家。螺鈿が得意。
【徳山/とくやま】紙屋ふじさき記念館の、一成の前の館長。
【豊崎翠/とよさき・みどり】→翠
【西園】小冊子研究会の先輩。三年男子。立花ゼミ所属。ゆるふわ系。
【西山製本】古い綴じ方の製本ができるようだ。
【西田】水引作家。
【日日草/にちにちそう】紫乃の経営している器の店。一週間単位で作家の個展やグループ展を開いている。岩手日日(新聞)の一面コラムと同名ですね。
【野上/のがみ】ガラスペン作家。
【八十八夜】豊崎翠が祖母から継ごうとしているお茶の店。リニューアル中。
【遥香/はるか】今村遥香。百花の三歳上のいとこ。小学校教員。中学校からずっと人形浄瑠璃に関心を抱いている。
【久川/ひさかわ】建築士。八十八夜の改装を請け負った。
【寛也/ひろや】今村寛也。百花の伯父。
【フクロウ書房】神保町の老舗古書店。店主は松本。
【房野/ふさの】和紙作家。八十八夜の壁面を飾る紙をつくった。
【藤崎晃成/ふじさき・あきなり】一成の父。薫子と正一の次男。自由奔放で人を惹き付け広い人脈を持つ。現在はヨーロッパ支社で新規事業の開拓に携わっている。妻は歌手のめぐみ。
【藤崎薫子/ふじさき・かおるこ】→薫子
【藤崎一成/ふじさき・かずなり】→一成
【藤崎浩介/ふじさき・こうすけ】第一営業部。一成のいとこ。雄一の長男。仕事はできるらしい。どうも一成にライバル意識があるらしく一成に対するとプライドだけ高い小物感丸出しになる。一成の方はめんどくさいヤツだくらいにしかとらえていない。藤崎産業から和紙の取り扱いを削除したがっている。
【藤崎雄一/ふじさき・ゆういち】薫子と正一の長男。藤崎産業の現社長。秀才で常にトップクラス。先見の明もあり和紙のノウハウを生かし医療用不織布などを開発して会社を大きくした。
【淵山雫/ふちやま・しずく】神々しいほど美しい女性。元モデル。彫金系のアクセサリーのデザインをしていて「shizuku」というブランドの代表でもある。作風は繊細で儚くてごてごてぎらぎらしておらず価格もそう高くなく女子大生でも手が出るくらいだとか。
【古い文化】薫子いわく《全部を取り戻さないとダメ、と思ったら、なにもできない。どこにも行けない。》物語ペーパーp.44。《自分につなかる歴史を次につなげるための真剣な遊び。》物語ペーパーp.101
【細川紙】埼玉県小川町でつくられる和紙。ユネスコ文化遺産に登録されている。
【真琴】小冊子研究会の先輩。四年。家業を継ぐ予定。
【松下】小冊子研究会の後輩。一年女子。高校時代に短歌の賞を取ったこともある和風美人。最近インク沼にはまっている。
【松本】古書店「フクロウ書房」店長。
【水引】母の実家のある飯田市は水引が有名。あわじ結びとか梅結びなどご基本。
【翠/みどり】豊崎翠。薫子の友人の孫。祖母がやっていた人形町のお茶の店を継ぎたいと考えている。
【美濃和紙】ユネスコの無形文化遺産に登録されている和紙のひとつ。《美濃和紙は光の和紙だよ。》物語ペーパーp.64。美濃市では百花さんも莉子さんもかなりたくさん紙製品を買ったようで、金持ちやなあ・・・と思いました。
【美濃和紙の里会館】紙漉き体験ができるらしい。一日体験やと四枚も漉くことができるらしい。と思いましたが百花さんは当初四枚しかと感じたようです。五日体験とか一ヶ月体験とかのコースもあるそうです。
【耳付きの紙】端っこがきれいにカットされたものではなく毛羽立っているタイプの紙。おおむね高級品。
【無形文化遺産】和紙では石州半紙、本美濃紙、細川紙が選ばれている。ユネスコが選定。
【文字箱】綿貫伸一郎が開いた書店。
【元結】髷を結うときに結ぶ紙紐。いまでもお相撲さんなんかが使ってる。
【物語ペーパー】百花発案。物語の一節を和紙に印刷し蠟引き紙にしたもの。「文字箱」との共同企画にできないかと思った。使った作品は吉野雪彦の「屋上の夜」。「物語ペーパー」という名称を聞いただけの時点では新刊なんかが出たとき作って配布する書店販促用のペーパーとかを想像してました。興味を持ってくれたのは古書店「夜光」、「フクロウ書房」。書店で「書肆モルン」「海岸ブックス」。
【百花★/ももか】吉野百花。吉野冬美と雪彦の娘。大学二年生。紙アイテムが好き。どうやら紙そのものが好きなようで包装紙や量り売りの紙に惹かれる。手先が器用で豆本をつくったりもしたが絵のない本、文字のない本だった。大学では日本文学専攻でサークルは「小冊子研究会」。名前の由来は「春の小川」で《でもね、花のようにうつくしい人になってほしい、ってことじゃ、ないんだよ。花のうつくしさを愛でることができる人になってほしい、ってことなんだって》第三巻p.262
【百花の祖母】飯田市で以前は水引をつくる仕事をしていた。
【森沢】小冊子研究会の先輩。三年男子。動画撮影が得意でネットにもアップしている。題材は主に自転車旅行。
【モリノインク】カラーインクのメーカー。
【夜光】西荻窪の古書店。店主は上川。
【柳田/やなぎだ】昔、記念館の近くで筆耕の仕事をしていた。仕事柄よく来ていたそうだ。
【結】祖母《ユイっていうのは、助け合いの心だったんだそうだよ。だれかが助けを求めたら、自分のことを置いても助ける。その心こそが「結」。贈り物にそういう気持ちをこめるために、水引で結んだんだよね》第三巻p.71。個人的には自分のことを置いたらアカンのではなかろうかと思ったりもしますが。両方助からんと、と。
【ユネスコ無形文化遺産】和紙で登録されているのは石州半紙(せきしゅうはんし)、本美濃紙(ほんみのし)、細川紙の三種。いずれも楮だけでつくられている。
【吉野冬海★/よしの・ふゆみ】百花の母。雪彦の妻で十五歳年下。紫乃の姉。編集者。現実的なタイプ(と百花は考えているようだがそうでもなさそう)。
【吉野百花/よしの・ももか】→百花
【吉野雪彦★/よしの・ゆきひこ】百花の父。作家。故人。冬海の夫で十五歳年上。結婚したときはすでに作家だったので母も作家としての吉野雪彦しか知らない。紙が好きで手帳屋になりたかったのだとか。百花といっしょにいろんな紙を使ってノートをよくつくった。百花が小学生のとき事故で他界。無口だったそうだ。《頭にある言葉は、全部原稿用紙に吸いこまれちゃってたんじゃないかな。》麻の葉のカードp.307。《お父さんのことは、全部お父さんの書いた本で知ったような気がする。》麻の葉のカードp.308
【落水紙/らくすいし】和紙。小さな穴がたくさん開いてレースのようになっている。《紙漉きで、まだ紙が乾く前に水をシャワーみたいにあてる》麻の葉のカードp.26
【莉子★/りこ】荒船莉子。百花の友人。大学で同じ「小冊子研究会」に入っている。コミュニケーション力やプロデュース力が強い。父親は秩父の出身で川越に親戚がいるらしい。いずれ他作品の登場人物がゲスト出演することもあるかも?
【列帖装/れつじょうそう】綴葉装(てっちょうそう)とも言う。「いろいろ紙ノート」特装版に使われた。《平安時代後期以降の仮名文学に用いられた綴じ方なのだそうだ。数枚の紙を重ねてふたつ折りにしたものを何組か、糸でつなげる方法だ。綴じたものを根本まで開けることができ、開いたとき完全に平らになる。》物語ペーパーp.10
【蠟引き】ガリ版印刷、たくさん作ったなあ・・・
【和紙】繊維が長いので洋紙より丈夫。《人が作ったのではなく、自然から生まれたものみたいだった。》物語ペーパーp.72。《和紙の底にある力をすくいあげて、人々に見せる》p.192
【和紙の原料】よく知られているのは楮、三椏、雁皮。
【綿貫伸一郎/わたぬき・しんいちろう】一成の大学時代の美術史ゼミの先輩。会社勤めしていたが違和感を覚え新刊と古書と文具を扱うセレクトショップのような書店「文字箱」を日本橋に開くことにした。

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Posted by ブクログ 2022年04月19日

さて、このシリーズ3冊目。今度もまた配偶者のほうが先に読み終えた。
タイトルは「カラーインクと万年筆」だけど、今回は百花の母の実家がある飯田での、中でも水引の話が印象に残る。

飯田と言えば、ずっと昔に職場のレクリエーションで行ったことがあるな。
その時に水引工芸館みたいなところも行ったけど、実演し...続きを読むてた人が作ったものをその場で部下の女性にプレゼントしてくれたことを思い出す。
ネットで動画を見たら、あわじ結びなどあっという間に出来上がるけど、私にはそれすらきれいに出来そうもないぞ。

お話はと言えば、多少の茶々が入ってもうまくことまとまっていく他愛もないお話だが、本作においては水引や旧い家など古き良きものを今の時代にうまく残していきたいねという想いがよく伝わった。(組子障子、新しい家でも残ったかな?)
百花ちゃんも最初の頃に比べたら頑張ってるしね。

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Posted by ブクログ 2022年02月08日

シリーズ3作目。
今回は水引の話とカラーインクの話の2つ。
どちらも興味深い。
相変わらず紙にまつわる情報が
丁寧な手仕事の奥深さとともに
小説の中で生きている。
アイデアを積み重ねそれを凝縮させて1つの製品として作り上げる過程が素敵!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月26日

「紙屋ふじさき記念館」その3。

前巻で百花の企画した「物語ペーパー」から、さらに新しい個性的な書店主たちとの出会いを呼び、また新たなコラボ企画が記念館に持ち込まれる。

第一巻で百香が初めて作った麻の葉紋様のカードのヒントとなった飯田の祖母の家で、水引細工の手仕事を讃美するエピソードを挟み、カラー...続きを読むインクとガラスペンの物語へ。


物語としては、またまたやたらとトントン拍子。
百香も一成も、本作では大きな人間的な成長も、恋愛的な進展も無かったような。うーん。


そして、またまた好みの問題かもしれないけど、表紙のイラストが…とにかくうるさい。色も素材も、とにかくうるさい。
そして、一成らしき男性の左腕の長さが変!
作風に、どうにも合ってないような…

巻末で、『キャラクター文芸』という言葉を見て…
少し前に読んだ「拝啓、本が売れません」の中で、ラノベはとにかく強烈なキャラを必要とする…というようなことが書いてあったんだけれど、どうやらこのシリーズはラノベと文芸書の中間狙いなのか…?
ラノベも読むし楽しめるけれど、ほしおさなえさんにはそれを期待していないので、どうもどこか物足りない。

もし、このシリーズを読んでほしおさなえさんのファンになった人がいたら、それはそれで結構。でも、次はぜひ、「三日月堂」を読んでもらいたい。


ところで…ガラスペンは、本当に美しいです。
インクが溜まっているところも美しいので、無色透明のガラスペンを持っているんだけど、幸い?あいにく?私がインク沼にそれほどハマらないのは、カラーインクを画材としてしか使わず、文字を綴ることにはそれほど執着が無いからか。

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Posted by ブクログ 2021年11月29日

サブタイトルのカラーインクがメインだと思ったら、ほぼ水引の話で、カラーインクの方は完結せずに終わった。水引も好きだけど、ちょっと長くてもたついたかなぁ…
ガラスペンとインクなんてステキなセット、私も欲しい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月29日

水引って、熨斗のイメージしかなかったけれど、画像検索してみると、素敵な小物が沢山!
中には結構な大作もあって、水引に対するイメージが変わった。
水引は元々『結』のためのもので、それが吉野家の結びつきを強くしていく過程も沁みた。
中学生の時にカートリッジ式の簡易万年筆にはまり、そればかり使っていたこと...続きを読む、社会人になってガラスペンに出会い(実用的ではなかったので飾ってた)、眺めていたことを思い出した。
あのガラスペン、引っ越しの際に片づけたまま出してないが、どこにしまったんだろう…。
カラーインクの和紙の箱、想像が膨らんでわくわくした。素敵!

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Posted by ブクログ 2021年03月12日

シリーズ3作目。
今作は百花たちがお正月を母の生家のある長野県飯田市で過ごす様子から描かれる。
母の実家に帰った百花は、祖母がかつて水引の職人であったことを知る。
おせち料理をせっせと作る母たちの輪に入れずにいた百花は、祖母が作っていた水引の箸置きを作る手伝いをすることにしたが、いざ水引を結っていく...続きを読むと、その奥深さにはまっていく百花。お正月休みが明ける頃にはみんなで吊るし雛ではなく「吊るし水引」を作成してしまうほど。
一方、年が明けた記念館では、新たに「物語ペーパー」を作成する準備に追われていた。
その準備に集まった関係者から、記念館の使っていないスペースを利用し、ワークショップを開くことを提案され、水引のワークショップを開催することに。
ここでも百花の祖母が活躍し、水引を通じて、いろんな人の心が結ばれていく様子が描かれる。
「結」とはまさしくこういうことを言うんだなぁ、と感じさせられる。
最終章では新たにインクの包装箱のアイディアを任された百花たち。ガラスペン、万年筆、既定概念に捕らわれない様々な色のインクに夢中になっていく…
他の方のレビューにもあったが、一言でいうと、この作品を読むと出てくるものが欲しくなるし、作りたくなる。まさしく「沼」にはまる人の心境そのもの。
次はどんなものを取り上げるのか、続きが楽しみなシリーズ。

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