【感想・ネタバレ】紙屋ふじさき記念館 結のアルバムのレビュー

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思わず百花の気持ちに入り込む感じ。
いよいよ卒業、そして藤崎産業入社。
コロナのことが日に日に遠くなる中で、そうだった!とあの頃の日常が思い出されてきた。
和紙への興味は尽きないが、私個人は水引に心惹かれて、梅結びに挑戦するようになった。飯田から水引も取り寄せた。
私の楽しみが一つ増えたことに感謝したい。

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2024年03月02日

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春霞の小箱から世相を反映した内容になっていて、記念館の閉館は新型ウイルスの影響でイベントが中止。淡々と片づけ、そのうちに緊急事態宣言なんてものが発出され、大学最後の年は不穏な始まりを迎えた百花。家族がいるからなんとか家だけの生活でもなったけれど、一人暮らしの大学生にはかなりきつい期間だっただろう。
百花の就職活動、藤崎産業の採用活動はされるのだろうか。館長はいま必要な部署で取り急ぎがむしゃらに働いているよう。
タイトルのアルバム、どんなものかととても期待していた。画で見られないのは残念だけれど、百花が卒論の合間に作成していた箱、いいなぁ。水引で模様がつけられているなんて、なおさら!先生もさぞかし嬉しかったと思う。

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2023年05月29日

購入済み

コロナ禍によって

物語が現実を追うようにコロナ禍に突入。閉塞感に包まれ苦しみながらも手探りで模索するサークル活動と人と人の繋がりを考えられた巻だった。

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2022年12月01日

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ネタバレ

コロナが始まって3年がたとうとしています。始まりはこうだったなぁとか、あの頃はこんなに長く続くなんて思ってなかったなぁ、何て思いながら読み進めていました。
「世の中はいいことばかりではないですから、苦しむこともあるでしょう。でも、良く生きてください。」ゼミの笹山先生の言葉が、今のこのコロナの時代を生きる私達へのメッセージに思えて、ぜひ多くの人にこの本を読んで欲しいと思いました。
大変な時に卒業の年を迎え、でも無事「藤崎産業」に就職できた百花。ここに行き着くまでの、多くの人との関わりと、そこから学び歩んでいこうとする百花のたゆまない努力。これから新しくできる記念館での、百花の活躍と成長が
とても楽しみです。


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2022年12月01日

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コロナ禍を真正面から扱っている今作。これは、紙というものの歴史を捉える点、そして何より「繋がり」を考える意味でも避けて通れないテーマ。優しい物語の中に作者の強いメッセージを感じた。

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2022年11月30日

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『菓子屋横丁月光荘』シリーズが完結し、そちらを読み終わった。
その間、こちらのシリーズも買って手元にあったけれど、いったん封印。
話が混線しそうな気がしたから。

作中にもコロナ禍が起こる。
当時の自分などは、職も住むところの心配もなく、暢気なものだったと思っていたが、本書の記述を読んで、なかなかつらくなってきた。
あの頃感じていた不安を、おそらく自分は抑圧していたのだと思いいたった。
そう思うと、若い世代ほど影響が長く続いていくのでは、といまさらながら心配になる。
一時は、つらくてこの本を読むのをやめようかとも思った。

やめなかったのは、ほしお作品で、たぶん悪い結末はないと思われたから。
百花もめでたく藤崎産業の内定を得るし。
笹山ゼミの4年生全員が卒論を出せたし。
小冊子研究会の学校祭企画もだが、百花が夫婦箱を作るところは、わくわくした。

前巻の『春霞の小箱』を読んだとき、次で終わりかなあ、と感じたが、もう一冊出たようだ(ちなみに、それは昨日ゲットした)。
次巻では、ふじさき記念館の復活が描かれるようだ。
川越の呉服商の建物をリノベーションするらしい。
そして、すべての作品は川越に通ず、ということか。
主人公は百花というより、記念館の方だったのかも?

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2024年01月21日

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ネタバレ

シリーズもだいぶ長くなってきて、主人公の成長
や先の未来が描かれるはずなのに、ここにきてコロナ禍。。でもしっかり向き合って描いてるほしおさんに拍手。緊急事態宣言、数年前のことなのに今でもあのときの状況が鮮明に思い出されるのは、やっぱり誰にとっても衝撃が大きかったのではないかなぁと思う。
でも主人公が本質は変わらないながらも、成長していく姿がこれからも楽しみです。話の中で、やる気っていうのは出そうと思っても出るものではない、まずは始めてみることでやる気が出てくる、という言葉があり印象的でした。
この先の続くお話が明るいものであるように、引き続き応援したいと思います。次の新しい記念館のお話が待ち遠しいです。

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2023年10月29日

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ネタバレ

シリーズ6作目で百花もいよいよ大学卒業か。
でも、その卒業も例のコロナウィルスの影響で、例年の様にはいかない。それは就活も同じ。
物語の設定はちょうどコロナが流行り始めた2020年頃だと思われ、つい3年程前なのに「あーあんな感じだったな」と感慨深く思ってしまう。
現役の学生が直面するオンライン授業や、卒論などリアルに描かれていて、当時の目に見えない不安な気持ちを思い出す。

シリーズは百花の卒業か、記念館の閉館で終わると思いきや、新天地川越で再スタートするという。という事は三日月堂ももちろん登場してくるのだろう。楽しみ。

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2023年10月01日

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シリーズ6作目。

記念館閉館イベントが、コロナの影響で中止になり百花は慣れないリモート環境下で卒論と就活に取り組むことに。

第一話 手漉き和紙見本帳

就活に苦戦していた百花の元へ和紙見本帳が届き、改めて伝統を守るということの大切さに気づかされ、最終面接を乗り越えて内定をもらう。
ひたむきに頑張る素直な百花に拍手。

第二話 わたしたちの日常

コロナ禍で最も知りたいのは、みんなの動向。
みんな寂しくない?落ち込んでない?
誰かと少し喋るだけで頑張れるという気持ちが伝わってきた。
今は落ち着いているけど当初を思い出してしまった。


第三話 結のアルバム

卒論のテーマに惹かれた。
小川未明の絵本『赤い蝋燭と人魚』をあらためて読み直したいと思った。
そして、動揺も手がけていたことを知りこちらも興味を持った。
動揺に出てくる海はいつも不安に満ちている。「闇」「海と太陽」とても良い。

百花は、作ることが好きで好きで…卒論を先に進めないと、なのに結局合間合間に箱ものを作っている。
没頭しているうちに精度の高いものに仕上がり、満足いけば卒論にも集中できて予定通りに出来ている。

先生へのプレゼントも心のある素晴らしい水引きを使用したアルバムを渡すことができた。
先生曰く、「あらためて紙というものの偉大さを感じた」「紙にかかわる仕事をするということは、その歴史を背負うこと、過去を背負い、先に進む。
生きるとはそういうこと」
とても深い。


止まっていた時間があったとしても、きっといつか大きく…もっと大きくなって動きだす。そんな希望が見えてきた。

ラストにまだ続きそうな予感⁇が。





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2023年03月10日

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コロナ禍の学生の卒論、就活、サークルの実態。
活動を制限された中での人は、不安定になって…
今回は何もできない中で作り出していく事について、どう気持ちを切り替えるか、百花の心理描写がたくさん出てきた。
それでも、この学校、このサークル、このゼミは恵まれている。

残念だったのは、百花の作った箱、アルバムの製本したものなどが、どこかイラストででも入っていてくれたらよく理解出来たのになぁというところ。

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2022年12月19日

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コロナで日常が大きく変わってしまった時代。この時期の学生さんや新入社員さん大変だったと思う。コミニュケーションのとり方に悩んだ時期ですね。
百花さんも就職が内定し、記念館が川越になりそうで、この小説も川越の仲間入り?
これからの展開が楽しみ。

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2022年12月15日

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ネタバレ

シリーズ最初の頃は、ずいぶん自分に自信のない主人公だなと思った百花も、大学四年生となり、悩みながらもしっかりと卒論と就活に取り組んでいる。自分の好きなことを見つめ、たくさん考えて未来を決めていく百花が素敵だった。ゼミのみんなから担当の笹山先生への贈り物は百花のアイデアで手書きのメッセージを製本したアルバム。オンラインで何でもできる時だからこそ、紙の良さを感じた。笹山先生の「世の中はいいことばかりではないですから、苦しむこともあるでしょう。でも、よく生きてください。」の言葉に、よく生きていこうと思った。

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2022年12月04日

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コロナ禍の始まりは、こんな風だったなぁと思い出しながら読んだ。
それまでの当たり前が当たり前でなくなった日々。
不要不急の外出は禁止。それでも勉強や仕事はしなくてはならない。
世の中が停滞と変化を同時に求められたもどかしい時期。
学生さんは、特に気の毒だった。
百花はまさに学生さんで、その中で卒論や就活をしなくてはならなかったのは大変だったろう。
急速に変化した世の中で、「和紙」への意識が今後どんな風に変わっていくのか、変わらないのか、楽しみにしたい。

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2023年12月02日

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6作目で現時点(2023年8月)での最新作。第1作のころに比べて、前向きになったね、百花。コロナ禍での就活、大変だね。様子がうまく描けてると思う。ただ、やはりコロナ禍では行動に制約が多く、その分は今までより物足りない。ただ、それが現実だったよね

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2023年08月09日

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ネタバレ

【収録作品】手漉き和紙見本帳/わたしたちの日常/結のアルバム

現実と地続きの世界なので、リアルさも感じられる。等身大の女子大生が模索しながら前に進む様子は好もしい。が、現実を前に立ちすくむ身からすると、羨ましくもある。

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2023年08月05日

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ネタバレ

「紙屋ふじさき記念館」その6。

前作で現実世界のコロナ禍が物語を変化させ、本作ではコロナ禍中の一年が綴られる。

オンラインでのゼミや就職活動、最後の大学祭、卒論。
百花は無事に藤崎産業への就職を決め、ビルの建替えのため閉鎖された記念館は、より大規模な記念館として(ほしおさんお得意の)川越市で再開する運びとなる。もちろん百花は、そこの専任スタッフに迎えられる運びと、とことんとんとん拍子。
めでたしめでたし。

『結のアルバム』とは、水引細工を組み合わせた百花手作りの夫婦箱に、手製本で綴じ合わせた学生たちから恩師へのメッセージをおさめたもの。
一昔前なら色紙に寄せ書きなんてことをしたものだけれど…

紙や伝統工芸の話が興味深いので、まだ読んでいるが、ますます夢見る女子の小綺麗なモノローグ、人に読ませる前提で書いた日記帳のよう。
うーん。
気楽にお付き合いしていくシリーズかなぁ。

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2023年05月31日

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早いものでシリーズも6作目
今作はちょうどコロナがはじまった2020年が舞台。 まだまだ何も分からない不気味なウィルスだった。
読んでいるとその頃の気持ちを鮮明に思い出してちょっと苦しくなる。

大学最後の年の百花が丁寧に描かれて、
相変わらず素敵な小物作りにうっとり。

次回からは川越が舞台になりそうなので他の作品とのコラボもあり?
楽しみです。

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2023年02月27日

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このシリーズ6冊目。今度も配偶者のほうが先に読み終えた。

コロナ禍で記念館の閉館イベントも中止になった前作から続き、全編を通じて蔓延が始まったばかりの頃の街や生活の様子が描かれる。
不要不急の外出自粛、オンラインでの会議や面接、リモートワーク、病院や介護施設での面会謝絶といった緊急事態宣言下での生活だが、それらには私たちが経験したことやニュースで取り上げられた以上のものはなく、あの時はそうだったよねというようには思いながらも、あまり面白みはなし。
ただ、『いまのこの社会が現実。こんなことになってなかったら、って思うのはやめよう。いまだからできることはあるんだから、悔いがないようにいそれをやり遂げよう』という前向きな気持ちが表されていたのは、この物語らしくて良かった。

そうした状況を下敷きにしながら語られる第一話のメインは、百花の藤崎産業への入社試験。
ただでさえ緊張するのに加えてオンライン面接とは、なかなか動揺する局面ね。
ありきたりな展開だが、このタイミングで手漉き和紙の見本帳を送ってくる一成の心遣いが嬉しい(彼も成長したよね)。

第二話は大学祭に向けた雑誌づくりが中心の話。
コロナ禍の制約の中での知恵の出し合いだが、3年生も2年生もみんな前向きで救われる。
今やここから3年経っているのだが、色んなところでこういう知恵を出し合ってきて今の暮らし振りがあるのだなと改めて思わされた。
途中挟まれる松下さんの祖母の話は切ない。

第三話は卒論の話、の筈が、その気休めに箱づくりを始めたら、そちらがメインになった模様。
紙小物について考え出したり作り始めたりすると次々とこうしたらどうかということが湧き出して来るところはさすが“小鬼ちゃん”。
そんなことしないで早く卒論書きなよという気持ちだったが、こちらが気を揉んだ割にはあまり呻吟が描かれずに卒論が完成したのにはやや脱力。
記念館が再スタートすることになった時のオリジナルグッズを考えたり先生に渡す手紙の本づくりなども重なって、最後まで小鬼ちゃん振りのほうが目立つ。まあ、彼女らしいけど。
最後に出てきた記念館の移転先が川越になるのは、楽しみなようでもあり安易なような気もしたり。

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2023年02月25日

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この時代の学生の切なさよ…。
フィクションとはいえ、無事卒業おめでとう!
物語は川越シリーズに合流?

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2022年12月04日

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シリーズ6作目。
コロナの世界的大流行の影響で記念館閉館イベントは全て中止。
大学4年生となった百花は、リモート環境下で卒論と就職試験に取り組むこととなる。
突然身に降りかかった未曽有の事態。
誰もが不安で、どう乗り越えたらいいのか分からなかった2020年を2年の期間をおいて描いてくれたことで、その実態を冷静に受け止めることが出来た気がした。
5作目の感想で、「書き急ぐのか?」と書いたが、この6作目でコロナに翻弄された1年を丁寧に描いていたような気がする。
学生の大事な1年さえも、コロナは奪ってしまった。
たくさんの人が虚無感に襲われたと思うが、自分の心の中にいつもいた大学4年生、高校3年生など最後の1年間を奪われてしまった人々の想いが、今作を通じて知ることが出来た気がする。
もちろん、今作はフィクション。
作者さんだって、本当の大学生ではない。
それでも百花やゼミの同級生、サークルの仲間とのやり取りから、にじむやるせなさや、その中で必死に前を向こうとする気持ちを感じ取ることが出来た気がする。
リモートのやり取りしか出来ない中で、自分が出来ることを見出そうとする人たちの言葉にも勇気をもらえた。
特殊な環境だから、これまでのような内容とは違うけれど、唯一出て来た「結のアルバム」のラストには涙がこぼれた。
記念館の未来には驚きだったが、次作から藤崎産業の社員となる百花の活躍に期待。
今作の刊行記念のオリジナルグッズが、すごい気になる・・・

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2022年11月29日

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