ほしおさなえのレビュー一覧

  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    相手に何かを伝える手段は言葉が大概だけれど、自分の伝えたいことを100%言葉で伝えるなんて無理だと思っていた。今もその考えはあるけど、だからこそ、この本に出てくる人たちは届けたい言葉を活字にして伝えたいんだろうなぁと思う。

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    2020年05月17日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    ネタバレ

     あまんきみこさんの作品が出てきて、懐かしさが込み上げました。私も子供のころ読んだし、息子達にも読み聞かせしたなぁ…

     登場人物が、いい人ばっかりで、しかも、同じような性格の人が多く、出来すぎ?って感じもするけど…活版印刷に興味を持った人が集まるんだから必然かも知れない。
    その中ではちょっと違う、「あわゆき」のお話しは、良かった。
    悲しいこと辛いことを経験し、そこはもう通り過ぎて、もう一歩踏み出そうとする過程を描いているのだろう。

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    2020年04月07日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    金継ぎの魅力が、おばあちゃんの人生の深みと共に描かれる。

    金継ぎに興味があったので、金継ぎのやり方や、完成まで半年以上かかること、漆の生産地がどんどん減っていることなどがとても興味深かった。

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    2020年03月01日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    なんということないストーリーですが、金継を少しかじっている身としては興味深い内容。高山飛騨春慶塗師の家に育った金継師の祖母から孫が漆の扱いを習う。
    最後には2人で漆の産地、茨城の大子まで旅行に行き漆掻きまで見学する。ネットで調べると、今も漆を植樹して、漆掻き、木地作り、漆塗りまで全て自分でされる木漆工芸家の方が実際に大子にいらっしゃるのですね。漆は一度掻いてしまえば伐採処理しなくてはならないし、新しく植樹しても成長するまでに10年はかかる。たいへんな作業だ。でも日本産漆の伝統を守ってくださる方がいるから、日本の高い技術で質のいい漆器を産み出していけるのだ。感謝です。

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    2020年02月23日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    「金継ぎ」という職業を題材に、祖母の千絵、娘の結子、孫の奈緒の3人の視点から、現在と戦後の女性の働き方・生き方を旨く表現しているお話だなと思った。
    高山で暮らしていた頃の、かんざしに閉じ込めていた千絵の想いが、高山で思いを辿ることで外に出て来て、その想いが、地味なんだけど、特に印象がある訳ではないんだけど、凄く美しく描写されているように感じて、きれいな想い出を辿る物語だったなと、少し胸が熱くなりました。

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    2020年01月18日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    割れた器を修復する「金継ぎ」。金継ぎという言葉を始めて知りました。
    孫の高校生真緒は、金継ぎをする祖母千絵に仕事を習い始める。その中で、祖母の思い出、会いたい人に会う旅に二人で出る。

    金継ぎは割れた陶器をつなぐだけではなく、持ち主の思い出もこめるもの。
    ステキな仕事だなと思った。
    金継ぎの写真をネットで探してみたが、どれも割れたものとわからない、そのものの模様のような感じになっている。本の中で、元通りに戻すだけではなく、新たなデザインとなるようなことが書かれていたので、こういうことかと納得できた。
    私の母もどこか行きたい場所・会いたい人はいるのだろうか。ふと気になった。

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    2019年12月16日
  • 菓子屋横丁月光荘 浮草の灯

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    前巻ではただの不思議のようなイメージだった家の声が、現実味を持ってきた感じがした。紙は良いですね。きらきら、花、雪。感触があるって素晴らしい。人の輪が広がって、こんな素敵な街だったら仲間に入れてもらいたいなと思う。

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    2019年09月12日
  • 菓子屋横丁月光荘 浮草の灯

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    ネタバレ

    【収録作品】第一話 浮草の灯/第二話 切り紙/第三話 二軒家
     『活版印刷三日月堂』と同じ世界観。血縁は薄くても地縁は作れる。

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    2019年08月02日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    守人は、幼い頃からふとした時に家の声が聞こえる、不思議な力を持つ大学院生。
    指導教授の紹介で川越の築七十年の古民家に移り住むことになった守人に聞こえたのは、その家の歌う、少し調子外れな童謡だった。

    川越で生まれ育った人も、その佇まいに惹かれて集まった人も、古き良きものを愛でる優しい人ばかり。
    守人も、そんな人々との交流の中で、心をひらいていく。


    ふんわり、ほのぼのに浸れる。
    同じ川越を舞台にした「三日月堂」のシリーズと違い、どこか薄味。
    彼の持つ力のことを考えれば、建築関係の道に進むとか、古民家再生の仕事に関わる仕事に就きたいとか考えそうだけれど…
    守人が家の声を聞いても、それは彼の胸の

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    2024年12月10日
  • 空き家課まぼろし譚

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    日本のベニスと呼ばれる水上都市で、課の最年少職員で勤めて二年の明が上司の娘で五年生の汀に引き回されながら空き家を回る。バラ屋敷に宝探し、ミッション系女子校の転落事故、汀の亡き母の秘密と祖母との交流。同じ場所で写真に触れるとその時の様子が現れる汀の超能力が、浸透してからは程好いスパイスとして楽しめた。

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    2018年10月10日
  • 銀塩写真探偵 一九八五年の光

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    フィルム写真のネガに入り込むことができる、というファンタジックな設定の物語。舞台は現代日本だが、フィルム写真というパーツからもサブタイトルからも分かるように、少し前の時代を映して……この場合は写していると言っていいかも。

    プロローグ的な展開や設定の絞りなどが語られ、恐らく続刊前提なのだろうけど、それ故か、個人的にはこの一冊単体では満足できなかった。

    ただ、まさにプロローグとしては、懐古的な刺激も含めて面白いものだったので、ぜひこの先で探偵の活躍を読んでみたい。

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    2018年07月04日
  • 飯テロ 真夜中に読めない20人の美味しい物語

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    いろんな食物語を詰め込んだアンソロジー。
    人気作家の書き下ろし短編小説やコミック、
    『カクヨム』に掲載されていた、富士見L文庫×
    カクヨム「美味しい話&恋の話短編小説」
    受賞者の作品等を収録する。

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    2018年05月05日
  • 空き家課まぼろし譚

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    写真を撮った場所で、写真に触れると、撮る少し前の情景が蘇る。そんな力を持った小学生が、不思議とともに疑問を解決する糸口を見つける話。主人公はそんな小学生汀ちゃんに振り回されながら一緒に走っていくので、当人は大変でしょうが、終始微笑ましかったです。

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    2016年10月06日
  • 空き家課まぼろし譚

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    はじめちょっと取っつきにくかった。個人的に子供が振り回す話が苦手なのかもしれない。
    写真というものについて考えさせられる作品だと思う。写真は残るのに、そこに写る時間も場所もモノも今はない。死んだ猫の写真みて思う。

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    2016年06月11日
  • みずうみの歌

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    水に沈んでしまった街。最初、現実くささを抑えてファンタジックな雰囲気を醸し出していていいと思った。
    しかし都市伝説調査となり失速。
    実はこうだったのです、という説明が多くて苦手。
    ベタなボーイミーツガールものでよかったかなと。

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    2015年01月26日
  • みずうみの歌

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    昔の母を探して、少年は水に沈んだ町へーそこには小説「ピルグリム」とそっくりの町があった。

    立ち入り禁止になり人がいなくなった、湖に沈んだ町。この雰囲気がすごく好きだった。水の自然音を聞きながら読んだから余計にかもしれない。
    「サカナ」がピルグリムを手掛かりに、地元の高校生達と都市伝説の元を追っていく謎解き要素があったのも良かった。

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    2014年09月04日