ほしおさなえのレビュー一覧

  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    ネタバレ

    百花は、日本文学を学ぶ大学二年生。
    ある日、叔母の誘いで出かけた「東京紙こもの市」というイベントで、和紙の専門店「紙屋ふじさき」のブースにいた無愛想な青年・藤崎一成に紹介される。
    そこで魅了された美しい和紙を使って、組子細工の障子をイメージした麻の葉文様のカードを手作りした事から、百花は一成と共に次の「こもの市」に出品する商品を企画することに…

    人見知りだった百花が、家族や友人の後押しで、ものづくりの喜びを通して成長してゆく。


    『活版印刷三日月堂』で出会ったほしおさなえさんの新しいシリーズということで手に取った。
    百花と一成の成長物語であり、和紙をはじめとする手仕事礼讃の物語。

    つまら

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    2021年07月29日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    三日月堂シリーズ、「未来」が描かれる番外編(シリーズ六冊目)。

    今までのシリーズに登場した人達の、サイドストーリーや後日談・6篇が収録されています。
    今回も、活版印刷で刷られた扉ページが“お出迎え”してくれるのが嬉しいですね。
    どの話も優しい視点から“それぞれの生きる道”が描かれていて、温かな気持ちになります。
    第六話「小さな折り紙」では、弓子さんと悠生さんの息子・佑くんも登場し、時の流れを感じます。
    そう、誰もが昔は子どもでしたし、子ども達も時を経て大人になっていく・・この、あまりに当たり前な人の営みがとても尊いものなのだと本書は思わせてくれます。
    因みに第一話「マドンナの憂鬱」の柚原さん

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    2021年07月09日
  • 銀塩写真探偵 一九八五年の光

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    ネタバレ

    フィルムカメラ、懐かしい。写真屋バイトしてたから、たまに逆巻きになってるフィルムを暗箱で開けて巻き直したりしたなー。と、自分の思い出も蘇る。写真の世界に入れるっていうのもいいなぁ。折角なら続編出してもらって、陽太郎の家族の先行きも知りたいな。

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    2021年04月09日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    ネタバレ

    水引って、熨斗のイメージしかなかったけれど、画像検索してみると、素敵な小物が沢山!
    中には結構な大作もあって、水引に対するイメージが変わった。
    水引は元々『結』のためのもので、それが吉野家の結びつきを強くしていく過程も沁みた。
    中学生の時にカートリッジ式の簡易万年筆にはまり、そればかり使っていたこと、社会人になってガラスペンに出会い(実用的ではなかったので飾ってた)、眺めていたことを思い出した。
    あのガラスペン、引っ越しの際に片づけたまま出してないが、どこにしまったんだろう…。
    カラーインクの和紙の箱、想像が膨らんでわくわくした。素敵!

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    2021年03月29日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    連作短編7編
    弓子が三日月堂を再開するまでの,祖父の時代からのいろんな人の断片.語り手が変わっても全体を通して温かい想いが溢れている.

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    2021年03月26日
  • 菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿

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    ネタバレ

    七段飾りの雛人形。以前の実家にもあったなぁ。
    大きくて、飾るのにも片づけるのにも手間が掛かり、その上、小学生だった私はそんなものに興味は無くて。
    凄いとは思ったけど、嬉しいとは思わなかった。
    買ってきた親に悪いから、それなりの反応はして見せたけど。
    結局、2、3回しか飾らなかったように思う。
    「雛の家」の二軒家の雛人形、役目を終えた人形が戻ってきて、揃って飾ってもらえて良かった。いい話だった。
    家の声が聞こえる人が他にもいることを知り、しかもその方の家を建てた人と自分は血縁関係で、家を建てたその人も、家の声を聞くことが出来たという。
    守人がこのことを知っていく下りがとても響いた。
    特に、喜代さ

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    2021年06月26日
  • 菓子屋横丁月光荘 浮草の灯

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    ネタバレ

    『活版印刷三日月堂 雲の日記帳』を読んでそれほど日が経っていなかったので、「浮草の灯」が沁みた。
    昔、両親がどこかに旅行した際に購入した和ろうそくが実家で飾られていて、とても綺麗な柄だったのを思い出した。これを読んで、私も欲しくなった。
    「オイテカナイデ」という家の声が心痛い。だが、その後の展開に安堵。
    「家」がお正月に人になって集まるという不思議。
    ファンタジー色が強くなるも、違和感がなくなり、面白くなってきた。

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    2021年03月21日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    ネタバレ

    碌にあらすじ知らないまま読んだので、思っていたのと違って少々戸惑った。
    少しばかり、ファンタジック。でも嫌いじゃない。
    川越には行ったことはないけれど、『活版印刷三日月堂』よりも踏み込んで、川越の魅力が伝わってくる。
    登場人物が割と多めなので、忘れないうちに次巻へ。

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    2021年03月16日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    シリーズ3作目。
    今作は百花たちがお正月を母の生家のある長野県飯田市で過ごす様子から描かれる。
    母の実家に帰った百花は、祖母がかつて水引の職人であったことを知る。
    おせち料理をせっせと作る母たちの輪に入れずにいた百花は、祖母が作っていた水引の箸置きを作る手伝いをすることにしたが、いざ水引を結っていくと、その奥深さにはまっていく百花。お正月休みが明ける頃にはみんなで吊るし雛ではなく「吊るし水引」を作成してしまうほど。
    一方、年が明けた記念館では、新たに「物語ペーパー」を作成する準備に追われていた。
    その準備に集まった関係者から、記念館の使っていないスペースを利用し、ワークショップを開くことを提案

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    2021年03月12日
  • 菓子屋横丁月光荘 浮草の灯

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    家の声が聞こえる主人公と川越の街を描いたシリーズ2作目。
    今作では古書店の「浮草」のご主人が余命わずかな話から始まり、紙を作る家業を継がなかった守人の先輩の後悔の話から守人が管理人を勤める「月光荘」での切り絵の体験会をやってみようと言う企画を通して、家族の絆を改めて考えさせる内容。
    「浮草」も、「浮草」に出て来る「雲日記」も三日月堂から繋がるお話。はっきり「三日月堂」とは出してないけど、ファンには堪らない内容だろう。
    主人公の守人はいまいちテンションが低めで、いつも自分の中の何かと格闘している、そんなイメージであまり本文に貢献している感じがしないのだけれど、後輩の「べんてんちゃん」がナビゲーシ

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    2021年01月26日
  • 飯テロ 真夜中に読めない20人の美味しい物語

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    投稿サイトのカクヨム「美味しい話&恋の話短編小説」受賞者主体(そうじゃないものもある)

    仕事帰りの車中で読んだが、煽り文句程飯テロ感は。。。

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    2021年01月24日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    中盤、終盤あたりから、百花の和紙に対する想いや熱量が急に増えた気がした。
    書店との絡みは楽しみかも。

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    2021年01月23日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    和紙の魅力に溢れていて、読んでいると、手に取りたくなる。ものづくりに対するリスペクトが感じられて好もしい。何かを始めようとする人の背中を押してくれるようにも思う。

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    2021年01月22日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    川越の古民家を舞台にした物語。
    大学院生の遠野は、ある日ゼミの木谷先生より、川越の古民家の管理人みたいなことをしてみないか?と持ち掛けられる。
    亡くなった祖父の家に一人で住み続ける遠野は、大学から近くなること、今住んでいる家を伯父たちが処分したがっていることから、引き受けることに。
    1作目である今作は、舞台となる「月光荘」の歴史や、「月光荘」を取り巻く川越の街並みの説明がほとんど。
    川越の街並みが目に浮かぶようだが、説明が多く、やたら知り合いが次から次へと湧いてきて、なかなか話に入り込めない。
    遠野の家の声が聞こえるという特殊な能力も今後どのように活かさせて来るのか、1作目だけでは分からず…

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    2021年01月13日
  • あの日、あの駅で。 駅小説アンソロジー

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    崎谷さんとほしおさん目当てで呼んだ。ほしおさんの優しい文章に切なくにったり、崎谷さんの作品は、そういえばコロナを描いた物語って初めて読んだなー。現実の辛さと不思議さが絡まって好きでした。3作目のどこまでもブルーはすごくおなかかすく作品。

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    2021年01月11日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    ネタバレ

    シリーズ2巻。
    前作よりは、まだ想像し易かったかな。
    和紙の歴史、伝統、新しさ…色々詰まった巻だった。
    美濃和紙アート館とか、彼らが泊ったであろうホテルとか、ネットで見てみると本当に素敵だ。
    外国の方が日本文化に魅力を感じるように、今の日本の若い人も伝統工芸に馴染みがない分、新鮮なんだろうな、と思った。
    蝋引き紙も素敵。
    『屋上の夜』が書かれた物語ペーパー、本当にあったら買うだろうな。

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    2020年12月28日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    紙好きとしては、何度も頷きながら読んだ。給料をもらった中身ではなく、入っていた和紙の封筒にため息をつく百花。分かる〜。
    そして藤崎産業の取締役の薫子さん。80歳は過ぎているらしいが、SNSを使ったりしている館長のお祖母さん。「小さいことからでも、はじめれば進む。なにもやらなかったらゼロのままでしょう?」素敵だ。

    肝心な百花は自信のない大学生だし、記念館の館長の一成は親の力で生計を立てているようにしか見えない。主人公2人が余り魅力的ではないのが残念だ。続編で成長するのか?
    後、もう一つ、表紙が少し残念かな…

    実在する「はいばら」や「竹尾」など、すぐにでも行ってみたくなった。

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    2020年12月21日
  • 銀塩写真探偵 一九八五年の光

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    ネタバレ

    ネガフイルム、懐かしい…。子供の頃、父のカメラで絞り、シャッター速度、カメラの構造…教えてもらったなぁ。写真ではないけれど、就職したての頃、仕事で印画紙への焼き付けなんかもやってたなぁ。
    ネガに映るその一瞬の世界に入り込んで、過去を探る銀塩写真探偵。その秘密を共有し、跡を継ぐことになりそうな大学生の陽太郎と辛島杏奈。
    撮った瞬間から過去になる。真実とは何か。少しの後悔。読みながら、色々考えさせられた。是非シリーズ化して欲しい。しますよね?

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    2021年06月26日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    本編をフォローする6短編。観光案内のプロ、ガラス店の作家さん、高校の文芸部員、亡くなった同級生の俳句、大学の恩師、万葉集の庭、花のカード、保育園…

    街に根付いた人たちのささやかな暮らし、仕事、それぞれの想い、子ども、大人、変わっていく世代。

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    2020年12月20日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    シリーズの最終作。スピンオフで4巻で完結したシリーズの後日談が6編。正直ちょっと物足りないかな。でも、いいシリーズだった

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    2020年12月17日