あらすじ
小さな活版印刷所「三日月堂」。 店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉――。 弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。祖父が三日月堂を閉めるときの話……。 本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。
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遠い過去を遡り、その時のそれぞれの人の心をみる
それは深くて暗い箱の底にある煌めきをすくいとるようでもあり、
夜空の星に手を伸ばすような心地もする。
やさしくて、確かな、記憶を辿る時間。
これまで会ってきたような登場人物たち、
みんなの過去、想いが
ゆっくりと熟成して、未来へとつながって
良い時になっている。
その嬉しさと安心感が、
この物語を一層好きにさせる。
さて、次の展開は?
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自分の妻、娘たち、両親、それぞれの存在に対して愛おしい気持ちになる一冊だった。
当シリーズ全6冊?中まだ5冊までしか読み終わってないですが、これがいちばん沁みた。
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今回は感動の連続でした。
「我らの西部劇」のライターさん、
弓子さんのお父さん、
弓子さんのおばあちゃん、
三日月堂のお得意さんで和紙のお店の人、
弓子さんのお母さん、カナコさんの大学時代の同級生の人、
弓子さんのおじいちゃん、
そして…全てを失った弓子さん自身の話。
弓子さんが成長していく段階に合わせて話が進んでいくのも面白かった!
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活版印刷三日月堂の「過去」が詰まった番外編。
活版印刷で刷られた扉ページがとても良い。味わいがあります。ずっと見ていられるし、指でなぞってみた。やっぱり、いいねー、活版印刷。
本編とはまた違ったそれぞれの視点で描かれていて、7章すべてが、ほっこりしたり、しんみりしたり。どの話も温かくて、とても良かった。
本編をもう一度読み返してみたくなった。
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活版印刷三日月堂番外編。
本編では描かれなかった、そこに登場していた人達の過去の物語。
全てが本編へとつながるので、本編を読み直したくなった。
弓子の祖父が活版印刷に込めた思いが知れて、このシリーズに深みが増したように思う。
活版印刷で刷られた扉ページが素敵。
あぁ、昔の本はこうだったなぁと、しみじみ。
次巻はいよいよ最終巻。
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4冊で完結していたんじゃなかったのって思って読んだら番外編だった。時間を遡っての話。本編ではすでに亡くなっていた弓子の家族の話などの短編集。全部ではないけれど、親子がテーマの話が多い印象がある。ちょっと物悲しいけど、どれも暖かい話だった。
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大好きな『三日月堂』の「過去」が詰まった番外編
久しぶりに読んだ『活版印刷三日月堂』
あのお話しの人っと
前巻のお話しを懐かしく思い返しながら読めた
生きていく
生きている
みんなひとりで、自分を背負って生きている(生きていくしかない)
幼い時に母を亡くし、祖母、一年前に祖父、そして父親も亡くしひとりになった弓子
「生きる目標とか、目的とか、いまのわたしには全然ないの。でも、生きていくだけならできる気がする。人のためになにかするとか、そんなむずかしいこともできそうにない。でもいまは、生きてくだけでいいよね。許してくれるよね。きっと」
家族とのつながり、問題、それぞれの気持ち
が、いっぱい詰まっているシリーズ
弓子 名前の意味『思いを遠くまで届けられる人』
「ヒーローたちの記念写真」
活版印刷三日月堂シリーズ第二弾
『海からの手紙』
「我らの西部劇」片山さんのお父さんの回想
「星と暗闇」弓子のお父さんの回想
「届かない手紙」弓子が祖父母の家、活版印刷三日月堂から父親の元へ引っ越す時のお話し、レターセット
「ひこうき雲」弓子のお母さんカナコの大学時代のバンド仲間裕美(ひろみ)の回想
「最後のカレンダー」川越で紙店 笠原紙店 を営んでいる、弓子のお父さん修平の同級生、方介さんの回想
毎年、三日月堂で和紙のカレンダーと年賀状を印刷してもらっていた
「空色の冊子」弓子のお祖父ちゃんの、妻静子(弓子のお祖母ちゃん)が亡くなった翌年の3.11(東日本大震災)からの回想
弓子が通っていたあけぼの保育園の卒園記念冊子のお話し(紙がその時に数が揃っていた空色の紙)
「引っ越しの日」弓子が三日月堂へ引っ越す日のお話し
大学時代の同級生唯が大学時代に所属していた劇団の後輩の琴音の出ているお芝居を観に、北海道から東京へ出てきたついでに昔住んでいた横浜日ノ出町で弓子と再会する
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3作目で完結したシリーズの番外編。
3冊の中で登場した人物の背景と弓子が三日月堂を継ぐ決心をするまでが描かれる。
弓子の母が亡くなった時にお葬式にも来られなかった友人の事情や、復活した三日月堂で初めて作った本「ウェスタン」の制作に込められた男たちの想いなど、どれも胸を打つ作品ばかり。
その中でも「引っ越しの日」で描かれる劇団員を目指していたが、挫折して北海道に戻った唯と、あてもなく三日月堂の再建に臨もうとしている弓子との会話が印象的。
生きる目標とか、目的とか、いまのわたしには全然ないの。でも、生きていくだけならできる気がする。人のためになにかするとか、そんなむずかしいこともできそうにない。でもいまは生きていくだけでいいよね。許してくれるよね、きっと。
この唯の言葉に思わず涙。
先の見えない世の中で、やはり希望も目標も見出せなくて、明日さえも分からなくて…でも、「生きていくだけでいい」と言う言葉に救われた。生きていたら、その後の弓子のように人に愛されなくても、何か生きる目的が私にも見つけられるだろうか?
最後に。
初版限定で活版印刷の扉がついているのも、とても粋な計らい。文章で読んでいただけの活版印刷を実際に目にすると不思議と優しい気持ちになれる。この本そのもの。
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4冊目までの本編を読破してひと息ついていました。5冊目の番外編は、ちょっと後回しにしてましたが、これも早く読めば良かった(;^ω^)。お母さんの短歌の回に、ぐっときた民だったので、あの話で1人疎遠になってた友達の裕美さん視点は思いがけないストーリーでした。
過去編という事もあって、祖父・カラスの親父さんが活版印刷の作業に励んでいるところも胸熱。弓子さんのおぼろげな思い出から、だいぶ解像度も上がって、三日月堂がさらに素敵な場所に思えました。
『―どんなときでも勇気を持って、元気に進もう。―原稿はそう終わっている。読みながら、そうだな、とうなずいた。結局、私たちにできるのはそれだけなのかもしれない。-空色の冊子-』
2025.7
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今までの登場人物や主人公に関わってきた人達が今度は主役となり話は進んでいく。
ようやく登場人物が整理された感じ。
そして当たり前だけどもそれぞれに人生があって、自分のこれからを考えるのは子供や若い人だけではなく大人になっても歳をとっても環境や仕事、人との別れが関わってくる。
自分を見つめ直す時、どうするのかを決める時は周りに支えてくれる人がいてもやっぱり1人なんだなと。
シリーズも後1冊。
どんな結末になるのかな。
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「活版印刷三日月堂」シリーズ第5弾。
本編は第4巻で完結しているので、第5弾は番外編。
弓子の祖父母や両親のこと。
弓子が三日月堂に戻るきっかけ等々。
じんわり心に沁みる。
うん、好きなシリーズ。
文庫初版本の扉ページはなんと活版印刷で刷られたもの!
紙も他のページとは違って、何とも味わい深い!
この本をずーっと積読していた私。
シリーズ第4弾を読んだのはいつだろう?と読書ノートを見てみると
2019年2月だった…
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三日月堂に関わる人たちの過去が描かれ、弓子の子どもの頃から大人になり川越にやってくるまでちゃんと時系列になっている。「最後のカレンダー」は、菓子屋横丁シリーズに登場する紙屋さんの番外編でもあるのかな。
死や別れが必ず出てくるし東日本大震災も起こり、心傷むお話も多いのだけれど、生きて欲しいという作者さんの願いが聞こえるような作品。
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本編の番外編で、本編より少し短いお話が7編入ってました。全て本編に出てくる方々の『過去』のお話です。
本編の裏側を見ることが出来て嬉しかったです。本編ではもう亡くなってたりする方々の目線でお話が進んだり。「あのエピソードの時こう感じてたんだ」とかがわかったり、より深く楽しむことが出来ました。
弓子さんの弓子さんのご両親の馴れ初めや弓子さんに対する想いと願い…弓子さんの祖父母の想いや気持ち…。幼い頃から弓子さんはとても愛されていたんだなと思ったら胸の奥がポカポカして、嬉しくなりました❥
切ない気持ちにもなるけれど、それが日常の一コマなんだなと思いました。
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シリーズ5作目、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。
本編では描かれていなかった弓子の家族が登場して、温かい家族のもとで育ってきて良かったと思えました。
このシリーズの主人公も、少し前に読んだ「ツバキ文具店」や「農ガール、農ライフ」の主人公もたまたまだけど天涯孤独の独身女性。
ぬくぬく生きている私には、読んでいて心苦しくもなるけれどど、優しい文章や主人公の前向きな生き方には惹かれます。
シリーズ最後の6冊目は、本編の未来の話のようなので、弓子が幸せになってほしい。
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シリーズ5作目。4作目までより過去の出来事の短編で番外編という感じ。突然、自宅周辺が出てきてとても驚いた。
なにが「ほんとうのさいわい」か正解を考えるんじゃない。「ほんとうのさいわい」をみなで探すこと。そう決意し、そのために生きること。それが「ほんとうのさいわい」なんだ。ーーーーーという言葉がとても響いた。あと、届かない手紙でも書いていいんだということ。
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短編集版。シリーズのときもそれぞれ独立したお話で読みやすかったけど。三日月堂に関わったことのある人たちのお話。うっすらと涙が出る物語も。
届かない手紙。きっと届いてる。
空色の冊子の背景にはあの地震の影響があったか。
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4作で完結したシリーズのスピンオフ。三日月堂が復活する以前の弓子の両親や祖父母の時代が語られる。活版印刷って懐かしい言葉のように感じるが、ついこないだまでそれが普通だったんだよなあ。
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活版印刷三日月堂の番外編。
東日本大震災から14年目の昨日、東日本大震災の描写があるシーンを目にした。
すごいタイミングに見えない何かを感じる。
祖母・祖父・父を見送り、この流れで活版印刷の第1弾に繋がっていったのかと本編で目にしたあれやこれやを思い出し感慨深さを味わった。
本編に繋がっていた色んなシーンそれぞれが思い出され、本編がより奥行のある物語として存在してくれた。
色々な人とを見送ったり、失われたものを思い浮かべたりする機会も多かったので、読み終えた今、少し淋しさを感じる読後感を味わっている。
でも!この後ものすごく素晴らしく力強い世界が広がって行くんだよなということを思い出す。
よし、私も頑張ろう!そんな力が自分の中から顔を出す。
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三日月堂シリーズスピンオフ。本編より過去のお話。
三日月堂の先代で弓子の祖父視点の「空色の冊子」
弓子の祖母視点の「届かない手紙」
が良かった。
本編では弓子が話す時はずっと敬語だったから(お客さんとのやりとりがほとんどだから当然だけど)、タメ口で話している弓子が新鮮に感じました。
最後の章は、川越への引越し前日の話。
ここから本編の一作目に繋がっていくんだなぁと思うと、「これから思ってもみない方に人生が拓けていくよ!」と声をかけたくなるような。
Posted by ブクログ
三日月堂の過去の話。暖かい話だけど、時折胸が苦しくなった。タイトルにもある「空色の冊子」は実体験とも重なり話の外に辛さを憶えた。それでもじんわりと暖かくなる不思議。このシリーズは結末までを書かないからそこが気に入っている。
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弓子が生まれる前の話や、周りのひとたちのスピンオフ。どの話もよかった。これからどうなるのかちょっと心配する終わり方もありますが、きっとそれでも進んでいくのでしょうか。
Posted by ブクログ
扉の活版印刷……昔の文庫本ってみんなこんなだったよなあ…と懐かしかった。
スピンオフっていうのかな。
今までの登場人物のお話し。
優しい物語、健在。