ほしおさなえのレビュー一覧

  • 菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿

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    「菓子屋横丁月光荘」の3冊目。

    大したことは起きないが、登場人物が善い人ばかりでイヤな人が出て来ないのはこの本の値打ち。
    最初のお雛様の話も、どうということもないが、なかなか泣かせる。

    2話目では舞台が川越を離れて隣の川島町まで行ってしまったが、川越だけではネタが尽きてきたのかしらん。
    土地勘がないのだけど、川越の北のほうということで、地図を写真にしてみると確かに田んぼばかりみたいね。
    だけども、この町も遠山記念館をはじめとして見どころはたっぷり。ネットで見る遠山記念館はいや本当に素晴らしい。
    見学できる醤油屋さんは「金笛しょうゆパーク」というんだな。前に川越に行った時に松本醤油商店を見学しなかったのが悔やまれる。
    こうして読んでいると、本当に川越はいい町だと思える。また行ってみたいな。
    で、前作あたり、家が喋るということについて物語の中での意味合いが多少薄くなってきていたように思ったが、この話では他にも家の声が聞こえる人が出て来たり、棟木に書かれた守人の曽祖父の名前を家が呼んだりで、今回はまだ謎めいたままだが、これから続くだろう話へ興を惹く。

    3話目になると今度は浮草が出て来て三日月堂とリンク。サービス満点。
    モラトリアムの守人くん、ようやく自分の居場所について朧げにだが見えてきたかな。
    それにしても、この料亭のモデルはどこかにあるんだろうかなぁ?その料亭変じて宿の朝食からまた川島町へと話が展開しそう。
    色んな意味で続きが楽しみ。(続くよね?)

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    2020年12月08日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    ほしおさんって手仕事そのものを創る人じゃなくて
    それを文字にする人なんだな
    既刊の本を見てそう感じた
    取材するだけじゃ無くてどう表現するかっていうのも重要ですね

    さて今回のテーマは和紙です!
    今立と名塩を訪ねたことがあるので興味のあるジャンルです(^^)


    続けて続刊の「物語ペーパー」
    大学生のサークルの様子とか新商品開発とか
    現実的では無いけどワクワクするストーリーです
    それでも美濃和紙の章では現実に旅に出られそうな(^^)
    この本を貸してくれたMZTさんも行きたいって!
    ちょうどNHKのせかほしで特集していたらしいです
    伝統工芸を現代につなぐのは素晴らしいです!

    後半は三日月堂の流れを感じるストーリー
    ほしおさんは、最近お父さんを亡くされたとの事
    故人の思い出が感じられてじんわりきますね

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    2020年12月14日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    短編集版。シリーズのときもそれぞれ独立したお話で読みやすかったけど。三日月堂に関わったことのある人たちのお話。うっすらと涙が出る物語も。
    届かない手紙。きっと届いてる。
    空色の冊子の背景にはあの地震の影響があったか。

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    2020年11月30日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    4作で完結したシリーズのスピンオフ。三日月堂が復活する以前の弓子の両親や祖父母の時代が語られる。活版印刷って懐かしい言葉のように感じるが、ついこないだまでそれが普通だったんだよなあ。

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    2020年11月29日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    完結したシリーズの、スピンオフ後日譚。
    シリーズを通して、こんなに登場人物がいたんだなあ、と再確認できる。
    結婚した弓子さんのその後が描かれたのが、表題作の「小さな折り紙」。

    埼玉の細川紙(和紙)の話も面白かった。
    それにしても、技術の継承の問題は興味深い。
    簀桁を作る職人さんがいなくなりつつあること、楮を自ら育てて収穫しないと材料が手に入らないことなどを知った。
    このシリーズで活字鋳造がもうできなくなっているということが何度も語られていたが、まさに同じ話。
    一つの技術は、生態系のようにネットワークの中にある。
    その一つの要素が損なわれると、存続が難しくなるんだなあ、と気づく。
    新しい技術が便利で優れていれば、そちらに移行していくのは当然のこと。
    ノスタルジーだけで古い技術を守れというのは、無責任だけど。
    ただ、何らかの事情で新しい技術が行き詰った時、古いものが残っていることの意味が出てくるのでは?とも思う。

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    2020年11月29日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    金継ぎがどういうものかも知らないで読んだけど、漆のこととか、知らない事をたくさん知れて勉強になったし、面白かった。
    金継ぎをした器を見てみたい!!

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    2020年11月09日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    シリーズ2作目。
    シリーズものは続けて読まないと決めているけど、どうしても気になって、2冊続けて一気読み。
    前作では、和紙を使った小物の制作の話が多かったが、今作では美濃を訪れて、和紙漉きの体験を描いたり、百花の亡くなった父の話など、人間模様も描かれる。
    百花の大学の学園祭の様子などもあり、前作とは少し趣向が変わるが、ここでも百花のアイデアで普通の紙に蝋を流して、栞を作成してみたりと、また試してみたくなるようなところも。
    百花が入るまで機能していなかった記念館も、段々記念館らしくなり、日本橋に行ったら、本当にありそうで、ちょっと探してみたくなる。
    そして、続きを早く読みたいと思わせる作品。

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    2020年11月07日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    「活版印刷」シリーズの作者が描く「和紙」をテーマにした新シリーズ。
    大学2年生の百花は、陶器のお店を営む叔母の紫乃に連れられて、「紙こもの市」を訪れる。
    紙製品の展示会にテンションの上がる百花。しかし、紫乃の仕事の取引相手である紙屋ふじさきのブースを最後に訪れ、やる気のない藤崎一成に出会い、一気にテンションが下がってしまう。
    ブースは出しているものの、全く売る気のない一成。しかし、そこには百花の心を揺さぶる和紙の数々が…
    和紙を通じて、心も通いだす百花と一成の様子が丁寧に描かれる。
    今回の物語の舞台は「日本橋」。「活版印刷」の川越もいいけど、日本橋の街の描写もいい。
    出版社が違うから、直接「活版印刷」の話は出て来ないが、「細川紙」「楮」など「活版印刷」ファンには堪らないキーワードも。
    百花が家にあるもので、いろいろ和紙雑貨を作るシーンも思わず真似したくなる。

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    2020年11月07日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    真緒は高校二年生。母の結子は金沢のホテルに単身赴任中で、今は祖母の千恵と二人暮らしだ。
    祖母は、漆を使って壊れた器を繕うこと(金継ぎ)を仕事にしているのだが、夏休みに千恵の仕事を間近に見た真緒は、少しずつ金継ぎの作業を手伝い、深い満足感を知るようになっていった。
    ある日、千恵が大切にしてきた紅春慶の簪をきっかけに、ふたりは千恵の生まれ育った故郷・飛騨高山への旅に出ることに。


    千恵、結子、真緒の三代の女性たちが交代で語り手となって、それぞれの時代の制約の中で、自らの思いを胸に、喜びをもって打ち込める仕事を見いだしてゆく過程が清々しい。

    何もかもが壊れてしまった戦後の混乱期や、夫の裏切りに傷ついた時、“美しいもの”に心を支えられてきたという千恵。
    そういうことって確かにあると思う。

    漆の木を育て、木を傷つけて漆を得て、何度も繰り返して仕上げる漆工芸。
    割れてしまった大切な器を繕って、思い出をも再び繕い蘇らせる金継ぎ。
    丁寧な手仕事から生まれる美と、人の手を経てきたものを大切に慈しむ心。
    そういうことを忘れずに日々を過ごせたら…

    …と、この頃、ついつい食洗機OKの素っ気ない器ばかり使ってしまっていることを、少し反省。

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    2020年11月03日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    帯に「号泣」と書いてあって、どんなラストを迎えるのか若干ハラハラしながら読んだ。それぞれの物語に想いがあって、ほっこりした内容だった。弓子と悠生の近寄り方が素敵だな。
    この本のおかげで九ポ堂さんほか、実際の活版印刷の商品を気に書けるようになった。

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    2020年10月28日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    人生のページをめくるように人生を綴り書き留めていく。
    記録するのはインキが染み込む活版印刷。どんな人生を印刷するのだろうか。

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    2020年10月26日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    ネタバレ

    さらに和紙のことを知りたい気持ちが強くなる主人公。人脈も増えてこれからさらにどうなるのか、気になります。
    今回もほしくなる商品があって、紙のイベントとか行ってみたくなります。

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    2020年10月25日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    シリーズ3作目。このシリーズは本当に、前勤めていた印刷会社の人たちにお勧めしたい本だなぁ。今印刷業界は、斜陽産業とか結局は捨てられてしまう物を作っているとか酷い言われようだけど、この本を読むと「思いを文字にして世に出す」ことの特別さが自然と感じられてスッとする。
    今回は「カナコの歌」「川の合流する場所で」が好きだった。弓子さんの母親についても本作で知ることができた。何だか弓子さんと一緒に働いている気分になってきたな。自分も活版印刷で何か作ってみたくなった。今年の年賀状は活版印刷で作ろうかな。

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    2020年10月22日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    ネタバレ

    続編刊行、非常に嬉しかった!
    前作も非常に丁寧に描写されていた印象があったが、今回も丁寧に綴られた物語だった。
    百花のバイト生活も、大学生活も、日常生活の描写にも手を抜かない。
    その分、登場人物も増えるが、百花がこうやって生活しているんだということがリアルに感じ取れて、本当にいいと思う。
    だからこそ、和紙の大切さにも説得力が増すと言うか。
    和紙の話以外の部分も丁寧に描写されているからこそ、和紙の特別さ、大切さがより際立つし、驚きや感動もより一層強く感じられるのだと思う。
    百花がちゃんと物語の中で生きているから。
    読者と同じように。
    この説得力の高さよ。

    丁寧に描いているからこそ、この一冊だけでは終わらない話もちらほら。
    例えば、shizukuのパッケージの件。
    パッケージ自体は決まったが、そこからの反応については、この一冊では語られていない。
    そこまで時間は進んでくれなかった。

    また、館長といとこの確執についても、まだ序の口と言った部分で、和解にまでは勿論至らない。
    shizukuの件にも関わってくるが、この辺りの決着も見たいところ。
    そう、明らかに続編ありきの書き方だったように思う。
    これは3冊目出ますな。

    今回は美濃和紙の紙漉き体験に、色々な種類の和紙の作り方が見えてきたのも面白かったし、「紙の絵本」「光の和紙」など気になる単語も登場して、その度に胸躍った。
    最後の話も「物語ペーパー」もいい!
    作り方もよかったが、百花のお父さんの物語がここでも活きてきて、百花が父の物語を文字起こししながら父のことを思い返したり、母と二人で思い出に浸るところも涙腺崩壊。
    ますます『屋上の夜』が読みたくて仕方なくなった。
    きっと『屋上の夜』本文も、作者さまはきっちり書いた上でこの話を書いているのではないかなと思う。
    日常描写にも手を抜かない人なので。
    いつか、『屋上の夜』本編をまるっと読める機会があればいいなと切に願っている。
    1巻でも似たようなこと書いた気がするが、それだけ魅力的なので。

    そんな「物語ペーパー」のきっかけとなってくれた綿貫先輩もいい人そうだし、お店の雰囲気も良かった。
    博物館からネットワークが広がっていっているのもいい成長。
    百花自体が成長しているから。
    これから彼女がどう和紙の世界と関わっていくのか、この先も非常に気になるシリーズだし、追いかけたいシリーズである。

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    2020年10月10日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    よくものつくり系のイベントに行くので散財する気持ちはよくわかります。
    主人公が作っているものとかすごく欲しいです、使い道とか考えてはいけないけども。
    愛想のない藤崎さんとの関係がこれからどうなるのか気になります。

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    2020年09月22日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    沢山の仲間たちと一つの事を仕上げるのは有意義な事
    以前一緒にいた人々を思い出す
    いろんな事ができてよかった
    今はひとつの物語のように感じます
    現在何人かはあちらの世界にいたり、遠くにいたり

    活版は、ノスタルジーだけでやっていけないと思うけど
    ここでは美しい物語になってます

    大きくなるときは、迷惑かけたり、助けてもらったり、失敗したり
    それをしないと大きくならない
    慣れたことだけしてたらダメなんだ

    自分の身体 財産 大切な人 大事にしていたもの
    仕事 業績 世のため人のためににしたこと
    ーーーーその人のものじゃない 持っていけない
    思い 記憶 夢
    ーーーーーその人だけのもの

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    2020年09月23日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    年齢も立場も住んでる所も違うけど
    今の自分に近い人達がこの小説の中にいると思う
    自分の身近な人達もこの物語のように小さな幸せを見つけられますように

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    2020年09月16日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    どれもステキな物語だった。
    「あわゆき」の名刺はいいな。
    版画と活版印刷の豆本、買ってみたい!お気に入りのフレーズで自分でも制作に加わってみたいな。

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    2020年09月01日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    ほしおさなえさんの作品は題材がまず惹かれるものがありますね。これまで大事にされてきたまちの文化や技術や人の気持ちなどなど。
    今回の作品も一度はやってみたいと思っていた金継ぎの話。まずは金継ぎしたいと思うほどに使い込んだお気に入りの器が必要かなぁ。
    三世代の女性たちの生き方や思いとともに、金継ぎについても非常に詳しく解説されていて、読みやすい物語でした。
    結子と真緒の中間にいる自分は、これから仕事と生き方とどうしようか…そんなことも考えさせられました。

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    2020年08月14日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    人と人を繋ぎ、時間を超越する活字。人が拾い、組み上げ、印刷する。印刷されて初めて伝わる言葉になる。
    人に繋げるから人の手が必要なのだ。

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    2020年07月24日