ほしおさなえのレビュー一覧
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「菓子屋横丁月光荘」の2冊目。
どこかで読んだような話と思えば、三日月堂の最終巻に出てきた古書店・浮草の話じゃないか。
店番の安西さんは、同じ巻の第2話の就活に悩む女子大生だよね。
ネットで見ると、作者は同じ時期にこれらの話を書いたようで、あちらの話をこちらから見ればという趣向。
何という話でもなかった最初の巻だったが、この巻になって、三日月堂に近しいテイストを感じて、なかなか良くなってきた。
昔と違って、歳を取って、最近、仕事で気持ちの通わない人とやり取りするのが億劫になっているのだけど、『人とかかわるのに痛みはつきもの。心を閉じてしまえばどんどん鈍感になれる。まわりになにも働きかけない -
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劇的な大事件や涙を誘う過剰な演出はないけれど、読み終えたあとに自分の日常の景色がほんの少し違って見えるような、人生の隠れた側面に気づかせてくれる優しい連作短編集。
舞台となる「銀河ホテル」に立つ主人公たちは、みな人生の区切りの前に立ち、微かな引っかかりや虚無感を抱えている。
彼らが軽井沢での体験を通じて心の荷物をおろしていくプロセスが、3つの物語を通してグラデーションのように描かれている。
1. 『おとぎ話の庭 稲穂』
50代を迎え、子育てがひと段落した妹と定年を控えた姉が、亡くなった両親からの手紙を受け取りに銀河ホテルにやってくるお話。
身内だからこそ密かに抱いてしまう等身大の劣等感が、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学の創作ゼミで学んだ卒業生たちが、恩師であり人気小説家でもあった時任晶子の死をきっかけに再び集い、それぞれの人生と創作への思いに向き合っていく物語です。
物語は五人の卒業生たちの視点から描かれる五章構成となっており、同じ出来事であっても立場や価値観によって受け止め方が異なります。社会人としての悩みや仕事、人間関係、恋愛、将来への不安などが織り込まれ、登場人物たちの等身大の姿に共感する部分もあり、読み進めました。
作中には、読書や創作にまつわる会話、本を読む喜び、本によって支えられた経験が数多く描かれています。編集者、司書、出版関係者など、本を「書く人」だけでなく、「届ける人」「読む人」の姿に -
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軽井沢にあるイギリス式建築のホテル。
イングリッシュガーデンも併設されている。
蔵書室の隣には手紙室があり、1000種類ものインク瓶が並べられている。
その部屋でワークショップを開催するのは、ホテルの従業員であり居候でもある、40代のイケメン。
と、なんともファンタジーのような舞台立て。
人生に疲れたり絶望した人がワークショップで手紙を書くために自分を見つめ直すことで、様々なことを思い出したり新しい視点を見つけて徐々に前を向けるようになる、というお話。
読みながら、私は逆に、人生に殊更な意味を求めないほうがいいな、と思った。
とても素敵なお話だと思うし、このようなお話で勇気づけられる人もたくさ -
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シリーズ7作目
祖母の遺したノートから見付けた連句の会「ひとつばたご」が、今では大切な場所になった「一葉」の物語も三年が経った。
職を失い、何者でもないと悩みながらも人と出会い仕事を見付け、自分自身のことも見付けられたような
「一葉」にほっとしつつ、少しずつ調っていく人生に共感した。
終盤、いつも参加者の立場だった一葉が、捌きというまとめていく立場を経験して、連句のまた違った1面に出会う場面に、私まで世界が広がるような気持ちになった。
連句を言葉で紡いでいくことで繋がった人たちと
言葉よりも深い場所で繋がっている。
私にはゼロから何か言葉を紡ぐことは、出来ないのでせめてとこのシリーズはやっぱ