ほしおさなえのレビュー一覧

  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    今回のほしおさんは、器を繕う金継ぎ(というのだな。初めて知った)から始まるお話。
    夫亡き後に金継ぎをしながら暮らす祖母と、両親が離婚した後に母とともに祖母の家に越してきた高2の孫・真緒を中心にした物語は、おばあちゃんの人生の振返り+真緒の未来を模索する、それぞれの“深い旅”を中心にして、金継ぎ、とりわけ漆に関する蘊蓄を加えて、飛騨高山観光の見所を添えた作り。
    大きな起伏はなくても要所要所ではうまいこと締められる。君枝さん夫婦のカフェオレボウルを巡るエピソード、修次さんから渡されたかんざしに秘められたおばあちゃんの気持ち、修次さんの森を見てもう一度漆を掻こうと決めた谷口さんの思い、それぞれに老い

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    2025年02月02日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    連句というものをはじめて知りました。
    勤めていた書店の閉店により無職になってしまった一葉。亡き祖母の遺言から、通い始めることになる連句の会「ひとつばたご」での人との出会いや連句との出会いで広がっていく一葉の世界。
    心温まるお話でした。

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    2025年01月26日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    シリーズ2作目。連句会に通う一葉が会をきっかけに新たな職についたり、亡き祖母の一面を知ったりと少しずつ変わっていく。会員の旦那さんが亡くなった時の各々の心配りが温かく、しんみりとしつつもその会に心を揺さぶられる。人と人との繋がりが沁みる

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    2025年01月19日
  • まぼろしを織る

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    染織工房を営む叔母の家に居候をする槐と綸の話。ちょうど藍染体験をしてたから分かる、という共感が嬉しい。機織りしてみたくなる。そして明確な目標や誇れる何かがなくても生きていくことを肯定してくれる。機織りの音が聞こえるかのような空気感が伝わり好き。

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    2025年01月16日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    続き物の第5段。
    だんだんゆっくりと内容が薄くなってきたような気もするけど。
    文芸フリマや同人誌作りって面白そうだけど、なんだか登場人物たちは人生に余裕があっていいなぁと思っちゃうな。子育て中の私にはなんだか、時間の流れがちがっていいな、私もいつか俳句、連句ってやってみたい。

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    2025年01月03日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    八王子で着物のリユース鑑定をして暮らす琴子は着物の思いを見ることができる。雪代の祖母の銘仙の着物を預かる。雪代の祖母の過去に触れて「椿となでしこ」の交流と戦争によって引き裂かれた二人の思い。作中で語られる柿彦の先の大戦の日本に対して、戦争というものに対しての考えにハッとさせられた。琴子の両親は何者でなぜ善一夫婦に預けられ養子になったのか明かされていないのでシリーズ化するのかな。

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    2024年12月19日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    ネタバレ

    リユースの着物を扱うお店で査定をしている琴子は着物に宿る記憶が視える。そしてある銘仙の椿の着物と出会いその世界に引き込まれて夢を見る。戦前の少女の友の乙女の世界と戦争のもたらす悲劇、物にはいろいろな気持ちが詰まっている。

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    2024年12月07日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    着物に宿る記憶が視える。
    このことに固執した物語だなと思った。
    次から次へ着物の記憶を紐解きその物語を味わうという感じではなく、特異な体質を持ったことで生まれる生きにくさや持ったからこそ得られるものが琴子をどう動かすか、そういったことに重点が置かれている。
    着物が好きでそれにまつわる物語を読みたいという人には少し退屈かもしれない。

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    2024年12月01日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    ネタバレ

    シリーズ第四弾。

    連句会「ひとつばたご」での交流を通して、主人公・一葉の気付き、成長を描く連作六編が収録されております。

    一葉が働くブックカフェ〈あずきブックス〉で、イベント第二弾として、連句会メンバーでもある歌人の久子さんを招いて短歌のトークイベントを開催することに。
    その準備を進める一葉に、連句会で知り合った小説家・柚子さんから、「ひとつばたご」主宰の航人さんの過去に関わる人物についての相談が持ち掛けられて・・・。

    前巻の少女マンガのイベントに続いて、今回の短歌イベント企画も大好評!ということで、これってほしおさんの著作あるあるだと思うのですが、こういったイベント系の集客が上手くいき

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    2024年11月19日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    一葉さんの心の動きが全部文章になってるので臨場感がありますね。棗バターは2回目の登場ですが、よほどおすすめなのでしょうか。前羽田空港で売ってたと思うので今度買ってみます。

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    2024年11月17日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    ネタバレ

    【収録作品】
    序章
    アナホコリ
    オモイグサ
    ツヅリグサ
    ウリフネ
    ヒカリワタ

    ウツログサという植物の妖怪のようなものvs祓い師、というようなバトルもの……ではない。
    「アナホコリ」以下の各話は、ウツログサに憑かれた人たちの視点で語られる。笹目との出会いで自分に憑いているものの正体を知った「わたし」たちは、それぞれ異なる決断を下す。

    淡々とした語り口の、体温の低い物語。希望とも絶望ともちがう、ただ生きることが語られているように感じた。

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    2024年11月14日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    連句会の仲間の話で、実はシリーズ物でした(これはNo.5)。連句とは複数人で句を繋いで行くもののようですが、難しいルールが色々あり、言葉も独特で、前の句を受けているはずなのに唐突に感じる物もあり、かなりハードル高いなあと思いました。

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    2024年11月14日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    着物の記憶を見ることができる琴子さん。
    ずっしりと重い記憶をたどる夢だった。

    事実を変えることは出来ないけど
    寄り添って前に進むことはできる

    着物から聞こえる声に耳を傾けた
    不思議な思いの詰まったお話でした

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    2024年10月09日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    連句やってみたいけど、その前に毎回遠いところでも負担と感じずにお菓子を届けてる主人公すごい。

    私はなんでこんなに今時間に追われてるんだろうな、とひたすら思いつつ、連句かぁ〜いいなぁと思った。時間に追われるというより時間の捌き方だよね。

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    2024年09月30日
  • 言葉の園のお菓子番 森に行く夢

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    読み終わった。なんだか周りの人たちのキャラのこさがすごいけど…主人公はなんだか淡いピンクのような穏やかな人。

    漫画の世界についてもでていて、私も有名な漫画を一気読みしたいなぁと思う気持ちがあるんだけど、なかなか漫画読み放題なところってないなー。
    満喫みたいだけどおしゃれカフェみたいな所があればいいのに〜。

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    2024年09月29日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    読み終わった。緩やかだけど流れている物語。主人公がポップづくりからブックカフェ店員になった。おばあちゃんのお葬式から1年、前進しつつ四季を味わえるって素敵。

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    2024年09月28日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    ほしおさなえさんの作品は、物語もさることながら知的好奇心を掻き立てられるので、読んでいてとても楽しい。今回は着物。銘仙についてとても興味を持った。

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    2024年08月26日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    タイトルや装丁から、ほわっとした内容なのかと思っていたが、意外にもなかなか読みでのある本だった。

    今回は銘仙の着物の話し。
    銘仙の着物を母に見せてもらったことがある。
    正絹の着物と違い、大胆な色柄だったことは覚えているので、椿の着物をなんとなく想像することはできた。
    秩父の銘仙館等から、銘仙について詳しく知ることができ、懐かしい着物を思い出すこともできよかったと思う。

    琴子の考えは、少し難しい部分もあったが、もう少し琴子のことを知りたくなった。
    続編を待ってみようと思う。

    2024/08/20 21:31

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    2024年08月21日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    あなたは、『家の声』を聞いたことがありますか?

      (*˙ᵕ˙*)え?

    私たち人間は会話によってコミュニケーションをとる生き物です。会話は、文明を育み、今の世に続く人間社会の発展に欠かせないものでもあります。しかし、会話によってコミュニケーションを取るのは必ずしも人間だけではありません。近年の研究では、例えばイルカやクジラなどもいくつかの言葉を持っているとする説もあるようです。

    しかし、幾ら研究が進んでも会話をするのは生物だけであることは変わらないでしょう。机や椅子が会話をする、そんな話はホラーの世界でしかありません。では、私たちが暮らす『家』はどうでしょう。『家』に心があって会話する

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    2024年08月21日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    蟲師の世界。文庫オリジナル作品なので、シリーズ化するのかな?序章のわたしの話がないので、続くような気もする。メインが蟲師よりは宿主の人間たちに寄っているように思う。

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    2024年08月21日