ほしおさなえのレビュー一覧
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シリーズ3作目。
前作のラストで作成した大作「ウエスタン」がお披露目となり、たまたま街ブラの雑誌編集者が取材したことにより、自分の仕事が他の同級生に比べ、レベルが低いと感じていた彼が活版印刷と出会うことで、自分の仕事の価値を見直す「チケットと昆布巻き」。その雑誌をたまたま手に取った弓子の母の同級生の三日月堂への再訪から始まる、弓子の母の遺した短歌を綴ったカードを作ることになる「カナコの歌」そのカードを受け取った弓子の母の同級生の娘が目にすることで、夏休みのワークショップを受けることになる「庭のアルバム」
その「庭のアルバム」で作成したポストカードを展示会で出店したことにより、出会う盛岡の大きな -
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「菓子屋横丁月光荘」の2冊目。
どこかで読んだような話と思えば、三日月堂の最終巻に出てきた古書店・浮草の話じゃないか。
店番の安西さんは、同じ巻の第2話の就活に悩む女子大生だよね。
ネットで見ると、作者は同じ時期にこれらの話を書いたようで、あちらの話をこちらから見ればという趣向。
何という話でもなかった最初の巻だったが、この巻になって、三日月堂に近しいテイストを感じて、なかなか良くなってきた。
昔と違って、歳を取って、最近、仕事で気持ちの通わない人とやり取りするのが億劫になっているのだけど、『人とかかわるのに痛みはつきもの。心を閉じてしまえばどんどん鈍感になれる。まわりになにも働きかけない -
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シリーズ6作目
積読していたので、5作目から続けて読むことが出来た。
祖母を引き継いでお菓子を持って参加した連句会に足を運ぶのも2年以上の月日が経った主人公「一葉」。
他の会との交流を通して「大輔」さんと出会う。
坂道の写真が好きという共通点を持った大輔さんと一葉の父親が、写真を撮りに行ったり雑誌を出したりと
新たな動きを見せる場面には、娘を通して青春を再び動かし始め、1つの思い出の着地点を作った父親の姿が素敵だった。
一方で、連句会のメンバーや、他の会に参加する人たちと比べて、自分は何者なのか。何者にもなれない、何者かになろうともしてこなかったのではないかと悩む一葉には「それでいい。考え -
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第一話チケットと昆布巻
主人公の竹野がなかなかとして捻くれている。
自分の仕事に満足出来ていなくて、試行錯誤中なのだと思うけど…。
でも、弓子さんの活版印刷への姿勢を見て、自分自身の仕事への向き合い方を学んでいく。
古い物の良さって何なんだろう。
私自身もわかってないなあ。
第二話カナコの歌
弓子さんのお母さんのカナコさんの物語。
カナコさんは透明感、清潔感があるとても素敵な人だ。
突然の病気で戸惑いや恐怖、残される弓子さんのこと、たくさんの思いがあったことであろう。
そして、周りの友人にも、もちろん生活があるんだけど…
友人の裕美にはもう少しカナコに寄り添って欲しかったな