あらすじ
「すべてはあの町から始まったのよね」母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りになった少年は母の故郷を訪れる。手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。町は徐々に陥没がすすみ、一部が大きな湖に飲み込まれていた。湖底に残された"思い出の品"を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から"サカナ"と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。少年は母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。
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Posted by ブクログ
静かに語りかけてくるような素敵な作品でした。
とても良かったです。
水の底に沈んでしまった街という物語の舞台が魅力的。
登場人物達の抱える喪失感や苦悩といったものを映す鏡のようで。
一方で水の底からサルベージされるかつての住人達の思い出の数々が温かな光を感じさせる。
その対比の描かれ方が好きです。
美しく透明感のある描写が物語に彩りを加え、不思議な世界へと導いてくれる。
そしてバックアップワールドを描いた作中作がこれまた非常に魅力的でした。
こういった概念の作品も好きなので、それ単体で読んでみたいな、と。
Posted by ブクログ
水に沈んでしまった街。最初、現実くささを抑えてファンタジックな雰囲気を醸し出していていいと思った。
しかし都市伝説調査となり失速。
実はこうだったのです、という説明が多くて苦手。
ベタなボーイミーツガールものでよかったかなと。