ほしおさなえのレビュー一覧
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シリーズ完結編。
月光荘の管理人となった守人はイベントなどと忙しい日々を送っていた。
そんな中、月光荘のオーナーと恩師である木谷と一緒に蕎麦懐石のお店をやっている古民家を訪れる。
その店で出会った不思議な音が、不思議な縁を結んでいき、守人はある決意をすることになる。
同じく家の声が聞こえた喜代の死後、落ち込むこともあった守人だが、その喜代の家の声に背中を押され、強く生きることを決意する。
シリーズ序盤から、主人公の性格に芯がないことが気になったいたが、守人がやりたかったことは、このことだったんだ、と言うのが正直な感想。
少し拍子抜けのような、そんな感じ。
今作が終わったら、もう川越のみんなの様 -
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ネタバレ「紙屋ふじさき記念館」その6。
前作で現実世界のコロナ禍が物語を変化させ、本作ではコロナ禍中の一年が綴られる。
オンラインでのゼミや就職活動、最後の大学祭、卒論。
百花は無事に藤崎産業への就職を決め、ビルの建替えのため閉鎖された記念館は、より大規模な記念館として(ほしおさんお得意の)川越市で再開する運びとなる。もちろん百花は、そこの専任スタッフに迎えられる運びと、とことんとんとん拍子。
めでたしめでたし。
『結のアルバム』とは、水引細工を組み合わせた百花手作りの夫婦箱に、手製本で綴じ合わせた学生たちから恩師へのメッセージをおさめたもの。
一昔前なら色紙に寄せ書きなんてことをしたものだけれ -
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シリーズ第二弾。
亡き祖母・治子さんの縁で連句会「ひとつばたご」に通い始めた一葉を主人公にした、連作六編が収録されています。
前の巻でポップライターを始めた一葉ですが、今回はその関連で、連句会のメンバー・萌さんの手作り菓子のタグ作りを依頼されたり、やはり連句会の昔からのメンバー・久子さんの紹介で、ブックカフェ〈あずきブックス〉で働く事になったり(ポップライターと兼業)、さらに〈あずきブックス〉のお菓子を萌さんが担当することになったりと、ちょっと出来過ぎ展開な気もしますが、まるで言葉と言葉が繋がり合う“連句”のように、一葉の周りも人との出会いと繋がりによって広がりを見せていきます。
そして、 -
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★紙はむかしから強い力を宿すものだった。(p.266)
文具好き女子も増えているのでかなり受けそうな題材。/百花は紙グッズや豆本好きな手先の器用な大学生。/紙屋ふじさき記念館館長の一成は紙さえあれば満足という紙大好き人間だが商売っ気がなくぶっきらぼう。/紙こもの市で大量の紙を買った百花は出店していた紙屋ふじさきの紙で祖父母の家の障子と同じ麻の葉模様のグリーティングカードをつくりたくなった。/それをきっかけに対人関係の不器用な二人がコンビを組むことになった(百花が紙屋ふじさき記念館でアルバイトすることになった)。/かたくなな一成を百花が少しずつ解凍していく。
■紙屋ふじさき記念館についての簡単 -
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4つの駅を舞台とした、4つの心温まるストーリーが楽しめます。東京、神奈川、愛媛、京都の駅です。私はこの舞台となった駅のうち2つには行ったことがありますが、2つは駅名すら知りませんでした。
そんな私でも4つのストーリーは全て楽しむことができました。知っている駅では「そういえばそんな立地だったな」や「その気持ちわかる」といったような地元あるあるが楽しめましたし、知らない駅では未知の場所、でもそこにいけば確実にある場所の風景を想像して楽しめました。
感動的なストーリーやホッとする結末が中心です。悪く言えば大どんでん返しもない、特別な設定もない平凡なストーリーですが、私はこういったジャンルの -
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このシリーズ6冊目。今度も配偶者のほうが先に読み終えた。
コロナ禍で記念館の閉館イベントも中止になった前作から続き、全編を通じて蔓延が始まったばかりの頃の街や生活の様子が描かれる。
不要不急の外出自粛、オンラインでの会議や面接、リモートワーク、病院や介護施設での面会謝絶といった緊急事態宣言下での生活だが、それらには私たちが経験したことやニュースで取り上げられた以上のものはなく、あの時はそうだったよねというようには思いながらも、あまり面白みはなし。
ただ、『いまのこの社会が現実。こんなことになってなかったら、って思うのはやめよう。いまだからできることはあるんだから、悔いがないようにいそれをやり