ほしおさなえのレビュー一覧
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ネタバレ『紙屋ふじさき記念館』その2。
アルバイトとして記念館で働くことになった百花。一成の祖母・薫子から話を聞いたり、美濃和紙の里で紙漉きの工程を体験したりと、ますます和紙の奥深さに惹かれていく。
ある日、一成の従兄で現社長の息子、藤崎産業の後継者と目される浩介が顧客の彫金デザイナーを伴って記念館を訪れる。
一成への対抗心から、「和紙は過去のもの、記念館は不要」と公言してはばからない浩介の態度に、これまで面倒を避けるだけだった一成も、記念館を存続し、和紙の文化を継承しなくてはならないと宣言。
百花とともに、新しいパッケージデザインや書店とのコラボレーションに積極的に関わるようになり…
前作は、百花が「ちょっと作ってみた」作品がイケメン御曹司の目に留まり、トントン拍子に製品化されて、クラフト女子のシンデレラストーリーかい!という感じだったが、今作は“職人の手作業”の素晴らしさ、“伝統に新しさを加える”意味などをより丁寧に伝える物語で、一成にもはっきりとした意思が芽生えてきて面白かった。
美濃の町の描写はまるで観光案内のように、旅行に行きたくなる。
従兄の浩介はわかりやすく単純な憎まれ役だけれど、まぁ悪人ではないし、本業の藤崎産業にプラスになれば文句あるまい。
それより、一成の先輩で脱サラして書店を開いた綿貫さんがイイ。
こういう本屋さんがどうやったら生き残ることができるか。伝統文化の継承にも通じるところに活路が見出せるといいと思う。
そして、好みの問題かもしれないが、表紙イラストの色づかいがうるさくて軽薄。
白い和紙の浄らかな美しさを、繰り返し描写してるのに…
さらに余談になるが、3年前に閉店してしまった子供の本の専門店が、移転して復活したというニュースを見かけた。新しい店舗が末永く存続するには、心でエールを送るだけではなく、もっと足を運んでお買い物をしなくてはね。 -
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思い出のある物を手元に置いておくかどうか?
五木寛之氏は記憶を留めておくために必要だから処分しないそう
記憶の依り代としての価値があるから→断捨離反対派
でも
新しい物を取り入れるために
過去のものを代償にしなければいけないーそんな時もある
主人公の祖母の場合は今まで住んでいた家
簡単には手放す気持ちにはなれなくて寂しい気持ちになっていた
過去に亡くなった人も含め本当のところ前のものは取り戻せないから
自分もそう考えて前に進んでいくことを選択したい
“はじまったものはいつか終わる。けどそれは、はじまらなかったのとはちがうんだよね。終わったものも胸のなかでは生きてる。” -
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シリーズ第四弾。
活版印刷所「三日月堂」をめぐるシリーズも、この巻で本編完結との事で、一巻からの登場人物達が次々と登場するのも感慨深いですね。
登場当初は、運送会社でバイトをしていた弓子さんもすっかり三日月堂店主として板についてきた感じです。何より三日月堂という印刷所が、訪れる人達に気づきや癒しを与える場所になっていますよね。
この巻のハイライトは水上さんの本づくりの場面かと思うのですが、今まで三日月堂に関わってきた人達に加えて、水上さんの旧友の方々が一丸となって“活版印刷で本を作る”という、とんでもなく手間がかかることに取り組む様子に胸が熱くなりました。(でも楽しそう!)
このシリーズに出てくる人達は、皆真面目で良い人ばかり。誰より、弓子さんが自分より人の事を優先しがちな人でしたが、そんな弓子さんと同じ夢を持つ悠生さんが一緒になってくれて何よりです。
このシリーズには素敵な台詞が沢山ありましたが、本書の中にあった、“人は、はっきり説明できるような役割なんてなくても、生きていいんだよ・・”という台詞が個人的にいいなぁと思いました。
本編は完結ですが、番外編が出ているようなので、そちらも勿論読ませて頂く所存です。 -
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紙の博物館でアルバイトすることになった百花。愛想のない一成と一緒にいるのは気づまりだが、できることを一生懸命やっていく百花。看板を外に出すと、来館者が来るようになった。掃除をするうちに、たくさんの和紙を見て、ますます和紙にのめり込んでいく・・・。
出会う人が、お父さんの小説のファン率が高すぎてちょっと不自然に思ってしまったけど、その物語からもいろいろなものが生み出されていく。
百花があれこれ作ってみる、その手触りが伝わってくる。頭の中だけで考えたものではなく、実際に作ってみることで生まれる和紙のリアル。
百花が将来何を選択するかも気になるが、地図や立花ゼミの出現も、気になる。いとこがいる本社との絡みも後を引きそう。シリーズはまだ続くので、その後も楽しみ。 -
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ほしおさなえさんの、手仕事のシリーズ。今回は、和紙。
廃れていく和紙産業をなんとかしたいと願う、藤崎薫子が作った紙の博物館。そこで働く孫の一成は、和紙には殊の外思い入れを持っているが、何しろ愛想がないので接客には向いていない。定期的に開かれる「紙こもの展」でもブースは賑わう事がない。そこに紙小物の好きな百花が加わって・・・。
百花の発想を、形にしていく一成と、百花を支える大学のメンバーたち。和紙職人や、創作活動をする人たちの熱も伝わってきます。
手仕事というジャンルで描き続けるほしおさん、ご自身も活版印刷と和紙の紙小物を手掛けていらっしゃるようです。
好きなものを、形にする。それは文学でも同じなのかもしれません。 -
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不思議な能力をいつ使うだろうか
汀さんに備わっている不思議な能力をもし自分が持っていたら、
どの写真に対していつ使うのだろうか?
汀さんは物語りの最後に出てきたあの写真にいつ不思議な能力を使うのだろうか?
どちらとも幸せな景色が見える! -
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ほしおさんらしい、伝統工芸とそれにかかわる人々を温かく描いた小説。
今回は少女時代を飛騨高山で過ごした縁で金継ぎをする女性千絵と、キャリアウーマンの娘結子、そしてその娘の高校生真緒の三代を軸に展開する。
金継ぎの技はもちろん、漆の特性、春慶塗の特徴、そして最近の漆畑を守る人々のことまで、丁寧に描かれる。
夫の浮気を耐え忍び、金継ぎにのめり込んだ千絵の世代から、女性の生き方が移り変わっていくことも、一つのテーマのようだ。
ちょっと残念だったのは、語り手の個性がわかりにくいことか?
三世代の女性たちが、章ごとに語り手を務めるのだけれど、ぼんやり読むと語り手は誰なのかわからなくなってしまう。…私だけかもしれないが。
まあ、進路に真剣に悩み、工芸に興味を持つ真緒に、ギャル語で話してほしいとは思わないけれど。 -
購入済み
和紙の世界
シリーズ第3作目。今回も和紙に纏わるエピソードがたくさん盛り込まれ紙も言葉も強くて暖かい。百花の世界が広がっていく物語、この優しい人達の集まるほしおワールドは、やっぱり素敵です。