ほしおさなえのレビュー一覧

  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    『植物の妖怪とも称されるウツログサ。多くは無害だが人についたものは宿主の欲望を読んで成長することもある』

    生まれながらに隣に穴がついてまわっていた「アナホコリ」
    恋すると爪から芽が出て成長する「オモイグサ」
    文字が体に纏わりつき変化していく「ツヅリグサ」
    村人みなが瓢箪を背負っている「ウリフネ」
    空に浮かんでいる透明な綿菓子のような「ヒカリワタ」

    憑いている人、あるいは一部の人にしか見えないウツログサ。すっかり取り憑かれている人もいれば、そこにいるのが当たり前すぎて違和感を感じていない人も。
    皆、見えない人たちとの疎外感や違和感を感じつつも困り果てているという感じはない。

    だが様々なウツログサが見え、祓うことが出来るという年齢不詳の男・笹目と出会うことで決断の時が来る。
    笹目は決して祓うことを強制しない。
    本人が困っていないなら祓う必要はないという。

    長年寄り添ってきたウツログサとの別れを決断する人、ともに生きることを選ぶ人、ついに取り込まれた人、その結末は様々。
    妖怪と聞くと悪いイメージしかないが、中にはその存在に救われた人もいるし新たな一歩を踏み出そうとする人もいる。

    笹目の一歩も二歩も引いた立ち位置や、それぞれの物語が淡々と語られているところなど、なかなか新鮮なファンタジーだった。
    ほしおさんは「菓子屋横丁」シリーズしか読んだことがないが、こういう作品もあるのかという発見ができて良かった。

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    2025年02月08日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    シリーズもの。

    知っている土地が出てきて、嬉しくなりました。
    次巻も読みながら、人と言葉を紡いでいく「連句」の魅力に触れていきたいと思います。

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    2025年02月07日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    言葉の園のお菓子番シリーズの(ニ)
    カバー絵は歳時記を抱いて立つ一葉。彼女を優しく包むように咲く白い花はヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)です。
    花の名が連句会につけられた謎が明かされるニ巻目は、生と死について、人が生きて行く意味を考えさせられました。

    勤めていた書店が閉鎖して実家に戻り、亡くなった祖母、治子の代わりに連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉。約束事の多い連句は難しいけれど皆で巻く楽しさもわかる様になった。
    連句仲間の萌さんに「手作りマーケットに出す焼き菓子に付けるタグを考えて欲しい」と頼まれ、一葉は萌さんの句とお子さんの絵を入れた豆絵本を作る。蛍さんの妹の海月さんと出会い、祖母を知る歌人、川島久子さんからはブックカフェの書店員の仕事を紹介されて…と、連句を通して人と人が次々に繋がっていく面白さがありました。

    一巻で連句に興味を持ち、二巻では主人公の一葉と共にどんな句を付けたら良いだろうと考える楽しさも味わうことが出来ました。

    石垣りん『シジミ』を読んでみたい!
    銀座清月堂の 「おとし文」や、富山県高岡市の
    不破福寿堂「鹿の子餅」がとても美味しそう!
    あずきブックスの「果物の香りのお茶」も飲んでみたいなぁ。

    「初夏になると真っ白な花が咲いてすごくきれい。こんもり白い花がついて、雪が積もったみたいで・・」航人さんの前に並ぶいくつもの白い短冊がまるでヒトツバタゴのようで・・
    蒼子さんの亡き夫、茂明さんの最後の句をながめながら「ひとつばたごに会いに来てくれたのかもしれない」と思った一葉の優しさに心が癒されるようでした。

    「その人のぬくもりといる花の夜」蒼子

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    2025年02月02日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    シリーズ完結編。

    家の声が聴こえる…
    改めて一人ではないことを知れて良かったと思います。

    ゆっくるとしたペースで進んでいく物語で心地よかったです。

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    2025年01月31日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    今後シリーズ化しますから、よろしくねという
    名刺がわりの一冊かな。

    タイトルは比喩かと思いきや、
    本当にがっつり夢見てたのでちょっと驚き。

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    2025年01月30日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    連句をテーマにしたシリーズ第五冊。

    連句サークル「きりん座」との交流が深まっていく。
    きりん座メンバーが、一葉の勤めるブックカフェ、あずきブックスに遊びに来たり、ひとつばたごの蛍と一葉がきりん座の定例会に顔を出して連句を巻いたり。

    文芸マーケットの話が出てきた。
    コミケではなく、文芸同人誌のマーケットがあるということを初めて知った。
    ひとつばたごも、若いメンバーを中心に、作品集を出してみようという話にも発展する。

    一葉がきりん座の雑誌にエッセイを頼まれ、若いころの父の取った夕焼けだんだんの写真と組み合わせて掲載するのが評判となっていく。
    ほしおさんの作品を何シリーズか読んできたが、父親がこんなに前面に出てくるのは珍しい気がする。
    が、そういえば写真(現像するタイプの)を軸にした小説もほしお作品にはあったような…。
    この作者さん、いろいろな「趣味の世界」に精通しているなあ、と改めて思う。

    それから、なんとなく恋の雰囲気もただよってきたような?
    一葉が学生時代あこがれていた今井先輩のこと、そして急に関わりが頻繁になってきた、きりん座の大輔のこと。
    前の巻にも航人と廸子の話があったが、あれは恋というより破局の話だった。
    次の巻では、一葉の恋愛に結びついていくのかな?

    さて、俳句の話で、あっ、と思ったこともある。
    俳句は季題に「つける」という意識がある、という話だ。
    短歌や小説とは違い、自分の作り出す作品世界だけで完結しない文芸だということかと理解した。
    蕉風俳諧の特徴である「さび、しおり、細み、軽み」のうち、軽みを「日常生活の中に新しい美を見出だし、平淡にさらりと表現すること」とあったのも、なるほど、と思ったこと。
    (ちなみに、これは定例会での海月の質問への回答として出ているが、誰が話しているのか、ちょっとわかりにくいところがある。)

    まだこのシリーズ、お話は広がっていくのかな?
    次の巻を楽しみに待つことにしよう。

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    2025年01月25日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    目には見えぬが、まわりには「ウツログサ」と呼ばれる植物のような妖怪のようなものがいるという
    多くは害はないが、人の欲望を読んで成長することもある
    そんなウツログサを見ることができ、必要ならば祓うこともできるのが祓い師笹目という正体不明の男
    それぞれ違うウツログサの話が5篇載っているが、中でも「ウリフネ」は折口信夫の民俗学の本からの引用もあり印象深い話だった。


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    2025年01月02日
  • 菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿

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    シリーズもの。
    縁でつながっていく不思議さを感じました。

    思わぬところで意外と人はつながり導かれているのかもしれませんね。

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    2024年12月28日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    ネタバレ

    着物に宿る記憶を通して、琴子は戦時中の少女たちの思いを知る。同時に、戦争体験を語る口が重かった養母の思いを推し量る。

    当時恵まれていた少女たちの甘さが問題なのではない。彼女たちが抱いた志を広められず、守れない時代を造った人間たちが問題だ。

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    2024年12月12日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    祖母、母、孫とそれぞれの視点からの話があってそれがとても良かった。旅も実際しているけど、時間軸での旅もしているよう。
    ものづくりには温かさがあるなぁと改めて感じた物語だった。

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    2024年12月04日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    シリーズの番外編。

    シリーズが終わっても、こうやって他の登場人物からの物語を読むことができて、嬉しいです。

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    2024年12月01日
  • まぼろしを織る

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    草木染めと機織りのお話と思って読み始めたら なんだか志村ふくみさんの話に似ていると思っていたら やっぱりそうだった。

    少し前に体験した染めと織りの体験を思い出した。

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    2024年11月30日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    「ひとつばたご」のメンバーのあれこれ
    他の連句会との交流での出来事
    連句を巻きながら、いろいろな事を静かに考える
    自分の事、仲間の事、家族の事
    今のこと、過去の事、未来の事

    一葉が大輔さんの事を語るとき
    ビブリア古書堂の大輔さんを思い出した

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    2024年11月29日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    久しぶりの「言葉の園のお菓子番」
    静かに言葉を交わしながら想いが伝わり、自分の気持ちも見えてくる
    この句が好きと感じたり不思議に思ったり、読みながらふわふわと移ろっている

    静かなドキドキも良いものですね

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    2024年11月29日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    番外編。

    これまで気になっていた部分のストーリーが読めて嬉しかったです。
    どの話もじーんときました。

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    2024年11月27日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    シリーズもの。

    各々の思いが伝わって良かったです。
    やりたいことが一人だと無理と思っても、一緒にやる人がいれば、いつか叶えられるかもしれません。希望をもつことも大事だなと思いました。

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    2024年11月17日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    祖母が参加していた連句会に参加する一葉の話。連句というものを初めて知ったし、皆で仕上げていく面白さと奥深さ!分からない人と一緒にいて考える、という考えが素敵で取り入れていきたい。言葉を大切に紡いでいく連句って良いなぁ。

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    2024年11月14日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    シリーズもの。

    誰かを嫉妬したり、大事な人との思い出を再度紡ぎ直したり…

    活版を通して、今回も温かい気持ちになりました。

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    2024年11月06日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    ネタバレ

    着物に宿る記憶を視ることができる琴子。
    琴子が働くリユース着物店「本庄の蔵」の店長、柿彦。

    ほしおさなえさんが今まで書かれてきた主人公たちより少し上の世代のふたりが今作の中心。

    ふたりは姉弟のように育ったが、その実、関係性は叔母と甥である。
    琴子は本庄呉服店2代目店主の養女、柿彦は3代目店主の次男。
    一見複雑なようで、当人たちは全くそんなことはなく。お互い以外の家族との関係の方がよほど複雑で厄介だ。

    着物に宿る記憶は、幸せな記憶もあれば暗く重い記憶もある。
    戻ってこれないかもしれないと感じながらも視ずにはいられない琴子が危うく感じる。

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    2024年11月03日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    出会った人たちの悩みやわだかまりが活版を通して、一つずつ解きほぐさせてる過程にじーんとしました。

    丁寧なタッチがとても心地よかったです。

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    2024年11月01日