ほしおさなえのレビュー一覧

  • 菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿

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    シリーズ3作目。

    実は2作目はまだ入手していない。
    先にこちらを読んでしまった。
    が、全く問題なくお話に入っていける。
    波乱万丈なストーリーではないせいもあるけれど、最近の書き手のみなさんは、いい加減な読書行動にもやさしい気がする。

    読みながら、第一作の「歌う家」を思い出した。
    ああ、そういえば、守人くんの「家の声が聞こえる」というファンタジー設定に、やや抵抗感があったんだっけ、と。
    が、この巻には、同じような力を持つ老女、喜代さんが登場する。
    守人の同期、田辺の祖母だ。
    人生の終わりに近づいた彼女が、家に住んでいたいろいろなものが混ざって家の声になるのではないか、と守人に語る。
    そんな世

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    2022年05月01日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    金継ぎと漆工をめぐる、3世代の女性の物語。
    金継ぎに漠然とした興味があったので読んでみた。
    物語とは別に、金継ぎや特に漆に関して知らなかった知識を知ることができた。
    章によって語り手が異なるのも面白い。

    「飛騨春慶」が気になって検索してみた。素朴で日常に馴染みそうな漆器もあるんだな。
    漆器が樹木の骨(木材)と血(樹液である漆)から出来ていると書いてあって、すごい表現だと思った。生き物そのものなんだなと、これから漆器を見る目が変わりそう。それと同時に職人が減っていることは残念に思ったけど、自分もそういうものを大切にして購入していかないと、文化は守れないのだなと反省。

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    2022年04月28日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    シリーズ2作目。
    前作で亡くなった祖母の跡を継いで、連歌サークルのお菓子番になった一葉。
    書店を退職して、フリーのポップライターを続けるのかと思ったが、今作ではポップの話が出て来たのは1作目だけで、縁が巡り巡って、一葉は祖母と幼い頃に訪れた街の小さな書店が始めたブックカフェを手伝うことに。
    他の方のレビューにもあったが、書店こそ閉店になったが、その後の一葉の人生は悲観的でもなく、出会う人それぞれに導かれて、新たな一歩を進んでいく様子は上手く行きすぎな気がしないでもない。
    それでも、人と人との繋がり、過去と現在の繋がりなどが丁寧に描かれ、人はやはり人との縁の中で生かされていくのだなぁ、としみじみ

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    2022年04月27日
  • 紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱

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    東秩父村の和紙の里に行ったことがあるので、思い出しながら楽しく読み始めた。百花の成長を感じ、閉館からどのような進展がと思いきやのラスト。読者にも伝わる悔しさと不安。

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    2022年03月29日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    金継ぎの家、というタイトル通りです。
    一般的に金継ぎと呼ばれる、漆を使う繕い。
    個人で細々と金継ぎを請け負う、熟練の、80代の千絵の物語を中心に、千絵と二人で暮らす高校生の孫娘、真緒との交流、故郷の飛騨高山、漆の生産地と、静かながら、ドラマチックに物語は進みます。
    語り手も、千絵と真緒とで交代するのですが、プロローグとエピローグだけ、単身赴任中のバリバリホテルウーマンである娘の語りで、千絵や、真緒の輪郭がわかるのも面白いです。
    千絵は、繕うことに、愛も誇りも誠実さも持っているけれど、女性ならではの、柔軟さ、優しさ、気楽さも持っており、とても好感が持てます。
    金継ぎや漆に全く興味がないと、厳しい

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    2022年03月22日
  • 金継ぎの家 あたたかなしずくたち

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    ほしおさなえさんの物語は優しい気持ちになれる。読み進めていくうちに、日本の和の美しさを改めて見直したい気持ちにもさせてくれた。金継ぎは、金だけで継いでいるのではないということや、漆がどうやってできるかとかとても興味深かった。金沢へも行きたいし、飛騨春慶も実物をみてみたい。旅にでかけたくなった。

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    2022年03月16日
  • 菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿

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    地域の人たちとのつながりや、同級生達とのつながり。
    遠野くんが未来に向かって一歩進んだ感じ。
    彼がどんな道を選ぶのか楽しみ。

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    2022年03月15日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    家の声が聞こえる大学院生の守人。 川越の古民家で管理人としての暮らしをはじめる。 家の声はかつて暮らしていた人や建物の思いなのか。 誰かに見守られているように、暖かくなるお話。 同じ川越を舞台にした、活版印刷三日月堂のシリーズに出てきた喫茶店の名前が出てきて、繋がってるんだなと。

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    2022年03月07日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    キャラクター小説風の表紙を見ていると、主人公の百花と館長の一成の間のラブストーリーなのかと思ってしまうが、少なくとも今のところはそうではない。
    百花が、熱心さのあまり、一成に対抗意識さえ持ってしまうのが意外な展開。

    持ち前のセンスと器用さで、和紙の記念館のバイトの範囲を超えて活躍する女子大生、百花のお話の三冊目。
    割と若い読者を想定したシリーズのようだが、内容的にはもっと上の世代にも共感されそうな内容だ。

    今回は、百花が母とその妹(叔母)とともに、信州飯田の祖母の家へ帰省するところから始まる。
    母たちが育った田舎の家は、今は兄(主人公からは伯父)夫婦の家族が住んでいる。
    その家が老朽化して

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    2022年02月27日
  • 紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色

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    第4弾。
    百花も大学3年になり、新入生を迎える時期になる。
    そこへ百花を訪ねてやってきた天野さんという新一年生。
    彼女は、高校生の頃から三日月堂でアルバイトをしていた。
    それが縁で、新入生歓迎遠足を川越市にする。
    そして活版印刷の体験をすることとなる。

    とにかく、百花も行動的になり、もはや1年前とは比べ物にならないほど。

    いろいろなことに挑戦していく姿に応援したくなる。

    それに付随して、むっつりと愛想のなかった記念館の館長もワークショップの講師もするようになる。

    京都の染め工場の見学にも百花は付いて行き、今までにはない行動力なのである。

    和紙の魅力に引き寄せられて、今まで眠っていたパ

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    2022年02月18日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    第3弾。

    百花は、年末年始に母の実家である飯田市へ…。
    そこで祖母に水引きを教わる。

    水引きとは、熨斗で使っているもの、としか印象になく一般的な紅白、黒白、黄白くらいだと思っていたが、最近では、カラーも豊富に使っている熨斗もある。
    ただ小物を作るのは、かなり技術が必要だろう…と。
    もちろん誰かの手解きがいるわけで。

    1話から2話にかけては、水引きのワークショップを文字箱主催でやる〜そして、代理の講師で祖母が参加する。
    この話も心が温かくなるのは、若い人や祖母まで年齢など関係なく、和気藹々とする雰囲気だろう。

    水引きとは、「結ぶ」こと結び納めることから結納。
    そして、助け合いの心。

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    2022年02月17日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    第2弾。

    ① ふじさき記念館、館長一成の美濃市行きに同行して百花と友人の莉子は、紙漉きを体験する。

    美濃和紙の歴史、千三百年というのに驚き、紙の良さを伝えるだけでなく、和紙を使う文化や習慣自体も復活させなければならないと思う。

    和紙の中に秘められた可能性を探り、和紙を今の世の中にふさわしい形で生かすことが、必要だと感じた。

    かなり詳しく美濃和紙について書いてあるので、とても勉強になった。
    一度、美濃市へ足を運んでみたいと感じた。

    ② 彫金デザイナーの雫のパッケージのアイデアやディスプレーなど百花の意気込みが、ジンジンと伝わってくるので、応援したくなる場面が盛りだくさん。

    ここでは、

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    2022年02月16日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    シリーズ6作目。本編は4巻までで、5巻は過去のお話、6巻は未来のお話。

    この巻を読みながら、私は昔から、ハッピーエンドで終わった少女漫画の、その後を描いた番外編がすごく好きだったことを思い出しました。

    番外編自体は期待外れなこともあるけれど、幸せにやってるんだなぁと思えることに満足しちゃいます。

    番外編の5、6巻は、時間の幅が広く、弓子の人生を定点観測しているような感じで、番外編好きには嬉しい構成でした。

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    2022年02月02日
  • 活版印刷三日月堂 庭のアルバム

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    ネタバレ

    2022.1.23
    人との繋がりで動き出すものがある。
    心も日常も。
    自分の仕事柄、新たな人と出会うチャンスは少ないので羨ましく感じるが、その分今の人間関係を大切にしようと思わせてくれる本です。
    最後の叫んじゃう所は意外すぎて驚きました。
    が、弓子さんも一巻の頃とは違って自分を語れるようになったり成長してるんだな。

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    2022年01月23日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    百香は、叔母に誘われ「紙こもの市」へ行ってから紙の世界に魅了される。
    そこから自分で紙を使ってカードを作る。
    それがきっかけで、紙屋ふじさき記念館でバイトすることになる話。

    紙好き、文具好きにはたまらない。
    本屋にしろ文具店にしろ半日は潰せるのでわくわく感も半端ない。

    物語は、人見知りする女子大生の百香と無愛想で頑固で偏屈な紙屋ふじさき記念館の館長との距離感も気になるところ。
    いったい2人は上手く仕事していけるのだろうか…と気を揉みながらも楽しめる内容でもあり、和紙にも詳しくなれる。

    紙はむかしから強い力を宿すもの。
    文字は言葉を形にしたもの、目に見えない重さがある、文字をのせる紙にはそ

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    2022年01月22日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    シリーズ5作目、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。

    本編では描かれていなかった弓子の家族が登場して、温かい家族のもとで育ってきて良かったと思えました。

    このシリーズの主人公も、少し前に読んだ「ツバキ文具店」や「農ガール、農ライフ」の主人公もたまたまだけど天涯孤独の独身女性。

    ぬくぬく生きている私には、読んでいて心苦しくもなるけれどど、優しい文章や主人公の前向きな生き方には惹かれます。

    シリーズ最後の6冊目は、本編の未来の話のようなので、弓子が幸せになってほしい。

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    2022年01月12日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    基本はオムニバスだが、人物が複雑に絡み合っているので、復習が必要。
    3、4巻未購入(本屋に在庫なく)で飛ばしたせいもあるけど。

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    2021年11月22日
  • あの日、あの駅で。 駅小説アンソロジー

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    どの作品も、心が温まる作品でした。一緒に電車に乗ったり、バスに乗ったり。そして少しづつ変わっていく主人公達の心に寄り添って、自分も変わっていくようなそんな一冊でした。
    私のお勧めは「どこまでもブルー」かな?

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    2021年11月17日
  • 紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色

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    久しぶりに読んだけど自然な形であらすじが物語に組み込まれていて
    三日月堂の空気も自然に自分に戻ってくる
    今回はPC関連も手作り感覚で描写されてる(^。^)

    才能のある人 周りに与える影響はいろいろ
    人目のことばかり考えていると、どうしたって人間は小さくなる
    ありのままにふるまっている人間に魅力を感じる

    身の丈のあった豊かさーかわいらしさや好み
    高級じゃない
    なにかを感じるためには、時間をかけなくちゃいけない
    時間が節約されれば思いも減ってしまう
    手のかかったものを持つことで、豊かな気持ちになる
    そしてそこにある物語を知ることで、理解が深まったり惹かれたりする

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    2021年11月16日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    シリーズ完結編となっている第4巻。

    全編を通して、活版印刷、人の縁、そして死がテーマだったのかなと思います。

    あらすじに「涙が止まらない」と書いてあるので外出先に持って行かないようにしましたが、この巻では涙は出ませんでした。

    最後に今までの登場人物がたくさん出てきて、みんなが少しずつ繋がって何かをするというのが、読んでいて嬉しかったです。

    現実世界ではこんなにみんながいい人ではないし、簡単に繋がれないけれど、同じことに興味がある人とは通じ合えるものがあるのだと思います。

    番外編の2冊も楽しみ。

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    2021年11月12日