ほしおさなえのレビュー一覧
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連句を巻いてる皆さん、本当に楽しそうです。趣味を始めるなら、一人じゃなく、他の人と創るものがいいな、と思えるお話でした。とっても楽しく読みました。
この本には、色々な要素が盛り込まれています。素敵な方々、食べ物や雑貨たちが登場します。まるでスイーツ盛り合わせのセット?みたいな、いろんな視点で楽しめる作品でした。
主役は、なんといっても「連句」ですね。句を詠むだけだと思っていた「連句」が、座のチーム力で「森羅万象」を詠む、「様式」の世界だったとは、驚きました。
そして次が、すでに亡くなった方々、特に主人公の一葉(かずは)さんのおばあ様の治子さんが印象的でした。孫娘にも連句を勧めた治子さん、一緒に連句はできなかったのですが、プランBは成功です。連句には人を救う力があるんでしょうね、治子さんはその経験から、孫娘の幸せを願い、連句を勧められたんでしょう。
治子さん、「朝ドラ」だったら絶対にナレーション担当ですね。
最後は、自称お菓子番の治子さんが選んだ和菓子たち、ネットで写真を見ながら読みました。おいしそうです。
それから、パン屋さんの「パンとバイオリン」さんのパンたち。グルテンとか気にせず、おなかいっぱい食べたかったです。
一葉さんが、元気を取り戻してきて、心配していたお母さんも嬉しそうでした。続編では、さらに元気になって、パワーをもらえることを楽しみにしています。 -
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ずっと、村山早紀さんの小説だと思って読んでいました。
・・・村山さん、やたら死ぬことばかり云って、人生に否定的じゃん、
(同世代なのに止めてよ)
どうしたの作風を変えたの?と、変だ変だと思いながら、
ラストまで。
巻末の著者プロフィールで、
「あ、ほしおさんかぁ・・・」と納得した次第。
お粗末!
肝心の小説は・・・
村山さんなら(違うって!)★3、
ほしおさんなら★4かな~
限りなく3に近いけれどw
というのは・・・
二十代のアルバイト女性が
染織家の親戚の家で、人生に迷いながら
生きることを問い続ける・・・というお話。
わたしの年齢だと、どう読んでも、
「志村ふくみ」さんのエッセイで読んだような内容が多くて・・・
何より、人生に迷っている時期はとっくに過ぎたし、
生きることに疑問なんて抱いていられないんだよね、もはや。
必死なのw
若い人が<志村さんのような>世界にハッとして、
生きることに、ほんのちょっとだけでも前向きになる分には
良い作品なんじゃないかな。
昭和生まれのわたしには、もはやもうね~~ww -
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ネタバレ紙屋ふじさき記念館シリーズ7作品目で、この巻で完結です。
藤崎産業に入社した百花が、記念館準備室に配属になり、一緒に配属された同期入社メンバーと協力し、模索しながら新しい記念館の開設に向けて取り組んでいく過程が、ちょっと駆け足気味に描かれます。
新しい記念館は川越。元は呉服店だった店蔵を改装することになり、記念館のコンセプト、展示構成、内装などを、イチから組み立てていきます。
一成がトップにいるとはいえ、新卒新入社員達で、会社にとってそれなりの規模であろう新規プロジェクトに、これだけガッツリと、しかも割と自由にやらせてもらえれば楽しいだろうなぁ。その分プレッシャーもあるとは思うけど。
途中、物語ペーパーの題材となっていたお父さんの著書の復刊が決定したり、過去のシリーズ作品で登場した人たちや、旧記念館でプロデュースしてきたブランドが次々と登場(回想)してきたり、ちょっと総集編っぽく「まとめに入った」印象を受けました。
ラストも、新記念館のオープン記念式典が始まるところで終わっているので、個人的には、物語としての「余韻」や、「未来への展望」を感じさせるというよりは、少し物足りなさを感じる幕切れに感じました。もう少し続きが読みたかったなぁ。
ただ、シリーズ全体としては、とても好きな作品です。 -
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「言葉の園のお菓子番」の3冊目。
今回はいつものメンバーだけでなく歌人の久子さんが連れてきた作家先生の柚子さんや詩人の広田さんなどが彩りを添えて話が進む。
お菓子も色々な事情でいつもとは異なるお菓子が用意されるなど、3冊目になって目先も変えられて、お陰で今回もまた楽しく読めた。
シリーズを通して一葉の成長物語になっているのだが、連歌を巻いたりトークイベントで司会を任されたりの中で、他のメンバーの生き方にも後押しされて、徐々に心持ちが変わっていく様が好ましい。
同じ連衆が集まって同じ発句からはじめたとしても捌きによってはまったくちがう一巻になる、『正解のない分岐の連続』という連歌のあり様に、人生というものについても考えさせられる。『長く生きればやりなおし利く』なんて句もいいね。
詩人の広田さんの句がなかなか素敵。
緑陰やまだらになりて歩きをり
水滴となりあの人の胸に棲む
長編小説の公募の一次選考にも通らず落ち込む蛍さんの吹っ切れ方も良いな。一度つまずいて知る世界もあるよね。
花が舞うやぶれかぶれで生きている
久子さんの教え子という若い人もたくさん参加してきて今までとは違った感じの句が新鮮に感じられる一方、ベテランの酸いも甘いも噛み分けた句がまた身に沁みた。
山笑えども人のむずかし -
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『菓子屋横丁月光荘』シリーズが完結し、そちらを読み終わった。
その間、こちらのシリーズも買って手元にあったけれど、いったん封印。
話が混線しそうな気がしたから。
作中にもコロナ禍が起こる。
当時の自分などは、職も住むところの心配もなく、暢気なものだったと思っていたが、本書の記述を読んで、なかなかつらくなってきた。
あの頃感じていた不安を、おそらく自分は抑圧していたのだと思いいたった。
そう思うと、若い世代ほど影響が長く続いていくのでは、といまさらながら心配になる。
一時は、つらくてこの本を読むのをやめようかとも思った。
やめなかったのは、ほしお作品で、たぶん悪い結末はないと思われたから。
百花もめでたく藤崎産業の内定を得るし。
笹山ゼミの4年生全員が卒論を出せたし。
小冊子研究会の学校祭企画もだが、百花が夫婦箱を作るところは、わくわくした。
前巻の『春霞の小箱』を読んだとき、次で終わりかなあ、と感じたが、もう一冊出たようだ(ちなみに、それは昨日ゲットした)。
次巻では、ふじさき記念館の復活が描かれるようだ。
川越の呉服商の建物をリノベーションするらしい。
そして、すべての作品は川越に通ず、ということか。
主人公は百花というより、記念館の方だったのかも? -
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シリーズ第4弾。
亡くなった祖母が書き残したお菓子のメモをもとに、祖母の代わりにお菓子を届けるつもりでひとつばたごにやってきて、なぜか連句を巻くことになり、気づけばそれからもう二年通い続けている一葉。
連句とは…から始まり、読むたびに少しはわかり始めてきて、だけどシリーズ化するたびに一から学ぶことも多く、新たな発見もあり毎回違った感覚になる。
短歌すらまともに作れないのに連句だともっと敷居が高くて、だれかの句に付けるというのも、雰囲気を壊さないだろうか、とか不自然にならないだろうか、とか考えてしまう。
だが、さすがにこの物語を読んでいると楽しさも響き合ってるという感覚もあって、同じように参加者の一人となっているのが不思議である。
言葉が連れ立ってやってくる…ということ。
それこそが連句の醍醐味なんだろうなぁと感じた。
今回は、「おもいで糸巻き堂」で、航人さんの別れた奥さんが小説を書いていたことに触れていたが、自分もこの小説の中に惹き込まれていくようで…これがとても印象深く残った。
そこから続く「抜けない棘」も連句の大会のピリッとしたなかにもワクワク感やドキドキ感などが伝わってきて、そして静かに佇む2人…航人さんと森原さん(鹿島千草)の前へ進むであろう未来が見えたようでほっとした。
毎回のお菓子も楽しめるひとつだが、今回はちょっと変わった「棗バター」に興味を感じた。
ぜひ食べてみたいと思う。
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シリーズ完結編。
前作で藤崎産業に入社が決まった百花が、藤崎産業に入社して、新しい記念館をオープンするまでの2年が急ぎ足で描かれる。
正直、あと2作ぐらい分けて描いてもいいのでは?と思うところもあったけど、オープンまでにクリアしなければいけないタスクと、コロナが落ち着いて、徐々に取り戻していく日常と、百花の亡くなった父の本の再刊行と、いろいろな出来事が並行して描かれており、かなり読みごたえはあった。
コロナで会っていなかった一成も、創業家の一員として、かなり自覚が出て来て、1作目に比べて、百花以上に成長したなぁ、と感じた。
ここ最近作者のシリーズ作品が完結を迎えるものが続いているが、これまで各シリーズに登場した人物も勢ぞろい感もあり、ファンならば堪らない完結作となるだろう。
紙の話もすごく勉強になったし、時折出て来る飯田や美濃の情景ある描写も好きだったので、終わってしまうのはかなり寂しい。