ほしおさなえのレビュー一覧

  • 琴子は着物の夢を見る

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    着物の記憶が読める主人公の話。
    琴子の存在が儚すぎて、読んでるこっちも柿彦の気持ちと同化してしまいます。
    シリーズ化するようですが、話が進んでいったら白髪もどんどん増えちゃうし、毎回柿彦がハラハラしちゃうのでほんとほどほどに。
    戦争は何もかも奪い、雲の上だけがいい思いをするだけ。どんな理由があっても戦争だけは繰り返してはいけないですね。

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    2025年04月10日
  • ヘビイチゴ・サナトリウム

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    女子校で起こる不可解な連続飛び降り自殺の真相に近づいては離れる迷宮ミステリー。情報のオーバードーズと驚きの展開が五転六転しもう訳分からん!と頭を掻いたがそのおかげで一瞬の飽きも与えない闇にのめり込んでいた。難解ですがとても面白かったです!

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    2025年04月05日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    「いまや連句会は私の生活の一部」
    3回目の春を迎えた一葉は、連句の大会で知り合った「きりん座」のメンバーと交流を始める。
    城崎大輔に誘われ連句会を訪れた一葉。そこには大学時代憧れていた今井先輩に似た岸本久輝がいた。 恋の訪れを思わせるシリーズ(五)

    父親の夕焼けだんだんの話にじんわりさせられた。文芸同人誌を出すマーケットは知らなかったが、行ったらとても楽しそう!

    就活の悩みを抱えていた蛍さんの内定が決まり、個人の歌集を出したい、ひとつばたごの同人誌を作りたいと、連句の仲間たちにも新しい風が吹き始める。

    父親のモノクロ写真と大輔さんの写真を合わせた雑誌を出すことになるが、令和のJK、海月さ

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    2025年04月05日
  • 言葉の園のお菓子番~大切な場所

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    ネタバレ

    一葉の父と「きりん座」の大輔さんの坂の雑誌がついに完成…!
    一葉のお父さんの、青春への返り方がとてもいいな、と思う。生きていれば父も趣味を楽しんだのだろうな。

    「ひとつばたご」の連句は、並ぶ形で出てくるのは一部で、全体を並べて見てみたいと思った。

    前作あたりからひとつばたご以外との関わりがしっかりと出始めて、赤裸々ではないにしろ恋愛のもめごとが出てきたのが意外。
    そんな中で一葉はそういう気配がなくなぜかほっとした。

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    2025年04月03日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    めもめも
    例えば自分の嫌いなところ、見た目や性格も含めて
    そういうのひっくるめて今まで自分と一番長く
    付き合ってきたのは自分であり自分が一番よくわかっていて
    一周回ってかわいい…
    とはならんな
    んーなんだろう違うな

    自分でもほとほと嫌になる自分の性格の一部
    やめたほうがいいと思うけどなぜか手放したくなく大事に思うもの
    しんどいけど付き合っていきたいと思うもの
    かな?

    どことなくほの暗くて
    その暗さがリアル
    全部救われないってとこも

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    2025年03月18日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    ウツログサという、人には見ることの出来ない、草の妖怪のようなクサたち
    アナホコリ、オモイグサ、ツヅリグサ
    ウリフネ、ヒカリワタ

    それを祓えるという祓い師 笹目
    憑かれた人が笹目の近くにやってくる
    そんなクサに憑かれたらどう感じるのだろう、祓ってほしい??

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    2025年03月15日
  • 活版印刷三日月堂 小さな折り紙

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    活版印刷三日月堂の番外編。
    『空色の冊子』が"過去編”だとしたら、この『小さな折り紙』は本編の"その後”になる。"未来編”とも言えるか…。
    『庭の昼食』がとても良かった。
    本編のその背景にあたる本作。色んな方面から多角的に捉えることができるって、奥行きが広がる感覚になる。俯瞰するってこういうことなのかな?
    物事って人によって見方が違う。それだけではなく、見え方も変わる。
    自分からの見え方だけでなく、色んな人の見え方によって、大きく深く見えることもあるのかもしれない。
    サブタイトルにもなっている『小さな折り紙』
    弓子の子供の頃から、本編を経てのその後。
    園長の目を通

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    2025年03月14日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    このシリーズもいつの間にか完結していた。4,5,6巻をまとめて読む。
    終わってみると、このシリーズは川越という場所を主役にした壮大な群像劇だったな、と思う。活版印刷三日月堂も出てくるし、藤崎記念館の名は出てこないが、和紙の店も出てくる。(このシリーズも最後まで読んでいなかったので忘れてるが、そちらを読めばまたこれとリンクしているのかも)

    家の声が聞けるというファンタジーに関しては、今は、遠野守人の創作のモチーフだったのではと思える。守人は喜代さんも家の声が聞けるときいて、喜代さんとの確かな繋がりを覚えるが、それも創作へと繋がっていく。ファンタジーは、守人の心の中で深く意識されるが、現実の人間

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    2025年03月12日
  • 活版印刷三日月堂 海からの手紙

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    お話の内容は良かったのだけど、少し登場人物が増えて覚えるのが私には大変になってきました。
    まだまだシリーズは続くので楽しみですがこの後はどうなるのか、登場人物を忘れずに読み進めれるのかちょっと心配になりました。

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    2025年03月11日
  • まぼろしを織る

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    ほしおさんと言えば、柔らかい雰囲気で優しい作品のイメージ。
    本作はそんな印象とは少し違っていて、全体的に薄いモヤがかかっているような感じ。心の機微や「生きること」について描かれています。
    こんな作品も書かれるんだとちょっと驚きました。

    ずっと「生」と「死」を意識させられていた。
    「染織」という世界の奥の深さとその魅力を描きながら、無気力な槐と従兄弟の輪が「生きること」に向き合い、成長していく姿が描かれています。

    みんな何かが足りなくて、迷い、苦しくなりながらも今を生きている。
    彼女たちの抱えている闇や不安定さから目を離せなくなってしまいました。

    人生何があるかわからない。何が良いかなんて

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    2025年03月06日
  • 言葉の園のお菓子番 森に行く夢

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    言葉の園のお菓子番シリーズ(三)
    亡き祖母の縁で連句会「ひとつばたご」に通い始めた一葉。ポップを書きながらブックカフェに勤めて4ヶ月が経つ。

    一葉の勤めるあずきブックスで少女マンガイベントが提案される。連句会でも陽一さんの句「夏のおわりのト短調聴く」がとられ、マンガ談義に花が咲く。
    「大島弓子の描いた『夏のおわりのト短調』は叔母でなく、本当は母が壊れる話なのかも!」と語る小説家・上坂柚子さんは歌人の川島久子さんに連れられやって来た。
    「親も弱さを持つ小さな人間に過ぎず、世界も信用ならないものだと、見え方ががらりと変わる。それが思春期でしょう」航人さんの重みのある言葉に、このマンガを読んでみた

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    2025年03月04日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    ネタバレ

    コロナ禍で閉店セレモニーもできずに閉じてしまった記念館は、川越で新しくオープンすることになる。プロジェクトチームのメンバーとして様々なアイデアを出し合い準備していくのは、大変だけれど楽しそうだった。新しい記念館には紙漉きのコーナーも作るということで美濃で紙漉きの研修も受ける。最初はもちろん上手くいかないが、2日目には「自分が自分であることを忘れて、紙漉きの世界に溶けこんでいく感じ。」を得る。心が自由になる。ものづくりはやっぱり良いなぁと思った。オープンセレモニーの司会という大役を果たした百花は、最初に記念館のアルバイトをしていたオドオドして自信なさそうな大学生の頃と比べると、立派になったなぁと

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    2025年03月02日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    シリーズもの。

    本に出てくるお菓子がとても美味しそうで調べてみようと思います。
    静かに物語が進んでいくリズムがとても心地よかったです。

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    2025年02月20日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    『植物の妖怪とも称されるウツログサ。多くは無害だが人についたものは宿主の欲望を読んで成長することもある』

    生まれながらに隣に穴がついてまわっていた「アナホコリ」
    恋すると爪から芽が出て成長する「オモイグサ」
    文字が体に纏わりつき変化していく「ツヅリグサ」
    村人みなが瓢箪を背負っている「ウリフネ」
    空に浮かんでいる透明な綿菓子のような「ヒカリワタ」

    憑いている人、あるいは一部の人にしか見えないウツログサ。すっかり取り憑かれている人もいれば、そこにいるのが当たり前すぎて違和感を感じていない人も。
    皆、見えない人たちとの疎外感や違和感を感じつつも困り果てているという感じはない。

    だが様々なウツ

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    2025年02月08日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    シリーズもの。

    知っている土地が出てきて、嬉しくなりました。
    次巻も読みながら、人と言葉を紡いでいく「連句」の魅力に触れていきたいと思います。

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    2025年02月07日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    言葉の園のお菓子番シリーズの(ニ)
    カバー絵は歳時記を抱いて立つ一葉。彼女を優しく包むように咲く白い花はヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)です。
    花の名が連句会につけられた謎が明かされるニ巻目は、生と死について、人が生きて行く意味を考えさせられました。

    勤めていた書店が閉鎖して実家に戻り、亡くなった祖母、治子の代わりに連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉。約束事の多い連句は難しいけれど皆で巻く楽しさもわかる様になった。
    連句仲間の萌さんに「手作りマーケットに出す焼き菓子に付けるタグを考えて欲しい」と頼まれ、一葉は萌さんの句とお子さんの絵を入れた豆絵本を作る。蛍さんの妹の海月さんと出会い

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    2025年02月02日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    シリーズ完結編。

    家の声が聴こえる…
    改めて一人ではないことを知れて良かったと思います。

    ゆっくるとしたペースで進んでいく物語で心地よかったです。

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    2025年01月31日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    今後シリーズ化しますから、よろしくねという
    名刺がわりの一冊かな。

    タイトルは比喩かと思いきや、
    本当にがっつり夢見てたのでちょっと驚き。

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    2025年01月30日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    連句をテーマにしたシリーズ第五冊。

    連句サークル「きりん座」との交流が深まっていく。
    きりん座メンバーが、一葉の勤めるブックカフェ、あずきブックスに遊びに来たり、ひとつばたごの蛍と一葉がきりん座の定例会に顔を出して連句を巻いたり。

    文芸マーケットの話が出てきた。
    コミケではなく、文芸同人誌のマーケットがあるということを初めて知った。
    ひとつばたごも、若いメンバーを中心に、作品集を出してみようという話にも発展する。

    一葉がきりん座の雑誌にエッセイを頼まれ、若いころの父の取った夕焼けだんだんの写真と組み合わせて掲載するのが評判となっていく。
    ほしおさんの作品を何シリーズか読んできたが、父親が

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    2025年01月25日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    目には見えぬが、まわりには「ウツログサ」と呼ばれる植物のような妖怪のようなものがいるという
    多くは害はないが、人の欲望を読んで成長することもある
    そんなウツログサを見ることができ、必要ならば祓うこともできるのが祓い師笹目という正体不明の男
    それぞれ違うウツログサの話が5篇載っているが、中でも「ウリフネ」は折口信夫の民俗学の本からの引用もあり印象深い話だった。


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    2025年01月02日