ほしおさなえのレビュー一覧
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三日月堂のお話が、弓子さんの結婚で終わってしまうと思っていたら、待望のスピンオフが出ました。
これまで活版印刷に関わってきた人たちが、主役になり、脇役になり次々登場するのでファンにはたまりません。
それぞれの人生、人物たちがどこかで決心し、前へ向かっていこうとする姿が、作者に選ばれた言葉で表現されています。人生の機微というのかな。その辺りの表現が独特です。もう続編はないのかもしれないけれど(いえ、書いて欲しいですけど!)それぞれの今後をいろいろ想像してしまいました。
初版には限定で、活版印刷による1ページが付いています。この字体、見たことがある。ずっと昔、家にあった教科書で。活版印刷で作られ -
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ネタバレ弓子一人で始めた三日月堂も、今では大勢の人が集まる賑やかな場となった。
機械を動かす音に混じって聴こえる楽しそうな話し声や笑い声。
活版印刷に導かれた人が、また新たな人と繋がり輪を作り、素敵な縁を結んでいく。
活版印刷によって大切な思いが形となり、周囲の人にも伝わる幸せの連鎖に感動した。
静かなようで意外と頑固。
いつも相手のことを思い、寄り添い続ける。
そんな弓子と、弓子に魅了された三日月堂の仲間達のこれからに思いを馳せて。
三日月堂の新たな展開にも期待して。
これが取り敢えずの完結編。
けれど、これでさよならなんてあり得ない。
第5、第6弾で三日月堂の仲間達と再会する日を心待ちにしたい -
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ネタバレ今回は一つの"仕事"として、活版印刷について考えさせられた。
活版印刷で制作された物を、見たり貰ったりする分にはとてもお洒落で素敵な物、で済む。
けれど、これを自分の生業として見た時には…。
正直、手間暇かけた割には効率が悪い。
体力的に楽ではないし、収入も安定していない。
活版印刷機を修理できる職人も少なくなってきているし、活字屋も減っている。
「仕事をするうちに、まだまだ可能性がある、と感じるようになった。やりきった、と感じるまではやめられないですよ」
古くから伝わるものを守る、ということは単に保守的とは言い切れない。
それ自体が新たな挑戦とも受け止められる。
もっとい -
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ネタバレ大好きなシリーズ第2弾。
今回も優しさの連鎖が止まらない。
その優しさにふれる度にまたまた泣かされた。
パソコンで文章を打ち込んでいると、文字はパターン化されているので文章も簡単に作れる。
活版印刷を知れば知るほど、"文字"の無限の可能性と奥深さを思い知る。
壁一面にそびえる活字の棚。
想像を遥かに越えた圧倒的な量には声も出ない。
その莫大な量の活字を積み重ねて出来上がる言葉達。
何から何までが手作業。
作った人の手の温もり、紙の手触り、インクの香り。
印刷物を通してダイレクトに伝わる、その全てが柔らかく優しい。
「印刷物は言葉の仮の姿だと思うんです。『残す』というより -
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銀河ホテルを巡るオムニバスストーリー。
人生の前の向き方、みたいなのが軸なのかな。手紙を書くためのインクにもたくさんフォーカスされてて少し珍しくて買いたくなった。
第1話
P98の、おじいさまの言葉がとても良かったです。
『与えられるのを待つんじゃなくて、手で触って足で歩いて生きるんだ〜〜』
第2話で、主人公の心理描写に、どこかに行かなくても楽しいことは全部自分の中にある、つらいことは全部濾過されて楽しいことだけが残っている
といったようなことが書いてあって、先日高齢の祖母と久々に会って旅行したときとリンクして、美しい気持ちだなと思い、思わずホロリ。わたしもそんなふうに過去を振り返ったとき -
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活版印刷のこと自体、なーんにも知らないので、大丈夫かなあ?と少し不安になりながら手に取ったけど、とてもよかったです!
活版印刷の繊細さと、登場人物達の繊細な心のヒダがとてもよくマッチしていいい雰囲気です。
店主である弓子さんのミステリアスだけど、どこまでも人に優しい振る舞いに感激しました。
★世界は森
母子家庭の一人息子の進学という旅立ち。
母であるハルさんの喜びと寂しさ。
とても心に染み入りました。
★星たちの栞
多感で繊細な女子学生二人の心のやり取りに涙しました。
活版印刷について、自分でも少し調べました。
私の人生で、これから名刺やショップカードを作ることはないだろうけど、
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軽井沢にあるこじんまりとした老舗の銀河ホテル。
そこの経営者の息子の逸話から物語はスタートする。
ストーリーごとに語り手が入れ替わる連作短編のようだ。
銀河ホテルでは、トレッキングや手紙室などのアクティビティも用意され、そこが舞台になった展開も多い。
手紙室では、1000種類以上のインクボトルが並び、未来や過去や友人や故人など誰でも手紙を書けるというプログラムになっている。こんなプログラムがあるなら受けてみたいところだ。
登場人物たちは、何かに悩み、もやもやを抱えている。
けれどホテルで過ごすうちに、自分なりの解決を見つけ、自分の力で踏み出そうとする逞しい姿がとても印象的だった。
こう