ほしおさなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新作が出ると知ってから、読める日までをどれだけ楽しみにしていたことか!♡
前作の発売から1年以上経っての念願の新作!今回も読み始めから最後まで、作中の雰囲気がずっと優しくて温かくて、読み終えるのが本当に勿体ない、でもあっという間に読んじゃった(笑)
一葉の新たな挑戦としての捌き。こんなに早く捌きに挑戦するとは思わなかった( ⊙⊙)!!捌きは連句のいろんな知識や決まりが頭に入っていないと務まらないと思っていたけど、連句初挑戦の参加者たちに一葉が説明している様子を読みながら、こんなに連句のことを誰かに話せるまでに成長したんだなあと感動した(T_T)
読む度に、少しずつ穏やかに一葉が成長している様子が分かるから、それがこの作品の楽しみであり醍醐味のひとつだなあと思う︎✿
初めての挑戦であんなに捌きができたんだから、本番もきっと大丈夫!次回は拝めるのかな?まだ続くよね??楽しみ! -
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高山の春慶塗り。
高山に行きたくなる
親子孫三代で親のルーツをさぐる旅なんていい
母の春慶塗りのかんざしを元に孫である真緒が高山の漆の森を訪ねていく
最初に漆を見つけた人はどんな人なんだろう
漆のような伝統工芸を守ってきた人たちに感謝である
「苦しいとき、よくひとりであのかんざしを出してみてたんだ。漆の艶のうつくしさを見てると、いろんなことがどうでもよくなる。この世にはこんなにきれいなものがあるんだ、と思うと元気が出た」
母が心を保っていられたのは、漆の力なのかもしれない。母の子供時代が母の壊れそうな心をつなぎとめていた。P303
金継ぎも一度経験してみたい -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作でこれは微・日常ファンタジーくらいかな…?の認識だったけど、確実にこれはファンタジーだなと確信した気がした。
あと今回は少し重たいテーマというか、出会った人のエピソードと交錯するように主人公の過去と向き合うシーンが盛り込まれていて読んでいて少ししんどく感じることもあった。
でも過去の悲しかったり辛かったり寂しい感情を、現在の主人公自身やその周りを取り囲むものが包んで少しずつ和らげてくれるような、救いと言ってしまうと簡素だけどそういった癒しのような浄化のような感覚を受け取れる一冊だった。
今回ファンタジーだと確信した一つは、一方的に聞けるだけと思っていた家の声と会話が出来るという驚きの展開があったから。
えっ!話出来るんだ!!という主人公と同調した驚きを私も見せてしまった(笑)
更に驚きなのが限定的ではあるけど話が出来るそのモノは移動出来るっていう……
それは…その声は本当に家なのか…?
家は家として一つの物で、その中に入っている何かが会話出来るモノなのか……
もしかしてこの作品はミステリーでもあるの?(笑)
日本では昔から謂われている、物には全て八百万の神が宿っているていう話も考えられるのかな。
日本ならではのそういった考えだとか伝承とか大好きだし本当にそうなんだろうなって思うところが個人的にはあるから、よりこの作品が好きだなと感じた。
人も家も、別の物にもきっと命があって、長さは違えど終わりがあって、その中で出会いと別れがあって。
家の声が聞ける主人公はその橋渡し的な何かなのかな。
今回少しヒヤッとした場面があったから、今までは大丈夫だったけどとてつもなく悪いモノに出くわして飲み込まれたりしないんだろうか…っていうホラーな展開を想像してしまった。個人的にはこの作品はそういうのじゃないと良いなぁと思う。
今回ちょっとホラー要素もあって怖い場面あったからうっかり妄想してしまった(笑)
人には話せない家の声が聞けるという力を、話せるようになった月光荘と友だちになって共有できるって主人公には本当に嬉しいことだったんだろうな。
私もグッと込み上げてしまった。
主人公にもいつかこの声が聞こえなくなる日が来たり、所謂お別れのようなことがあったりするんだろうか…まだ寂しくてその辺は考えたくないな。
痛みや空いた穴は忘れなくても塞がらなくて辛くてしょうがなくても時間が過ぎて行けば少しずつきっと変わってくるから、今を少しでも大切に過ごさないとなぁ。
持っている物とか家とか大事に、大切に使って少しでも後悔のないようにしないと。
そんなことを感じて少し背筋の伸びるような一冊だった。
次回作も読めるのがとても楽しみです。 -
Posted by ブクログ
家の声を聞くことができる守人と、「声」を発する家たちが語る不思議な物語。
タイトルにある「菓子屋横丁」とは、埼玉県川越市で駄菓子や土産物を売る店が軒を連ねている、人気観光スポットです。
【家の声、家の記憶】
守人が聞く家「声」は、家自身の声もあるのですが、月光荘はそこに住んでいた人々の「思い」を記憶していて、どうやらそれを伝えたたがっているようなんです。
なぜ、守人には家の声が聞こえるのか。
今の守人は両親を亡くし、住んでいた家からも離され、厳格で傲慢な祖父に育てられました。そんな祖父も亡くなり、よるべのない身の上です。
そんな彼だから、家の「声」を聞き、寄り添うことができたのかもしれません。
特に最初の「歌う家」のお話は、物語の最後に歌の謎が明かされます。その描写が詩のようで美しいです。読んでいてぽおっと心が暖かくなる文章です。
月光荘の謎がとけた後も、守人は管理人として川越の古い家にまつわる出来事に関わるようになり、別の家にはまた違った形の家の思いが残っていて、それを聞くことになります。
これから守人はどんな家の声を聴くことになるのか、そこにはどんな物語があるのでしょう。 -
Posted by ブクログ
シリーズも5作目。
それなのに、まだまだ可能性があったのか!と思い知らされ楽しめました。
このシリーズのキーパーソンは苅部さんだと思っていますが、苅部さん一強ではないところが強みなのかも、と思えました。
創業者一族の話は、シリーズ1作目の1話目で息子さんのことを描き、中心的に触れることはもうないのかなと思ったら、5作目の1話目でお父さんの大学時代の友人が出てくるという。
不思議な魅力を持った上原裕作さんの、友人とのやりとりを通して心持ちや人生観が変わる様が美しく、涙がこみ上げました。
その張本人がすぐに思い出せない程の何気ない一言が、裕作さんの選択を後押しし、上原一族に未来も変えた。
人の死をすぐに受け入れられなくても良くて、それを前向きに思える人もいるというのがなんだか、良かったです。
世間一般のマナーで言えば、お葬式には出た方が良いしお墓参りも行った方がいい。。
でも、人それぞれ心の整理の速度は違うし、タイミングがある。
人のペースを尊重する空気が心地良いです。
2話目は、思春期ならではの悩みがもどかしく愛おしく。
身近な家族の一言が煩わしく感じることもあるけれど、大体少し先の人生をゆく先輩の一言は、よくよく聴いてみれば思いやってのことだったり自分の独り相撲で被害妄想していたりなので、一歩勇気を出して自分の弱みを見せた方がうまく行く気がする。
手紙の宛先が可愛い。こういう発想ができるのが若さゆえという感じもして眩しい。
3話目を読んで、銀河ホテルに行きたい気持ちがより強まった。
これまでも読みながら、こんなホテルがあればなぁ〜と思っていたのが、ホテルでの謎解きの設定がとても細かくリアリティがあるので、銀河ホテルの解像度が高まったことでホテル行きたい!謎解きイベント参加したい!と思えた。
安定した面白さと、刊行頻度もマメで、すごいです。