ほしおさなえのレビュー一覧
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連句会に参加する様になって3年、なぜこの場所が好きなのか分かってきた。初心者にも参加してもらいたいとオンライン連句会を企画する。初心者にもわかりやすいようにとマニュアルを作ったら、読み返す事ができるようになって理解が深まったと感じる。オンライン連句会をSNSで告知したり、文芸マーケットに参加したり、若い人たちにも広めたいと若い人が捌きをしたらどうかと言われて初めて捌きに挑戦する。捌きは全てわかっている人がやるものと思っていたが挑戦してみたらとても楽しかった。
年齢も仕事もまちまちで街ですれ違うだけの人だったはずなのに連句会という場で自分の日常を読みその句に他の人の句が付くとわかってもらえたようで楽しいと感じる。新しい発見があった。 -
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古い町並みが残る街・川越の小さな活版印刷所、三日月堂。
『活版印刷 三日月堂』は、店主の弓子さんが活版印刷を通じて、お客さんたち思いを汲んで、文字を組む物語です。
初版には実際に活版印刷で刷られた1ページが追加されています。
自分の名前入りのレターセットが、活版印刷で刻まれるなんて、すてきですね。私も欲しくなりました。
作中でも語られていますが、活版印刷のレトロで不便なところが、デジタル世代の若い人たちに受けているそうです。
けれど、不器用さをほめられるのは、職人たちとっては複雑な気持ちなのだとか。
かといって、古いものがすべて良いわけではなくて、弓子さんはそんな現代の活版印刷の活かし方を探しているように思えます。 -
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紙の魅力に満ち溢れた1冊。
百花は、手作りの紙小物を作ったことをきっかけに、和紙を取り扱う記念館でアルバイトをすることに。ここには不愛想でそっけない若い館長しかおらず、そりが合わないところから始まる。
現代はデジタルが主になる時代。それでも紙は廃れることなく私たちの日常にあふれている。それは、やはり紙の持つ魔力があるからだと思う。本作では、その魔力について多く描かれている。紙に書かれた文字には力があり、形を変えて小物になっても私たちを楽しませてくれる。私自身も電子書籍よりは、ページをめくる楽しみ、文字を目で追う楽しみ、厚みを見てどれくらい読んだか見る楽しみ。そんなところから紙の書籍を好んでいる。
紙にはたくさんの魅力が満ち溢れている。形を変えても私たちのそばにそのぬくもりをまとって寄り添ってくれる。それを感じさせる1冊だった。 -
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新作が出ると知ってから、読める日までをどれだけ楽しみにしていたことか!♡
前作の発売から1年以上経っての念願の新作!今回も読み始めから最後まで、作中の雰囲気がずっと優しくて温かくて、読み終えるのが本当に勿体ない、でもあっという間に読んじゃった(笑)
一葉の新たな挑戦としての捌き。こんなに早く捌きに挑戦するとは思わなかった( ⊙⊙)!!捌きは連句のいろんな知識や決まりが頭に入っていないと務まらないと思っていたけど、連句初挑戦の参加者たちに一葉が説明している様子を読みながら、こんなに連句のことを誰かに話せるまでに成長したんだなあと感動した(T_T)
読む度に、少しずつ穏やかに一葉が成長している様子が分かるから、それがこの作品の楽しみであり醍醐味のひとつだなあと思う︎✿
初めての挑戦であんなに捌きができたんだから、本番もきっと大丈夫!次回は拝めるのかな?まだ続くよね??楽しみ! -
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高山の春慶塗り。
高山に行きたくなる
親子孫三代で親のルーツをさぐる旅なんていい
母の春慶塗りのかんざしを元に孫である真緒が高山の漆の森を訪ねていく
最初に漆を見つけた人はどんな人なんだろう
漆のような伝統工芸を守ってきた人たちに感謝である
「苦しいとき、よくひとりであのかんざしを出してみてたんだ。漆の艶のうつくしさを見てると、いろんなことがどうでもよくなる。この世にはこんなにきれいなものがあるんだ、と思うと元気が出た」
母が心を保っていられたのは、漆の力なのかもしれない。母の子供時代が母の壊れそうな心をつなぎとめていた。P303
金継ぎも一度経験してみたい -
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ネタバレ前作でこれは微・日常ファンタジーくらいかな…?の認識だったけど、確実にこれはファンタジーだなと確信した気がした。
あと今回は少し重たいテーマというか、出会った人のエピソードと交錯するように主人公の過去と向き合うシーンが盛り込まれていて読んでいて少ししんどく感じることもあった。
でも過去の悲しかったり辛かったり寂しい感情を、現在の主人公自身やその周りを取り囲むものが包んで少しずつ和らげてくれるような、救いと言ってしまうと簡素だけどそういった癒しのような浄化のような感覚を受け取れる一冊だった。
今回ファンタジーだと確信した一つは、一方的に聞けるだけと思っていた家の声と会話が出来るという驚きの展開があったから。
えっ!話出来るんだ!!という主人公と同調した驚きを私も見せてしまった(笑)
更に驚きなのが限定的ではあるけど話が出来るそのモノは移動出来るっていう……
それは…その声は本当に家なのか…?
家は家として一つの物で、その中に入っている何かが会話出来るモノなのか……
もしかしてこの作品はミステリーでもあるの?(笑)
日本では昔から謂われている、物には全て八百万の神が宿っているていう話も考えられるのかな。
日本ならではのそういった考えだとか伝承とか大好きだし本当にそうなんだろうなって思うところが個人的にはあるから、よりこの作品が好きだなと感じた。
人も家も、別の物にもきっと命があって、長さは違えど終わりがあって、その中で出会いと別れがあって。
家の声が聞ける主人公はその橋渡し的な何かなのかな。
今回少しヒヤッとした場面があったから、今までは大丈夫だったけどとてつもなく悪いモノに出くわして飲み込まれたりしないんだろうか…っていうホラーな展開を想像してしまった。個人的にはこの作品はそういうのじゃないと良いなぁと思う。
今回ちょっとホラー要素もあって怖い場面あったからうっかり妄想してしまった(笑)
人には話せない家の声が聞けるという力を、話せるようになった月光荘と友だちになって共有できるって主人公には本当に嬉しいことだったんだろうな。
私もグッと込み上げてしまった。
主人公にもいつかこの声が聞こえなくなる日が来たり、所謂お別れのようなことがあったりするんだろうか…まだ寂しくてその辺は考えたくないな。
痛みや空いた穴は忘れなくても塞がらなくて辛くてしょうがなくても時間が過ぎて行けば少しずつきっと変わってくるから、今を少しでも大切に過ごさないとなぁ。
持っている物とか家とか大事に、大切に使って少しでも後悔のないようにしないと。
そんなことを感じて少し背筋の伸びるような一冊だった。
次回作も読めるのがとても楽しみです。