ほしおさなえのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ますます面白い!
妻を亡くした大学の先生、SNSの炎上に落ち込むOLさん、そしていよいよ苅部さんの素性が少しだけわかって来る「軽井沢黄金伝説」
ところどころに「深~い」と思える記述がちりばめられていて、面白い!だけでは無い感慨をじっくり味わっている。
すでにこの世にはいない妻との対話をこんな形で出来ることの素晴らしさ。
写真を撮ってSNSにアップしてフォロワー増やすこと、でも本当に自分がやりたいこと、好きなことって?それらに気づかせてくれる苅部さん、すごすぎ。
そしでフロントの三枝さんのいろいろな思い。自分のこと子供たちのこと、夫のこと。
とりわけ夫が語る、物事のとらえ方考え方対処法の違いには -
Posted by ブクログ
ネタバレ銀河ホテルシリーズは心が温かくなる物語。
今回は3つ目の大学教授の話がとても良かった。
時代が変わって今の学生にはもう合わないのではないかと思いながらも続けてきたゼミ合宿も今回が最後。
寂しさを感じならがも毎年恒例になっている手紙を手紙室で学生のことを想いながら書く教授。
学生に手紙を渡した後、実は学生たちも教授宛に手紙を書いていたことがわかったところ、ここは胸がとっても熱くなった。
学生たちも教授のイメージのインクを選んでいたが、それがそれぞれ全く違っていたところがとても良かった。
定年を迎える、そのような年齢になると自分がやってきたことは良かったのだろうかなど過去を振り返ることがあると思う -
Posted by ブクログ
第1弾を読んでどっぷり嵌ってしまったお菓子番の世界。第2弾となる今作は、大切な誰かが亡くなった時の喪失感ややるせなさ、無気力状態。そういった心の状態により焦点が当てられていたように思う。
生きていればどこかで人の生死に触れる瞬間は訪れる。自分のこれからの人生において、人の死に向き合う機会が増えることを考えた時に、果たして自分が向き合うことができるか、現実問題のひとつとして、恐ろしく感じていた。
けれども、喪失感は自分や周りがどうこうできるものではない。真っ暗闇と悲しみに覆われた感情それぞれがとても繊細に描かれていて、ひとつばたごの人たちが発する言葉が本当に優しい。言葉に掬われ、救われる。そんな