ほしおさなえのレビュー一覧

  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    家の声を聞くことができる守人と、「声」を発する家たちが語る不思議な物語。

    タイトルにある「菓子屋横丁」とは、埼玉県川越市で駄菓子や土産物を売る店が軒を連ねている、人気観光スポットです。

    【家の声、家の記憶】
    守人が聞く家「声」は、家自身の声もあるのですが、月光荘はそこに住んでいた人々の「思い」を記憶していて、どうやらそれを伝えたたがっているようなんです。

    なぜ、守人には家の声が聞こえるのか。

    今の守人は両親を亡くし、住んでいた家からも離され、厳格で傲慢な祖父に育てられました。そんな祖父も亡くなり、よるべのない身の上です。

    そんな彼だから、家の「声」を聞き、寄り添うことができたのかもしれません。

    特に最初の「歌う家」のお話は、物語の最後に歌の謎が明かされます。その描写が詩のようで美しいです。読んでいてぽおっと心が暖かくなる文章です。

    月光荘の謎がとけた後も、守人は管理人として川越の古い家にまつわる出来事に関わるようになり、別の家にはまた違った形の家の思いが残っていて、それを聞くことになります。

    これから守人はどんな家の声を聴くことになるのか、そこにはどんな物語があるのでしょう。

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    2026年07月22日
  • 銀河ホテルの居候 あのときの夕日を胸に

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    ​シリーズも5作目。
    それなのに、まだまだ可能性があったのか!と思い知らされ楽しめました。

    このシリーズのキーパーソンは苅部さんだと思っていますが、苅部さん一強ではないところが強みなのかも、と思えました。
    創業者一族の話は、シリーズ1作目の1話目で息子さんのことを描き、中心的に触れることはもうないのかなと思ったら、5作目の1話目でお父さんの大学時代の友人が出てくるという。
    不思議な魅力を持った上原裕作さんの、友人とのやりとりを通して心持ちや人生観が変わる様が美しく、涙がこみ上げました。
    その張本人がすぐに思い出せない程の何気ない一言が、裕作さんの選択を後押しし、上原一族に未来も変えた。
    人の死をすぐに受け入れられなくても良くて、それを前向きに思える人もいるというのがなんだか、良かったです。
    世間一般のマナーで言えば、お葬式には出た方が良いしお墓参りも行った方がいい。。
    でも、人それぞれ心の整理の速度は違うし、タイミングがある。
    人のペースを尊重する空気が心地良いです。

    2話目は、思春期ならではの悩みがもどかしく愛おしく。
    身近な家族の一言が煩わしく感じることもあるけれど、大体少し先の人生をゆく先輩の一言は、よくよく聴いてみれば思いやってのことだったり自分の独り相撲で被害妄想していたりなので、一歩勇気を出して自分の弱みを見せた方がうまく行く気がする。
    手紙の宛先が可愛い。こういう発想ができるのが若さゆえという感じもして眩しい。

    3話目を読んで、銀河ホテルに行きたい気持ちがより強まった。
    これまでも読みながら、こんなホテルがあればなぁ〜と思っていたのが、ホテルでの謎解きの設定がとても細かくリアリティがあるので、銀河ホテルの解像度が高まったことでホテル行きたい!謎解きイベント参加したい!と思えた。

    安定した面白さと、刊行頻度もマメで、すごいです。

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    2026年07月21日
  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    .思いがけない人生を今現実に生きている私、
    苦しさ、つらさに負けてしまいそうな時もある。それでも自分らしく生きればいいと思わせてくれた小説だった。

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    2026年07月18日
  • 銀河ホテルの居候 光り続ける灯台のように

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    三つ目の話で苅部が言った、

    「好きに生きろ。なんでも自分で決めるんだ。途中で違うと思ったら別の道に行ってもいい。何を選んでも人のせいにしないこと。」

    という言葉が、今の自分には特に胸に響いた。

    ちょうど最近、自分自身も同じようなことを考えていたからだ。

    自分で選び、その結果も受け止める。言葉にするのは簡単だけれど、実際に生きる上ではとても難しい。それでも、この姿勢こそが大切なんだと改めて感じた。

    いつか息子が人生の分岐点で悩む日が来たら、一緒にこの話を読み返したい。そう思える、大切な一編だった。

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    2026年07月15日
  • 銀河ホテルの居候 また虹がかかる日に

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    一晩で読み終わりました。
    そのくらい読みやすくて、イメージしやすいお話でした。文房具好きなのもあり、とても楽しく読めました。
    冒頭の感じから重たい話になるのかなと思いましたが、読み終わった後は、心が軽くなる感じがします。
    私も誰かに手紙を書きたくなりました。まずは自分宛に書いてみようかなと思います。

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    2026年07月06日
  • ある小説家の死からはじまる物語

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    大学の先生が亡くなり、ゼミ生が再会。先生の最後の著書に疑惑が?本に深く関わる登場人物はこの疑惑をどうするのか?

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    2026年07月05日
  • 銀河ホテルの居候 満天の星を見あげて

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    今回も良かった。

    特に第3話。
    ひとそれぞれ読んでて思うことは違うけど、私は出会いや別れをたくさん経験しているからこそ響くものがあった。
    家族は、本当に大事

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    2026年06月25日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    このシリーズ3巻目。和紙の博物館のような紙屋ふじさき記念館が舞台。学生アルバイトとして働いている百花は、記念館のお客さんを案内したり、和紙に関わる商品開発や展示についてアイディアを出したりしている。今回は、水引きとガラスペンやカラーインクが取り上げられていた。商品化の過程で、百花が楽しそうに考え、それが形になっていくのが、とてもワクワクする。

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    2026年06月24日
  • 銀河ホテルの居候 満天の星を見あげて

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    4巻。千ものインクが並ぶ手紙室を訪れる人の話。1.学生の頃一緒にバンドを組んでたボーカルが復帰ライブを軽井沢でやるというので元ギターとピアノの二人で聞きに行く。2.ホテルの料理長は毎年息子の誕生日が近づくと手紙室の予約をいれる。8歳から始めて今年は20歳になるのだが1度も手紙を渡したことはない。3.結婚式の相談をする予定だったのに彼からキャンセルと言われその後白紙にしたいと告げられる。彼のお母さんが交通事故に遭い意識が戻らないので結婚の話どころでは無いという。彼のお母さんは銀河ホテルにまた行きたいと言っていた。3話共1人の人の流れる時間が長く気持ちの変化に注目した話になっている。特に1.のお互い相手の気持ちを誤解していたのが解けていくシーンは良かった。

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    2026年06月23日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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     「活版印刷三日月堂」シリーズの番外編。
    扉には、活版印刷で印刷されたページがあり思わぬ特典に感激!
     弓子さんのおじいちゃんおばあちゃんや父母がどんな暮らしをして、どんな風に三日月堂に携わっていたかが描かれていて、
    本編の過去編といった感じでとても興味深く読むことができた。
     また、弓子さんと交流のあった人物たちのそれぞれの人生にも焦点を当てている。
     これを読んでから、本編を再読したら、より一層三日月堂への想いが深まりそうだ。

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    2026年06月08日
  • 銀河ホテルの居候 落葉松の森を歩いて

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    3巻。銀河ホテルの手紙室が舞台。手紙のワークショップを申し込んだものの書く相手や内容が決まっていない人も多いという。千色ものインク瓶が並ぶ手紙室でインクを選び試し書きをしているうちに書きたい事が決まるようだ。そこにはスタッフの苅部さんの力が大きい、手紙室の説明をして迷っている時には声掛けをしてくれるのだが合槌を打ってもらうと不思議と気持ちが決まる。1.両親からの手紙を受け取りに来た姉妹2.書写をする事にした女性スタッフ3.定年を迎える大学の先生

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    2026年06月08日
  • 言葉の園のお菓子番~大切な場所

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    連句の大会で知り合ったきりん座の大輔さんは坂道の写真を撮るのが趣味だ。一葉の父も坂道の写真が趣味で以前はよく写真を撮っていたと話した所、昔と今の同じ場所の写真を並べた雑誌を作りたいと言い大輔さんと父と三人で写真を撮りに行く。
    連句は部屋に集まってその仲間だけで行われる会だが、連句の大会から文芸マーケットや朗読会と活動が広がって来た。

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    2026年06月06日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    シリーズ2作目。紙屋ふじさき記念館でアルバイトをする百花が考える和紙を使った様々な企画や商品は、素敵だった。プロではないけれど和紙が好きという思いからの発想が、館長の一成が商品として企画し作品に仕上げていく過程がとても面白かった。

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    2026年05月31日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    叔母に誘われて「紙こもの市」に行った百花は、紙の魅力に惹かれ、購入してきた和紙を使って祖母の家の障子をモチーフにしたカードやしおりを作る。それをきっかけに、叔母に頼まれて紙屋ふじさき記念館でバイトをすることになる。館長の一成は無愛想でそっけなく百花は気が進まない。しかし、一成の紙に対する造詣は深く、和紙に対する情熱も持ち合わせている。百花が来たことで記念館や一成に少しずつ変化が見え始める。
    文具好きにとっては紙や小物作りの描写はワクワクして堪らない。シリーズ物だと知って、さらにワクワクしている。

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    2026年05月30日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    終わってしまった。

    少しずつ、大切に読み、
    何度も涙した。

    生きること、人と繋がること、
    事をなそうと動き出すこと。
    その大切さを、喜びを、しみじみと
    感じられるいい作品だった。

    最終巻に至るまで起こったことが、
    自分の中の過去の出来事のように感じられる。
    振り返ると、さまざまなことがあり、
    出会いがあり、そこから生まれる気持ちがあり。

    あぁ、生きて、人と繋がり、心通わせることは
    本当に素敵なことだなぁ、と
    喜びが胸に広がる作品だった。

    また、何度も読み返して、生きることの
    喜びを再認識したい。

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    2026年05月19日
  • 活版印刷三日月堂 雲の日記帳

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    三日月堂のシリーズ完結編。
    川越に戻り、たった一人で祖父の活版印刷所
    「三日月堂」を再開した月野弓子。
    訪れるお客さんや周りの人に支えられながら
    手探りで活版の仕事を続けてきた。
    「この先どう生きて行きたいか」
    彼女が自分の"夢"をやっと言葉にできたラスト、涙が溢れ止まらなくなった。

    星をつなぐ線
    街の木の地図
    雲の日記帳
    三日月堂の夢

    「街の木の地図」から「雲の日記帳」への流れがとても良かった。

    立花ゼミの三人は春休みに「川越の街をテーマに雑誌を作る」課題に取り組む。
    川越を巡り、木の思い出を街の人から聞き、一枚の紙の雑誌を作る。イラストマップが深緑色に活版印刷された「街の木の地図」はとてもきれいで…。

    「目に見える葉や幹の下に広がる木の根っこのように、言葉にも根っこがあるのかもしれない。
    残しておきたい思いがたくさん隠れている。」
     
    雑誌『街の木の地図』は古書店「浮草」で販売され、店主の水上は同人誌作りに夢中だった大学時代を思い出す。
    新人賞を取った後、書くことをやめた水上。
    久しぶりにやってきた友人の岩倉から「雲日記」の出版を持ちかけられて…「雲の日記帳」

    「水は雨や雪になって、地上を流れて、海になって、雲になる。わたしたち生きものの身体も水でできている。人が生きるのは、雲になる練習のようなものかもしれない。」

    シリーズに今まで登場した人たちが三日月堂に集まって水上さんの本作りを手伝う場面はまるで星の輝く銀河のよう!
    水上が弓子にかけた最後の魔法にニヤリとさせられた。
    この春に新生活を始めた人たちに、是非シリーズを通して読んで頂きたい。

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    2026年05月15日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    連句の会に行った時に紹介された本。予想したよりしっかり連句の話だった。主人公の祖母が亡くなってから、祖母の代わりに連句の会にお菓子を届けに行って、それから毎月通う話。3月から8月までの六話。お菓子も美味しそうだけど、おしゃべりしながらの連句の様子も楽しそう。連句の説明もわかりやすくて、その場にいて一緒に学んでいる気にもなる。とりあえず2巻で秋から冬を読まなくちゃ。その先も続いているらしいので、そちらも楽しみ。

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    2026年05月13日
  • 銀河ホテルの居候 満天の星を見あげて

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    銀河ホテルの第4作目、
    表紙の鮮やかさに、毎回素敵だなぁと思いながら読み始め、今回もインクを調べながら楽しく読ませてもらいました。
    調べるうちに、こんなにインクの種類があり、どの色も魅力的にかんじました。
    また苅部さんの昔が少し描かれているところに今後のストーリーが、広がっていくのかなと期待もあります。

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    2026年05月13日
  • 銀河ホテルの居候 満天の星を見あげて

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    いろんな人の生き様を見せてもらいました
    私も銀河ホテルの手紙室でワークショップを受けたくなりました〜

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    2026年05月10日
  • 銀河ホテルの居候 満天の星を見あげて

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    はぁ……胸がいっぱい。幸せな感情に満たされながら読み終えました。
    ほしおさん、作品を読むたびに「好きだなぁ」ってしみじみ思います。文章から人の温もりが感じられて、読んでいて心地いい。波立った気持ちが癒されていくのを感じられる。

    シリーズ第4弾は、文具店員男性、息子が成人を迎えるシェフ、ようやく挙式当日を迎える女性について描かれていました。

    謎に包まれた手紙室室長・苅部さんの過去に触れそうな予感にドキドキ……
    誰もが手紙室で自分の感情や過去に向き合い、新しい気持ちで次の日を迎える。主人公の心情の変化を追いながら、清々しい気持ちになりました。

    ほしおさんの描く人生の悲喜こもごもの物語には温もりがあり、希望がある。そして、読者を幸せな気持ちにさせるパワーを感じます。
    本作もとても良かった。
    ずっとずっとずーーーっと続いてほしいシリーズです。

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    2026年04月24日