ほしおさなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3つの話が収録されている。
1つ目
ホテルのオーナーの息子さんが、実家に戻りホテルで働くようになるまでの経過の話。
2つ目
夫に先立たれて介護施設で暮らしている主人公が、銀河ホテルに宿泊し、手紙室で手紙を書くことをきっかけに、自分自身と向き合い、人生に前向きになっていく。
3つ目
大学生の3人の女の子達が、人生の岐路に迷いながら、銀河ホテルの手紙室で手紙を書くことで、迷いを振り切り自分の人生を切り開いて行く様子。
銀河ホテルの佇まいから中のインテリアの様子、荘厳な雰囲気さえある手紙室、そして謎めいた雰囲気のあるホテルスタッフの苅部さん。
どの様子も完璧に絡み合って、想像以上に面白く -
Posted by ブクログ
人の心は、その人の出会い、言葉、経験、
そこから生まれた想いなど、
幾重にも重なっていて、本人にもわからないところがある。
なぜ、こんなことをしてしまったのか、
こんなことを言ってしまったのか。
ここに辿り着いたのか。
それは、その人の幾重にも積み重ねられた
歴史からくるものなのだろう。
登場人物は、実在ではないし、
当然会ったこともないのに、
なぜか、あぁそんなことがあったんですね。
そんな想いがあったんですね。
と、読みながら語りかけたくなるような
不思議な親近感があった。
自分も、誰かの積み重なる思いの中に
優しさを一枚折り込むことのできるような
そんな人になりたいと思った。 -
Posted by ブクログ
塗師の祖父がいて、今は金継ぎをしている千絵の人生を振り返るとともに、離婚した娘、進路に悩む孫・真緒と三世代の女性が描かれていました。
じんわり温かな気持ちが広がるラスト。
しばらく余韻にひたりました。
千絵のこれまで、そしてまたここからの人生に思いを巡らせ、未来への希望と期待感で爽やかな気持ちにもなりました。
この本は「金継ぎ」の文字に惹かれて手に取りましたが、金継ぎそのものだけではなく、漆器や漆について、漆の森のこと、漆掻きをする人のこと……広くその周りの世界までのぞくことができました。
読んでいて嬉しい、楽しい!
『日本には古来そうして生まれたあたらしい景色を楽しむという伝統がある。 -
Posted by ブクログ
銀河ホテルを巡るオムニバスストーリー。
人生の前の向き方、みたいなのが軸なのかな。手紙を書くためのインクにもたくさんフォーカスされてて少し珍しくて買いたくなった。
第1話
P98の、おじいさまの言葉がとても良かったです。
『与えられるのを待つんじゃなくて、手で触って足で歩いて生きるんだ〜〜』
第2話で、主人公の心理描写に、どこかに行かなくても楽しいことは全部自分の中にある、つらいことは全部濾過されて楽しいことだけが残っている
といったようなことが書いてあって、先日高齢の祖母と久々に会って旅行したときとリンクして、美しい気持ちだなと思い、思わずホロリ。わたしもそんなふうに過去を振り返ったとき -
Posted by ブクログ
活版印刷のこと自体、なーんにも知らないので、大丈夫かなあ?と少し不安になりながら手に取ったけど、とてもよかったです!
活版印刷の繊細さと、登場人物達の繊細な心のヒダがとてもよくマッチしていいい雰囲気です。
店主である弓子さんのミステリアスだけど、どこまでも人に優しい振る舞いに感激しました。
★世界は森
母子家庭の一人息子の進学という旅立ち。
母であるハルさんの喜びと寂しさ。
とても心に染み入りました。
★星たちの栞
多感で繊細な女子学生二人の心のやり取りに涙しました。
活版印刷について、自分でも少し調べました。
私の人生で、これから名刺やショップカードを作ることはないだろうけど、