ほしおさなえのレビュー一覧

  • 琴子は着物の夢を見る

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    ネタバレ

    着物の記憶が見える琴子の物語。

    戦争や空襲の記憶、そして後悔。苦く苦しい想いと記憶にふたを閉め、しまいこんでいた着物は、持ち主の死後、遺族によって見つけられる。たぶん着物も想いを秘めている。だからこそしまい込まれて、訴える相手長い間いなかった着物は、再度しまわれる前に琴子を夢へ誘ったのだと思う。

    さみしさとあたたかさの混ざる物語。

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    2025年08月10日
  • 言葉の園のお菓子番~大切な場所

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    大好きなシリーズの最新刊が出たので読みました。
    連句楽しそうだな。
    お菓子美味しそうだなと毎回、思いながら読んでいます。
    「ひとつばたご」でも若者達が、頑張りだしています。

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    2025年08月06日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    コロナ禍が少しずつ落ち着いてきて、新しい記念館がオープンする。お父さんの小説も復刊したりエッセイが本になったり。これまで積み上げてきたものが着々と形になっていく感じ。私が紙の文化に貢献できることってなんだろう。紙媒体の本を読み続けることとかかな。手紙とかカードを贈るとか。和紙のピアスも持ってたっけ。他にもあるかな。紙こもの市行ってみたいものです。

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    2025年08月01日
  • おかえり草 祓い師笹目とウツログサ2

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    『植物の妖怪のようなウツログサ』に囚われた人々と、ウツログサを祓う祓い師・笹目を描く連作集第二作。
    個人的には全体的に柔らかな雰囲気のこちらの方が良かった。

    一晩で消えてしまう光る草 オカエリソウ
    濡れないし触れない水 サザナミモ
    手の甲に広がる山なみと町 シンキロウゴケ
    大切な探し物をする夢を繰り返し見る マドロミソウ
    生まれた時から寄り添うもう一つの影 フタツカゲ

    今回も放っておくと危険なウツログサがあり、笹目に祓ってもらうものもあったが、全体的には前向きで温かい話だったのが良かった。
    印象的だったマドロミソウ、こういうタイプのウツログサもあるのかと、作家さんのアイデアに感心。私も最近

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    2025年07月27日
  • おかえり草 祓い師笹目とウツログサ2

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    オカエリソウ
    サザナミモ
    シンキロウゴケ
    マドロミソウ
    フタツカゲ

    不思議なウツログサ
    わたしには、きっとみえない

    シャワーをして、少しばかり覚めた頭で「感想」を読み返したら自分でも何を言ってるのかわからない……??
    ウツログサのどれかに憑かれていたのかもしれない ホントに?……

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    2025年07月22日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    ネタバレ

    別シリーズでほしおさなえ さんにドはまりして
    こちら2冊目。

    毎度思うが、日本語が本当にうつくしい。
    ほしおさんの言葉に対する感覚、センスが文章を通して伝わって来て、他では味わえないような心が満たされる感覚がある。
    日ごろ、私は、日ごろそこまで日本語に対して研ぎ澄まされた感覚がない。でも、ほしおさんの文章を通して、いつもは感じない語の海に浸れる。

    奇をてらった文章や構成ではないはずなのに、何気ない一語一語が心に染みいってくる。

    そして案の定、ラストでは涙ぐみながら読みましたとも。

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    2025年07月16日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    このシリーズのいずれの章でも、主人公と家との会話は書かれていたが、この本の第一話の古民家蕎麦懐石料理屋「とんからり」との会話はとても印象的だった。とんからりに住んでいた「マスミ」の生い立ち、結婚後の生活が明らかになるにつれて、喜んでいるような家の声は、読んでいても嬉しくなった。
    主人公のその後を書いた番外編を、今後読みたいなあと思わせる終わり方だった。

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    2025年07月15日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    「言葉の園のお菓子番」の4冊目。
    3冊目を読んでから1年以上が経っているので登場人物や連句の式目が覚束ないのではないかと思っていたが、程よい感じに説明が入っていてそれほど戸惑わずに読めたのはありがたかった。

    今回は、睡月さんから誘われた連句の大会が物語の中心。他のグループと一緒に半歌仙を巻くというイベントに皆で参加することになるが、そこから航人さんの過去の話に展開する。
    その人が今あるのは、歳を重ねていくつもの分岐点を経てその人の心持ちも変化成長してきたからだ、といったことがお話を通して描かれていたが、この歳になっても葛藤を抱えてなかなかそれなりの境地に到達しない我が身を思うといささか恥じ入

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    2025年07月12日
  • おかえり草 祓い師笹目とウツログサ2

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    ネタバレ

    1作目のウツログサシリーズよりも、おどろおどろしい感じがなく、どちらかというと優しい素敵な話が多かった。どれも、宿主を守るような存在なのが良かった。特に表題のオカエリソウが一番お気に入り。おじいちゃんも孫も見えるって!トトロみたいなもんだよ、きっと。悠真のお父さんはクソだけどな。続きも気になる。早く読みたい。

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    2025年07月09日
  • 銀河ホテルの居候 光り続ける灯台のように

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    シリーズ2作目。
    苅部さんの幼少期といいますか、過去がどんなだったのか少し描かれています。色んなホテルで1人で過ごしていくうちに、身につけたのかな?

    千色のインクやはり素敵だなぁ…。私はどの色でどんなことを描くのだろう。苅部さんとお話してそれが見えてくるのだろうか。

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    2025年07月09日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    4冊目までの本編を読破してひと息ついていました。5冊目の番外編は、ちょっと後回しにしてましたが、これも早く読めば良かった(;^ω^)。お母さんの短歌の回に、ぐっときた民だったので、あの話で1人疎遠になってた友達の裕美さん視点は思いがけないストーリーでした。
    過去編という事もあって、祖父・カラスの親父さんが活版印刷の作業に励んでいるところも胸熱。弓子さんのおぼろげな思い出から、だいぶ解像度も上がって、三日月堂がさらに素敵な場所に思えました。

    『―どんなときでも勇気を持って、元気に進もう。―原稿はそう終わっている。読みながら、そうだな、とうなずいた。結局、私たちにできるのはそれだけなのかもしれな

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    2025年07月07日
  • おかえり草 祓い師笹目とウツログサ2

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    〝植物の妖怪〟のようなウツログサに囚われた人々と、彼らの前に現れる祓い師・笹目をめぐる5つの物語集。1作目より今作のが好きかも。
    今回の作品の主人公達は、家族など身近な人からウツロ草を受け継いでいる。だからこそ、そこに人との繋がりを感じ、怪異と生きていくことを選択する。笹目はあくまでアドバイザー的な役割に徹していて、ウツロ草と共生しようとする人達を見守る。その温かな眼差しが素敵だなと思う。表題の「オカエリソウ」と「フタツカゲ」のお話が好き。

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    2025年07月05日
  • 梅、香る 琴子は着物の夢を見る

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    娘の残した振り袖に残る記憶は
    彼女しか知らない想いを
    琴子は読み取れるのだろうか

    周りの人が思い出すこともあって
    記憶って不思議なからくりみたい

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    2025年07月02日
  • 琴子は着物の夢を見る

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    リユース着物の店で働く琴子
    着物に残る記憶がほんのり視える彼女は、
    気になる記憶があるとついつい深入りしてしまう
    椿の柄の銘仙に残る記憶は……

    家の箪笥にしまったままの着物には
    何の記憶も無いんだろうなぁ きっと
    ほとんど着てなくて ごめんね

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    2025年07月01日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    コロナ禍を思い出しながら読みました。いろいろな立場の人たちの大変さを改めて認識できました。今人に会えるようになったこと、本当に良かったことです。ペーパーレスの時代なんだけど、やはり紙ベースがすきなんですよね。書類も必要なものはプリントアウトして持っていたい人間。本も電子書籍では無くて紙で読みたい。このシリーズ読むと、手紙とか書きたくなります。

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    2025年06月28日
  • 銀河ホテルの居候 光り続ける灯台のように

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    銀河ホテルの居候シリーズ第2弾。
    銀河ホテルの手紙室を舞台に、書くことで自分の思いと向き合う人々の物語。「長い黄昏」が特に心に響いた。

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    2025年06月16日
  • おかえり草 祓い師笹目とウツログサ2

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    植物の妖怪”のようなウツログサに囚われた人々と、
    彼らの前に現れる祓い師・笹目をめぐる5つの物語。幸せそうだと感じるウツログサが登場したり祓い師界のことも少し語られたりと色々謎だけれどでしゃばらない笹目がまだまだ謎。これからも続くのかな。祖父と孫、夫婦や親子、姉妹等今作は人間関係にも重きを置いていたようにも感じられた。

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    2025年06月15日
  • 銀河ホテルの居候 光り続ける灯台のように

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    シリーズ2作目
    今作もどの話もよかった〜
    私は特に1話目の長い黄昏がほろっと心に染みました
    3話目では謎多き苅部さん自身の事が少し語られていたりして。。
    次作も楽しみ!

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    2025年06月15日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    勤めていた書店が、閉店することになり実家に戻った「一葉」。本と本棚を入れるスペースが自室にはなかったため、生前祖母が使っていた部屋に置くことになった。
    祖母の部屋で本を片付けているとき、祖母のことを思い出す。
    「おばあちゃんはやさしかった。」
    祖母が使っていた本棚を見ると、俳句の本が目に留まる「そういえば、祖母は俳句をよく作っていた。いや、俳句じゃない。連句だ。」
    祖母は昔から毎月連句の集まりに通っていた。

    「いつか、一葉も一緒に行かない?」

    残念ながら日々の仕事に追われ行くことは叶わなかった。
    体調を崩し、入院した祖母が「ここから戻れなかったら、本棚にあるノートを見てほしいの。」
    そう言

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    2025年06月08日
  • 言葉の園のお菓子番~大切な場所

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    言葉の園のシリーズ第6弾。

    亡き祖母が通っていた連句会「ひとつばたご」と出合い連句を始めた一葉は、ブックカフェで働きながらもたくさんの人と交流もでき、さまざまな場に参加するようになった。

    若手歌人が結成した「きりん座」の大輔とも父の写真好きを通じて親しくなる。
    今回は、父の大学時代の頃の思いを知ることになった驚きや写真撮影を大輔と父が一緒にすることにより、以前よりも気になる存在になった感じがする。

    同人誌サークルで「坂道ノート」を販売したり、あずきブックスで朗読会を開催したり…と新たなことにも挑戦する。
    これもいろんな人と繋がりができたからだろう。

    毎月の連句会もいろいろな人と場を共有

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    2025年06月07日